第 105 号 発行 2016 年 6 月 えべおつファミリークリニック 電話:75-5500 介護保険の申請のしかた 介護保険が運用されて 16 年、いろいろな問題も指摘されながらも、医療保険との両輪の公的 保険制度として定着しています。自分は関係ないなあという方も 40 歳になると給料から健康保 険料と一緒に保険料が天引きされています。 介護保険が適応になるのは、老人ホームなどの施設入所、療養型病院(いわゆる老人病院)で の入院、ショートステイやデイサービスといったお泊りや通所サービスの他、車椅子、介護ベッ トなどの福祉用具、さらにトイレに手すりをつけたいといった住宅改修などにも使えます。基本、 かかる費用の 9 割が保険からでて、自己負担は 1 割で済みます。福祉用具のレンタルができるよ うになったのは、介護保険制度のいいところで、車椅子でもなんでも一ケ月お試しで使ってみて、 気に入らなければ返却したり、別のものにできますので、高いお金をだして慌てて買う必要はな くなりました。また購入の場合も 1 割負担でできますので、まずは介護保険が使えないか、相談 してみてください。一方で介護保険は保険料を払っているだけで使えず、認定申請をして要支援 1~2 や要介護 1~5 の介護認定がつかないと利用できません。また判定結果が出るまで 30 日ほ どかかりますが、とりあえず申請はしておかないと、施設の申し込みもできません。 申請できるのは、65 歳以上と思っておられる方がありますが、認知症や癌の末期、関節リウマ チ、脳卒中など、国が指定した病名があれば、40 歳から利用できますので、これも自分の病気が 該当しないか、主治医の先生などに聞いてみてください。(だだし、医者は介護保険には詳しく ないこともあるので、その時は、病院ならソーシャルワーカなどのいる相談室、ケアマネージャ ーのいる居宅介護支援事業所、市役所にある包括支援センターなどに相談されてください) 申請そのものは、簡単で、役場に「介護申請したい」といって書類を一枚書くだけです。滝川 市なら市役所一階の介護福祉課(包括支援センターと一緒です)あるいは江部乙支所でも受け付 けてくれます。ご家族が行っても大丈夫ですし、それも面倒だったり、行けない方はケアマネー ジャーに頼めば代行申請もできます。代行であっても申請にはお金はかかりません。 申請書類も難しくありませんが、ひとつだけ大事なことがあります。主治医の名前をかくとこ ろがあるのですが、ここには自分が介護が必要となっている状況を一番わかる先生の名前を書い てください。ここに書かれた先生が介護度の判定に必要な主治医意見書という書類(診断書)を 書くことになるのですが、よくあるのは、認知症で困っているのに、精神科と書くのは嫌で、血 圧の薬だけをもらっている内科の先生の名前を書かれたりします。その先生が認知症の状況もみ ていればいいのですが、そうでない場合、役にたつ意見書にならないので、適切な判定がでない ことがあります。また難しい病気にかかっていて、3 ケ月ごとに大学病院に通っている方なども、 大病院の忙しい先生は、家での介護状況まではわからないことも多いので、近所の何でも相談し ているかかりつけ医の先生の名前を書いた方がいいこともあります。主治医のいない方は、ご相 談いただけば当院で対応できます。当院は居宅支援事業所を併設しており、ケアマネージャーが いつもおりますので、介護の相談だけでも、遠慮なくご相談ください。
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