シーズタイトル 氏名(所属、役職) H23 年度採択課題名、 (課題番号

シーズタイトル
バイオマス由来の石油代替化製品原料の製造技術開発
氏名(所属、役職)
研究責任者:川嶋
文人 (愛媛大学 農学部 准教授)
コーディネータ :矢野 慎一 ((株)テクノネットワーク四国
矢野)
H23 年度採択課題名、 糖類からのヒドロキシメチルフルフラールの効率的生成プロセスの開発
(AS231Z01699E)
(課題番号)
技術キーワード
フルフラール、ヒドロキシメチルフルフラール(HMF)
技術の概要
近年、バイオマスから有用物質であるヒドロキシメチルフルフラール(以下、HMFと記載)を製造する方法が多数検討されている。
このHMFは以下のようなものに利用できる可能性があると考えられている。
①
HMF誘導体(2,5 フランジカルボン酸)がポリエステル原料の代替物質と成りうる
②
HMFの誘導体は医薬原料としても有用であり、HMFは 2007 年にFDAより鎌状赤血球症の治療薬として認可されている
③
石油代替原料として燃料や化成品原料に変換が可能(HMFの還元により生成する 2, 5-ジメチルフランはガソリン代替燃料と
して使用でき、そのエネルギー密度はガソリンと同等)
合成方法としては、亜臨界、超臨界水での反応や、有機溶媒中での反応等があるものの、高温高圧プロセスが必要であったり、高
極性溶媒を使用するため、精製プロセスや、溶媒の再利用などで問題があった。今回開発した製造方法は、過激な条件や特殊な原
料を使用せず、グルコースを出発原料とした2層反応で行うもので、以下の特徴を有する。
・
グルコースに触媒を添加した水溶液中で簡便に HMF を生成(収率は約70%(理論収率に対して))
・
触媒として、酸(種類は問わない)、及び金属触媒を使用することで反応が進行
・
超臨界、亜臨界水を用いた反応ではなく、比較的穏やかな条件(160℃、10 気圧以下)で反応可
【製造方法の概要】
(例えばブタノール系、ケトン系)
水層で合成されたHMFを、そのまま放置
しておくと分解が進むため、有機層(分解
グルコース、及び触媒(酸、及びある金属触
抑制、抽出のため)に移送(この有機層に
媒(この金属触媒でしか反応が進まない))
ほとんどのHMFが含まれる)。
を添加し、160℃、十気圧程度で反応!!
図1.本製造方法の概要図
100
水層のHMFとグルコースの推移
有機層のHMFとグルコースの推移
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80
収率(%)
収率(%)
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40
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反応時間(分)
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反応時間(分)
図2.各層における残留物質、及び生成物質の反応時間による変化
反応条件:160℃、MIBK/H2O/硫酸 0.368%、金属触媒あり
想定される技術移転
・
・
HMFの合成方法
バイオマス由来化成品原料の製造技術開発
本技術に関する知的財産権
PCT/JP2012/066796
出願人:愛媛大学
「フルフラール類の製造方法、およびフルフラール類の製造装置」
【お問い合わせ先】㈱ テクノネットワーク四国(四国 TLO) 担当:矢野
香川県高松市丸の内2-5 四国電力本社ビル 本館4階
TEL:087(811)5039 FAX:087(811)5040 URL:http://www.s-tlo.co.jp E-mail:[email protected]