応用解析学1・第 10 回 (2016 年 6 月 11 日) §10. 可微分写像の平均値の定理 この節では 1 変数実数値関数に対する平均値の定理の写像版を導く。ここでの結果は第 13 節における逆関数定理の証明で使われる。 ● 10 - 1 : 関数の極値 開集合 U ⊂ Rn 上で定義された実数値関数 f が点 a ∈ U で広義極大 (local maximum) であ るとは、 ∃ ε > 0 s.t. (i) U (a; ε) ⊂ U, (ii) ∀ x ∈ U (a; ε), f (x) ≤ f (a) (10 - 1 a) が成り立つときをいい、f (a) を f の広義極大値 (maximal value) という。同様に、 ∃ ε > 0 s.t. (i) U (a; ε) ⊂ U, (ii) ∀ x ∈ U (a; ε), f (x) ≥ f (a) (10 - 1 b) が成り立つとき、f は a で広義極小 (local minimum) であるといい、f (a) を f の広義極小値 (minimal value) という。広義極大値と広義極小値を総称して広義の極値 (extreme value) と呼 ぶ。(10 - 1 a)(ii) において ≤ の代わりに < が成り立ち、(10 - 1 b)(ii) において ≥ の代わりに > が成り立つならば、f (a) をそれぞれ極大値、極小値と呼び、これらを総称して極値と呼ぶ。 (1) 関数 f1 (x, y) = x2 + y 2 ((x, y) ∈ R2 ) は (0, 0) で極小であり、関数 f2 (x, y) = 例 10 - 1 −x2 − y 2 ((x, y) ∈ R2 ) は (0, 0) で極大である。 (2) 関数 g1 (x, y) = y 2 ((x, y) ∈ R2 ) は任意の a ∈ R に対して (a, 0) で広義極小であり、関 数 g2 (x, y) = −y 2 ((x, y) ∈ R2 ) は任意の a ∈ R に対して (a, 0) で広義極大である。 (3) 関数 h(x, y) = x2 − y 2 ((x, y) ∈ R2 ) は (0, 0) で極小でも極大でもない。 z x z z z z y x y y x x y x f1 f2 y g1 g2 h ● 10 - 2 : 極値と偏導関数 広義の極値をとるグラフ上の点において、その点通るグラフ上の曲線の速度ベクトルが “水 平”になることから次の結果が導かれる。 定理 10 - 2 開集合 U ⊂ Rn 上で定義された偏微分可能な実数値関数 f が点 a ∈ U で広義の極値をとる ∂f ならば、すべての i = 1, . . . , n に対して (a) = 0 である。 ∂xi (証明) f が a = (a1 , . . . , an ) で広義の極値をとるとすると、ai の十分近くで定義された 1 変数関数 g(x) = f (a1 , . . . , ai−1 , x, ai+1 , . . . , an ) は ai で広義の極値をとる。したがって、g ′ (ai ) = 0 でな ければならない。 – 73 – 応用解析学1・第 10 回 (2016 年 6 月 11 日) ∵) a = ai とおく。g が a で広義極大の場合を考える (広義極小の場合も同様に示すこと ができる)。このとき、δ > 0 を十分小さくとると、「|x − a| < δ ⇒ g(x) ≤ g(a)」が成 り立つ。よって、 g(x) − g(a) ≥ 0, x−a g(x) − g(a) ≤0 x−a a−δ <x<a ⇒ a<x<a+δ ⇒ であるから、 g(x) − g(a) g(x) − g(a) ≥ 0, g ′ (a) = lim ≤0 x→a+0 x−a x−a を得る (ここで、 lim , lim は、数直線で考えたときに、それぞれ x を a の左側から g ′ (a) = lim x→a−0 x→a−0 x→a+0 近づけたとき、右側から近づけたときの極限を表わす)。故に、g ′ (a) = 0 である。 これより、 □ ∂f (a) = g ′ (ai ) = 0 を得る。 ∂xi □ ∂f (a) = 0 を満 ∂xi たすとき、a は f の停留点 (stationary point) または臨界点 (critical point) と呼ばれる。上の 注意 10 - 3 f が点 a において微分可能で、すべての i = 1, . . . , n に対して 定理より、微分可能な関数が f が a で広義の極値をとるならば、その点は f の停留点でなけ ればならない。しかし、この逆は成立しない。実際、例 10- 1(3) の関数 h について (0, 0) は停 留点であるが、その点で広義の極値をとらない (グラフも参照)。 演習 10 - 1 R2 上の関数 f (x, y) = e−x 2 −y 2 (x2 + 2y 2 ) ((x, y) ∈ R2 ) の停留点を求めよ。 ● 10 - 3 : 1 変数実数値関数に対する平均値の定理 平均値の定理は、グラフで考えると、微分可能な関数 f の定義域内の2点 a, b (a < b) に対 して、平面上の2点 (a, f (a)), (b, f (b)) を結ぶ直線と平行な接線を f のグラフ C に引くこと ができる、ということを意味する定理である。座標軸を適当に取り替えると、f (a) = f (b) = 0 とすることができるが、この場合の平均値の定理は、曲線 C に x 軸と水平な接線を引くこと ができるという主張になり、定理の主張の正しさを実感することができる。 / 1 1 / / 0 , 2 , + - + - * . + * * 0 . . 定理 10 - 4 (ラグランジュの平均値の定理) f : I −→ R を開区間 I 上で定義された微分可能な関数とする。a < b であるような任意の a, b ∈ I に対して、次の等式を満たす c が開区間 (a, b) の中に存在する: (10 - 3 a) f (b) − f (a) = f ′ (c). b−a – 74 – 応用解析学1・第 10 回 (2016 年 6 月 11 日) 注意:ラグランジュの平均値の定理は次の形で使われることも多い。 a < b であるような任意の a, b ∈ I に対して、 f (b) − f (a) (10 - 3 b) = f ′ (a + θ(b − a)) b−a を満たす θ ∈ (0, 1) が存在する。 1 変数関数の平均値の定理については基礎解析学1で詳しく扱われるはずなので、ここでは 証明を省略する。 ● 10 - 4 : 写像に対する平均値の定理 ラグランジュの平均値の定理は次のように可微分写像に対して拡張される。 定理 10 - 5 (可微分写像の平均値の定理) 開集合 U ⊂ Rn 上で定義された微分可能な写像 f : U −→ Rm を考える。もし、2 点 a, b ∈ U を端点とする線分 [a, b] が U に含まれているならば、任意の v ∈ Rm に対して、 ( ) ⟨v, f (b) − f (a)⟩ = ⟨v, f ′ a + θ(b − a) (b − a)⟩ を満たす θ ∈ (0, 1) が存在する。 (証明) [a, b] ⊂ U であり、U は開集合であることから、十分 δ > 0 を小さくとると、任意の t ∈ (−δ, 1 + δ) に対して a + t(b − a) ∈ U となる。そこで、このような δ をとり、写像 φ : (−δ, 1 + δ) −→ R を ⟨ ( )⟩ φ(t) = v, f a + t(b − a) (−δ < t < 1 + δ) によって定義する。φ は微分可能であり、その導関数は ⟨ ( ) ⟩ φ′ (t) = v, f ′ a + t(b − a) (b − a) (−δ < t < 1 + δ) によって与えられる。よって、ラグランジュの平均値の定理より ∃ θ ∈ (0, 1) s.t. φ(1) − φ(0) = φ′ (θ) となる。この等式を書き換えると示そうとしていた等式であることがわかる。 注意:写像の場合には □ ( ) f (b) − f (a) = f ′ a + θ(b − a) (b − a) の形の平均値の定理は成り立たない。例えば、f : R2 −→ R2 を f (x, y) = (x3 + y 3 , 3xy) によ り定めて、a = (0, 0), b = (1, 1) とすると、どのように θ ∈ (0, 1) を選んでも f (b) − f (a) ̸= ( ) f ′ a + θ(b − a) (b − a) となる。 ● 10 - 5 : 行列のノルムと平均値の定理 定理 10 - 5 の応用を述べるために行列のノルムを定義する。(m, n)-行列 A = (aij ) ∈ Mmn (R) に対して次式で定義される非負実数 ∥A∥ を A のノルムという: v u∑ n um ∑ ∥A∥ = t a2ij . i=1 j=1 これは Mmn (R) を Rmn と同一視したときのユークリッドノルムに他ならない。 – 75 – 応用解析学1・第 10 回 (2016 年 6 月 11 日) 補題 10 - 6 行列のノルムは次の性質を持つ。 (1) 任意の A ∈ Mmn (R) に対して ∥A∥ ≥ 0 であり、 ∥A∥ = 0 ⇐⇒ A = O (零行列). (2) 任意の A ∈ Mmn (R) と任意の t ∈ R に対して ∥tA∥ = |t|∥A∥. (3) (三角不等式) 任意の A, B ∈ Mmn (R) に対して ∥A + B∥ ≤ ∥A∥ + ∥B∥. (4) A ∈ Mlm (R), B ∈ Mmn (R) に対して、∥AB∥ ≤ ∥A∥ · ∥B∥. (証明) (1), (2), (3) についてはユークリッド空間のノルムの性質から直ちに従う。 (4) を示す。A, B, AB の (i, j)-成分をそれぞれ aij , bij , cij とおく。すると、Cauchy-Schwartz 2 ) より の不等式 (x1 y1 + · · · + xm ym )2 ≤ (x21 + · · · + x2m )(y12 + · · · + ym ∥AB∥ = 2 l ∑ n ∑ i=1 j=1 c2ij = l ∑ n (∑ m ∑ )2 aik bkj ≤ i=1 j=1 k=1 l ∑ n (∑ m ∑ a2ik i=1 j=1 k=1 = m l ∑ (∑ i=1 k=1 m )(∑ b2hj ) h=1 ) a2ik ( m ∑ n ∑ ) b2hj = ∥A∥2 ∥B∥2 □ h=1 j=1 次の結果は定理 10- 5 の系である。 系 10 - 7 開集合 U ⊂ Rn 上で定義された微分可能な写像 f : U −→ Rm を考える。a, b ∈ U とし、こ の 2 点を端点とする線分 [a, b] が U に含まれているとする。このとき、 ( ) ∥f (b) − f (a)∥ ≤ f ′ a + θ(b − a) ∥b − a∥ を満たす θ ∈ (0, 1) が存在する。 (証明) 定理 10 - 5 において v = f (b) − f (a) にとると、 ( ) ∥f (b) − f (a)∥2 = ⟨f (b) − f (a), f ′ a + θ(b − a) (b − a)⟩ ( ) ≤ ∥f (b) − f (a)∥∥f ′ a + θ(b − a) (b − a)∥ (Cauchy-Schwartz) ( ) ≤ ∥f (b) − f (a)∥f ′ a + θ(b − a) ∥b − a∥ (補題 10- 6(4)) となる。よって、f (b) ̸= f (a) のとき、∥f (b) − f (a)∥ で両辺を割って ( ) ∥f (b) − f (a)∥ ≤ f ′ a + θ(b − a) ∥b − a∥ を得る。右辺は 0 以上なので、この不等式は f (b) = f (a) の場合でも成り立つ。 – 76 – □ No.10 応用解析学1演習問題 可微分写像の平均値の定理 2016 年 6 月 11 日 (広義の) 極大・極小、(広義の) 極大値・極小値、行列のノルム ラグランジュの平均値の定理、可微分写像の平均値の定理 演習問題 10. 関数 f : (0, 2π) × (0, 2π) −→ R を f (x, y) = sin x + sin y + sin(x + y) により定義する。 (1) f の停留点を求めよ。 ∂2f ∂2f ∂2f ∂2f , (2) 関数 , , を ∂x2 ∂x∂y ∂y∂x ∂ 2 y ∂2f ∂ ( ∂f ) ∂2f ∂ ( ∂f ) ∂2f ∂ ( ∂f ) ∂ 2 f ∂ ( ∂f ) = , = , = , = ∂x2 ∂x ∂x ∂x∂y ∂x ∂y ∂y∂x ∂y ∂x ∂2y ∂y ∂y と定め、各点 a ∈ (0, 2π) × (0, 2π) に対して 2 ∂ f ∂2f ∂x2 (a) ∂x∂y (a) Hf (a) = 2 2 ∂ f ∂ f (a) (a) ∂y∂x ∂2y とおく。(1) で求めた各停留点 a に対して Hf (a) の行列式 (Hf )(a) の値を求めよ。 応用解析学1 [第 10 回]・関連図作成シート の関連図 2016 年 6 月 11 日 学籍番号 氏 名 応用解析学1通信 [No.10] 2016 年 6 月 11 日発行 ■ 第8回学習内容のチェックについて 今回は全体的によくできていましたが、Q2 のヤコビ行列 Ja (f ) の定義を書き入れる枠の部 分とその次の枠に見当違いの答えを書いた人が何人かいました。 Ja (f ) の定義は (8 - 4 a) にあります。しかし、これを枠の中に無理矢理書こうとしても収ま ∂fi (a) だけを書き入れてください。 りません。枠の中にはその第 (i, j)-成分 ∂xj Q2 の 4 番目以降の枠に答えるには、定理 8 - 7 を見る必要がありましたが、補題 8 - 6 を見て 解答したものが 10 枚弱ありました。そもそも問題文に「Ja (f ) を用いて」と書かれているので、 これを使わないのはおかしいな?と立ち止まるべきでしょう。 さて、定理 8 - 7 を見てください。その後半部分には a における微分係数 f ′ (a) がヤコビ行 列 Ja (f ) により与えられると書かれています。ということは、微分係数の定義 (定義 8 - 1) によ り、十分小さな δ > 0 と任意の h ∈ U (0; δ) に対して、f (a + h) − f (a) が f (a + h) − f (a) = Ja (f )h + o(h) のように表わされるということです (o に対する条件はここでは省略します)。よって、4 番目 の枠には上式の右辺を書き入れることになります。 ■ 第8回学習内容のまとめを書くためのヒント 第8回のまとめを書くためのヒントを提供しますので、これを参考に修正してください。 • まず始めに、1 変数関数 f が a で微分可能であることの「いつもの」定義を述べ、その定 義における条件が (8 - 1 b) にあるような条件を満たす α ∈ R と関数 o が存在することと同 値であることを述べる。 • それに続いて、 「この言い換えに基づいて」などのつなぎの言葉をいれて、Rn の開集合 U 上で定義された写像 f : U −→ Rm が点 a ∈ U で微分可能であることの定義と記号 f ′ (a) の定義を述べる。 • さらに続けて、「f = (f1 , . . . , fm ) とおくと」と書いて、写像 f が微分可能であることと 成分関数 fi (i = 1, . . . , m) が微分可能であることは必要十分であることを述べる。 • 最後に、「さらにこのとき」とつないで、各 fi が偏微分可能になること、および、微分係 数 f ′ (a) がヤコビ行列によって与えられることを説明する。 ■ 前回のブリントの訂正 たびたび申し訳けありません。前回配布したプリントに誤りがあります。以下のように訂正し ます。(これらは講義中に説明した箇所です。pdf ファイル版は訂正したものを掲載しています。) • p.66, 2 行目: 「(ii) と (iv) から」という記述を削除してください。 • p.66, 演習 9 - 1 のヒントの不等式の右辺における m は |γ1 | + · · · + |γm | に変えてください。 n ∑ にすべき • p.68, 下から 8 行目にある εi (h) の定義式の右辺における j に関する和は j=i+1 でした。 応用解析学1・第 10 回学習内容チェックとまとめシート 学籍番号 2016 年 6 月 11 日 氏 名 [テーマ] [学習内容のチェック] Q1. 開集合 U ⊂ Rn 上で定義された実数値関数 f が点 a ∈ U で広義極大 (または広義極小) で あるとは、次の 2 条件を満たす ε > 0 が存在するときをいう: , (ii) (i) . f が偏微分可能で、a において広義の極値をとる (すなわち、広義極大または広義極小とな る) ならば、すべての i = 1, . . . , n に対して である。 Q2. (ラグランジュの) 平均値の定理とは、開区間 I 上で定義された微分可能な関数 f : I −→ R に対して、次が成り立つことを主張する定理である。 これは、R2 上の2点 (a, f (a)), (b, f (b)) を結ぶ直線と を に 引くことができることを意味する。平均値の定理はしばしば、任意の a, b ∈ I (a < b) に対し を満たす θ ∈ (0, 1) が存在するという形で使われる。 て、 Q3. 平均値の定理は、Rn の開集合 U 上で定義された微分可能な写像 f : U −→ Rm と、2 点 a, b を端点とする線分が U に含まれるような a, b に対して拡張され、それを用いて不等式 を満たす θ ∈ (0, 1) の存在が示される。この不等式の中で使われている行列のノルムは、A = (aij )1≤i≤m に対して ∥A∥ = により定義されている。このノルムはノルムの通 1≤j≤n 常の性質の他、A ∈ Mlm (R), B ∈ Mmn (R) に対して も満たす。 [学習内容のまとめ] 次の事項を守り、第 10 回の学習内容を下の破線より下に文章で書きなさい。 広義の極値をとる点での偏微分の値がどのようになるのかを感覚的な理由をつけて述べる。 1 変数実数値関数に対する平均値の定理を説明する。 写像に対する平均値の定理から導かれる不等式を説明する。 論理記号 ∀, ∃, ⇒, ⇔, ∨, ∧ を使用しない (集合の記号 { , }, ∈, ⊂ や写像の記法は使用可)。 「(記号):(その説明)」のような略式的表現法を避ける。 「したがって」 「ところが」 「例えば」など、適宜つなぎの言葉を入れて書く (但し、 「また」を濫用しない)。 定義や定理などの列挙に終始したり、事実の箇条書きにならないようにする。 応用解析学1 [第 10 回]・関連図作成シートに含めるべき項目 ⃝ 1 U ⊂ R を開集合とする。 関数 f : U −→ R が点 a ∈ U で広義極大 (resp. 広義極小) n def ⇐⇒ ∃ ε > 0 s.t. (i) U (a; ε) ⊂ U , (ii) ∀ x ∈ U (a; ε), f (x) ≤ f (a) (resp. f (x) ≥ f (a)). このとき、f (a) を f の広義極大値 (resp. 広義極小値) という。 (ii) において ≤ の代わりに < が成り立ち、≥ の代わりに > が成り立つならば、 f (a) をそれぞれ極大値、極小値と呼ぶ。 ⃝ 2 3 ⃝ 開集合 U ⊂ R 上で定義された偏微分可能な実数 値関数 f が a ∈ U で広義の極値をとる ∂f =⇒ ∀ i = 1, . . . , n, (a) = 0. ∂xi U ⊂ R を開集合、f : U −→ R を関数とする。 a ∈ U が f の停留点 n n def ⇐⇒ f は点 a ∈ U において微分可能で、 ∂f ∀ i = 1, . . . , n, (a) = 0. ∂xi ⃝ 4 f : I −→ R を開区間 I 上で定義された微分可能な関数とする。 a, b ∈ I, a < b =⇒ ∃ c ∈ (a, b) s.t. f (b) − f (a) = f ′ (c). b−a ⃝ 5 f : I −→ R を開区間 I 上で定義された微分可能な関数とする。 a, b ∈ I, a < b =⇒ ∃ θ ∈ (0, 1) s.t. f (b) − f (a) = f ′ (a + θ(b − a)). b−a ⃝ 6 U ⊂ R を開集合とし、f : U −→ R を微分可能な写像とする。 2 点 a, b ∈ U を端点とする線分が U に含まれる =⇒ ∀ v ∈ Rm , ∃ θ ∈ (0, 1) s.t. ( ) ⟨v, f (b)−f (a)⟩ = ⟨v, f ′ a+θ(b−a) (b−a)⟩. n m ⃝ 7 (1) 任意の A ∈ Mmn (R) に対して ∥A∥ ≥ 0 であり、 ∥A∥ = 0 ⇐⇒ A = O (零行列). (2) 任意の A ∈ Mmn (R) と任意の t ∈ R に対して ∥tA∥ = |t|∥A∥. (3) 任意の A, B ∈ Mmn (R) に対して ∥A + B∥ ≤ ∥A∥ + ∥B∥. (4) A ∈ Mlm (R), B ∈ Mmn (R) に対して、 ∥AB∥ ≤ ∥A∥ · ∥B∥. 8 ⃝ 行列 A = (aij ) ∈ Mmn (R) に対して v u∑ n um ∑ ∥A∥ = t aij . i=1 j=1 を A のノルムという。 ⃝ 9 開集合 U ⊂ Rn とし、f : U −→ Rm を微分可能な写像とする。 a, b ∈ U を端点とする線分が U に含まれる ( ) =⇒ ∃ θ ∈ (0, 1) s.t. ∥f (b) − f (a)∥ ≤ f ′ a + θ(b − a) ∥b − a∥.
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