2016年6月

KEYAK!
6月号
この時期のコメントで多いのは、子どもたちもすっかり園に慣れてきて~云々・・とい
うセリフが一般的ですが、私の個人的見解だと子どもたちの姿は決していつも右肩上がり
にはいかないようです。彼らの内面には様々な気持ちの揺れや葛藤のようなものが渦巻き、
どちらかといえば常に一定でないノコギリ型か波型が当てはまるのではないでしょうか。
これからもまだまだ様子をよく見守りつつかかわっていかねばと思っています。
先月の家庭訪問、ご協力のほどありがとうございました。子どもの中には、「きょう○
○先生のおうちにいくのー!」と嬉しそうに教えてくれる子もいました。この時はとっさ
に「すごいなぁ~。」と答えてしまったのですが、さらっと「そうか、今日○○ちゃんの
おうちに先生がくるんだねー。」と何気なく訂正してあげるのも役目かな、とも思いまし
た。雰囲気重視の私は子どもの発言をすぐ「それアリ!」にしてしまうのは悪いクセかも
知れません。
発言ついでにもうひとつ、巨大エンピツを作る過程で角材にカンナをかけました。薄く
クルクルっとなった木のくずを集め年長のもとへ。子どもたちはすぐ「なにそれ!?」と寄
ってきます。渡すと彼らは真っ先ににおいをかぎ、「わ、くさっ!」と一人が言うと、皆
次々に同じことを言い出します。
「何言ってんの?これは木のにおいだよ。」と一緒ににお
いをかぎはじめると、子どもたちは怪訝な顔をしてにおいをかぎながらも手の中のそれを
誰も手放そうとはしませんでした。私は子どもたちのこういった行動が大好きです。彼ら
にとって、クサイのも本当、手放せないのも本当なのです。一日のうちですぐに通り過ぎ
ていってしまうような出来事の中に、彼らにとっての小さな初体験や好奇心がちらばって
いるのです。
後の話で、このクラスの子たちは少し前に担任からどくだみの葉のにおいをかがされて
いたらしく、「わ、くさっ!」にはほのかな理由があったようです。どくだみの葉のにお
いをかがす担任もあっぱれですがそれはさておき、子どもたちにとってはどっちも本当。
やりたくないのも本当・やってみたいのも本当、おなかが痛いのも本当・治ったのも本当、
泣きたいのも本当だし笑顔でいたいのも本当。まだ経験値の少ない彼らの気持ちの育ちや
判断基準は、お父さんやお母さん、先生たちとの小さな体験やほんの少しのやりとりの中
において、子どもとしっかり向き合うことで伸び、培われていくのだと思います。向き合
うことで、大人には当たり前に感じることかもしれませんが、結構子どもたちは日々たく
さんのことに気付いたり、発見したり、体験していることに気付かされるはずです。
今月のねらい(育ってほしい姿や経験してほしいこと)
3歳
・園での生活のしかたや流れがわかり、できることは自分でやろうとする
気持が見られる。
・保育者に親しみ、自分の要求や気持を表す。(ぼくも!わたしも!)
・道具や遊びを媒介にしながら仲間の存在を知る。
4歳
・集団生活への抵抗がほぼなくなる。
・クラスの大部分の子どもを知っている。(名前やマーク、どんな遊びをしている)
・グループ単位の中で自由に会話ができる。
5歳
・集団の一員としての意識を持って行動できる。
(その中で自分が何をするかがわかっている)
・互いの力量、よさなどが認め合える。
・どんなメンバーの中でも自分の要求が言える。