患者向医薬品ガイド 2016 年 6 月作成 ビスダイン静注用 15mg 【この薬は?】 ビスダイン静注用 15mg Visudyne for i.v. injection 15mg ベルテポルフィン Verteporfin 販売名 一般名 含有量 (1 バイアル中) 15mg 患者向医薬品ガイドについて 患者向医薬品ガイドは、患者の皆様や家族の方などに、医療用医薬品の正しい理解 と、重大な副作用の早期発見などに役立てていただくために作成したものです。 したがって、この医薬品を使用するときに特に知っていただきたいことを、医療関 係者向けに作成されている添付文書を基に、わかりやすく記載しています。 医薬品の使用による重大な副作用と考えられる場合には、ただちに医師または薬剤師 に相談してください。 ご不明な点などありましたら、末尾に記載の「お問い合わせ先」にお尋ねください。 さ ら に 詳 し い 情 報 と し て 、 PMDA ホ ー ム ペ ー ジ 「 医 薬 品 に 関 す る 情 報 」 http://www.pmda.go.jp/safety/info-services/drugs/0001.html に添付文書情報が 掲載されています。 【この薬の効果は?】 ・ この薬は、光線力学的療法用製剤※と呼ばれる薬です。 ※ 光線力学的療法:光に反応する薬剤を静脈注射で体内に注射 した後に、病変部に弱いレーザー光線を照射するという治療 法です。 ・ この薬を用いて光線力学的療法を行うことにより、眼内にでき る病的な血管の成長を抑えます。 ・ 次の病気の人に医療機関で使用されます。 - 1 - 中心窩下(ちゅうしんかか)脈絡膜新生血管 (みゃくらくまくしんせ いけっかん)を伴う加齢黄斑変性症 【この薬を使う前に、確認すべきことは?】 ○ この薬を注射した後 48 時間は皮膚や眼を直射日光や強い室内 光にさらさないよう注意してください。 ○ 光照射によりこの薬を活性化させた場合に、視力低下などの重 い視覚障害が誘発されるおそれがあり、回復しなかった症例も 認められています。この薬による光線力学的療法のリスクにつ いて十分理解できるまで説明を受けてください。 ○ 次の人は、この薬を使用することはできません。 ・ ポルフィリン症の人 ・ 過去にビスダインに含まれる成分で過敏な反応を経験した ことがある人 ・ 混濁の程度の強い白内障や角膜混濁があるなど、眼底の観察 が難しい人 ○ 次の人は、慎重に使う必要があります。使い始める前に医師ま たは薬剤師に告げてください。 ・ 肝臓に障害がある人、胆管閉塞がある人 ・ 麻酔中の人 ・ 網膜血管増殖腫(もうまくけっかんぞうしょくしゅ)の人 ・ 糖尿病性網膜症(とうにょうびょうせいもうまくしょう)をはじ めとする網膜症にかかっている人 ○ この薬には併用を注意すべき薬があります。他の薬を使用して いる場合や、新たに使用する場合は、必ず医師または薬剤師に 相談してください。 【この薬の使い方は?】 この薬は注射薬です。 ● 使用量および回数 使用量、使用回数などは、あなたの体表面積(身長と体重から 計算)や症状などにあわせて、医師が決め、医療機関において 注射されます。 - 2 - 1 回量 注射時間 使用頻度 体表面積 1m2 あたりベルテポルフィンとして 6mg 10 分間かけて静脈内に注射します。 注射を開始してから 15 分後にレーザー光を照射し ます。 3ヵ月毎に検査し、必要に応じて再治療を行いま す。 ● どのように使用するか? ・ この薬による光線力学的療法は、この薬の静脈内への注射 (第 1 段階)と眼科用光線力学的療法用レーザー(非発熱性 ダイオードレーザー)からのレーザー光照射によるビスダイ ンの活性化(第 2 段階)の 2 つのプロセスからなります。 ・ 3 ヵ月以内の間隔で再治療を実施しても、視力低下の維持に おいてさらなる有効性は認められなかったとの成績があり ます。再治療の実施時期については、各患者さんの症状や検 査成績の推移について慎重に検討した上で判断されます。 ・ 視力矯正用コンタクトレンズを使用している人の場合、光線 力学的療法の前にコンタクトレンズをはずしてから治療を 開始します。 ・ 必要な場合には、眼球運動防止のための球後麻酔を併用する ことがあります。 ・ 初回治療における両眼同時治療は行いません。過去にこの薬 による光線力学的療法を施行した経験がなく、両眼に治療対 象となる病変がある人は、まず片眼(病変が進行している眼) にのみ光線力学的療法を行い、1 週間以上観察します。特に 安全性上問題がない場合に、もう一方の眼への光線力学的療 法の施行を考慮されます。 ・ 過去に片眼に対して光線力学的療法を施行し、特に安全性上 問題がなかった場合において、両眼に治療対象となる病変が ある人については、最初に進行がより高度である眼の病変を 対象に光線力学的療法を施行します。その後直ちに(この薬 注射開始から 20 分以内、注射終了 10 分以内)もう一方の眼 に光照射が行われます。 - 3 - 【この薬の使用中に気をつけなければならないこと は?】 ・ この薬の使用によって胸痛、アナフィラキシー、血管迷走神 経反応を起こすことがあります。 以下のような症状が認められた場合には、直ちに医師に連絡 してください。 気を失う、汗をかく、めまい、発疹、息苦しい、皮膚が赤く なる、血圧の変化、心拍数の変化 ・ この薬の使用によって背中の痛みや胸の痛みなどの筋肉の 痛みがあらわれることがあるので、これらのリスクについて、 十分に理解できるまで説明を受けてください。また、これら の症状が強くあらわれた場合には、直ちに医師に連絡してく ださい。特に高血圧、アレルギーになったことのある人は、 重篤化するおそれがあるので注意してください。 ・ この薬を注射した後、視覚異常、視力低下または視野欠損(視 野の中に見えない部分がある)などの視覚障害があらわれる ことがあるので、このような症状が続いている間は高い場所 での作業、自動車の運転など危険を伴う機械の操作は行わな いでください。 ・ この薬の使用にあたって、以下の内容を十分に理解できるま で説明を受けてください。 1)この薬を注射した患者さんは注射した後 48 時間は光に 対して過敏な状態にあるため、注射した後 2 日間は皮膚、 眼などを直射日光、強い室内光(日焼けサロン、強いハ ロゲンランプ、手術室・歯科治療室で用いられる強力な 医療用照明など)にさらさないよう注意してください。 2)この薬を注射した後 2 日間の昼間に外出しなければなら ない場合は、皮膚や眼を強い光から保護しなければなら ないため、保護用の衣服や濃いサングラスを着用してく ださい。また、可視光線(人の目に見える波長の光)に よって活性化されるので、紫外線用日焼け止め剤では皮 膚に残っているこの薬の光線過敏性反応から皮膚を保 護する効果はありません。 3)この薬を注射した後 3~5 日目も直射日光や強い光はな るべく避けてください。 - 4 - 4)室内光を浴びることにより、皮膚に残っているこの薬の 分解が促進されるので、この薬を注射後は暗所にとどま らずなるべく積極的に室内光を浴びてください。ただし、 強いハロゲンランプ、窓からの直射日光あるいはこれら に相当する強い光にさらされることは避けてください。 ・ 妊婦または妊娠している可能性がある人は医師に相談して ください。 ・ 授乳を避けてください。 ・ 他の医師を受診する場合や、薬局などで他の薬を購入する場 合は、必ずこの薬を使用していることを医師または薬剤師に 伝えてください。 副作用は? 特にご注意いただきたい重大な副作用と、それぞれの主な自覚 症状を記載しました。副作用であれば、それぞれの重大な副作 用ごとに記載した主な自覚症状のうち、いくつかの症状が同じ ような時期にあらわれることが一般的です。このような場合に は、ただちに医師または薬剤師に相談してください。 重大な副作用 主な自覚症状 急激な視力低下、物が見えない、物が見え にくい、物がゆがんで見える、眼の前に霧 眼障害 がかかったような感じ、視野の中に見えな がんしょうがい い部分がある、蚊が眼の前をとんでいるよ うに見える、光がないのにチラチラみえる ア ナ フ ィ ラ キ からだがだるい、ふらつき、意識の低下、 シー 判断力の低下、考えがまとまらない、ほて 血管迷走神経反 り、しゃがれ声、眼と口唇のまわりのはれ、 応 息苦しい、息切れ、動悸、じんましん、気 けっかんめいそうし を失う んけいはんのう 痙攣 けいれん 脳梗塞 のうこうそく 大動脈瘤 ひきつけ、意識がなくなる、手足のつっぱ り、手足の筋肉のふるえ 片側のまひ、意識の低下、判断力の低下、 考えがまとまらない、頭痛、しゃべりにく い、吐き気、嘔吐、手足のまひ、しびれ、 - 5 - だいどうみゃくりゅ う 心筋梗塞 しんきんこうそく 出血性胃潰瘍 半身不随、意識を失って深く眠りこむ、冷 や汗、急激に胸を強く押さえつけられた感 じ、狭心痛、息苦しい 吐き気、嘔吐、胸やけ、みぞおちの痛み しゅっけつせいいか いよう 全身性の疼痛 痛み とうつう 以上の自覚症状を、副作用のあらわれる部位別に並び替えると 次のとおりです。これらの症状に気づいたら、重大な副作用ご との表をご覧ください。 部位 自覚症状 全身 からだがだるい、ふらつき、ひきつけ、片側の まひ、痛み、冷や汗 頭部 意識の低下、考えがまとまらない、意識がなく なる、頭痛 顔面 ほてり 眼 急激な視力低下、物が見えない、物が見えにく い、物がゆがんで見える、眼の前に霧がかかっ たような感じ、視野の中に見えない部分があ る、蚊が眼の前をとんでいるように見える、光 がないのにチラチラみえる、眼と口唇のまわり のはれ 口や喉 しゃがれ声、眼と口唇のまわりのはれ、しゃべ りにくい、吐き気、嘔吐 胸部 息苦しい、息切れ、動悸、吐き気、胸やけ、急 激に胸を強く押さえつけられた感じ、狭心痛 腹部 吐き気、みぞおちの痛み 手・足 手足のつっぱり、手足の筋肉のふるえ、手足の まひ、しびれ、半身不随、片側のまひ 皮膚 じんましん その他 判断力の低下、気を失う、意識を失って深く眠 りこむ - 6 - 【この薬の形は?】 性状 暗緑色の塊又は粉末(凍結乾燥品) 形状 【この薬に含まれているのは?】 有効成分 添加物 ベルテポルフィン 乳糖水和物、エッグホスファチジルグリセ ロール、ジミリストイルホスファチジルコリ ン、パルミチン酸アスコルビン酸、ジブチル ヒドロキシトルエン 【この薬についてのお問い合わせ先は?】 ・症状、使用方法、副作用などのより詳しい質問がある場合は、 主治医や薬剤師にお尋ねください。 ・一般的な事項に関する質問は下記へお問い合わせください。 製造販売会社:ノバルティスファーマ株式会社 (http://www.novartis.co.jp) ノバルティスダイレクト 電話番号:0120-003-293 受付時間:9時~17時30分 (祝祭日及び当社休日を除く) - 7 -
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