情報提供⽤資料 マ - ケ ッ ト 情 報 英国のEU離脱(Brexit)の可能性と影響 2016年6⽉21⽇ -英国の国⺠投票後、欧州各国の選挙動向にも留意- 「去るべきか、残るべきか、それが問題だ。」欧州連合(EU)からの離脱の是⾮を問う国⺠投票 を6⽉23⽇に控え、イギリス国⺠は今、さながらハムレットのような⼼境かもしれません。 国⺠投票において離脱派が多数を占める結果となった場合には、英国のみならず、世界の⾦融・経 済に悪影響が及ぶものと考えられます。そのため、内外の⾦融市場は、英国の世論調査の動向などに 敏感に反応する展開となっています。 英国の国⺠投票の結果によっては、内外の⾦融市場でリスク回避の動きが再び強まることが予想さ れますが、徐々に落ち着きを取り戻す展開になることが想定されます。その後は、来年にかけて実施 される欧州各国の選挙動向に留意が必要と考えます。 (図表1)EUおよびユーロ圏の枠組みと英国 EU統合に距離をとっていた英国 シェンゲン協定 Brexit ( ブ レ グ ジ ッ ト ) と は 、 英 国 ( Great Britain)がEUから離脱する(Exit)ことを表した EU加盟国(28ヵ国) 造語ですが、この問題を考える上で、英国がEUの 統合に対して元々距離をとっており、潜在的に離 チェコ、デンマーク、ハンガリー、 ポーランド、スウェーデン 脱に傾きやすい素地があったことに留意する必要 があると思われます。 ユーロ通貨圏(19ヵ国) EUは、1993年発効の欧州連合条約に基づき創設 ベルギー、ドイツ、エストニア、ギリ アイルランド、 シャ、スペイン、フランス、イタリア、 キプロス ラトビア、リトアニア、ルクセンブル ク、マルタ、オランダ、オーストリア、 ポルトガル、スロベニア、スロバキア、 フィンランド、 された政治・経済共同体で、英国は1973年にEUの 前⾝であるEC(欧州共同体)から参加をしていま す。しかし、英国は単⼀通貨ユーロを導⼊せず、 また域内の移動の⾃由を認める「シェンゲン協 定」にも参加をしていません(図表1)。 (出所)外務省資料等より岡三アセットマネジメント作成 EUの政策への不満の⾼まり (図表2)英国への海外からの移⺠の推移 英国でEU離脱論が⾼まった背景には、EUに加盟 していることに対してメリットよりもデメリットを 感じる国⺠が増えたことがあると⾒られます。具体 (万⼈) 60 める労働やビジネスに関する規制の多さ、③EU予 50 算における英国負担額が多い割に恩恵が少ない、こ 40 となどへの不満が挙げられます。 海外から英国への移⺠は、1990年代後半から急 30 激に増加しています(図表2)。また、EU予算では、 20 各国の拠出全体に占める英国の割合は11%と、ド 10 イツ、フランス、イタリアに次いで多く、拠出額は 約136億ユーロ(約1兆7,800億円 ※1 )と巨額なも ※1:2015年末時点のユーロ円相場で換算。 (期間:1970年〜2015年) 70 的には、①移⺠の増加による雇⽤喪失、②EUが決 のになっています(2015年時点)。 英国、 ブルガリア、 クロアチア、 ルーマニア、 0 1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010 2015 (注)移⺠数は推計値(2015年は暫定値) (年) (出所)イギリス国家統計局資料より岡三アセットマネジメント作成 <本資料に関してご留意いただきたい事項> ■本資料は、投資環境に関する情報提供を⽬的として岡三アセットマネジメント株式会社が作成したものであり、特定のファンドの投資勧誘を⽬的として作成し たものではありません。■本資料に掲載されている市況⾒通し等は、本資料作成時点での当社の⾒解であり、将来予告なしに変更される場合があります。また、 将来の運⽤成果を保証するものでもありません。■本資料は、当社が信頼できると判断した情報を基に作成しておりますが、その正確性・完全性を保証するもの ではありません。■投資信託の取得の申込みに当たっては、投資信託説明書(交付⽬論⾒書)をお渡ししますので必ず内容をご確認のうえ、投資判断はお客 様ご⾃⾝で⾏っていただきますようお願いします。 1 情報提供⽤資料 マ - ケ ッ ト 情 報 (図表3)英国EU離脱国⺠投票 世論調査 離脱派・残留派が拮抗する世論調査 EUに対する英国⺠の不満の⾼まりを背景として、 2013年にキャメロン⾸相が、次回の総選挙で勝利し た場合、EU離脱の是⾮を問う国⺠投票を実施するこ とを公約とし、2015年の総選挙で同⾸相が率いる保 離脱⽀持 残留⽀持 態度未定 60 50 守党が勝利したことによって、国⺠投票を実施する 40 ことになりました。 30 世論調査では、離脱派、残留派がほぼ拮抗してい 20 る上に、態度未定の⽐率が1割以上あることから、 10 予断を許さない状況が続いています(図表3)。 (期間:2016/1/10〜2016/6/18) (%) 70 45 42 13 0 1/10 6/10 (⽉/⽇) (注)ブルームバーグ・コンポジットEU国⺠投票世論調査トラッカー集計 英国経済へは少なからぬ影響 2/10 3/10 4/10 5/10 (出所)Bloombergのデータより岡三アセットマネジメント作成 英国がEUを離脱した場合、英国経済に少なからぬ 影響が出ることが予想されます。英国の貿易に占め (図表4)EU離脱の英国経済への影響(IMF予想) る対EUの割合は、輸出が約47%、輸⼊が約53%と 約半分を占めていますが※2、EU市場への⾃由なアク セスが困難になる可能性があるためです。また、英 実質GDP成⻑ 率 国に拠点を置く⾦融機関が英国以外に機能を移し、 ロンドンの国際⾦融センターとしての地位が低下す る可能性もあります。 失業率 国際通貨基⾦(IMF)は、離脱となった場合につ いて分析しており、それによるとGDP成⻑率が落ち 込むとともに、失業率やインフレ率の上昇が予想さ れています(図表4)。 ※2:英国歳⼊税関庁データ(2014年時点)。 ⽇本経済への直接の影響は限定的 ⽇本の総輸出額に占める英国への輸出額の割合は 消費者物価 上昇率 2016年 2017年 2018年 ① 1.9% 2.2% 2.2% ② 1.7% 1.4% 1.8% ③ 1.1% -0.8% 0.6% ① 5.0% 5.0% 5.1% ② 5.1% 5.3% 5.4% ③ 5.2% 6.0% 6.5% ① 0.8% 1.9% 2.0% ② 1.1% 2.6% 2.8% ③ 1.6% 4.0% 3.2% (注)①EUに残留した場合、②影響が限定的だった場合のシナリオ、 ③影響が⼤きかった場合のシナリオ (出所)IMF資料より岡三アセットマネジメント作成 (図表5)⽇本と英国間の貿易額(2015年) 約1.7%であることから(2015年時点)、英国との 貿易を通じた直接的な⽇本経済への影響は限定的と ⾦額 輸出(輸⼊)総額に 占めるシェア 考えられます(図表5)。ただ、英国に⼯場を持つ 英国への輸出 1兆2,905億円 1.7% 企業などは事業の⾒直しに伴うコストが発⽣すると 英国からの輸⼊ 7,832億円 1.0% ⾒られ、個別企業レベルの影響については留意が必 要と思われます。 (注)2015年末のドル円レートで円換算 (出所)財務省資料より岡三アセットマネジメント作成 <本資料に関してご留意いただきたい事項> ■本資料は、投資環境に関する情報提供を⽬的として岡三アセットマネジメント株式会社が作成したものであり、特定のファンドの投資勧誘を⽬的として作成し たものではありません。■本資料に掲載されている市況⾒通し等は、本資料作成時点での当社の⾒解であり、将来予告なしに変更される場合があります。また、 将来の運⽤成果を保証するものでもありません。■本資料は、当社が信頼できると判断した情報を基に作成しておりますが、その正確性・完全性を保証するもの ではありません。■投資信託の取得の申込みに当たっては、投資信託説明書(交付⽬論⾒書)をお渡ししますので必ず内容をご確認のうえ、投資判断はお客 様ご⾃⾝で⾏っていただきますようお願いします。 2 情報提供⽤資料 マ - ケ ッ ト 情 報 (図表6)英国のEU離脱の⼿順 離脱⼿続きには数年かかる⾒通し 国⺠投票で離脱派が勝利した場合、英国は欧州理 事会に離脱の意思を通告し、交渉を開始することに なります。キャメロン⾸相は、その場合、直ちに通 告して交渉を開始する⽅針を⽰しています。⼀⽅、 離脱派は急いで通告する必要はないと考えており、 英国の次回総選挙(2020年)までに離脱やEUとの 国⺠投票で離脱派が勝利 英国が欧州理事会に離脱の意思を通告 ・キャメロン⾸相 ――「すぐに通告」 ・離脱派 ―――――― 「急ぐ必要はない」 英国と欧州理事会が離脱に向けた交渉開始 離脱通告から2年 新協定の交渉を終えれば良いというスタンスのよう です。いずれの場合も、離脱の交渉は難航すること 協定成⽴せず 協定成⽴ EU離脱 が予想され、数年はかかると⾒られます(図表6)。 (EU加盟国の同意が あれば交渉期間延⻑) (出所)各種報道などから岡三アセットマネジメント作成 欧州各国の選挙動向が注⽬材料に (図表7)欧州の主な選挙⽇程 ⽇本時間の24⽇昼頃に判明する投票結果が残留 6⽉26⽇ スペイン総選挙 10⽉ リトアニア総選挙 短期的にはリスク回避の動きが再度強まる可能性 11⽉まで ルーマニア総選挙 がありますが、⾦融市場が不安定化するようであ 3⽉まで オランダ総選挙 4⽉末〜5⽉初旬 フランス⼤統領選 6⽉ フランス下院選 挙が予定されています(図表7)。各国のEU懐疑 8⽉〜10⽉の間 ドイツ総選挙 派が勢⼒を増すようなことになれば、中⻑期的に 10⽉まで チェコ総選挙 派が多数となれば、株式相場は反発の動きを強め ると⾒られます。⼀⽅、離脱派が勝利した場合、 2016年 れば、各国中銀の政策協調による対応が想定され、 次第に落ち着きを取り戻すものと考えられます。 ただ、2017年にかけて、欧州では多くの国で選 は欧州全体の不安定化につながることから、英国 の国⺠投票後、欧州各国の選挙動向にも留意が必 2017年 (出所)各種報道などから岡三アセットマネジメント作成 要と考えます。 以上(作成:投資情報部) <本資料に関してご留意いただきたい事項> ■本資料は、投資環境に関する情報提供を⽬的として岡三アセットマネジメント株式会社が作成したものであり、特定のファンドの投資勧誘を⽬的として作成し たものではありません。■本資料に掲載されている市況⾒通し等は、本資料作成時点での当社の⾒解であり、将来予告なしに変更される場合があります。また、 将来の運⽤成果を保証するものでもありません。■本資料は、当社が信頼できると判断した情報を基に作成しておりますが、その正確性・完全性を保証するもの ではありません。■投資信託の取得の申込みに当たっては、投資信託説明書(交付⽬論⾒書)をお渡ししますので必ず内容をご確認のうえ、投資判断はお客 様ご⾃⾝で⾏っていただきますようお願いします。 3 情報提供⽤資料 マ - ケ ッ ト 情 報 皆様の投資判断に関する留意事項 【投資信託のリスク】 投資信託は、株式や公社債など値動きのある証券等(外貨建資産に投資する場合は為替リスクがあります。)に投資します ので、基準価額は変動します。従って、投資元本が保証されているものではなく、基準価額の下落により、損失を被り、投資元 本を割り込むことがあります。 投資信託は預貯⾦と異なります。投資信託財産に⽣じた損益は、すべて投資者の皆様に帰属します。 【留意事項】 • 投資信託のお取引に関しては、⾦融商品取引法第37条の6の規定(いわゆるクーリングオフ)の適⽤はありません。 • 投資信託は預⾦商品や保険商品ではなく、預⾦保険、保険契約者保護機構の保護の対象ではありません。 また、登録⾦融機関が取扱う投資信託は、投資者保護基⾦の対象とはなりません。 • 投資信託の収益分配は、各ファンドの分配⽅針に基づいて⾏われますが、必ず分配を⾏うものではなく、また、分配⾦の⾦額 も確定したものではありません。分配⾦は、預貯⾦の利息とは異なり、ファンドの純資産から⽀払われますので、分配⾦が⽀払 われると、その⾦額相当分、基準価額は下がります。分配⾦は、計算期間中に発⽣した収益を超えて⽀払われる場合がある ため、分配⾦の⽔準は、必ずしも計算期間におけるファンドの収益率を⽰すものではありません。また、投資者の購⼊価額に よっては、分配⾦の⼀部または全部が、実質的には元本の⼀部払戻しに相当する場合があります。ファンド購⼊後の運⽤状 況により、分配⾦額より基準価額の値上がりが⼩さかった場合も同様です。 【お客様にご負担いただく費⽤】 お客様が購⼊時に直接的に負担する費⽤ 購 ⼊ 時 ⼿ 数 料 :購⼊価額×購⼊⼝数×上限3.78%(税抜3.5%) お客様が換⾦時に直接的に負担する費⽤ 信託財産留保額:換⾦時に適⽤される基準価額×0.3%以内 お客様が信託財産で間接的に負担する費⽤ 運⽤管理費⽤(信託報酬)の実質的な負担 :純資産総額×実質上限年率2.052%(税抜1.90%) ※実質的な負担とは、ファンドの投資対象が投資信託証券の場合、その投資信託証券の信託報酬を含めた報酬のこ とをいいます。なお、実質的な運⽤管理費⽤(信託報酬)は⽬安であり、投資信託証券の実際の組⼊⽐率により 変動します。 その他費⽤・⼿数料 監 査 費 ⽤:純資産総額×上限年率0.01296%(税抜0.012%) ※上記監査費⽤の他に、有価証券等の売買に係る売買委託⼿数料、投資信託財産に関する租税、信託事務の処 理に要する諸費⽤、海外における資産の保管等に要する費⽤、受託会社の⽴替えた⽴替⾦の利息、借⼊⾦の利 息等を投資信託財産から間接的にご負担いただく場合があります。 ※監査費⽤を除くその他費⽤・⼿数料は、運⽤状況等により変動するため、事前に料率・上限額等を⽰すことはでき ません。 ●お客様にご負担いただく費⽤につきましては、運⽤状況等により変動する費⽤があることから、事前に合計⾦額若しくはその上限 額⼜はこれらの計算⽅法を⽰すことはできません。 【岡三アセットマネジメント】 商 号:岡三アセットマネジメント株式会社 事 業 内 容:投資運⽤業、投資助⾔・代理業及び第⼆種⾦融商品取引業 登 録:⾦融商品取引業者 関東財務局⻑(⾦商)第370号 加 ⼊ 協 会:⼀般社団法⼈ 投資信託協会/⼀般社団法⼈ ⽇本投資顧問業協会 上記のリスクや費⽤につきましては、⼀般的な投資信託を想定しております。各費⽤項⽬の料率は、委託会社である岡三アセットマネ ジメント株式会社が運⽤する公募投資信託のうち、最⾼の料率を記載しております。投資信託のリスクや費⽤は、個別の投資信託に より異なりますので、ご投資をされる際には、事前に、個別の投資信託の「投資信託説明書(交付⽬論⾒書)」の【投資リスク、⼿ 続 ・⼿数料等】をご確認ください。 <本資料に関するお問合わせ先> カスタマーサービス部 フリーダイヤル 0120-048-214 (9:00〜17:00 ⼟・⽇・祝祭⽇・当社休業⽇を除く) 4
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