null

テラヘルツ光で見える!
半導体キャリア特性
大野 誠吾1,2
1理化学研究所
2東北大学大学院理学研究科
1
半導体とテラヘルツ帯
Acoustic phonon
m-wave

MMW
Plasma frequency Electronic level
Optical phonon Band gap
Sub-MMW
THz-wave
IR
ω
テラヘルツ光と半導体の相互作用
– キャリア : Drude model < 光学フォノン
– 光学フォノン周波数 10 – 20 THz
→テラヘルツ光:キャリア密度と光学フォノンのプローブ
光学スペクトルがキャリア密度、フォノン周波数、緩和に敏感
→高感度センシングが可能!!
本技術に関する知的財産

キャリア濃度測定装置およびキャリア濃
度測定方法
– 特許第5063325号
– 出願人
独立行政法人理化学研究所, 古河機械
金属株式会社
– 発明者
伊藤 弘昌, 大野 誠吾, 濱野 哲英

移動度測定装置及びその方法、並びに、
抵抗率測定装置及びその方法
– 特許第5601562号
– 出願人
独立行政法人理化学研究所, 古河機械
金属株式会社
– 発明者
大野 誠吾, 伊藤 弘昌, 南出 泰亜, 濱野
哲英
波長可変単色テラヘルツ光源
半導体に合わせた測定
反射率
↓
キャリア密度
キャリア密度
N
移動度
m(N)
⇔
抵抗率
r(N)
これらは互いに関係し、物質によって異なる
物質ごとの関係を網羅的に調査
反射率の測定原理
光学フォノン周波数: wT, wL
Dielectric const.
100
GaN
epsilon
e>0
50
e<0
e>0
GaAs
SiC
wT (THz)
17.4
8.0
23.9
wL (THz)
22.3
8.7
29.4
0
-50
e
wT
e < 0 のところでは
wL
反射率 R ~ 1.
-100
Frequency w
Reflectivity
1
0.1
測定領域
参照領域
R~1
測定領域
R=R(N)
キャリア密度
N1 > N2
N1
0.01
N2
0.001
Frequency w
参照周波数
wT< w < wL
測定周波数
w < wT, w > wL
4
GaNにおけるキャリア密度と最適な測定周波数
1
Reflectivity R
0. 9
carrier density
0. 8
0. 7
3 x 10 19 cm -3
3 x 10 18 cm -3
3 x 10 17 cm -3
3 x 10 16 cm -3
0. 6
0. 5
0. 4
0. 3
0. 2
0. 1
0
0
5
10
15
20
25
30
Frequency (THz)
For 1016-1017cm-3
For > 1019cm-3
For 1017-1019cm-3
1
optimum frequency
ranges for carrier
density mapping
Reflectivity R
0.8
15 THz
22.7 THz
0.6
0.7 THz
24.4 THz
0.4
0.2
0
16
10
5
10
17
10
18
10
-3
Carrier Density N (cm )
19
10
20
測定系
tunable range : 1-40 THz
Rep. rate : 100 Hz
Reflective angle: 14°
6
反射強度とキャリア密度
1
2
1.0
0.5
0.0
3
Normalized Reflectivity
5 mm
R(22.7 THz)
R(19.2 THz)
carrier density
measured by SIMS
1) N = 2.5 × 1016 cm-3
2) N = 1.0 × 1018 cm-3
3) N = 1.5 × 1018 cm-3
G
(cm-1)
g
(cm-1)
50
200
wT
wL
(cm-1)
(cm-1)
750
560
einf
5.35
m*
0.2m7
キャリア密度と緩和定数
移動度、抵抗率
Jpn. J. Appl. Phys. 49 (2010) 022402
ホール測定により求めた値
= キャリア密度から見積もった値
キャリア密度の違いが各パラ
メータに1次の影響を及ぼす
キャリア密度の分布から
各パラメータの分布がわかる
40
60
X axis [mm]
80
80
N
4.5
4.4
4.3
4.2
4.1
4.0
60
40
20
0
0
20
40
60
X axis [mm]
80
0

0
20
40
60
X axis [mm]
80
80
1 1
2
m
3.3
3.2
3.1
3.0
2.9
2.8
60
Y axis [mm]
20
s]
0
20
14
0
Y Axis [mm]
3
20
40
m [cm V s ]
0.8
40
2
40
r [10 cm]
0.9
226
221
216
211
206
201
60
Y axis [mm]
1.0
60
80
18
1.1
 [10
Y Axis [mm]
80
N [10 cm ]
大面積測定の例
n-SiC 3” アズカットサンプル
20
0
0
20
40
60
X axis [mm]
80
r
ωref = 24.5 THz
ωmes. = 29.4 THz
想定される用途

製造工程における非破壊非接触検査
– アズグローン、アズカット測定
ウエハから作製段階へのフィードバックの高速
化
 製造ラインでの流れ測定


– 研究室レベルでのウエハの評価、可視化
作製技術が未成熟な次世代半導体
– パワー半導体、太陽電池パネルなど
実用化に向けて

材料
– GaN, GaAs, SiC, Siにおいて検証済み
– そのほかの材料では、検証が必要

測定系
– カメラ撮影によるさらなる高速化

中赤外(8-14mm帯)カメラの応用
– GaN基板の判別を実現
– カメラの帯域が広がればほかの材料へも応用可能

アップコンバージョンカメラ
– 自動化

使いやすいソフトウェア
→研究ベースのソフトから製品ベースのソフトへ
企業への期待

システム化、パッケージ化
– 使い勝手の良いシステム
– 利用場面に合わせた設計
– 高速信号処理

他への応用
– テラヘルツ光の特性、測定原理等ほかの場面で
の活用 e.g. a-Si ソーラパネル

共同研究
– 理研テラヘルツ光源研究チームでは共同研究を
受け入れ可能です。
展望
エコ社会
LED, LD
先進情報化社会
高密度
集積素子
太陽電池
パネル
パワー
エレクトロニクス
高性能
トランジスタ
電気伝導
特性評価
GaN 診断
グリーン
フォトニクス
SiC診断
低キャリア密度
診断
THz カメラリアルタイム測定
THz 半導体評価システム
13
まとめ

DAST-DFG テラヘルツ光源の単色性、周波数可変性を活か
した半導体評価装置
– 非破壊、非接触、高速、高分解能
– 半導体の種類に合わせた測定
– アズグローン、アズカット測定

キャリア密度から移動度、抵抗率
導体基板における特性分布マッピング

展開:2次元測定

– GaN, GaAs, SiC, (Si)
– 測定精度 < 5 %
– テラヘルツカメラ&周波数可変単色光源
– アップコンバージョンカメラ
14
謝辞

3C-SiCの提供
– 長澤弘幸氏 (HOYA株式会社)
– 河原考光氏 (HOYA株式会社)

DAST結晶の作製
– 齋藤美紀子氏 (理化学研究所)
– 鈴木千里氏 (古河機械金属株式会社)

FTIR測定
– 鎌田優子氏 (理化学研究所)
お問い合わせ先
国立研究開発法人理化学研究所
産業連携本部 知財創出・活用課
半田 敬信(ハンダ ケイシン)
Email:[email protected]
TEL:048-467-9762