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新養校長室より
運動会で育むもの
H28.6.16.THU.
6月4日(土)に運動会を開催しました。運動会のねらいは「一人ひとりが自分のめあて
と活躍の場をもち、個人種目やいろいろな団体種目を通して達成感を味わえるようにする。」
でした。「自分のめあて」はこの競技をがんばろうというものですが、個人種目や団体種目
の設定は各学部の教員が、その子が全力を出せることをイメージして行います。ですから、
同じ種目でも同じ内容のものはあまりありません。走る距離やコースが違い、走る内容が違
います。例えば、直線を走る子、トラック半周走る子、トラックから出て山の斜面を走る子、
10mを車いすから降りて「走る」子、車いすからメッセージを示す子など様々ですが、み
んな全力を出しているのが分かります。きっと、達成感を味わったことと思います。
また、いろいろな役割を持った子どもたちも登場してきます。組頭、応援団長を筆頭とす
る応援リーダーたち、開閉会式であいさつを述べる生徒会長、開閉会式を進めるアナウンス
役の子どもたち、ラジオ体操をみんなの前で示範する子どもたち・・・。さらに今年は競技
の準備が整ったら、応援リーダーが黄色い旗を振って、本部に知らせるという役割も設定し
ました。普段決して大声を出さない高等部の生徒が大きな声で応援をしていました。あいさ
つを述べた会長がにっこり指揮台の上で微笑みました。練習を繰り返すほど、アナウンスは
滑らかになりました。みんな自分の役割をやり遂げたことで達成感を味わったと思います。
子どもたちが全力を出せる課題を設定するのは簡単ではありません。簡単すぎれば、達成
感は得られないし、難しすぎれば逆に失望感を得ることになってしまいます。ここに、特別
支援学校の教員の力量が試されると思います。またどのように支援すればその子に成功体験
を持たせられるかということも大事です。支援はできるだけ少なくし、その子が自分でやっ
ている、また自分でやってこうなったという意識を持たせたいものです。教師が子どもの手
を持ってうまくやることと、子どもがあまりうまくはないけど一人でやることでは、どちら
に達成感があるでしょう。
普段は見られない子どもたちの姿を見られるのが、運動会の醍醐味のひとつかと思います。
こんなににこにこしていたっけ?こんなに集中できるんだ。こんなに大声出せるんだ。こん
なに・・・。そんな素敵な姿を、保護者の方はうれしそうに見ていました。高校生のボラン
ティアの生徒さんが子どもたちを誘導してくれたり、用具の出し入れをしてくれました。普
段お世話になっている関係機関の方も、休日にも関わらず参観に来ていただきました。卒業
生のみなさんも応援に来て、楽しいひと時を過ごしていました。こんな子どもたちが、一生
懸命に学習しているということを、たくさんの地域の方に知っていただけたらというのが、
校長の願いでもあります。でもとても達成感を味わえた運動会だったと思います。