給食経営 / 政策疫学 / 食事調査

■総合リハビリテーション学研究科 栄養支援系領域
黒川 通典 講師
1.主な研究内容について
誰もが健康で暮らせる社会のシステムを構築する、そのことを究極のテーマとして様々な観点から研究をすすめています。た
とえば、2000 年に厚生省(現厚生労働省)が妊娠の可能性のある女性等について葉酸を 1 日に 400μg 以上摂取することを勧奨す
る通知を出しましたが、調査したところ、そのことを認知している妊婦は半数に満たず、また知っていてもサプリメントの利用
で過剰に摂取している妊婦がいるなどの実態が明らかになりました。そこでそのことを踏まえた産科病院の指導のあり方の研究
や、個人で葉酸摂取量が判定できるツールの開発を行いました。また、特定給食施設が非常災害時に社会資源として機能するた
めにはどうすればいいかというようなテーマにも取り組んできました。
現在は様々な機関と連携し、害獣であるシカ肉、イノシシ肉の有効活用や、地元の食材を活用した商品開発、地方自治体にお
ける食育の推進、胃切除患者の食生活の再構築、ICT を活用した健康支援ツールの開発等、様々なテーマに取り組んでいます。
2.主な共同研究先
東京大学、大阪大学、大阪市立大学、国立循環器病研究センター、大阪がん循環器病予防センター、大阪府立呼吸器・アレル
ギー医療センター、聖バルナバ病院、大阪府、大阪府河内長野市、大阪府泉南郡岬町、長崎県対馬市、住友商事マシネックス株
式会社、株式会社グローカルフード、大阪ガス株式会社、シャープ株式会社、日本サブウェイ株式会社、みどり製菓株式会社
3.今まで指導した学位論文名
なし
4.主な論文
・黒川通典, 丸山広達, 伯井朋子, 宮崎純子, 木村明美, 西村節子, 北村明彦, 佐藤眞一:健診受診者を対象とした半定量食物摂取
頻度調査票の開発と妥当性及び再現性,日本健康体力栄養学雑誌,19(1), 38-51, 2014
・黒川通典,矢澤彩香,吉田幸恵,小川由紀子:大阪府岬町における住民の健康意識と食生活との関連,医学と生物学,157(4),
338-345,2013
・黒川通典,角谷千尋,吉田幸恵,小川由紀子:乳幼児の朝食と夕食の共食頻度とその関連要因,医学と生物学,157(2),170-175,
2013
・Kurokawa M,Yoshida Y,Ogawa Y:Association between dietary status and liver cancer in Misaki-cho,MEDICINE AND BIOLOGY,
156(12),845-850,2012
・黒川通典,黒川浩美,今井佐恵子,今木雅英,奥田豊子:給食対象者の栄養アセスメントとしての微量栄養素摂取量-妊婦にお
ける葉酸・カルシウム・鉄摂取の現状,微量栄養素研究,27,74-80,2010
・Kurokawa M,Miyake M,Tamura T,Yoshida Y,Imaki M:A study on the provision for stockpiling emergency food for vulnerable people
in the specified food service facilities,MEDICINE AND BIOLOGY,154(10),481-485,2010
・Maruyama K,Sato S,Ohira T,Maeda K,Noda H,Kubota Y,Nishimura S,Kitamura A,Kiyama M,Okada T,Imano H,Nakamura
M,Ishikawa Y,Kurokawa M,Sasaki S,Iso H:The joint impact on being overweight of self reported behaviours of eating quickly and eating
until full: cross sectional survey,BMJ,337,a2002,2008
5.現在の指導している大学院生数
M1:1 名、M2:1 名
6.どのような大学院生の受け入れを希望するか?
企業や自治体などの組織や地域住民を対象に研究活動を行うことが多いことから、誠実な態度、謙虚な姿勢で対応できること
が必要と考えます。また、研究は時間との戦いでもあります。スケジュール管理がしっかりとできることが望ましいと考えます。
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