高等学校「生物Ⅰ」学習指導案 1 単元名:「第3編 遺伝 2章 遺伝子と

高等学校「生物Ⅰ」学習指導案
埼玉県立所沢北高等学校
授業者 ○○○○
2年必修 2年○組教室
男子21名 女子19名 計40人
1
単元名:「第3編
2
この単元の目標
遺伝
2章
遺伝子と染色体」
遺伝子が 染色体上に存在することを 観察・実験などを通して探究し、染色体上の遺伝
子の位置 により、メンデルの独立の法則や連鎖・組換え 、伴性遺伝が起こる 仕組みを理
解する。
3
指導観
(1)生徒の学習状況
現在の高校2年生は、中学校では遺伝について ほとんど学習していない。そこで本単
元より前の「1章 遺伝の法則」では、メンデルが発見した遺伝の法則( 優性・分離・
独立の法則)を学び、 親から子へ遺伝形質が伝わる基本的な仕組みを学習している。
本単元では、メンデルの遺伝の法則に反した事例 を扱う。そして、遺伝子は実際には
染色体上に存在し 、その存在する位置によって 子への形質の伝わり方が変わる 連鎖・組
換え・伴性遺伝があることを 学習することになる。
(2)プレアンケート 「遺伝に関するアンケート」 調査(別紙1)
(1)を踏まえ、染色体と遺伝子の位置についてどの程度知識を持っているかを確認
するため、メンデルの遺伝の法則を学習した直後に 、本単元の学習内容である遺伝子と
染色体についてプレアンケート調査を行った。
その結果、予想通り遺伝子の染色体上での並び方を知らない生徒が多かった。また、
常染色体上に遺伝子が存在すると思っている 生徒が4割しかいなかったことから 、減数
分裂における染色体の動きと 、遺伝子の動きとを関連させて考えていないことが 推察で
きた。
(3)単元の指導観
( 1)( 2) を 踏 まえ 、 本単 元 で は 、 連 鎖 ・ 組 換え が 起 こる 仕 組 み を メン デ ル の法 則
が成り立つ遺伝と 比較しながら、次の①~③のように、視覚的な方法を用いて発問をよ
り効果的に、協議をより有意義に行い、生徒の思考力・表現力を高める 授業を進 めてい
くことにした 。
①
連鎖によって 、遺伝子がセットになって配偶子に分配される様子を 、カードや模型を
用いて示すことにより 、視覚的に理解できるようにする。
② 遺伝子の組換えの頻度が 、染色体上の位置によってどのように 変わるか発問し、模型
を用いた実験を基に協議を行い、組換え価が遺伝子間の距離を表すことを理解させる。
その際、発問に対する解答として、実際に観察することのできない染色体の動きを、
アニメーションを用いて示す。
③ ヒトの伴性遺伝(性染色体に含まれている遺伝子による遺伝) の事例を通して、他人
との性の違いや遺伝形質の違いについて協議を通じて考えさせ、ヒトという自分自身
について理解を深める。
各次における指導は 、以下の通りである。
第1次(1 時限)では 、メンデルの法則に従わない遺伝例を基に 、 染色体上に遺伝子が
存在し、さらに連鎖する場合があることを理解させる。 実際のヒトの遺伝子数を発問に使
用し、身近な例を基に考えさせる。
第2次 (2・3 時限) では 、 染色 体模型 やア ニメー ショ ンを用 いて 、連鎖 した 2つの 遺
伝子に組換えが起こる現象を理解させ、協議を通して組換え価が遺伝子間の距離を表す
ことを説明できるようにする。
第3次(4 時限)では 、実際にユスリカのだ腺染色体を観察させ 、 細胞学的地図と連鎖
地図の違いについて考察させる。実験レポートを作成させ、発展的な発問に対する答え
も記述させる。
第4次 (5・6 時限) では 、 性染 色体に 起こ る伴性 遺伝 の仕組 みを 学び 、 ヒト の伴性 遺
伝の1つである赤緑色覚異常について理解を深め、パッチテストなども実施し、身近な
例を挙げながら自分自身に伝わる形質がどのように現れているか協議を通して考えさせ
る。
4
学習指導要領と単元の対応
(1)生命の連続性
ア 細胞
イ 生殖と発生
ウ 遺伝
(ア)遺伝の法則
(イ)遺伝子と染色体
【単元】
第3編 遺伝
2章 遺伝子と染色体
1 染色体説・・・・・・・・・・・1時間
2 遺伝子の連鎖と組換え・・・・・3時間(本時3/6)
3 性染色体と遺伝・・・・・・・・2時間
エ 生命の連続性に関する探究活動
5
の
評
価
規
準
色
体
」
の
評
価
規
準
6
大項目と単元の評価規準
関心・意欲・態度
思考・判断
観察・実験の
技能・表現
知識・理解
大
項
目
「
(
1
)
生
命
の
連
続
性
」
生命の連続性に関す
生命の連続性に関す
観察、実験の技能
観察、実験などを通
る事象に関心や探求
る事象の中に問題を
を習得するととも
して、生命の連続性
心をもち、意欲的に
見いだし、観察、実
に、生命の連続性
に関する事象につい
それらを探究すると
験などを行うととも
に関する事象を科
ての基本的な概念や
ともに、科学的態度
に、実証的、論理的
学的に探究する方
原理・法則を理解
を身に付けている。
に考えたり、分析
法を身に付け、観
し、知識を身に付け
的・総合的に考察し
察、実験の過程や
ている。
たりして、事実に基
結果及びそこから
づいて科学的に判断
導き出した自らの
する。
考えを的確に表現
単
元
「
第
2
章
・遺伝子と染色体に
・遺伝子が染色体に
・だ液腺染色体を
・遺伝子が染色体上
関する事象に関心を
存在することを染色
顕微鏡観察する技
にあることを染色体
もち、意欲的にそれ
体の動きと関連付け
能を習得し、その
の動きと関連させて
らを探究しようとす
て考察する。
観察結果を的確に
理解し、知識を身に
表現する。
付けている。
する。
る。
遺
伝
子
と
染
・連鎖と組換え、連
鎖地図について理解
し、知識として身に
付けている。
単元の評価計画と具体の 評価規準 (6時間+定期考査)
◎印:評価規準に 照 らして 、「十分に満足 できると判断される」 状況( A)か、「おお む
ね 満 足 で き る と 判 断 さ れ る 」 状 況 ( B) か 、「 努 力 を 要 す る と 判 断 さ れ る 」 状 況
(C)を把握し、 単元の総括の資料とする。
○ 印 : 評 価 規 準 に 照 ら し て 、「 お お む ね 満 足 で き る と 判 断 さ れ る 」 状 況 ( B) で あ る か
ど う か だ け を 把 握 す る 。「 努 力 を 要 す る と 判 断 さ れ る 」 状 況 ( C) に な り そ う な 生
徒に対して、適切な働きかけや指導の手だてを行うことを特に重視したもので 、
単元の総括の資料とはしない。
(1)単元の評価計画
評価の観点
次
時
学習内容
間
①染色体説と遺伝子説について理
第
1
準備等
評価方法等
関心
思考
技能
知識
意欲
・
・
・
態度
判断
表現
理解
①図表
問題集
解する。
1
次
②遺伝子が連鎖しているときの遺
伝現象を理解する。
②図示
○1
○1
○1
○1
問題集
換えについて理解する。
生徒観察
机間指導
小テスト
③染色体の乗換えと、遺伝子の組
小テスト
③組換えと乗換
えの演示
問題集
第
2
次
2
・
3
(
本
時
)
小テスト
④組換え価の計算方法を理解す
る。
⑤組換え価を基に連鎖地図につい
⑥細胞学的地図について理解す
る。
3
⑦だ液腺染色体について理解す
4
④遺伝子位置と
組換えの実験
問題集
○2
◎2
○2
◎2
問題集
て理解する。
第
ワークシート
る。
小テスト
生徒観察
⑤連鎖地図の作
机間指導
成 ワークシート
⑥細胞学的地図
小テスト
⑦だ液腺染色体
の実験
レポート
◎3
○3
◎3
○3
次
生徒観察
机間指導
⑧性染色体による性決定について
理解する。
⑨生物によって異なる性決定の様
⑧性染色体の分
配の様式
⑨図表
式を理解する。
第
5
4
・
次
6
⑩伴性遺伝について理解する。
ワークシート
⑩ ショウジョウバエ の
伴性遺伝の図
問題集
問題集
○4
◎4
○4
◎4
生徒観察
小テスト
⑪ヒトの場合の伴性遺伝について
理解する。
机間指導
⑪赤緑色覚異常
血友病の系図
パッチテスト
小テスト
※
定期考査
小テスト
◎
◎
◎
(2)単元の具体の評価規準
関心・意欲・態度
観察・実験の
思考・判断
知識・理解
技能・表現
○1
○1
○1
○1
遺伝子と染色体に関
遺伝子が染色体に存
独立と連鎖時に形成
染色体説と、独立と
する事象に関心をも
在することを、染色
される配偶子を、遺
連鎖の違いについて
ち、どのような関係
体の動きと関連付け
伝子の記号を用いて
理解している。
にあるか探究しよう
て考察できる。
正しく表現できる。
○2
◎2(本時)
○2(本時)
◎2(本時)
独立・完全連鎖では
組換えが起こった比
組換え価を計算し、
連鎖・組換えについ
学 説明ができない遺伝
習 事象について興味を
活
動 持ち、どのような仕
に 組みか探し出そうと
お する。
け
る
単 ◎3
元 実際に生物内に含ま
の
具 れている染色体を観
体 察し、積極的に顕微
の 鏡観察やスケッチを
評
価 行い、染色体につい
規 て探究しようとす
準
率を実験値から組換
その結果を基に連鎖
て理解し、3点交雑
え価として計算し、
地図として表現でき
を繰り返すことによ
それが染色体上の遺
る。
り連鎖地図が作成で
とする。
伝子の位置を示して
きることを理解して
いることを考察でき
いる。
る。
○3
◎3
○3
だ液腺染色体の数や
だ液腺染色体を顕微
巨大染色体であるだ
形状・横じま模様な
鏡観察する技能を習
液腺染色体の本数や
どについて、常染色
得し、その観察結果
形状・横じま模様な
体と比較することに
を的確に表現でき
どを理解している。
よりその違いや意味
る。
を考察できる。
る。
○4
◎4
○4
◎4
伴性遺伝に関心を持
性染色体上に起こっ
性染色体上に起こっ
性染色体における遺
ち、ヒトを含めた動
た変異がどのように
た変異が子に伝わる
伝事象について理解
物の様々な遺伝の仕
子に伝わるかを、性
様子を、性染色体と
し、ヒトの事例につ
組みについて探究し
染色体と性決定の仕
遺伝子の記号を用い
いても知識を身に付
ようとする。
組みや、染色体説と
て表現できる。
けている。
関連させて考察する
ことができる。
7 本時の活動
(1)本時の目標
組み換え価の求め方と連鎖地図 との関係について理解する。
① 組換えが起こった比率を実験値から組換え価として計算し 、それが染色体上の遺
伝子の位置を示していることを考察できる。【思考・判断】
② 組換え価を計算し 、その結果を 基に連鎖地図として表現できる。【技能・表現】
③ 連鎖・組換えについて理解し 、3点交雑を繰り返すことにより 連鎖地図が作成で
きることを理解できる。【知識・理解】
(2)本時の展開
生徒の学習活動と学習内容
指導上の留意点
導
入
・
復
習
5
分
・2 個の遺伝子の間は連鎖
・2個の遺伝子が独立して
する場合がある。
いる場合と比較しながら連
・連鎖・組換えが起こって
鎖について復習する。
よって分かる。
・本時の目標を明確に伝え
)
・本時の目標を理解する。
る。
展
開
1
(
2
0
分
)
・実験値の例を基に組換え
・式を覚えさせるだけでな
価を計算する。
く、組換え価の値が何を示
・様々な検定交雑の値と組
すかを考えさせる。
た比率を組換え価として計
(別 紙 2 )
換え価から、2 個の遺伝子
・もともと連鎖している遺
算 で き る 。( B: お お む ね 満
机間指導
の関係(独立・連鎖・組換
伝子の組みを間違えないよ
足できる)
えの有無)を考察する。
うに留意する。
(
時配
評価の観点
評価方法
いるかどうかは検定交雑に
ウ○2【技能・表現】
実験値から組換えが起き
発問
ワークシート
【 発 問 】 ど う し て 組 み 換 え 価 は 理 論 上 50% を 超 え る こ と が 無 い の か 。
・ 自 分 の 考 え を ワークシート に 書
かせた後、班内で話し合い
をさせる。
・C の生徒への手立て
実験値によく似た値を用
いて、組換え価の計算方法
を示す。
展
開
2
(
2
0
分
)
・染色体の模型を用いて、
・乗換えが起こっても、組
組換え価が大きい場合・小
換えが起こらない場合もあ
さい場合と、2遺伝子間の
ることに注意する。
距離との関係を体感する。
イ◎2【思考・判断】
組換え価が染色体上の遺
(別 紙 2 )
と が 分 か る ( B)
机間指導
・発問について班で話し合
実験値から組換え価を計
の遺伝子間の距離と組換え
い、出された意見を班ごと
算し、それが染色体上の遺
価の関係を知り、3点交雑
に述べ、全体で共有し検討
伝子の距離を示しているこ
を用いた連鎖地図を作成す
する。
と を 考 察 で き る 。( A : 十
分に満足できる)
・C の生徒への手立て
組換え価が大きい場合と
小さい場合それぞれの2つ
の遺伝子間の距離を分けて
整理させる。
【発問】3 点交雑における組換え価が、遺伝子間の距離と一致しない場合がある。
( 例 ) A-B 間
7.0
B-C 間
9.0
A-C 間
14.0
このような場合は、どのようなことが考えられるか。
・遺伝子間が離れすぎてし
まうと2重乗換えが起こ
り、組換え価が実際の比率
よりも小さくなることがあ
る。模型を用いてどんな場
合か考えさせ、意見をまと
めさせる。
ワークシート
伝子の距離を表しているこ
・3遺伝子間となった場合
る。
発問
展
開
3
(
1
0
分
)
・3点交雑を用いて、モー
・キイロショウジョウバエ
ガンが実験したキイロショ
をモーガンが利用した理由
ウジョウバエの連鎖地図を
についても触れる。
作成する。
エ◎2【知識・理解】
連鎖・組換えについて理
ワークシート
解し、3点交雑を繰り返す
(別 紙 2 )
ことにより連鎖地図が作成
机間指導
・アニメーションを用いて
できることを理解してい
作成の仕方を示す。
る 。( B)
・図表を用いて完成した連
発問
3点交雑を繰り返し、連
鎖地図を確かめる。
鎖 地 図 を 作 成 で き る 。
( A)
・C の生徒への手立て
いくつか遺伝子の位置を
示し、別の遺伝子の位置を
組換え価から考えさせる。
ま
と
め
(
1
0
分
)
8
・本時の学習内容をまとめ
・机間指導を行い、生徒の
小テスト
る。
理解度を確認するととも
(別 紙 3 )
・まとめの小テストを行
に、計算に手が着かない
机間指導
う。
生徒の指導にあたる。
単元 を通し た発 問 ( 別 紙 4 )
メンデルの遺伝の法則や連鎖・組換え、伴性遺伝が起こる仕組みを理解した生徒に
とっても、答えるときに考えたり調べたりする問題となるように心がけた。そのため、
いくつか発展的な内容の発問も含まれている。
プレアンケート
生物Ⅰ「遺伝に関するアンケート」
【 今 回 の ア ン ケ ー ト は 、 成 績 に は 一 切 関 係 あ り ま せ ん 。 思 っ た と お り に 回 答 し て く だ さ い 。】
1.ある2つの遺伝子(A、B)は染色体上にどのように存在するか。存在する可能性が
あるものをすべて選べ。
①
②
③
A
A
④
AB
A
B
B
B
2.次のうち 、遺伝子が存在することのできる染色体はどれか。あてはまるものを全て選
べ。
① 常染色体
② X染色体
③ Y染色体
3.次のような遺伝子を持つ親から作られる配偶子の染色体の様子として 、可能性がある
ものをすべて選べ。(染色体複製時の突然変異は考えないものとする)
親
E
e
E
F
配偶子
①
f
②
③
④
E
E
E
F
E
e
E
f
E
⑤
⑥
e
e
E
F
⑦
e
e
E
⑧
e
f
組換え価
補足プリント
2年
組
番氏名
1 組換え価の計算演習
スイートピーの花の対立形質で、花の色において紫色と赤色、花粉の形において長いもの
と丸いものがある。これら対立形質は、紫花が赤花に対して、また長い花粉が丸い花粉に対
して、それぞれ優性である。紫花で長い花粉のものと、赤花で丸い花粉のものとをPとして
交雑し、F1を得た。
1 F1においてはすべて紫花で長い花粉になった。また、このF1どうし
で交雑し、F2を得たところ、その表現型は表1のような比になった。また、F1を、赤花で
丸い花粉のものと検定交雑し、得られた個体の表現型を、もっとも簡単な整数比にしたもの
が表2である 。この2 つの遺伝子間 の組換え 価を求めよ。
( 出 典 元 : 東 京 書 籍 生 物 Ⅰ 指 導 書 (生 Ⅰ 013) 付 属 DVD-ROM オ リ ジ ナ ル 評 価 問 題 集 )
2 グループ活動
【問】
【自分の考え】
【班内でのまとめ】
3 組換えの実験
~乗換えが起こる確率から~
総乗換え
氏名
回数
自分の回数
乗換えの回数
クラス 1 位
2 点間の距離
4 三点交雑
~モーガンと同じように染色体地図を作成してみよう!~
キイロショウジョウバエの変異型の遺伝子
b 黒色体
a 無触覚
c 曲がり翅
v 痕跡翅
* これらすべてが
0
5
10
15
T 短翅
S 星状眼
p 紫色眼
第Ⅱ染色体上で連鎖していることが分かっている
20
25
30
35
40
45
50
b-p
p-v
b-v
組換え価
6.0
12.5
18.5
遺伝子
p-r
r-v
p-v
組換え価
3.0
9.5
12.5
遺伝子
b– T
T-p
b-p
組換え価
35.5
41.5
6.0
遺伝子
T-a
a –S
T- S
組換え価
13.0
1.3
11.7
遺伝子
b–T
T- S
b– S
組換え価
35.5
11.7
47.2
遺伝子
c-r
r-v
c-v
組換え価
18.0
9.5
8.5
遺伝子
bpv
prv
bTp
TaS
bTS
crv
r 朱眼
( 出 典 元 : 独 立 行 政 法 人 科 学 技 術 振 興 機 構 「 理 科 ね っ と わ ー く 」 http://www.rikanet.jst.go.jp )
これらをまとめると
5 グループ活動
【問】
【自分の考え】
【班内でのまとめ】
2年
組
番
氏名
今日の内容(13)
2 つ以上の遺伝子が同一染色体上に存在するとき、これらは連鎖しているという。連鎖し
ている遺伝子に組換えが起こることがあり、遺伝子間の距離が離れているほど起こりやすい。
したがって、遺伝子の組換え価を計算すると、染色体上の相対的な位置関係を決めることが
できる。モーガンは、この方法でキイロショウジョウバエの染色体地図をつくった。
いま、
遺伝子A、B 、Cの検 定交雑を行っ て 、表の ような結果を 得た。
交雑組み合わ せ
分離個体数
AaBb×aabb
BbCc×bbcc
AaCc×aacc
組換え価(% )
〔AB〕
〔Ab〕
〔aB〕
〔ab〕
183
18
22
177
〔BC〕
〔Bc〕
〔bC〕
〔bc〕
71
25
30
94
〔AC〕
〔Ac〕
〔aC〕
〔ac〕
129
24
21
126
ウ
エ
オ
(1)文中の ア、イにあ てはまる語を 次の①~ ⑤からそれ ぞ れ 1 つず つ選べ。
①
分離
②
連鎖
③
乗換え
④
近い
⑤
離 れている
(2)表中の ウ~オに入 る数値として 最も適当 なものはどれ か。次の ①~⑧からそ れぞれ 1 つ
ずつ選べ。
①
5
②
10
③
15
④
20
⑤
25
⑥
30
⑦
35
⑧
40
(3)遺伝子 A、B、C の位置を次の 染色体上 のカ 、キ、ク で表すと 、どのように なるか。
カ
キ
( 出 典 元 : 2000 年 度
~分からなかったところ・良かったところ~
【解答】
(1) ア ②
イ⑤
(2) ウ ②
エ⑤
オ③
(3) A─キ、B ─カ、 C─ク
ク
センター試験生物ⅠB
本試験
第 4 問 B)
単元を通した発問
第1次(染色 体説)
①
ヒトの染色体は22対(44本)の常染色体と、1対(2本)の性染色体からなる。
ヒトの遺伝子が約3万個とすると、染色体上に約3万個の遺伝子はどのように存在する
か。【理解確 認】
1 本 の 染 色 体 上 に 遺 伝 子 は 複 数 存 在 す る 。( 性 染 色 体 上 に も 遺 伝 子 が 存 在 し な い と 乗 り き ら
ない。)
→
ヒトゲ ノムマップを 示す。
あ る 2 遺 伝 子 ( A、 B) の 交 配 に お い て 、 片 親 が 独 立 で 、 も う 片 親 が 連 鎖 し て い る よ う
②
な交配はあり えるか。【 理解深化】
ありえない。同じ種である限り、特定の遺伝子の座は決まっているため、注目する2つの
遺 伝 子 は そ の両 親 で どち ら も 独 立 か 、 ど ち らも 連 鎖 し て いる 場 合 しか な い 。( 染 色 体 突 然変異
の場合を除く 。)
第2次(遺伝 子の連鎖 と組換え)
連 鎖 し て い る 2 つ の 遺 伝 子 ( A、 B) 間 の組 換 え 価 が 5 0 % に 非 常 に 近 く な る 場 合 が あ
①
る。それはど んな場合 か。また 、逆 に0%に 近くなるとき はどんな 場合か。【理 解確認】
組換え価が50%になるのは、2つの遺伝子が独立の場合であるが、2つの遺伝子間が非
常に離れている場合には独立のときのような分離比を示すことがある。0%に近づくのは2
遺伝子間が非 常に近い 場合。
→
②
メンデル の7つの 形質の一部が この離れ ているケース にあたる 。
A-B 間の組換え 価 が5% 、B-C 間の組 換 え価が20% の時 、A、B、C の位置関係を 示
せ。【理解確 認】
A-B-C(A-C 間が25 %)と C-A-B(A-C 間 が15%)の 2つが考 えられる。( だから 、3
点交雑(組換 え価は3 つ)をする必 要がある。)
→
③
班内でお 互いの答 えを見せ合い 確認する 。
3 点交雑 における 組換え価が 、 遺伝子間 の距離と一致 しない場 合がある。
(例)A-B 間
7.0
B-C 間
9.0
A-C 間
14.0
このような 場合は、 どのようなこ とが考え られるか。【 理解深化】
乗 換 え ・ 組 換 えが 2 回起 こ り ( 2 重 乗換 え )、 見 た 目 に は 組 換え が 起 こ っ て い な い よう に 見
えるため、実 際の組換 えの頻度より も組換え 価が低くなっ ていると 考えられる。
→
アニメー ションな どで2重乗換 えの様子 を見せる。
第3次(だ腺 染色体の 観察)
①
細胞学的地図が3点交雑を繰り返してできた連鎖地図と一致しないのはなぜ
か。【理解確 認】
染色体には太い部分やくびれた部分があり、場所によって乗換えの起こりやすさが違うた
め遺伝子の配 列順序は 一致するが 、 遺伝子間 の距離は一致 しない。
→
②
実際にパ フが観察 できると染色 体の形が 分かってよい 。
何本の染色体が観察できたか。また、双翅類の幼虫のだ腺染色体では、通常の半数の
染色体しか観 察できな いのはなぜか 。【理解確 認】
相同染色体が 対合した 状態になって いるため 、体細胞の染 色体の2 分の1になる 。
→
③
アニメー ションな どで見せる 。
仮に、だ腺染色体の複製時に染色体突然変異(重複)が起こると 、しま模様や染色体
の形はどうな ると予想 できるか。【 理解深化】
重複が起きた部分のしま模様が増える。染色体自身はうまく対合できずに太く見える。
→
アニメー ションな どで見せる。
第4次(性染 色体と遺 伝)
①
雌雄で遺伝形質の現れ方に差があるとき、オスとメスではどちらに劣性形質が現れや
すいか。XY 型の 場合の 結果を述べよ 。【理解確 認】
X 染色体上 の遺伝( 伴 性遺伝)の場 合は 、オ スに劣性形質 が出やす い 。(Y 染色 体上の遺 伝
であっても XY 型 の場 合はオスにし か形質が 伝わらない 。)
→
いくつか の例を書 かせて考えさ せる。
② 三毛猫の オスは存 在するか。【 理 解深化】
三毛猫の 赤・黒 ・白 を 決める遺 伝子の うち 、 赤と黒を 決める 遺伝 子 は X 染色 体上に 存在 し
互いに優劣を 持たない ため 、赤と黒 が同時に 表現型として 発現する には X
場合以外にあ りえない (まれに X
赤
X
黒
Y の オスができる ことがあ る)。
赤
X
黒
というメ スの