現代物理学／光電効果セット番号： UE5010200 プランク定数セット番号： UE5010200 基本原理光電効果が示す 2 つの重要な特性は，レナードによって 1902 年に発見されました。光電効果により陰極材料から飛び出す電子の数は， hf 入射する光の強度に比例します。そのエネルギーは光の振動数に依存しますが，光の強度には依存しません。アインシュタインは 1905 e- 年に，プランクによって発見された黒体放射の理論に基づく仮説を使ってこの現象を説明し，量子力学の重要な基礎を築きました。 U0 アインシュタインは，光が振動数に比例するエネルギーを持つ光子として伝播するものと仮定しました。（1） pA E = h⋅ f （h=6.626×10−34 Js はプランク定数）図 1：測定装置の模式図のエネルギーを持つ光子が陰極材料中の電子にぶつかる場合には，そのエネルギーが電子に受け渡され，この電子が以下の運動エネルギー E / zJ を得て陰極内から飛び出すことが可能になります。（2） Ekin = h⋅ f − W (1 zJ = 10-21 J) 100 性質に依存します。たとえば，セシウムの場合その値は約 2 電子ボルト（eV）です。実験の手順・光電子の阻止電圧を光の波長を変えて測定します。・縦軸をエネルギー，横軸を振動数として，測定結果をグラフに表します。・プランク定数の値と，電子を表面から飛び出させるのに必要な仕事関数の値をグラフより求めます。・光電効果によって得られる電子のエネルギーが，光の強度に依存しないことを確認します。 50 目的阻止電圧法を使って，プランク定数の値を求めること。る場合を考えます。その結果として生じる陰極から陽極へと向かう電 0 流を，ナノアンペア電流計を使って測定しながら，この電流を抑えて 450 500 550 LED の光を使いますが，光を構成するスペクトルは十分に幅が狭い既知の振動数の光を環状の陽極を通過させて陰極と衝突させると，光電効果により陰極ので，個別の波長λを各 LED に割り当てることができます。これから電子が放出されます。その際に電子が持つエネルギーは，陰極と陽極間に阻止電圧（陰により，各 LED 光の振動数は以下のようにして得られます。極に対して陽極を負にする電圧）を印加して陽極に達する電子の流速を抑え，これがゼロになる電圧を計測することによって測定できます。電子の流速がゼロになる時の電圧値である阻止電圧の閾値は光の強度に依存しないことが，この結果から示されます。これにより，光電効果による電子のエネルギーもまた，光の強度に依存しないことが分かります。様々な振動数の光に対する阻止電圧の閾値を測定することにより，プランク定数が計算できます。（3） f= 品名 U10700 -115 プランク定数実験器 472 nm 505 nm ダイオードからの光の強度は相対強度で 0 ∼ 100% の間で変化させ数量 1 図 2：エネルギー対振動数のグラフ 600 ここで，c=2.998×108 m/s は光の速度を表します。 525 nm 400 200 評価品番 (1 THz = 1012 Hz) U0 / mV U c λ られるので，電子のエネルギーの光の強度への依存性が調べられます。必要機器 588 nm 611 nm に達したところで電流がゼロになります。閾値に関するこの定義を， 0 0% 20% 40% 60% c e ⋅U0 = h⋅ f − W = h⋅ − W λ が得られます。ここで，e=1.602×10−19（A.s）は素電荷（電気（4）対光の強度のプロット結果素量）を表します。したがって，エネルギー E = e ⋅U0 ● 仕様は予告なく変更されることがあります。 ● 品番・品名をクリックすると製品仕様ページ（外部サイト）が開きます。 80% 100% / （2）式および（3）式と組み合わせると，基礎実験 650 f / THz を印加します。実験では，様々なまとめ 600 にとってグラフを描くと，直線の傾きからプランク定数が得られます。 3 B S c i e n t i fi c ® E x p e r i m e n t s 0