■総合リハビリテーション学研究科 生活機能・社会参加支援系領域 西川 智子 准教授 1.主な研究内容について 当事者(家族を含む)にとって重要で意味のある作業を探究し、生活の再構築に貢献できる研究を目指しています。 現在は、がん術後リンパ浮腫の自己管理について研究を進めています。研究の目的は、乳がん・婦人科がん術後患者つまりリ ンパ浮腫発症のリスクを持つ当事者にとって「楽に計測でき、歯磨きのように習慣化できる自己管理方法」を見つけることです。 現在、業務用体組成計および家庭用体組成計がリンパ浮腫の早期発見や経過観察に役立つのかどうかを検証しています。この研 究を通して、当事者の主体的な生活を創作することに貢献したいと考えます。 その他、軽度パーキンソン病患者の特徴的なADL困難を測定する尺度の開発にも携わっています。この尺度は、当事者(家 族を含む)の体験としての障害を丁寧なインタビューから捉えた研究を土台として開発されました。 今後も「当事者の体験としての障害」から「臨床像」を捉え、院生や他研究室ともチームを組んで、当事者の生活に貢献する 研究に取り組みたいと考えています。 2.主な共同研究先 ベルランド総合病院、株式会社オージースポーツ 3.今まで指導した学位論文名 <修士論文> (主担当)なし (指導補助) 『作業療法学生の面接能力と情動知能に関する研究』 『家族機能評価を導入した家族指導の効果に関する研究』 『介護予防教室における生活目標設定手法の導入効果に関する研究』 『HIV 感染者における神経認知機能と日常生活障害に関する検討』 『日常生活活動の観察から行う高次脳機能障害の評価(A-ONE)の信頼性と妥当性に関する検討』 4.主な論文 ・西川智子,高畑進一,島崎寛将,太千尋,細本愛子,戸松好惠,堀芽実: 「家庭用体組成計」を用いた続発性リンパ浮腫自己管 理法の有用性,Journal of Rehabilitation and Health Sciences,10,13-16,2012 ・西川智子,高畑進一,内藤泰男,立山清美,清水寿代:症例検討を用いた演習授業における思考過程可視化の試み,作業療法 教育研究,11(1),18-22,2011 ・西川智子,宮口英樹,日垣一男:スプリント製作中に観察された上肢動作の特徴-初心者動作を中心に-,広島大学保健学ジ ャーナル,8,15-26,2009 ・西川智子,宮口英樹,日垣一男,高畑進一,川上永子,巽絵理:スプリントを成型する際にかける圧力の特徴-熟練作業療法 士と作業療法学専攻学生の比較から-,四條畷学園大学リハビリテーション学部紀要,4,73-79,2009 ・西川智子,宮口英樹,日垣一男,高畑進一:作業療法士がスプリントを成型する際にかける圧力値の概観,Journal of Rehabilitation and Health Sciences,6,27-30,2008 5.現在の指導している大学院生数 なし 6.どのような大学院生の受け入れを希望するか? 「当事者が自ら生活を再構築する過程を支援する」という意図のもと、建設的に考え行動する方を歓迎します。研究を進めるに あたり困難に感じていることがあっても、まずはご相談ください。「何かが欠けていても実現する方向で話をする」姿勢を互い に持ち、研究を進めていきたいと考えています。 25
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