土浦市 公共施設等総合管理計画 概要版 公共施設管理に関する基本的な方針 本計画では、公共施設等管理の必要性を踏まえ、次のような管理の基本方針を設定し、目指す方向を目標 として定めます。 施設量適正化の推進 目標1 目標1 •公共施設のあり方や必要性について、市民ニーズや費用対効果などの面から総合的に評価を行い、施設 保有量の適正化を実現します。 長寿命化の推進 •今後も活用していく施設については、定期的な点検・診断を実施し、計画的な維持修繕を徹底し、長寿 命化を推進することにより、長期にわたる安心・安全なサービスの提供に努めるとともに、財政負担の軽 減と平準化を図ります。 目標2 目標2 適切な施設配置と民間活力の活用 •更新・統廃合により、適切な施設配置を進めるとともに、民間企業等の持つノウハウや資金を積極的に 導入し、施設の整備や管理における官民の役割分担の適正化を図り、財政負担の軽減とサービス水準の向 上を図ります。 目標3 目標3 公共施設等総合管理計画策定の目的・位置付け・計画期間 【計画の目的及び位置付け】 計画の目的及び位置付け】 本市の保有する公共建築物(ハコモノ)や道路、下水道などの都市基盤施設(インフラ)の多くは、高度経済成 長期の急激な人口増加と都市化に伴う行政需要の増大に応じて集中的に整備されたため、近年、老朽化が進み、近 い将来一斉に改修・更新時期を迎え、多額の更新費用が必要になると見込まれています。 人口減少社会を迎える中、将来にわたって持続可能な行政サービスを維持するため、長期的な視点を持って、更 新・統廃合・長寿命化などを計画的に行うことにより、財政負担を軽減・平準化するとともに、公共施設等の適切 な維持管理や最適な配置の実現を目的として「土浦市公共施設等総合管理計画」を策定します。 本計画は、行財政改革大綱などを踏まえ、公共施設等のストックを総合的に管理するための方針を示すものであ り、各公共施設等の「個別施設計画」を策定するための指針として位置付けられます。 【計画期間】 計画期間】 計画期間は、平成28(2016)年度~平成67(2055)年度の40年間とし、10年毎にローリングを実施します。 大分類 対象施設 施設量適正化の推進 公共施設等総合管理計画では基本方針のもと、公共施設保有総量(延床面積)の縮減目標を設定します。 今後40年間で人口動向を考慮した床面積の縮減と、施設の複合・集約化、長寿命化を進めることに より、公共施設(建築物)の施設総量(床面積換算)を現在の 現在の30 現在の30%縮減する 30%縮減することを目標とします。 %縮減する 今後40年間、現在の施設量を維持した場合、今の平均投資的経費(16.5億円)の3倍(49.8億円)の負担額が発生します。 そのため、改修・更新期間を60年から80年に長寿命化することにより、年間の改修・更新費を27.0億円に縮減します。 さらに、複合・集約化により施設量を30%縮減すると、年間改修更新費は18.9億円に縮減されます。 施設量を縮減し、長寿命化することにより、現在の施設量を維持した場合と比べ、30.9億円の縮減となります。 長寿命化及び複合・集約化による 更新・改修費縮減 (億円) 総人口の現状と動向 60.0 50.0 縮減効果額 40.0 22.8 3.01倍 30.9 30.0 49.8 20.0 年間必要額 現在の投資 的経費 1.15倍 1.64倍 27.0 10.0 18.9 16.5 0.0 現在の投資的経費 現在の施設量を維持 長寿命化による費用縮減 対象となる公共施設等は、市庁 舎や公民館、学校などの建築物施 設214施設と、駐車場や公園など の、非建築物施設66施設、およ び道路、上水道、下水道などのイ ンフラ施設で、右に示す保有資産 を対象としています。 施設量30%縮減 建築物施設 公共施設(一般施設) 非建築物施設 インフラ施設 (人) 150,000 「土浦市まち・ひと・しごと創生 人口ビジョン」の人口ビジョンに よると、平成67年における土浦 市の人口は、112,609人であり、 平成27年の141,638人と比較 すると、40年間で29,029人減 少し、平成27年の79.5% (20.5%減)になると予想され, より一層の人口減少が進行すると 予想されています。 計画の推進 個別施設ごとに利用度、維持管理コスト、老朽化度などを把握し、施設評価における基礎的データとして 活用するとともに、情報の一元化・見える化を図ります。計画を推進するため、組織横断的で全庁的な推進 本部を立ち上げ、その推進体制(組織)のイニシアチブの下、調整を図りながら、公共施設等を類型別に分 析を行い、市民ニーズの集約と政策適合性を考慮し、長期的な施設管理を適正に推進していきます。 8.4% 12.5% 保健・福祉施設 保健施設、社会福祉施設、高齢福祉施設、障害福祉施設 住宅施設 公営住宅 子育て支援施設 保育所、児童館等、幼稚園、児童クラブ 学校教育施設 小学校、中学校 行政施設 庁舎等、その他行政施設 消防施設 消防署等、分団車庫 交通施設(建築物有) 駐車場、自転車駐車場 交通施設(建築物無) 駐車場、自転車駐車場 広場・公園施設等 運動広場、都市公園、霊園 道路(市道) 一般道路(一級、二級、その他)、自転車歩行者道 橋りょう PC橋、RC橋、鋼橋、石橋、その他 上水道 導水管、送水管、配水管 下水道 コンクリート管、陶管、塩ビ管、更生管、その他 給排水・処理施設 農業集落排水施設、ポンプ場、配水場、最終処分場 推計値 実数値 H27年:141,638 将来人口動向 20.5%減少 20.5%減少 H67年:112,609 110,000 90,000 70,000 50,000 S55 S60 H2 H7 H12 H17 H22 H27 H32 H37 H42 H47 H52 H57 H62 H67 経過年数別の整備状況 公共施設の延べ床面積割合 1.4% 文化施設、生涯学習施設、スポーツ施設、観光・交流施設 130,000 公共施設の床面積縮減率の算出方法 ア 廃止施設及び廃止検討中の施設 (35,985㎡、全体の8.4%) 現在、本市には、市本庁舎の移転などに伴い、既に廃止された施設及び廃止を検討している施設35,985㎡があります。 イ 人口減による施設利用の減少見込み (66,721㎡、全体の15.6%) 市民一人当たりの公共施設の床面積を維持した場合、今後40年間で年少人口(0~14歳)が11%、15歳以上の 人口が22%減少することが見込まれることから、施設の床面積を人口減少率に合わせて縮減すると、15.6%程度の 床面積を削減することが可能です。 ウ 更なる公共施設の利用効率化 (25,735㎡、全体の6.0%) *努力目標 上記に加え、施設の効率利用の観点から、市民利用への影響が少ない行政施設や、市民利用の少ない施設を中心に、 複合化や集約化、施設の民営化などにより、さらに全床面積の6.0%相当を縮減することを目標とします。 小分類 コミュニティ・文化施設 5.6% 3.0% 3.2% コミュニティ・文化施設 保健・福祉施設 16.1% 16.1% 18.7% 13.5% 10~ 10~20未満 20未満 子育て支援施設 20~ 20~30年未満 30年未満 17.4% 学校教育施設 消防施設 3.8% 交通施設 30~ 30~40年未満 40年未満 40~ 40~50年未満 50年未満 行政施設 38.5% 10年未満 10年未満 住宅施設 50年以上 50年以上 41.8% ・施設別の整備状況をみると、学校教育施設が38.5%で最も高くなっています。 ・経過年数別の整備状況をみると、30~40年未満が41.8%で最も高くなっています。 年度別整備状況 公共施設の改修・更新費用の見通し 旧耐震基準 (㎡) 80,000 新耐震基準 76.186m² 公共施設の更新・改修コストを算出※した結果、公共施設(公園を除く)の更新について、今後40年間で、年平均 49.8億円の費用がかかることが試算されます。一方で最近5年間の大規模事業を除く投資的経費は年平均額約 16.5億円です。従って年平均支出額に対し、年間33.3億円の財源が不足すると予測されます。 交通施設 公共施設面積年度別推計 消防施設 70,000 ※算出条件は総務省「更新費用算出ソフト」に則り、「改修費(大規模)は30年周期、更新費(建替え)は60年周期で実施」と設定 行政施設 学校教育施設 60,000 住宅施設 30.934m² 40,000 交通施設 消防施設 行政施設 学校教育施設 子育て支援施設 住宅施設 医療保健福祉施設 コミュニティ・文化施設 (億円) 子育て支援施設 39.365m² 50,000 100 80 保健・福祉施設 コミュニティ・文化施設 60 30,000 今後40年間年平均改 修・更新費(49.8億 円) 40 20,000 財源不足額(33.3億円) 20 0 0 最近5年間年平均改 修・更新費 (16.5億円) H28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 10,000 市民意識 年度別の整備状況をみると、昭和49年以前に建てられた施設が多く、次いで平成9年、昭和60年の順となっ ています。 計画の策定にあたって、市民サービスを提供する公共施設の利用状況や今後のあり方に関する市民の意識を 把握するため、平成27年12月に市民3,000人(無作為抽出)によるアンケートを実施いたしました。 5.5% ・「今後の人口減・税収減、施設の老朽化 による更新費用の増大を踏まえ、今後の 施設のあり方についてお答えください。」 という問いについて、回答者全体のうち 「縮減を図るべき」が49.5%、「現状 維持を優先」が35.2%を占めました。 財政の状況 (億円) 600.0 歳出の推移 523.7 500.0 419.4 447.4 451.6 465.9 400.0 300.0 200.0 100.0 195.8 216.7 49.2 27.3 54.9 55.6 86.5 93.0 H17度 H18度 27.5 60.3 491.6 491.6 200.6 536.1 497.5 179.2 228.0 195.4 44.9 56.0 44.2 55.4 59.1 55.1 48.8 49.0 65.3 69.2 87.3 92.2 90.4 88.8 94.9 94.8 95.7 H19度 H20度 H21度 213.4 31.6 56.4 59.8 210.8 548.7 190.5 192.8 今後も拡充する(増やす)ことを考えるべきで ある 工夫をしながら現状維持を優先的に考えるべ きである 35.2% 施設保有数の縮減を図るべきである その他 49.5% 無回答 投資的経費 86.3 112.8 公債費 46.8 48.1 扶助費 94.1 93.9 102.1 人件費 95.6 95.0 92.9 79.6 109.7 H23度 H24度 H25度 H26度 (1)歳入 歳入は平成26年度564.5億円で、過去10年間では453.0~564.5億円で推移しており、地方税は、 平成19年度251.7億円から平成22年度229.5億円に減少しましたが、その後は安定推移となってい ます。 (2)歳出 歳出は平成26年度548.7億円で、過去10年間では419.4~548.7億円で推移しており、投資的 経費※1、扶助費※2が増加傾向にあります。 ※1 ※2 3.9% その他 0.0 H22度 5.9% 投資的経費:公共施設、道路の建設や用地購入など社会資本の形成に資する経費。 扶助費:社会保障制度の一環として生活困窮者、高齢者、児童、障がい者などに対して行う支援に要する経費。 ・「コスト縮減や財政確保に向けた取組み について、どのように進めていくべきで しょうか。」という問いについて、 「利用状況を踏まえながら施設集約し、 維持・建替え費用を縮減する。」という 回答が35.1%、「民間ノウハウを活用 し、管理費用を縮減する」という回答が 32.6%を占めました。 1.9% 施設利用者の負担(利用料金)を増やす 4.7% 9.3% 35.1% 公共施設以外の事業を見直し、その分の財源 を施設の修繕・建替え費用にあてる 16.5% 民間のノウハウを活用(業務委託、指定管理者 制度、民営化等)し、管理運営費用を縮減する 利用状況を踏まえながら、複数の施設を集約 し、維持・建替え費用を縮減する その他 32.6% 無回答 インフラ施設の更新費用推計及び基本的な方針 インフラ施設は、社会基盤として重要な役割を担っていますが、現在の施設を維持した場合、年平均74.2 億円の費用がかかることが試算され、最近5年間の年平均改修・更新費と比較すると、年間約31.3億円が不足 すると予想されます。 インフラ施設は、現状、総量の縮減は困難ですが、最新の知見・技術の導入、長寿命化の推進、適切な施設 配置と民間活力の活用により、財政負担の軽減と平準化、サービス水準の向上を図ります。
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