胃がん検診受診率と胃がん死亡率

胃がん検診受診率と胃がん死亡率
(胃X線検査を受診した人としなかった人の、胃がんで死亡するリスク)
文部科学省 社会システム改革と研究開発の一体的推進
1990年開始の多目的コホート研究の成果より
◆対象者:40歳から59歳の男女約4万人
◆研究開始前の1年間に胃がん検診(胃X線)を受診した方:全体の36%
◆受診した群と受診しなかった群で、その後の胃がん死亡率などを比較
◆平均で約13年の追跡期間中に、636人が胃がんにかかり、179人が胃がんにより
死亡
胃がん検診を受けた人では、胃がんによる死亡率が低い
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Lee KJ, et al. Int J Cancer 2006; 118: 2315-2321.
胃がん検診を受診しなかった群に比べ、受診した群の結果は....
◆胃がん死亡リスクが0.52と半分に低下
◆胃がんを除くがん全体や死亡全体でみた場合の死亡率も4分の3に低下
◆進行がんでみつかるリスクは0.75と低い
胃がん検診を受診した群は
胃がん検診を受診した群では、がん全体、死亡全体でみてもリスクが低いことから、健康的な生活習慣を維持し
ていらっしゃる方が多いことがうかがえます。ただし、それを差し引いても、胃がんリスクはさらにリスクが低い
ことから、やはり、胃がん検診を受診することが、将来の胃がんによる死亡率の減少につながるといえるでしょう。
検診だけでなく、予防も心がけましょう
胃がん検診の定期的な受診は、胃がんによる死亡の予防(二次予防)に役立つでしょう。しかしながら、検診
はあくまで、すでにがんになったものを早くみつける手段です。胃がん検診を受診するだけでよいのではなく、
新鮮な野菜や果物をたくさん摂取するとともに塩蔵品など高塩分食品の摂取を控える、また、たばこをやめる
など、胃がんの一次予防を同時に実践して、そもそも胃がんにならないように、努力していくことが大切です。
独立行政法人国立がん研究センター