西予市都市計画マスタープラン等策定業務仕様書 1.委託業務の名称 西予市都市計画マスタープラン等策定業務 2.業務目的 当市の都市計画マスタープランは、平成 19 年 3 月に策定され、目標年度を平成 37 年 とし、短期的な目標年度として西予市総合計画の目標年度である平成 27 年度を設定し ており、将来人口の目標を平成 37 年度 37,000 人・平成 27 年度 42,500 人と設定して いたが、平成 27 年度の国勢調査では 38,927 人と、実際には想定以上に人口減少が進 んでいる。 当市では、高齢化率が平成 37 年には 42.1%と予測され、人口減少や少子高齢化が一 層進むと予測されており、医療福祉や子育て支援、商業等の生活サービスの低下、空き 家・空き店舗の増加による生活環境の悪化、公共交通のアクセス機能の低さ、公共施設 の維持、管理による財政の圧迫等といった問題が顕著に表れている。 また、防災面では、温暖化による異常気象のほか、東日本大震災・平成 28 年熊本地 震など過去に経験の無い災害が起きており、30 年以内の発生確率が 70%と予測される 南海トラフ巨大地震等への対策も検討が必要とされているが、計画を見直しされる事は 無かった。 本業務は、こうした背景と課題を踏まえ、当市の地方創生推進とまちの賑いを持続可 能なものとするための、「都市計画マスタープラン」と、「立地適正化計画」、そして地 域間を結びつける「地域公共交通網形成計画」の3つの計画を策定することを目的とし ている。 3.履行区域 履行区域は、西予市全域とする。 4.契約について 各年度次の契約による業務とする。 【平成28年度】 (1) 西予市都市計画マスタープラン変更委託業務 (2) 西予市立地適正化計画策定委託業務(調査) (3) 西予市立地適正化計画策定委託業務(検討) (4) 西予市地域公共交通網形成計画策定支援業務 【平成29年度】 (1) 西予市都市計画マスタープラン変更委託業務 1 (2) 西予市立地適正化計画策定委託業務 5.履行期間 契約締結日から平成 30 年 3 月 21 日(水)までとする。 ※地域公共交通網形成計画については、平成 29 年 2 月 28 日(火)までとして、平成 28 年度中に策定・公表するものとする。 6.準拠する法令等 本業務を遂行するため、下記の法令や計画等に基づき実施するものとする。 ①都市計画法 ②都市再生特別措置法 ③建築基準法 ④都市計画運用指針 ⑤地域公共交通の活性化及び再生に関する法律及び同法施行令 ⑥道路運送法及び同法施行令 ⑦個人情報保護に関する法律 ⑧第2次西予市総合計画 ⑨西予市まち・ひと・しごと創生総合戦略 ⑩西予市人口ビジョン ⑪西予市の条例・規則 ⑫その他関連法、計画等 7.都市計画マスタープラン変更の観点 (1) 西予市全域における「まちづくりの計画」とする。 (2) 西予市立地適正化計画による変更を行う。 (3) 防災に関する計画を追記する。 (4) 西予市行政区域全体におけるまちづくりの方向性等の全体構想及び地域別構想を 見直す。 (5) 西予市全域におけるコンパクト・プラス・ネットワークの検討を行う。 (6) 土地利用・立地適正化計画・地域公共交通網形成計画を包括的に検討した道路の整 備計画を行う。 8.立地適正化計画策定の観点 (1) 関連計画や他部署の施策等について整理したうえで、「都市」構造上の課題を分析 し、持続可能な「まち」にするため、どのような変革が必要か検討を行う。 (2) 都市全体の構造を見渡しながら、居住機能や都市機能の誘導と、それと連携した持 続可能な地域公共交通ネットワークの形成を検討する。 2 (3) 概ね5年ごとに計画の調査、分析及評価を行うため、施策の達成状況に関する評価 手法を検討し、改善可能な仕組みを構築する。 9.地域公共交通網形成計画の観点 (1) 西予市が目指すべき将来像とともに、その中で公共交通が果たすべき役割を明確化 した上で、公共交通に関するニーズや地域の課題を詳細に検討し、交流拠点や観光ス ポットへの利便性向上による、サービス充実と利用者増加との一体的な実現を目指す。 (2) コンパクトなまちづくり推進のための、地域の実状に応じた公共交通の再編(幹線 交通と支線交通の形成等)を検討し、そのための交通結節点等の環境整備の推進を行う。 10.業務内容 【都市計画マスタープラン変更】 本業務の実施に当たっては、都市計画決定の手続きガイドライン 2015(平成 27 年 3 月)愛媛県土木部道路都市局都市計画課)を参考にすること(資料として貸与する)。 (1) 計画準備 作業全般にわたる具体的な方法及び行程の作業計画を立案し、人員の配置、調査に 必要な各種資料の選定、上位計画、関連計画等の整理を行う。 (2) 現都市計画マスタープランの検証 現都市計画マスタープラン整備方針の進捗状況の評価・検証を行う。 (3) 現況特性の整理 本市の特性(人口、産業、土地利用、自然・歴史文化、交通・道路等の現況)を整 理するとともに、 関連調査資料等からまちづくりにおける主要課題について整理する。 また、公共交通等調査の結果を基に都市構造に関する課題を整理する。 (4) まちづくりの目標の設定 「西予市総合計画」等の関連計画や現況・課題を踏まえ、各地区の変化等を勘案し ながら、共通認識としてイメージできるまちづくりの方針を検討する。 (5) 地域別構想の改定 現況解析結果、 委員会等での議論、全体構想との整合を踏まえ地域別構想を検討する。 (6) 地域別の現況、課題の整理 旧行政地区単位 5 地区を基本として整理する。 (7) 地域別方針の策定 ① 各地区の目指すべき将来像 ② 分野別整備方針(土地利用、交通、環境(防災含む)、景観等) (8) まちづくりの実現に向けて 検討された都市整備の基本方針等を実現していくための仕組み作りについて定める。 ① 協働によるまちづくり ② 実現に向けた仕組み作り 等 (9) 都市計画マスタープラン(案)の作成(全体構想、地域別構想) 3 方針図や概念図等を用いて、住民にわかりやすい都市計画マスタープラン(案)を作 成する。 【立地適正化計画】 本業務の実施に当たっては、次の国土交通省関連資料を参考にすること。 ・立地適正化計画の作成の流れ・手引き(案)・Q&A http://www.mlit.go.jp/en/toshi/city_plan/compactcity_network3.html ・都市構造の評価に関するハンドブック http://www.mlit.go.jp/toshi/tosiko/toshi_tosiko_tk_000004.html (1) 関連計画や他部局の施策等に関する整理 上位計画や関連計画、他部局施策等の整理を行い、これらの施策との連携の在り方 や整備の方向性を整理する。 (2) 現状及び将来見通しにおける都市構造上の課題分析 ① 各種基礎的データの収集及び整理 1 人口、世帯動向の整理 2 土地利用・開発動向の整理 3 都市交通の現状と動向の整理 4 都市機能の現状の整理 5 防災面から見た現状の整理 6 市街地整備状況の整理 7 経済・財政・地価の現状の整理 ② 人口の将来見通しに関する分析 1 将来人口の予測(社人研による予測等) 2 財政の将来見通しに関する分析(FMとの整合等) ③ 都市構造上の課題分析 ①、②をもとに課題を分析する。 1 人口・世帯に係る課題の分析 2 公共交通に係る課題の分析 3 都市機能施設に係る課題の分析 4 高齢者の福祉・健康に係る課題の分析 5 災害時の安全性に係る課題の分析 6 財政の健全性に係る課題の分析 (3) 立地適正化方針の検討 まちづくりの将来像を設定するとともに、立地適正化の観点から「人口密度の維持」 、 「都市機能誘導」 、 「公共交通の充実」等の考え方を整理する。 (4) 誘導区域等の検討 ①都市機能誘導区域の検討(平成 28 年度) 各拠点における土地利用の実態や公共交通施設、都市機能施設、公共施設の配置や 4 施設誘導の可能性を踏まえ、区域の検討を行う。 ②居住誘導区域の検討(平成 29 年度) 将来人口推計を基に、長期的な地区別人口見通しを見据えつつ、 「拠点地区へのアク セス性」 「人口密度を確保することによる生活サービス施設の持続性」「災害等に対す る安全性」等と、市民が定量的にわかりやすく認識できるよう、区域の検討を行う。 ③居住誘導区域外の検討 既存コミュニティの維持や居住誘導区域外の適切な維持管理の観点から、居住誘導 区域外における施策展開の考え方について整理する。 (5) 誘導区域等の設定 ①都市機能誘導区域の設定 拠点的施設等からの徒歩圏域のほか、市街地規模等から見て一般市民が違和感なく 認識できる範囲を検討したうえで設定を行う。 ②居住誘導区域の設定 人口減少や市街地状況等から見て、市民が定量的にわかりやすく認識出来る範囲を 検討したうえで設定を行う。 (6) 目標値の設定 課題解決のための施策、誘導方針について、具体的な目標値を設定する。 ①人口密度 ②施設数 ③公共交通利用者数 等 (7) 施策の達成状況に関する評価方法の検討 ①評価指標の検討 ②現況値・目標値の設定 ③進捗管理スケジュールの検討 (8) 立地適正化計画(案)の作成 パブリックコメント、策定委員会等の審議を経て、立地適正化計画(案)を作成する。 (9) 報告書・成果品の作成 【地域公共交通網形成計画】 本業務の実施にあたっては、地域公共交通網形成計画及び地域公共交通再編実施計画作 成のための手引き及び域公共交通網形成計画及び地域公共交通再編実施計画作成のため の手引き詳細編 第 3 版(平成 28 年 3 月)国土交通省を参考にすること なお、仕様書下線部分については、都市計画マスタープラン及び立地適正化計画と重複 する内容となる。 (1) 計画準備 作業全般にわたる具体的な方法及び行程の作業計画を立案し、人員の配置、調査に 5 必要な各種資料の選定、上位計画、関連計画等の整理を行う。 (都市計画マスタープ ラン計画準備に含む。) (2) 地域の現状と将来見通しにおける課題整理 1 地勢・自然の整理(都市計画マスタープラン現況特性の整理及び立地適正化計画 現状及び将来見通しにおける都市構造上の課題分析に含む。 ) 2 土地利用の整理(都市計画マスタープラン現況特性の整理及び立地適正化計画現 状及び将来見通しにおける都市構造上の課題分析に含む。) 3 人口・世帯数の整理(都市計画マスタープラン現況特性の整理及び立地適正化計 画現状及び将来見通しにおける都市構造上の課題分析に含む。) 4 日常生活圏の整理 市町村・地区間における通勤・通学等の流動についての現状 を、表や地図を用いて整理する。(都市計画マスタープラン現況特性の整理に含む。 ) 5 事務所・事業者数の整理 事業所数や従業者数の推移や地区別の分布を表やグラ フを用いて整理する。 (都市計画マスタープラン現況特性の整理及び立地適正化計画現 状及び将来見通しにおける都市構造上の課題分析に含む。) 6 各種施設分布の整理(都市計画マスタープラン現況特性の整理及び立地適正化計 画現状及び将来見通しにおける都市構造上の課題分析に含む。) (3) 公共交通の現況と将来見通しにおける課題整理 1 公共交通の種類 鉄道やバス、タクシーなど、地域に存在する公共交通の種類と、 事業主体、事業手法について表形式等で整理する。 2 整備状況 鉄道路線網や鉄道駅の位置、バス路線・系統の現状、タクシー乗場の 位置、及び今後の整備計画について地図や路線図等を用いて整理する。また、地域で の鉄道やバスの「カバー率」を計算する。 3 運行状況 鉄道やバス路線について、路線・系統別の運行回数や運行時間帯、運 賃などの状況を、地図やグラフを用いて整理する。 4 利用状況 バス路線別に利用者の現状や推移、利用者の内訳について整理し、バ ス路線については運行状況については地図上で色分け、太さを変えて示す。 5 利用環境 駅等での乗換え・乗継ぎの状況及び市が提供する駅舎やバス停上屋 等の整備状況を整理し、車両・駅・停留所等でのバリアフリー化の状況をまとめる。 6 経営状況 公表できる範囲で、各事業者の運行及び収支状況を表やグラフで整理 する。 7 住民・利用者の意向 利用者の意向を把握し、不満点・要望に関する資料作成 ・OD 調査 市及び路線バス事業者が実施する乗降データ・ヒアリング資料の提供 を受け、データの整理・分析を行う。 ・アンケート調査 市が市内高校生に対して実施するアンケート調査表(1,000 人 程度)を入力、集計、分析を行う。 ・ヒアリング調査 8 将来予測 市が実施するヒアリング結果の提供を受け、分析を行う。 将来人口推計結果等を用いて、将来の需要推計を行う。また、需要推 計結果を用いて、今後の収支状況の経営シュミレーションを実施する。 6 (4) 公共交通の方針及び目標の設定 地域が目指すべき将来像及び抽出された課題への対応に向け、計画の区域を設定し、 以下の点に留意し、「基本方針の策定」及び「目標値」を設定する。 1 地域公共交通が果たすべき役割 (都市計画マスタープラン現況特性の整理及び 立地適正化計画現状及び将来見通しにおける都市構造上の課題分析に含む。) 2 地域交通の活性化及び再生に向けた取り組みの方向性 3 まちづくり、観光振興等の地域戦略との一体性の確保 4 地域全体を見渡した総合的な公共交通の形成 (5) 公共交通の具体的施策の検討 「地域が目指すべき将来像を実現するために有効な施策」に対する目標達成のため に必要となる事業・実施主体をまとめ、計画期間及び計画の達成状況の評価方法を検 討する。 (6) 西予市地域公共交通網形成計画(案)の作成に対する支援 検討結果を反映した地域公共交通網形成計画案のとりまとめを行うとともに、新た に形成する公共交通ネットワークや計画全体のイメージ化を図る。また、地域公共交 通活性化協議会等における検討結果を踏まえ、内容の補修正作業を行う。 (7) 協議会等の支援(3回程度/年) 西予市地域公共交通活性化協議会の会議に出席し、資料作成等の支援を行う。 (会議 録作成及び運営は市で行う。 )なお、協議会は年3回程度開催する予定とする。 【共通業務】ただし契約は立地適正化計画に含む。 (1) 住民意向調査(アンケート調査) 住民意識調査を実施し、住民の求める将来像の把握やまちづくりの課題を分析するた め、アンケート調査を(一般市民 3,000 人程度)行い、内容については、都市計画マス タープラン、立地適正化計画及び公共交通網形成計画それぞれに活用できる設問とする。 また、アンケートに用いる封筒(送付用、返信用)、宛先及びタックシールについては 市が準備する。 (2) 各計画(案)の作成 計画(案)の資料作成、支援を行う。 【都市計画共通業務】 (1) 検討委員会運営支援(3 回程度/年) 検討委員会に出席し、資料作成等の支援を行う(会議録作成及び運営は市で行う)。 (2) 庁内会議運営支援(3 回程度/年) 庁内会議に出席し、資料作成等の支援を行う(会議録作成及び運営は市で行う)。 (3) 都市計画審議会運営支援(平成 29 年度に 1 回) 市都市計画審議会の資料作成等の支援を行う(会議録作成及び運営は市で行う)。 (4) 住民意向把握及び住民説明会等対応(パブリックコメント) 7 全体構想や地域別構想等に住民意見が的確に反映できる住民参加手法を検討し、実施 のサポート等を行う。 また、立地適正化計画の素案ができた段階で、都市計画マスタープランの改定状況の 報告も含めた住民説明会を各地区(5 箇所)で実施する。その際会議のサポート等を行 う。 11.成果品 業務の成果品は以下のとおりとする。 平成28年度 【都市計画マスタープラン、立地適正化計画共通】 〇中間報告書・住民意識調査結果報告書・・・・・・・・・・・・・・・・・・1 式 〇上記電子データ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1 式 【地域公共交通網形成計画】 〇報告書 公共交通網形成計画書 公共交通網形成計画書(概要版) 上記電子データ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1 式 平成29年度 〇西予市都市計画マスタープラン(改訂版) 西予市都市計画マスタープラン(改訂版)概要版 西予市立地適正化計画 西予市立地適正化計画 概要版 上記電子データ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1 式 〇その他監督員が必要と認めた資料・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1 式 12.資料の貸与 基礎的事項の把握・分析においては、 「都市構造の評価に関するハンドブック(国土交 通省)」を参考にし、さらに本市が保有する統合型GISデータ、都市計画決定の手続 きガイドライン 2015(平成 27 年 3 月)愛媛県土木部道路都市局都市計画課)、平成 25 年度西予都市計画基礎調査の資料も活用できるものとする。 その他、調査業務の遂行に必要な資料については貸与する。また、貸与した資料につ いて、破損紛失等重大な過失が生じた場合には、受注者がその責任を負うものとする。 13.機密の厳守 受注者は、本業務に関して発注者から貸与された情報、その他知り得た情報を外部に 漏らし、または他の目的に使用してはならない。 14.その他 8 (1) 委託費には、住民参加に係る諸費用、印刷に係る費用を含むものものとする。 (2) 本業務で調査した内容やデータ整理などに使用した原資料は、すべて成果品の 一部として提出すること。 (3) 本仕様書に定めがない事項について疑義が生じたとき、及び別に定める必要が 生じたときは、協議のうえ定めるものとする。 (4) 提案上限額は、以下のとおりとする。 (円) 都市計画マスタープラン及び 立地適正化計画 地域公共交通網 形成計画 合計 平成 28 年度 16,500,000 2,402,000 18,902,000 平成 29 年度 13,000,000 - 13,000,000 9
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