2016年6月調査 日銀短観 予測[PDF 520 KB]

-2016年6⽉調査 ⽇銀短観 予測-
客員エコノミスト 宅森昭吉 コメント
―⼤企業・製造業の業況判断DIはQUICK上昇、ロイター下降から、⽇銀短観横這いを予測―
―⽇銀短観・⼤企業・製造業の業況判断DIは13期連続で「良い」超のプラスにはなろう―
日銀短観とロイター短観(200・400社ベース)
(大企業)の業況判断DI比較
(出所)⽇本銀⾏、トムソン・ロイター
●6⽉調査⽇銀短観では、⼤企業・製造業の業況判断DIが+6と3⽉調査の+6と同⽔準になると予測する。
円⾼の影響や景気に対する閉塞感・不透明感から、昨年6⽉調査の+15からは低い⽔準にあるものの、13期連
続で「良い」超のプラスにはなり、景気の底堅さを⽰唆しよう。
●⼀⽅、⼤企業・⾮製造業の業況判断DIは+18程度と3⽉調査の+22から4ポイント程度低下しそうだ。
インバウンド消費の勢いが鈍化した⼩売などが弱含みそうだ。原油価格が低⽔準ながら限界的には上昇していることは
運輸・郵便業の弱含み要因になりそうだ。但し20期連続で「良い」超のプラスになろう。
●この予測は、⽇銀短観DIと連動性が⾼いことが知られている6⽉調査のロイター短観、6⽉調査のQUICK
短観などを参考にした。
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本レポートは、投資判断の参考となる情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。投資判断に
関しましては、お客様ご自身の判断でなさるようお願い致します。
このレポートに記載された内容は今後予告なく変更されることがあります。また、SMBCフレンド証券は、このレポートに記載
された内容に関し、正確性・完全性を保証するものではありませんのでご了承ください。
●6⽉21⽇に発表されたロイター短観6⽉調査の調査期間は6⽉6⽇から6⽉16⽇となっている。400社
ベースの製造業の業況判断DIは3⽉調査の+6から3ポイント低下の+3となった。⼀⽅、⾮製造業DIは3
⽉調査の+24から7ポイント低下の+17となった。内訳をみると、不動産・建設は+44と3⽉調査の+35か
ら上昇した。⼩売は0で3⽉調査の+14から14ポイント低下した。運輸・電⼒等は3⽉調査の+14から14
ポイント低下し0となった。なお、200社ベースの製造業の業況判断DIは3⽉調査の+8から2ポイント低下し
+6となった。⼀⽅、⾮製造業DIは3⽉調査の+25から14ポイント低下の+11となった。
●また、6⽉20⽇に発表されたQUICK短観6⽉調査の調査期間は6⽉1⽇から6⽉15⽇である。製造
業の業況判断DIは3⽉調査の+5から4ポイント上昇の+9となった。また、⾮製造業DIは3⽉調査の+2
9と同じ+29となった。ロイター短観と違い、QUICK短観は低下しなかった。
●⼤企業・製造業の業況判断DIが+6程度と予測通りなら、3⽉調査の「先⾏き⾒通し」+3を3ポイント上回
ることになる。また⼤企業・⾮製造業が+18程度と予測通りなら、3⽉調査の「先⾏き⾒通し」+17を1ポイント
上回ることになる。⾜元の景況感が事前の予想より製造業、⾮製造業とも上振れることとなろう。
●ロイター短観の9⽉までの「先⾏き⾒通し」は、製造業・400社ベースで+4と6⽉実績の+3より1ポイント改
善、⾮製造業・400社ベースの9⽉までの「先⾏き⾒通し」は+20と、6⽉実績の+17から3ポイントの改善
予想である。QUICK短観の製造業の9⽉までの「先⾏き⾒通し」は+10で6⽉実績の+9より1ポイント改
善の予想、⾮製造業の「先⾏き⾒通し」は+29で6⽉実績の+29と同⽔準の予想である。
●⽇銀短観の⼤企業・業況判断DIの9⽉までの「先⾏き⾒通し」は、ロイター短観やQUICK短観や最近の経
済動向などを参考にして、製造業で6⽉実績⽐1ポイント改善の+7程度、⾮製造業は6⽉実績⽐2ポイント改
善の+20程度と予測した。
●6⽉調査⽇銀短観の中⼩企業の業況判断DIは製造業が3⽉調査の▲4から3ポイント悪化の▲7程度、
⾮製造業が3⽉調査の+4から3ポイント悪化の+1程度と予測した。商⼯中⾦・中⼩企業景況判断指数や景
気ウォッチャー調査の企業動向関連の現状⽔準判断DIなどを参考にして予測した。
●参考データの商⼯中⾦の中⼩企業⽉次景況観測の景気判断指数は直近5⽉分で製造業が44.7(3⽉
分47.9、4⽉分46.1、6⽉予測47.0)で、⾮製造業は5⽉分が46.4(3⽉分49.5、
4⽉分49.2、6⽉予測48.0)となっている。
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本レポートは、投資判断の参考となる情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。投資判断に
関しましては、お客様ご自身の判断でなさるようお願い致します。
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●景気ウォッチャー調査の企業動向関連の現状⽔準判断DIの最近の推移は製造業が2⽉調査45.1、3⽉
調査45.7、4⽉調査42.5、5⽉調査41.5で、⾮製造業は2⽉調査46.0、3⽉調査46.
7、4⽉調査46.2、5⽉調査43.5となっている。なお、⽇銀短観は⽔準の調査なので、景気ウォッチャー調
査の⽅向性の現状判断DIではなく参考データの現状⽔準判断DIの⽅を重視した。
●⽇銀短観の中⼩企業・業況判断DIの9⽉までの「先⾏き⾒通し」は、⼤企業のようにやや先⾏きを改善と⾒る
企業がある⼀⽅で、依然先⾏きの景気にやや不安を感じている企業も多いとみて、製造業で6⽉実績⽐1ポイント
悪化の▲8程度、⾮製造業は6⽉実績⽐6ポイント悪化の▲5程度と予測した。⾮製造業では先⾏きを慎重にみ
るというクセも考慮した。
●2015年度の⼤企業・全産業の設備投資実績は6⽉調査では前年度⽐+7.8%程度と、3⽉調査の実
績⾒込み同+9.8%から鈍化すると予測した。過去の修正パターンや、最近の設備投資計画調査などを参考に
予測した。
●2016年度の⼤企業・全産業の設備投資計画は前年度⽐+3.4%程度と、3⽉調査の同▲0.9%か
ら上⽅修正されると予測した。過去の修正パターンや、最近の設備投資計画調査などを参考に予測した。
●2015年度の中⼩企業・全産業の設備投資実績は6⽉調査では前年度⽐+5.9%程度と3⽉調査の
実績⾒込み同+3.9%から上⽅修正されると予測した。中⼩企業の設備投資計画は例年3⽉調査が弱く、その
後は1年後の3⽉調査まで調査の度に改善していく傾向があることなどを参考にした。
●2016年度の中⼩企業・全産業の設備投資計画は前年度⽐▲13.3%程度と、3⽉調査の同▲19.
3%から上⽅修正されると予測した。過去のパターンや、最近の設備投資計画調査などを参考に予測した。
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<6⽉調査⽇銀短観・予測値>
1)⼤企業
6⽉製造業DI
+6
6⽉⾮製造業DI
+18
9⽉製造業DI
+7
9⽉⾮製造業DI
+20
2015年度設備投資実績(全産業)
前年度⽐ +7.8%
2016年度設備投資計画(全産業)
前年度⽐ +3.4%
2)中⼩企業
6⽉製造業DI
▲7
6⽉⾮製造業DI
+1
9⽉製造業DI
▲8
9⽉⾮製造業DI
▲5
2015年度設備投資計画(全産業)
前年度⽐ +5.9%
2016年度設備投資計画(全産業)
前年度⽐ ▲13.3%
(6⽉21⽇現在)
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