コチラ

4 月分月間報告書
1.生活の状況
予想よりも多くの桜を見て、
最高気温が 15 度を超える週と、軒並み一桁の週とを繰り返すなか春を感じています。中で
もやはり、サマータイム制も相まり 4 月からいきなり日中が長くなったことで、お店が営
業を再開したり、さまざまな施設の開館時間が延びたりと、いよいよ冬との違いを実感し
ています。昼と夜、平日と週末におけるオン・オフの線引きに加えて、夏期と冬期の間に
も強いメリハリがあります。日本では冬から春にかけて、新年度やそれに伴う別れと出会
いの心象など、人為的な区切りが強くあるため、それがないドイツでは自然的な差異がい
っそう目につくのだと思いました。
4 月の終わりには、中部ドイツのブロッケン山で、ドイツの伝統的なお祭りであるヴァルプ
ルギスナハトを見てきました。年に一度の魔女の集会がモチーフとされているこのお祭り
ですが、元来キリスト教以前のドイツ民俗宗教のなかで、春をお祝いするお祭りだったよ
うです。お祭りを見るついでに同じ地方のゴスラーという中世に鉱業で発展し皇帝居城も
おかれた都市を観光したのですが、こんな小さな都市が一時期商業にも政治にも強い影響
力を持っていた、というのは不思議な感覚でした。今まで旅行したどの都市でも襲われて
いた感覚ですが、昔の街並みが多く現代に存在するドイツだからこそ、その面影を残さな
い日本を歩いてきた私の価値観で考えてしまい、尺度のズレが生じるのかもしれません。
2.勉学の状況
今期は何としても学部授業の単位がほしいため、留学生用のドイツ語学コースの受講はあ
きらめ、逆に興味のある専門分野の授業に片っ端から出席していました。修士過程の学生
しかいないゼミナールや、私のドイツ語力では半分も聴き取れない教授の講義は断念しま
した。
こちらでは学生でない一般人の方でも、シラバスを見てその時間その教室にすわれば講義
を受けることができるので、聴講生が多くいます。特に歴史の講義では半分以上が聴講生、
特にお年を召した方が席を占めています。歴史の授業の中で意欲的に質問をするのもそう
した聴講のみの方がほとんどです。そのレベルまで理解していない私が出席名簿に出席署
名をするたびへこむ毎日ですが、同時にそのような方の成す、純粋な歴史おもしろい!の
空気の中で勉強でき幸いを感じる毎日でもあります。今期は、
中世史も、中高ドイツ語も、理系棟で受けている地理学の授業も、全て本当に面白く、こ
こにきての僥倖に感謝です。まだまだドイツ語のネックは大きいですが、残り 3 ヶ月、ハ
イデルベルクでの授業に挑んでいきたいと思います。