有田町教育大綱 平成28年6月 有田町 1 策定の趣旨 少子高齢化の急速な進行、経済不況、グローバル化や情報化の進展、地 域社会のつながりの希薄化、伝統・文化の継承など私たちを取り巻く社会 環境は厳しさを増しています。 これらの課題に対応していくに当たり、知・徳・体の調和の取れた「生 きる力」を確実に育むとともに、国際的視野を持って社会経済の進展に創 意をもって対応し、文化の創造や産業の振興など社会や地域の発展に貢献 できる、心身ともにたくましく、郷土を愛し、郷土に誇りを持った町民を 育成することが重要であります。 そこで、教育行政に関する町民の意向をより一層反映させるために町 長と教育委員会で構成する「総合教育会議」において有田町の教育が目 指す基本的な方向や今後推進すべき施策を明らかにするために協議し, 有田町教育大綱(以下「大綱」という。)を策定するものであります。 2 位置づけ 「地方教育行政の組織及び運営に関する法律」第1条の3第1項の規 定により、有田町の教育、学術及び文化の振興に関する総合的な施策の 基本方針を定めるものです。 3 計画期間 平成28年度から平成29年度までの2年間とします。 4 大綱の見直し 社会情勢の変化等に的確に対応していくために、適宜、見直しを行い ます。 5 基本理念 有田町には、有田焼にかかわる技法の開拓や海外への進出等で活躍して きた人材の輩出や、地域の絆の強さ、豊かな文化の伝承の歴史があります。 「世界に誇れる有田」をつくり、地域を支え、豊かな伝統・文化を継承し ていくのは「人」であります。夢や志を持って、がんばっていける環境 をつくり、社会に役立つ人間づくりに取り組んでいきます。 また、年齢、性別、障害のあるなしに関係なく、誰もがスポーツを楽し むとともに、豊かな文化・芸術に触れ、親しみ、これらを通じて地域に賑 わいと活力が生まれるように取り組んでいきます。 6 基本施策 (1)たくましく覇気のある児童生徒の育成 ●現状と課題・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 義務教育においては、課題への対応力、コミュニケーション能力、社会性・集団性の涵養など豊か な人間性と国際感覚・情報化など時代に即した知識や技術を有する児童・生徒を育成していくこと が必要です。このため、保育所・幼稚園・小学校・中学校の相互連携を深め、心豊かでたくましく生 きる力を備えた子どもたちを育てる教育プログラムの展開が必要です。それとともに、一人ひとり を大切にする特別支援教育の推進は、重要な取組です。 学校と家庭、地域との連携を深め、地域が一体となって児童・生徒の安心安全を確保することや 健全な心身を育む必要があります。また、高齢者の豊富な知識・経験を活かした体験学習や、地場 産業や地域文化を学ぶ学習を取り入れるなど、児童・生徒に郷土愛と地域の一員としての自覚を育 む必要があります。 ●将来の展望・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 学校、地域、家庭が一体となり、次代を担う子どもたちが成長とともに、豊かな心・健やかな身体・ 確かな学力を育み、社会の変化の中で、自分の力で問題を解決し、困難に打ち克つ力を培っていくた めの教育環境づくりを推進します。 ●施策の体系・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 施 策 たくましく覇気のあ 実施施策 学びの連続性の重視 る児童生徒の育成 主要事業 ・幼保小連携、小中連携の 充実 教育内容の充実 ・確かな学力の向上 ・体験学習・地域学習の充実 ・体力向上の推進 ・情報教育の充実 ・グローバル化への対応 ・職員の資質の向上 「心の教育」「命の教育」の ・体験学習の推進 推進 ・道徳教育の充実 特別支援教育の充実 ・支援体制の確立・充実 教育環境の整備 ・学校施設・設備の計画的な 整備 ・PTA や地域との連携による 学校施設、通学路などの安 全点検 家庭との連携の充実 ・家庭教育の推進のための工夫 (2)いきいきとした人生を送る生涯学習・生涯スポーツの推進 ●現状と課題・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 今、住民を取り巻く環境は、少子高齢化、高度情報化、国際化と目まぐるしく進展する中で、生 涯にわたって豊かに生きていくために生涯学習・スポーツの必要性が大きくクローズアップされて いるところです。一人一人の学習意欲の高まりや交流を深めることは、町全体の魅力づくりにもつ ながり、自発的な住民による町づくりへの参画につながっていきます。 そのためにも、だれもが、いつでも、どこでも、生涯にわたって参加できる総合的な推進体制の 整備を図り、充実した生涯学習のまちの実現が必要です。 また、少子高齢化時代に対応した施設整備も視野に入れた検討が必要です。 ●将来の展望・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 住民ニーズや社会環境に即応した講座、学習会など生涯学習の場の充実を図るとともに、公民館 や図書館などの社会教育施設、地域の生涯学習の中核となる生涯学習センターなどの施設機能の強 化を図るほか、他の公共施設とも連携して多様な学習プログラムを展開します。また、図書館の専門 蔵書の充実、大学など高等教育機関との連携を進め、専門的な知識や高度な学習プログラムの提供 を行い、気軽に学べる学習から専門性の高い学習まで、住民の幅広いニーズに対応した学びの環境 を整備します。 住民が多様な学習活動やスポーツ、レクリエーション活動を生涯にわたって親しむことのでき る環境の確保・充実を推進していきます。 ●施策の体系・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 施 策 いきいきとした人生を 実施施策 推進体制の充実 主要事業 人材登録制度の充実 送る生涯学習・生涯スポー ツの推進 各種団体との連携 特色のある多様な学習 住民ニーズの把握 プログラムの策定 独自プログラムの企画立案 各種スポーツ教室等の開催 関係機関・関係施設との 学習団体やサークル、高等 連携 教育機関・社会教育関係団 体との連携 地区公民館など地区施設 との連携 施設整備の充実・有効 図書館機能の充実 活用 体育施設等の有効活用・充実 (3)文化財や伝統的建造物群の保護と保存・活用 ●現状と課題・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 有田町内には、国・県・町指定の史跡をはじめ、多くの古窯跡が残っています。それらは、そこで 生産された陶磁器という素材を通して、その一つ一つが日本や世界の歴史に通じるものであり、単に 有田の歴史のみを語るものではありません。しかし、今日ではまだその歴史的価値が町内においてす ら十分に認識されている状況にはなく、開発等による喪失や盗掘等による破壊が懸念されます。また、 重要伝統的建造物群の空き家の増加、地区住民の高齢化に伴う維持・管理の難しさなども深刻な問題 となりつつあります。 この伝建地区を中心とした地域の活性化の促進は、単に文化財としてでなく、観光資源としての活 用の面においても喫緊の課題であり、そのため、住民の意識高揚や観光拠点化を図る上で核となる町 並みセンター(仮称)の設置を目指す必要があります。また、同様に観光や有田の正しい理解を図る 上で、古窯跡や建造物をはじめとする各種の文化遺産の保存を促進し、位置付けを明確にして、それ らを有機的に連携して相乗的な付加価値の創出も必要となってきます。 ●将来の展望・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 日本の陶磁器文化の発展に大きく寄与した特筆すべき 400 年の歴史の歩みを現代に伝える多くの 古窯跡をはじめ、旧有田・内山地区(国選定重要伝統的建造物群保存地区)の建造物群、その技術を 今日まで継承する重要無形文化財保持者や団体など、磁器の町有田を象徴する多くの文化財が残され ています。また、西地区の国見山麓には、坂ノ下遺跡など縄文時代の遺跡が点在し、さらに中世の唐 船城など悠久の歴史の流れを感じさせる文化財も残っています。 こうした文化財や民俗行事、棚田などの景観を含めたさまざまな文化遺産を適切に保護・保存し、 調査研究を通じて活用の方策を探っていくとともに、資料館や美術館の活動等を通じて町民はもと より広く周知していきます。 ●施策の体系・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 施 策 文化財や伝統的建造物 実施施策 文化遺産の調査と研究 群の保護と保存・活用 主要事業 文化遺産の保護のための調査 ・研究 文化遺産の保護のための地域 との協働に関する調査・研究 文化財の保護・活用 古窯跡などの保護・活用 文化財監視体制の充実 町並みセンター(仮称) の設置 景観形成地区の保存・活用 資料館・美術館等の有効活 用・充実
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