ハイスクールD×D 百万回死んだ赤龍帝 ID:88420

ハイスクールD×D
百万回死んだ赤龍帝
ふじはる
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小説の作者、
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じます。
︻あらすじ︼
初代赤龍帝は何回死んでも赤龍帝のままだった。この物語はその
赤龍帝の記念すべき百万回目の人生から始まる
数話で終わるような短編を予定しています。
目 次 百万回死んだ赤龍帝 │││││││││││││││││││
数百年越しの恋心 ││││││││││││││││││││
﹃赤龍帝﹄の本気 ││││││││││││││││││││
魔王からの推薦状 ││││││││││││││││││││
黒猫の涙 ││││││││││││││││││││││││
魔王﹃は﹄眷属 │││││││││││││││││││││
1
14
28
37
45
54
百万回死んだ赤龍帝
﹁⋮⋮ドライグ、あいつは倒せたのか⋮
﹄
確かに倒したぞ
だから、生きて俺と
もう、耳も目も機能してない
これで﹃赤﹄の勝ちだ
んだ⋮⋮教えてくれ⋮⋮﹂
﹃ああ
共に喜んでくれ
!!
﹃バカを言うな
﹄
まだ死ぬな
目を覚ませ相棒
お前は俺の初めての相棒なんだ
二人で次の﹃白﹄との戦いを楽しむんだ
!!
﹃相棒
相棒
相棒
﹄
︶
?
相棒なのか
!?
︵⋮⋮嘘だろ
﹃ッ
﹄
!!?
彼の魂は生まれ変わりまた新たな命として誕生したのだが⋮⋮
また
一番の親友、ドライグに看取られながら、彼は眠りにつく。そして
!!!!
⋮⋮⋮⋮⋮⋮⋮⋮﹂
⋮⋮ ド ラ イ グ ⋮⋮ 次 の ⋮ 宿 主 と も ⋮⋮⋮⋮ 仲 良 く し ろ よ
﹁⋮⋮ こ れ か ら も お 前 と 白 い の と 戦 い た か っ た ⋮⋮⋮⋮ あ り が と う
!!
!!
﹁⋮⋮悪い、ドライグ⋮⋮体が全く動かない⋮⋮もう限界なんだ⋮﹂
!
?
!!
!!
死んでも、彼、もしくは彼女はドライグを宿し、
﹃白﹄と戦い続け、時
には負けることもあったが、そのうち負けることが無くなった。﹃白﹄
との戦いで、戦争に巻き込まれて、事故に巻き込まれて、そして寿命
で⋮何度も死に、生まれ変わる度に新たな力を宿しながら⋮⋮
そして、記念すべき百万回目の生を受けたときに、それは宿された
︵⋮⋮これ、
﹃黄昏の聖槍﹄か⋮⋮凄いもんを宿したな、ドライグ⋮⋮︶
今度は日本人の子として生まれたのか⋮⋮何百年
﹃ああ、これで百万個目の神器だな⋮⋮神滅具は初めてだな﹄
︶
︵そうだな⋮⋮ん
振りだ
︶
後の文献にあ
︵あぁ、そうだったか。今回は何回、白いのを倒せるんだろうな
の剣士の話が載っていたじゃないか﹄
﹃確か⋮⋮江戸時代とか言われてた時振りじゃないか
?
神器がストックされていくうちに、﹃白﹄との差はどんどん開いて
?
?
?
1
!!
!
!!
生まれ変わった先でも、彼はドライグと一緒だった。それから何回
!?
いっていた。それでも時には敗れる事もあったが、一万回目の死を越
えた辺りから、全く負けることが無くなった。途中から﹃赤﹄と﹃白﹄
の戦いは﹃赤﹄が一度の人生で何回﹃白﹄を倒せるかという余りにも
﹃白﹄が報われない戦いになってしまっていた
一度の人生で神器のストックについてはドライグと話し合った結
果
﹃普通0から始まり一定の数字で終わりまた0からスタートしていく
というのを、彼の場合は前回終わった数字からスタートしていく。神
器については、魂がそのまま残って生まれ変わるからストックされて
いった﹄
という結論に至った
﹃まぁ、俺が神器の気配を隠しておくから、相棒は今まで通りに成長し
ていってくれ﹄
︵あ あ、解 っ た よ ⋮⋮ し か し、相 変 わ ら ず 赤 ん 坊 の 体 は 苦 手 だ な ぁ
﹂
さすがに相棒だけでは味気ないしな︶
イグも一誠と呼ぶつもりみたいだ
それから十歳になるまで神器を隠し⋮⋮一度だけ神器を使いはし
たがそれ以外では完全に隠して鍛練し、十歳を越えてからは神器も使
いながら鍛練をした。今回は身体能力もそこそこ高く、魔法力にも恵
まれている⋮⋮
﹁今回は神器で補強しなくても十分かもな﹂
弱い体に生まれた時は、神器をいくつも常時発動させて戦ってき
た。そのせいでよく目をつけられていたが⋮⋮今回はその必要は無
さそうだ
2
⋮⋮︶
﹃しばらくの辛抱だ﹄
︵ああ⋮⋮︶
﹁あら一誠、お腹空いたの
︵今回の名前は一誠か︶
︵いいんじゃないか
﹃俺もたまには相棒のことを名前で呼んでみようか。なぁ、一誠﹄
?
自分を産んでくれた母親が自分のことを一誠と呼んでいる。ドラ
?
﹁それにしても⋮﹃黄昏の聖槍﹄は凄まじいな。他の﹃禁手﹄にまで影
響が出ているぞ⋮⋮﹂
﹄
もう何回目か解らない十七歳になった赤龍帝、一誠は、そう呟く。
ドライグも相づちを打っている
﹃そうだな⋮⋮実戦で試せたらいいんだが⋮⋮また行くか
﹁ああ、行こうか⋮⋮﹂
く
﹁⋮⋮結局、相手が脆くて何も解らず仕舞いだったな﹂
﹃まぁ、槍術の練習になったと思えばいいんじゃないか
こちらに来ているな⋮⋮﹄
﹄
はぁ⋮悪魔でも数百年ほど前に見た悪魔は可
﹃ああ、あの悪魔か⋮⋮悪魔ならまだ生きてるんじゃないのか
愛らしかったんだけどなぁ⋮⋮﹂
﹁⋮⋮あの先輩悪魔か
⋮⋮む、誰か
今日も自分の力を試すため、一誠は町に潜む異形の元へ向かってい
?
うけどな⋮⋮﹂
﹄
﹃いや、あれだけなつかれてたんだ。もしかしたら気付かれるかもし
れないぞ
誠が消えてから数秒後、その悪魔達がやってくる
﹁⋮⋮またね。ソーナも何も知らないようだし⋮⋮何の手掛かりも無
いわね⋮⋮﹂
一誠は学園ではかなりの知名度がある。容姿も良く、スポーツをす
ればほぼ負けなし、勉強も過去からの積み重ねなので学者や偉人より
3
?
﹁もしそうならまた会いたいもんだな。まぁ、向こうは解らないだろ
?
?
それだけ言うと一誠は魔法陣を使ってその場から消えていく。一
?
も知識はあり、同じくこれまでに培ってきた社交性もある。そんな一
誠を周りは放って置かなかった
昼休み、喉が渇いたので部活への勧誘を断りながら自販機でジュー
スを買っていると、廊下の先から生徒会の団体がこちらに向かって来
ていた。一誠は無意識に通り過ぎていく生徒会長の顔を覗き込んで
いた
兵藤君﹂
︵やっぱりなんか似てるんだよなぁ⋮⋮︶
﹁⋮⋮私に何かご用ですか
あまりに見すぎていたからか、その生徒会長と生徒会の面々に気づ
かれてしまった
興味深い話ですね
﹁いえ、ただ昔見た女の子に似ているなーと思いまして⋮⋮じろじろ
見てすいませんでした﹂
﹂
﹁別 に 構 い ま せ ん よ ⋮⋮ 私 に 似 て い る、で す か
⋮⋮その方とはいつ会ったのですか
?
﹁あら⋮⋮﹂
﹁おいおい、そりゃねぇだろ兵藤﹂
﹁別にこれぐらいの冗談言ってもいいだろ
匙﹂
﹁⋮⋮大昔ですよ。あ、もしかしたら生まれる前だったかも﹂
?
る。生徒会長は少し笑いながら答える
﹁一体どこからが冗談だったのですかね
り生徒会に入るつもりはありませんか
⋮⋮ところで兵藤君、やは
﹂
﹁あー⋮⋮俺、みんなの手本とかいうタイプじゃないんで⋮⋮まぁ、匙
だけじゃ男手が足りないってんなら手伝いはしますよ﹂
﹁そうですか⋮では、明日から毎日手伝ってもらいましょうか﹂
皆
俺そんなに頼りないですか
﹂
その言葉に一誠と匙を除く全員が笑いを堪えながら頷く。匙が叫
﹁え
そ、そうなんすか⋮⋮
﹂
?
4
?
適当に誤魔化すと、よく話す男子である匙に突っ込みを入れられ
?
?
?
!!?
ぶ
﹁会長
!?
﹁会長なりの冗談だろ。お前もそんなに間に受けるなよ﹂
!?
﹁⋮⋮あなたに生徒会に入って欲しいと言うのは冗談では無いんです
?
けどね⋮⋮﹂
生徒会長選挙の時、票を集めたのは目の前の生徒会長ではなく、一
誠の方だった⋮⋮最終的に一番票を集めた一誠が辞退、というより勝
手に名前を出されていたことが嫌で取り下げて貰い、次に票が多かっ
﹂
た支取蒼那が繰り上げで生徒会長になった。彼女はそのことをまだ
根に持っているらしい
﹁そう言われてもなぁ⋮⋮﹂
﹁⋮⋮私達の側にいるのは嫌でしたか
﹁⋮⋮目薬さしてるとこモロ見えだからな。というか生徒会長の使う
手段じゃ無いぞおい﹂
蒼那が一度後ろを向いて目薬をさし、涙目を装ってから一誠を上目
遣いで見ながらそう呟くが、一蹴される
﹁ここまでしないとあなたは反応しないでしょうに⋮⋮ですが、ここ
まで断られると本当に私達の側にいるのが嫌なのかと思ってしまい
ます﹂
﹂
﹁正直言うとそこまで嫌って訳でも無いんですけどねぇ⋮⋮﹂
﹁⋮⋮何かご不満でも
の上に立ちたくない﹂
過去、何回かは実際に皇帝、王族として人の上に立ったこともある
が、その時にその地位に満足することはなかった。だが、その受け答
えがソーナに興味を持たせてしまう
﹂
﹁まるで人の上に立っていたかの様な言い方ですが⋮既に何かの分野
で上に立っていたのですか
⋮⋮どうしても嫌ですか
﹂
﹁別に生徒会はそんなに人の上に立つという物では無いのですけどね
﹁⋮⋮はい、立っていたこともありましたよ。でも、合わなかった﹂
?
すよ﹂
﹁確かにそうですけど⋮⋮私も他の役員も、あなたに興味があるんで
人手は足りているでしょうに﹂
﹁どうしてもと言うか⋮⋮なんでそこまで俺に固執するんすか。別に
?
5
?
﹁不満と言うか、ただ何となく向いてないと思うだけですよ。俺は人
?
悪魔としても、と蒼那は心の中でつけ足す。他の役員も蒼那の言葉
に頷いている⋮⋮やがて、一誠が根負けしたように両手を上げる
﹁降参⋮⋮さすがに友人と美人の皆様にそこまで言われたら断れねぇ
よ⋮⋮はぁ﹂
あ、匙お前の話
﹁美人とは嬉しいことを言ってくれますね。これまで容姿を誉められ
﹂
?
る機会はあまり無かったので、新鮮で嬉しいです﹂
解ってるからつけ足すな
﹁えぇ⋮⋮美女揃いの生徒会だって評判なんですよ
題は出てないからな﹂
﹁俺だって解ってるわ
!
﹂
︶
自身の姉を思い浮かべるが、すぐにその考えは否定する
れなかった⋮⋮もしかしてお姉様と会っていた
︵私と似ている方⋮⋮誤魔化されたけど、嘘を言っているとは感じら
た
放課後、一誠を待っている間、蒼那は一誠の発言について考えてい
︵⋮⋮︶
なかったことを少し後悔した
同時に昼休みの終わりを告げるチャイムが鳴り、一誠は昼休みに休め
それを聞いた蒼那は満足そうに役員達を連れて廊下を歩いていく。
﹁いえ、何でもありませんよ⋮⋮放課後顔を出します﹂
︵美人さんに睨まれても怖いとは思わないな︶
かった
一誠がだれていると副会長に睨まれるが、一誠は全く怯えたりしな
﹁何かご不満でも
﹁えぇ、今日からかよ⋮⋮﹂
徒会室に来てくださいね﹂
﹁では今日の放課後から早速説明をしたいと思いますので、放課後生
匙が叫ぶが、それを気にしないかの様に副会長が口を開く
!!
?
6
?
︵無 い で す ね。私 は お 姉 様 と 似 て い る と こ ろ な ん て あ り ま せ ん し
⋮⋮︶
やがて一誠がやって来て、生徒会の仕事についてと、これから一緒
に行動することを伝えてから一誠を帰した。一誠を帰した後、彼に対
して少しだけ欲が出てしまう
︵⋮⋮私も、他の皆も彼のことは気に入っていますし、私の眷属になっ
て欲しいものですね⋮⋮︶
現在の生徒会役員は、新しく入った一誠を除いて全員が悪魔であ
る。みな、蒼那についていきたいと思い悪魔に転生した者達だ。蒼那
はそんなことを考えながら、その日のぶんの仕事を終わらせて、家に
帰っていった
﹄
一人生きりの出会いだったが、あの子のことなら今でも昨日のことの
ように思い出せるよ⋮⋮﹂
﹄
﹃じ じ く さ い な ⋮⋮ い や、一 応 お 前 が 誰 よ り も 長 生 き し て る か ら 間
違ってはないのか
フィスとグレートレッド辺りは俺より長生きしてんじゃないか
﹂
﹃ああ、あの神共か⋮⋮もし生きてたら絶対に燃やしてやる。一誠と
?
7
学校からの帰り道、一誠は公園のベンチでドライグと会話してい
た。カモフラージュで携帯を弄っているので、周りに怪しまれること
はなかった
﹃珍しいな、悪魔の下につくなんて﹄
﹂
﹁⋮⋮やっぱな、どうしてもあの子に似てたんだよ。それが気になっ
てな⋮⋮会長の眷属になったりできねぇかな
してくれるんじゃないのか
﹃本当に気に入ってるんだな、あの悪魔のことを。存外頼めば眷属に
?
﹁あんなに可愛らしい顔で笑う女の子は見たことなくてな⋮⋮ほんの
?
﹁⋮⋮それもそうだな。いや、シヴァとインドラやオーディン、オー
?
会えたこととその事は別だ﹄
怒りに燃えるドライグに笑いながら、一誠はもうひとつ、昔助けた
猫のことを思い出す
﹁あの猫又、どこに行ったんだろうなぁ⋮⋮﹂
七歳ぐらいの時、悪魔に襲われている一人の女性を見つけ、助けた
ことがある。その女性の容姿と持っている力が四百年前見た猫又と
似ていたので、その女性を猫又と判断して保護していたのだが⋮⋮
﹁私は追われ者にゃ⋮⋮私を助けてくれて、面倒も見てくれるほどに
優 し い あ な た を 巻 き 込 み た く な い の ⋮⋮ ご め ん ね、さ よ な ら に ゃ
⋮⋮﹂
それだけ言い残してどこかに消えてしまった。あの時はそこまで
自由に行動出来ず、何も出来なかったが今は違う
﹄
﹁そういえば、一年の転生悪魔に猫又がいたな⋮⋮ダメ元で聞いてみ
るか﹂
﹃⋮⋮いきなり聞いたら怪しまれるんじゃないか
﹁悪魔として接触したと思われたのなら、それこそ会長に頼んで悪魔
﹂
に転生させてもらえばいい。怪しまれなきゃそのままだけどな﹂
次の日、一誠は早速行動していた
﹁なぁ、塔城小猫って子、ここにいない
それより⋮⋮握
サインくださ
﹁少し話したいことがあるんだが、ここじゃちょっと話せない内容だ
騒いでいる生徒達の相手をしてから、小猫の前に立つ
一誠が突然一年のクラスに来たことにより、一年生達が騒ぎだす。
先輩
は、はい小猫さんならあそこにいます
﹂﹁本当に兵藤先輩が来てる
!
!
?
8
?
!
﹁兵藤先輩
﹂
手してください
い
!
!?
﹁あー解った解った⋮⋮⋮⋮よし﹂
!!
﹂
などと言われながら教室から
から、二人っきりになれるとこで話させてくれないか
﹁⋮⋮はい、解りました﹂
小猫はクラスメート達から告白か
?
えていた
︵普通に告白とかでしょうか
⋮⋮自惚れが過ぎますね︶
ていく。小猫はその後ろ姿を見ながら、何故自分が呼ばれたのかを考
出ていく。途中で一誠が二人分の飲み物を買ってから、屋上に向かっ
!?
﹂
﹁⋮⋮ッ
﹂
!!?
して兵藤先輩が姉を知っている
一緒にいた
⋮⋮小猫にとっては
?
⋮⋮ああ、そういうことにして消えてったのか⋮⋮不器
用な女だな、あいつ﹂
﹂
私は姉様のせいで責められ、処分されそうに
何がそういうことですか
﹁そういうことにして
なったんですよ
!!
﹁見捨てて
からのことでしょうし⋮⋮﹂
﹁⋮⋮私には解りません。あなたと会ったというのも、私を見捨てて
く
解らないこと尽くしだ。なんとか落ち着きを取り戻してから、口を開
?
普通に話す一誠とは対照的に、小猫はとにかく狼狽していた。どう
か知りたかったんだ﹂
﹁お、知ってるのか⋮⋮いや、昔一緒にいた時もあってな。どこにいる
どうしてあなたが黒歌姉様のことを
﹁いきなりで悪いんだが⋮⋮黒歌って猫又がどこにいるか知らないか
の言葉に小猫は凍りつく
屋上につくと、一誠が缶ジュースを小猫に渡しながら口を開く。そ
?
をつきながら話しかける
その言葉に小猫は動揺し、信じられないと繰り返す、一誠がため息
﹁そんな⋮⋮信じられない、信じられません⋮⋮﹂
たんだよ⋮⋮俺が黒歌と会った時、あいつは本当に虫の息だった﹂
﹁俺が言っていいものか⋮⋮黒歌はお前を助けるためにお前を見捨て
し考えてから声を出す
どこか含みのある言い方をする一誠に小猫が食い付く。一誠は少
!?
?
?
9
!?
?
﹁信じられないなら別に信じなくてもいい。所詮は他人の言葉だ。だ
が、俺は優しい黒歌しか知らないんだ。俺にはあいつがお前を見捨て
る様な女には見えなかった﹂
小猫は何も言えず、ただ俯いている
﹁いきなり悪かったな。今日のことはあの紅い先輩に話してくれても
いいからそんな顔しないでくれ。俺が何か酷いことしたと勘違いさ
れちまう﹂
﹂
﹁⋮⋮部長についてもお見通しですか⋮⋮どうして私のことにも気づ
いたんですか
その言葉に一誠は笑いながら話す
﹁俺が知らないのは未来だけだ。嘘だと思うなら別にそれでいいがな
⋮⋮若干、悪魔に興味があってな。俺も悪魔になってみたいんだよ。
だからその先輩づてに会長の眷属になれないかなーとか思ってたん
だ。あ、黒歌の事は別な﹂
﹁⋮⋮そうですか⋮⋮解りました。部長にあなたのことを伝えておき
﹂
ああ、そりゃ俺の好みだ。今は黒髪の女性が好みなんでな﹂
ます⋮⋮部長の眷属になるのは嫌なんですか
﹁ん
?
﹂
て早速、放課後生徒会室に行くと蒼那にその話題を出された
﹁兵藤君、悪魔のことを知っていたのですか
﹁そりゃもちろん。俺が知らないのは未来だけなんで﹂
﹁そうですか⋮⋮何故、悪魔になりたいなんて言ったのですか
かないましたか
﹂
﹂
﹁興味があるからだとしか言えませんね⋮⋮で、俺は会長のお眼鏡に
?
?
﹂
?
の﹃騎士﹄の駒を一つ取りだし、一誠に押し当てる
蒼那の言葉に皆も頷く。それを確認してから蒼那が懐からチェス
どでした⋮⋮皆も異論はないわね
﹁⋮⋮はい、十分過ぎます。こちらから勧誘しようかと思っているほ
たように蒼那が口を開く
ものの驚いていた。周りの眷属達は露骨に驚いているが⋮⋮観念し
完全に読み切った様な話し方をする一誠に蒼那は表には出さない
?
10
?
その言葉に小猫はため息をつきながら屋上から降りていく。そし
?
﹁﹃悪魔の駒﹄という物です。これで転生します⋮⋮⋮⋮え
﹁あー⋮⋮やっぱりか⋮⋮会長、その駒貸してください﹂
﹄
﹁兵藤君⋮⋮一体、何をしたのですか⋮⋮
﹂
﹂
開いたままになった口を隠しながら、蒼那が一誠に問い掛ける
悪 魔 の 翼 が 飛 び 出 し て き た。蒼 那 達 は 驚 く こ と し か 出 来 な か っ た。
いて一誠の胸に沈んでいった⋮⋮その直後、一誠の背中から十二枚の
いきなり生徒会室に機械音が響いたかと思うと、突然駒が紫色に輝
﹃Transfer
﹁よし、じゃあやるか﹂
BoostBoostBoostBoostBoostBoost﹄
BoostBoostBoostBoostBoostBoost
BoostBoostBoostBoostBoostBoost
BoostBoostBoostBoostBoostBoost
﹃BoostBoostBoostBoostBoostBoost
﹁三十回もやりゃ十分か。行くぞ、ドライグ﹂
誠を除く全員が固まっているが、一誠はそれに構わず行動に出る
が蒼那から﹃悪魔の駒﹄を借りて﹃赤龍帝の籠手﹄を発現させる。一
蒼那や他の眷属達が一誠が転生しないのを不思議に思うなか、一誠
?
﹂
?
﹁余計に悔しいわ
﹂
﹁運動神経は自前だ。負けた言い訳すんなよ、匙﹂
﹁悪魔になってからもスポーツで兵藤に勝てないと思ったら⋮⋮﹂
﹁まさか兵藤君が﹃赤龍帝﹄だったとは⋮⋮﹂
﹁⋮⋮⋮⋮え、えぇ、とても似合ってますよ⋮⋮﹂
⋮⋮それにしてもたくさん生えたな⋮⋮会長、似合ってます
自体に﹃力の譲渡﹄をして無理やり容量を上げてから転生しました
﹁あぁ、駒の容量が少なくて俺を悪魔に出来なかったみたいなんで、駒
?
生え揃った翼のことを姉に伝えるべきか迷ったが、まずはリアスにこ
のことを伝えた。すると、物の数分でリアスが自分の眷属を連れて生
徒会室にやってきて、一誠を見て固まっていた
﹁小猫から話は聞いてたけど⋮⋮嘘でしょ⋮⋮﹂
11
!!
それぞれに口を開き始める。蒼那は一誠が﹃赤龍帝﹄だったことと
!!
﹁本当のことです、リアス⋮⋮私も驚いてます⋮⋮﹂
﹃王﹄二人が驚いている間、小猫とリアスの﹃騎士﹄木場が一誠に話し
かけていた
﹁まさか先輩が﹃赤龍帝﹄だったなんて⋮⋮気づきませんでした﹂
﹁そりゃ隠してたからな﹂
そのうちお手合わせ願ってもい
⋮⋮ああ、駒のことか。いいぞ、そのうち戦ってみようか﹂
﹂
﹁﹃騎士﹄として転生したんだってね
いかな
﹁ヴリトラ
兵藤、俺の神器って凄いのか
﹂
?
ら
私なら﹃兵士﹄の駒が全部使えたのに⋮⋮﹂
﹁⋮⋮ねぇ、兵藤君。どうして私の方には接触してこなかったのかし
﹁えぇ⋮⋮凄いのか凄くないのかわかんねぇじゃねぇか、それ⋮⋮﹂
のヴリトラの魂が刻まれてて本来の力は全く出せないだろうけど﹂
﹁凄いも何も五大龍王の一角を封じ込めた神器だぞそれ⋮⋮まぁ、そ
?
な。だからそんだけしか発現してねぇのか﹂
﹁いや、お前のそれヴリトラの神器じゃねぇか⋮⋮あ、魂が刻まれてる
る
匙が自分の神器を発現しながら呟くが、それを見た一誠が匙を慰め
ただの黒い蜥蜴じゃねぇか﹂
﹁俺の神器と全然格が違う⋮⋮なんだよ﹃赤龍帝﹄って⋮⋮俺のなんて
﹁﹃騎士﹄
?
それは小猫が言うに言えなかった事で、リアスと蒼那と、ついでに匙
俺、黒髪の女性が好みなんです
を固まらせるのには十分な発言だった
﹁小猫ちゃんから聞いてないですか
だったのだ。それを好みの違いで眷属に出来なかったと思うと項垂
神経もいい上に実は赤龍帝だった一誠は喉から手が出るほどの存在
髪をいじっている。彼女は強い眷属を集めている。頭が切れて運動
それを聞いたリアスは露骨に落ち込み、蒼那は驚きながらも自分の
﹁えっ⋮⋮そ、そうなのですか⋮⋮﹂
﹁⋮⋮⋮⋮そう﹂
よ。だから主は会長がいいなーと思っただけです﹂
?
12
?
?
一誠が匙と話し終えたのを見計らって、リアスが声をかけてきた。
?
﹂
れることしか出来なかった。匙が震えながら口を開く
﹁ひょ、兵藤⋮⋮お前、会長のこと好きなのか
いや、会長に対して恋愛感情があるとまでは言わないが、ただ黒
一誠の返答に匙は安心し、蒼那は少し残念そうにする。小猫はまさ
﹁⋮⋮﹂
﹁⋮⋮そこまではっきり言わなくても⋮⋮﹂
﹁そ、そっか⋮⋮﹂
髪の女性が好きなだけだ﹂
﹁ん
?
か自分の姉では無いだろうなと思いながら一誠を睨んでいた
13
?
数百年越しの恋心
﹂
﹂
悪魔になってから数日、一誠に生徒会に入ったこと以外の変化は無
かった。強いて言うなら
おはようございまーす
﹂
﹁無 理 に 決 ま っ て ん で し ょ。後 ろ で 会 長 さ ん が 睨 ん で る わ よ
﹁朝のあれって実は双子の弟だったとかじゃないの
﹂
﹁⋮⋮ここまでハイスペックだったのね、兵藤って⋮⋮﹂
あとは印鑑捺すだけなんで問題無いです。あとこの予算は⋮⋮﹂
﹁あ、そっちの書類はもう目を通したんで大丈夫ですよ。こっちのも
だが放課後⋮⋮
そ の 後 ソ ー ナ が 怒 っ て 一 誠 を 叩 き 起 こ し た の は 言 う ま で も な い。
立ったままで
副会長の真羅椿姫が見てみると一誠は既に眠りについていた⋮⋮
ね﹂
﹁ですね⋮⋮⋮⋮あら、兵藤君立ったまま寝てますよ。随分器用です
はこんな感じなのでしょうか⋮⋮﹂
﹁代われる訳ないでしょう⋮⋮はぁ、何故あれだけ万能なのに朝だけ
くれと頼むが、すぐに蒼那に気付かれる
同じクラスの女子がそれを聞くと、一誠はあくびをしながら交代して
ゆっくりと目を覚ますタイプの一誠に朝の挨拶はキツかった。 じゃあね﹂
それ
兵藤って朝弱いんじゃなかったっけ
!!
?
﹁朝っぱらから棒立ちはキッツいなぁ⋮⋮﹂
﹁おい兵藤、文句言ってると会長に怒られるぞ
兵藤先輩だ
﹁だってさぁ⋮⋮俺朝弱いのに⋮⋮ふわぁ﹂
﹁あ
﹂
﹁おはようございまーす。あれ
!
﹁あぁ⋮⋮おはよう桐生⋮⋮本当キッツいわ⋮⋮代わる
?
!
優秀だった。蒼那もこれには驚いていた
回って呆れていた。自分達が必要なのかと疑問に持つほどに一誠は
一人で全ての業務を片付けていく一誠を見て、他の眷属達は一周
?
14
?
?
?
夜になり、悪魔の時間になってからリアスの﹃騎士﹄木場がリアス
達と共に一誠達の元にやってきた
会長﹂
﹁やぁ、今日はそっちもなにもないって聞いたから、お手合わせ願いに
来たよ﹂
﹁あぁ、解った⋮⋮いいですか
﹁構いませんよ⋮⋮椿姫、結界を﹂
﹁解りました﹂
蒼那に言われて椿姫が校庭に結界を張る。蒼那も、一誠の実力が気
になっていて、木場との手合わせでそれを見極めようと考えていた、
結界を確認してから木場が口を開く
﹁ありがとうございます⋮⋮さぁイッセー君、全力で戦おうか﹂
﹂
木場が剣を構えながらそう言うと、一誠は少し悩む様にしながら木
場に聞き返す
﹁本当に⋮⋮全力でいいのか
⋮⋮うぅっ
﹂
﹂
そ、そんなっ⋮⋮
何をしたのですか
﹂
!?
﹁そうか⋮⋮解った。悪いな﹂
﹁え
﹁祐斗
﹁兵藤君
!?
場に膝をつき、椿姫が張った結界も一瞬で砕け散る。蒼那達も全員驚
いている。蒼那に何をしたのか聞かれた一誠が答える
﹁威圧しただけです。魔力や﹃赤龍帝﹄の力は一切使ってませんよ﹂
﹂
﹁⋮⋮ き、気 迫 だ け で 祐 斗 を 押 さ え 付 け て 結 界 を 破 壊 し た と 言 う の
⋮⋮
リアスの呟きに木場が冷や汗流しながら口を開く
﹁⋮⋮はい、イッセー君に睨まれただけで立つことも出来なくなって
⋮⋮丸腰で歴戦の覇者の軍勢の前に立たされた気分でした⋮⋮﹂
事実、一誠は何千万年も前から戦い続けている正真正銘歴戦の覇者
15
?
﹁もちろんだよ。そうでなきゃ手合わせにならないじゃないか﹂
?
!!?
?
一誠が口を閉じるのと同時に、木場は立つことも出来なくなりその
!?
!?
?
なのだが、それを知らない皆は驚いていた
﹁まさかここまで規格外だなんて⋮⋮結局、兵藤君の実力は解りませ
んでしたね⋮⋮﹂
﹁⋮⋮申し訳ありませんでした﹂
蒼那の言葉を聞いて木場が謝るが、すぐにリアスが訂正する
﹁いいのよ、祐斗が悪い訳じゃないわ⋮⋮イッセー君が強すぎたのだ
から仕方ないわ⋮⋮﹂
﹁はい⋮⋮ねぇイッセー君、仮に僕が君の気迫で倒れなかったら、どう
﹂
うーん⋮⋮全力だと言ったからなぁ⋮⋮﹂
戦ったのかな
いる
﹁これを使って戦ったかもな⋮⋮﹂
﹁それは⋮⋮まさか﹃黄昏の聖槍﹄ですか⋮⋮
﹂
何故﹃赤龍帝﹄の兵藤君がその聖槍を持っ
!?
の手に負える問題じゃないわ﹂
兵藤をそんな風に﹁黙りなさい
﹁⋮⋮そうね﹂
﹁会長
﹂ッ⋮⋮﹂
!
て嫌ですね﹂えっ
﹂
してほしいの。いきなりで嫌かもしれないけど﹁確かにいきなり過ぎ
﹁イッセー君、今から魔王様がこちらに来られるから⋮⋮魔王様と話
てから一誠を見る。一誠は⋮⋮下を向いていた
叫ぶ匙を黙らせながら二人はどこかに連絡を取り、その連絡が終え
ぼしかねない大問題なんです
これは悪魔全体に影響を及
﹁⋮⋮さすがに魔王様達に報告するべきですね、リアス。これは私達
⋮⋮﹂
﹁何故と言われても産まれた時から宿してたとしか言えないんですが
ているのですか
つ神滅具じゃないですか
﹁知っているも何もその聖槍は神をも殺す力を持った全ての頂点に立
﹂
﹁お、会長はこの聖槍のこと知ってるんですか
﹂
現させながら口を開く。全員が、その槍の放つオーラに腰を抜かして
一誠はその質問にしばらく考え込み、やがて一本の聖槍を手元に発
﹁ん
?
?
!?
!?
16
?
?
!!
!
﹁別に普通に紹介ってんなら良かったですけど、そんな危険物みたい
兵藤君
﹂
な扱いでってのは嫌ですね⋮⋮というわけで失礼させていただきま
す﹂
﹁ちょっと
﹂
?
りが引き継いだんじゃないのか
﹄
﹃そう言えばそうだな⋮⋮あいつらは死んだはずだ。恐らく血縁者辺
全員死んでるから全員代替わりしてるのか
﹁んー⋮⋮魔王には興味無いな⋮⋮いや、ドライグを封印した魔王は
ぞ受けんからな⋮⋮だが、魔王か⋮⋮﹄
﹃俺もお前も気が遠くなるほど経験してきた事だ。今さらショックな
か﹂
﹁⋮⋮眠いからってあんな言い方しちまって悪かったなぁ、明日謝る
転がっていた
残された悪魔達が後悔している中、一誠は転移して自室のベッドに
いを後悔し始め、その場に崩れ落ちた
二人の眷属達は一誠の心配をしていた。次第に二人も自分達の行
﹁匙君⋮⋮﹂
⋮⋮﹂
﹁⋮⋮だから言おうとしたんだ。兵藤をそんな風に見ないでくれって
えていなかった⋮⋮﹂
﹁はい⋮⋮本当に申し訳ないことをしました⋮⋮彼の気持ちを全く考
﹁そうね⋮⋮確かにそうとしか思えないわよね⋮⋮﹂
ていった。一誠が消えた後、リアスと蒼那が呟き始める
蒼那の呼び止めも聞かずに一誠は自前の魔法陣でどこかに転移し
!!
﹁そっか⋮⋮とりあえず寝るわ。おやすみ⋮⋮﹂
?
17
!
﹂
き、来てくれたのか
兵藤君来たの
﹂
﹂
!
﹁おはようございまーす﹂
﹁兵藤
﹁えっ
﹁私会長達呼んで来ます
!?
仮にも生徒会役員が学校サボる訳ねぇだろ﹂
?
お前が謝ることなんて何も無いだろ﹂
﹃⋮⋮は
﹄
と、謝ろうとしてたんだよ﹂
度言われなれてる⋮⋮⋮⋮眠いからって適当言って勝手に帰ったこ
﹁いや⋮⋮別に会長達の行動には何も思って無かったんだよ。あの程
し怒り気味にそう言ってくる
一誠がため息をつきながらそう言うのが不思議だったのか、匙が少
﹁
きゃいけないのは俺の方なんだよなぁ⋮⋮﹂
﹁なんだ、心配してくれてたのか⋮⋮ありがとうな、匙。てか、謝らな
さ⋮⋮もう来ないかと思ってたんだ﹂
﹁そ、それはそうだけどさ⋮⋮昨日、会長達があんなこと言ってたから
﹁何言ってんだ
だけ会長達を呼んでくると言って校舎の方に走っていった
一誠が登校すると、すぐに生徒会役員共に囲まれた。﹃兵士﹄の仁村
!
!? !?
たのにごめんな
﹂
﹃⋮⋮⋮⋮このバカひょうどおおおおおおおお
?
れぞれが声を荒げる
﹄
あぁ
﹂
﹂
!!?
!?
眠気ぐらい我慢しなさいよ
!?
﹁俺らがどんだけ心配したと思ってんだよ
﹁会長達あの後泣いてたのよ
!!?
一誠が謝るのと同時に、生徒会役員共は一斉に一誠に詰め寄り、そ
!!!!
きそうで嫌だったから適当言って帰って寝たんだ⋮⋮心配してくれ
﹁だって夜遅かったし眠かったんだよ⋮⋮んで魔王と話すなんて長引
ける
一誠の言葉に全員が耳を疑う。一誠はまたため息をつきながら続
?
18
?
﹁どうすんのよ
会長達がそれ知ったらあんたヤバいわよ
いい﹁何を私達に黙っておくのですか
﹂
﹂⋮⋮会長、リアス先輩﹂
事情は解ったから会長達にはそれ黙っておいた方が
!!?
﹂
?
﹂
﹂﹂
!!?
技術を知ったのですか
﹂
﹁紅茶もとても美味しく淹れられています⋮⋮一体いつどこでそんな
﹁⋮⋮罰の筈なのにしっくり来てしまうわ⋮⋮﹂
く違和感が無く罰と思えなくなってしまった
て笑いを堪えていてのだが、いざ執事らしいことをさせてみたら、全
最初は生徒会役員もリアスも執事服を着て嫌そうにする一誠を見
の執事特集が目に入り、この罰になった
た。どうしようかと考えていた所に、以前不要物として没収した雑誌
扱いしたのは間違いないため、二人もそこまでキツい罰を与え辛かっ
執事の真似事だった。一誠が気にしてないとはいえ一誠を危険物
﹁⋮⋮⋮⋮お待たせ致しました。蒼那お嬢様、リアスお嬢様⋮⋮﹂
でさらに二人は怒り、罰は放課後まで続いた。その罰というのが⋮⋮
に正座させられて説教をされていたのだが、途中であくびをしたせい
一誠の謝罪は一蹴され、蒼那とリアスに怒鳴られる。一誠はその場
﹁﹁謝って許す訳無いでしょうが
﹁あー⋮⋮その⋮⋮すみませんでした﹂
てるの
﹁私達がどんな思いでわざわざ来てくださった魔王様に謝ったと思っ
思ったいるのですか
﹁兵藤君⋮⋮私達があの後どれだけあなたを傷つけたかと後悔したと
たい笑みを浮かべる蒼那とリアスの姿があった
聞こえてきて、ゆっくりと振り向く。そこには見たことも無いほど冷
﹃戦車﹄の由良がこのことを隠せと言っていると、後ろから蒼那の声が
?
﹁ああもう隠せ
!! !?
︵何千万年も生きてる様なもんだし、本当のことなんだけどなぁ︶
め息をつくのだが、実はこれ、本当のことである
何を聞いてもその口癖で誤魔化されてしまう。そう思い蒼那はた
﹁はぁ⋮⋮またそれですか⋮⋮﹂
﹁俺⋮⋮⋮⋮私が知らないのは未来のことだけですので⋮⋮﹂
?
19
?
﹂
﹁⋮⋮まぁいいでしょう。それと、今日改めて魔王様がこちらに来ら
れるので⋮⋮今度は絶対に帰らないでくださいね
﹁⋮⋮遅くならないなら﹂
一誠の呟きは無視された
﹂
ち続けてきたと聞く⋮⋮君も、それだけ強いのかな
﹂
︵⋮⋮俺をそこそこ程度の若造とでも思っているんだろうか
︶
﹁﹃赤龍帝﹄は私達が生まれる前からライバルの﹃白龍皇﹄と戦い、勝
ながら口を開く
未だ初代だけどな。と心の中で付け足す。サーゼクスは一誠を見
﹁⋮⋮えぇ、まぁ﹂
帝﹄かい
﹁やぁ初めまして。私はサーゼクス・ルシファーだ、君が今代の﹃赤龍
る
のだろう。男性はかしずく皆に頭を上げさせてから一誠に話しかけ
がやってきた。蒼那達がその男性に頭を下げているので、彼が魔王な
夜中、昨日よりも早い時間に一誠の前に紅髪の男性と銀髪のメイド
?
﹂
?
対にありえません﹂
﹁ほう⋮⋮それは大した自信だね
﹁⋮⋮はぁ﹂
聖槍があるからかな
﹁ええ、そうですよ⋮⋮﹃赤﹄が﹃白﹄に負けることは俺が死ぬまで絶
開く
試す様な顔で聞いてくるサーゼクスに若干呆れながら、一誠は口を
?
?
外にいた。サーゼクスが結界に目を向けながら口を開く
のメイドが入り込んで来そうだったが、間に合わなかった様で結界の
クスのみを包み込む様にして結界を作り出し、完全に遮断する。銀髪
試す様な態度を取るサーゼクスに嫌気がさし、一誠は自分とサーゼ
?
20
?
﹁⋮⋮何の真似かな
﹂
﹂
?
﹂
!!?
かった
︶
︵なんだこのオーラの濃さと質は
は無い
﹁黙って聞いていれば数百年生きて来たから強いだと
﹂
何故君がそれを知っている
も生きていない若造が知った口を聞くなよ
めた
﹁改めて自己紹介をしようか⋮⋮俺は兵藤一誠
赤龍帝は何千万年も前からいたのではないのか
﹃初代赤龍帝﹄だ﹂
﹁初代だと
﹂
﹂
!?
何故この少年が知っているのかと思っていると、一誠が自己紹介を始
位 を 継 い だ 者 と そ れ を 見 た 今 は 亡 き 古 の 者 達 し か 知 ら な い こ と だ。
一誠の言葉にサーゼクスは狼狽える。それは自分達の様に王位、地
﹁百万年って⋮⋮何を﹁神の死﹂
?
?
!!?
!?
ほんの百万年
こんなオーラ、私ですら見たこと
突 然 口 調 も オ ー ラ も 変 わ っ た 一 誠 に サ ー ゼ ク ス は 驚 き を 隠 せ な
年しか生きていない君よりは﹁思い上がるなよ若造が﹂ッ
﹁⋮⋮これでも﹃超越者﹄と呼ばれながら数百年生きて来たんだ。十数
強い者はいないとでも思っているのか
﹁あんたの試す様な態度に嫌気がさしただけだ⋮⋮あんた、自分より
?
変わっても﹃赤龍帝﹄だったからな。未だに俺が初代のままだ﹂
﹁だからその何千万年も前から俺は生きてるんだよ⋮⋮死んで産まれ
!?
21
!!!?
!!?
﹁⋮⋮そんなことがあり得るのか⋮⋮
﹂
﹂
それとも初代魔王の死因を教えてやろうか
にはこう言った方がいいか⋮⋮沖田総司は元気か
ろうか
いや⋮⋮お前
﹁あり得たから俺がいるんだ。信じられないなら神の死因を教えてや
?
?
セラちゃんを知ってるのか
あの時彼女には本当に申し訳無い
?
﹂
?
﹂
?
﹂
?
でしょうか
﹂
﹁お気遣い感謝致します⋮⋮では、彼女達の前では口調を改めるべき
すぎると思って言ってない﹂
﹁別に隠さなくてもいいんだけどな⋮⋮これを知るにはあの子達は若
は、彼女達にはご自身のことを隠しているのですか
﹁二十分ほどでこちらに着くそうです⋮⋮こうして隠したということ
声をかける
一誠が頷くとサーゼクスはどこかに連絡し、連絡を終えると一誠に
﹁ああ、頼んでいいか
からでも会えますよ。呼びましょうか
﹁私と同い年のセラフォルーですらあの子ですか⋮⋮会いたいなら今
それを聞いてサーゼクスが苦笑いする
たんだ﹂
ことをしてしまった⋮⋮そもそもあの子に会いたくて悪魔に転生し
﹁ん
根が真面目なのだろうと思いながら一誠は受け答えをする
サーゼクスは一誠のことを認めるなり、口調を改めて話し始めた。
あなたなのでしょうか﹂
や、あなただったとは⋮⋮ではセラフォルーが言っていた﹃赤龍帝﹄も
は元気にしていますよ⋮⋮まさか彼が話していた﹃赤龍帝﹄が君⋮い
言われたら信じるしか無いな⋮⋮先程は失礼致しました⋮⋮はい、彼
﹁ッ⋮⋮本当に、何百万年も昔から生きているのか⋮⋮⋮⋮それだけ
声で話し始める
その言葉にサーゼクスは目を見開き、やがて目を伏せて悟った様な
?
?
?
⋮⋮楽しみだな﹂
﹁⋮⋮それまで、私に過去のことを教えていただけませんか
私が生
﹁ああ、そっちは好きにしてくれ⋮⋮あの子と会うのも数百年振りだ
?
22
?
﹂
こんな術式の結界見たことも聞いたこと
何から聞きたい
まれる前の事に興味があるのです﹂
﹁ああ、もちろんいいぞ
﹂
全く破壊出来ない
﹁では⋮⋮﹂
﹁クッ
もありません
?
﹂
!?
してるの
﹂
﹂
﹁やっほーソーナちゃん
﹂
?
﹂
あ あ、い い ぞ。入 り 口 は 作 る か ら 説 得 つ い で に お 前 が 迎 え に
?
﹁解りました⋮⋮やぁセラフォルー。私についてきてくれないかな
行ってやれ﹂
﹁ん
入れていただけないでしょうか
﹁あ、セラフォルーが来たようですね⋮⋮あの、グレイフィアも一緒に
結界から出てきた
ると、中からサーゼクス達の声が聞こえてきて、やがてサーゼクスが
セラフォルーが不思議そうに一誠達が中にいる結界を見つめてい
で、これなぁに
﹁サーゼクスちゃんに呼ばれて来たんだけど⋮⋮ソーナちゃん達、何
那にとってはあまり会いたくない人物が飛び出してきた
蒼那がそう嘆いていると、床に魔法陣が浮かび上がり、そこから蒼
﹁兵藤君⋮⋮何故こんなことを⋮⋮
結界を攻撃しているのを見て、自分達も攻撃を始めた
ことが理解出来なかったが、サーゼクスの妻であるグレイフィアが で結界に向かって攻撃していた。蒼那達は突然一誠が結界を張った
二人が和解して仲良く昔話をしている間、外に残された者達は必死
!!?
?
!!
﹁お姉様
!!? ?
しないでいいから、好きにしていてくれ﹂
サーゼクスにそう言われ、全員従うしか無かった。リアス達は突然
のことについていけずその場に座り込み、グレイフィアとセラフォ
23
!!
!
あと、グレイフィアもついてきてくれ。リアス達は私達のことは心配
?
?
ルーは不思議そうに結界の内部を見渡している
﹁⋮⋮この結界、異次元と繋がっていたのですか﹂
﹂
﹁ねぇサーゼクスちゃん、どうして私をここに呼んだの
﹁君を呼んだのは私じゃなくて﹃赤龍帝﹄だよ﹂
﹁⋮⋮今の﹃赤龍帝﹄がどうして私を知ってるの
﹂
?
﹂
先程までは普
?
﹁おう、ありがとな、サーゼクス﹂
?
?
えてないか、セラちゃん﹂
﹂
﹁⋮⋮その呼び方を何であなたが知ってるの
聞いたのかな
昔の﹃赤龍帝﹄の話でも
﹁⋮⋮ああ、確かに面影があるな⋮⋮何百年振りだろうか、さすがに覚
一誠は困惑しているセラフォルーを見つめながら呟く
﹁え、えっと⋮⋮初めましてだよね⋮⋮
﹂
﹁それも彼と話したら解るよ⋮⋮一誠さん、二人を連れてきましたよ﹂
通に話されていたでしょう
﹁サーゼクス様、何故彼に敬語を使っているのですか
﹁会えば解るよ⋮⋮ほら、あそこに座ってる方が﹃赤龍帝﹄だ⋮⋮﹂
?
聞いて怒りは一気に驚きに変わる
﹂
そっそれだって聞いただけでしょ
﹂
﹁﹃私が知らないのは未来だけ﹄。この口癖を聞いても信じられないか
な
﹁どうしてその口癖を
!?
﹂
﹂
﹂
セ ラ ち ゃ ん、熱
君のことを覚えているよ。何ならあの時のデートコースを全部当て
てあげようか
﹁⋮⋮私と初めてデートしたときに食べたのは
﹁最 初 の デ ー ト の 時 は ○ ○ の リ ゾ ッ ト だ っ た か な
いって言って中々食べなかったよね﹂
﹁⋮⋮⋮⋮次、あなたが私に初めてくれたプレゼントは
﹁⋮⋮⋮⋮⋮⋮⋮⋮ じ ゃ あ
あなたが私をフッた時に言った言葉は
プレゼントしたんだ。今も着けてくれてるんだね⋮⋮嬉しいよ﹂
﹁アメジストのネックレス。セラちゃんの瞳と同じ色だからと思って
?
?
?
?
!
24
?
一誠の言葉にセラフォルーは怒りを露にするが、一誠の次の言葉を
?
﹁いや、俺が自分で言ったから覚えてるんだ⋮⋮姿は変わったが、俺は
!?
?
﹂
﹂
﹁﹃人と悪魔の寿命は違う。私は君を愛しているが、君を置いて死にた
くないから、お別れだ﹄だったね⋮⋮﹂
﹁⋮⋮本当に⋮⋮本当にベルザードなの
﹂
記憶を残し
!?
⋮⋮﹂
﹁ッ⋮⋮じゃあ
て生まれ変わるなら⋮⋮ずっと側にいれたのに⋮⋮
どうしてあの時私から離れていったの
ちゃんに会う前から、﹃赤龍帝﹄として生まれ変わり続けて来たんだ
﹁ああ⋮⋮今は一誠って名前だけど、中身はベルザードだよ⋮⋮セラ
?
いた思いを口にする
﹁ずっと⋮⋮ずっと寂しかったんだよ
ベルザードがいなくなって
!!
⋮⋮何十年
私を愛してるとか言いながら
どれだけ探し回ったと思ってるの
!!?
私ベルザードのことを愛してたのに
私の前から消えて
!! !!?
に戻っていた。セラフォルーはベルザードに抱きつきながら、秘めて
いつの間にか一誠の口調も、セラフォルーの知るベルザードの口調
う悲しみを何度も味わう事が、私には耐えられなかった⋮⋮﹂
﹁⋮⋮セラちゃんの前で何度も死ぬことが嫌だった。セラちゃんが失
の頭を撫でながら申し訳無さそうに呟く
セラフォルーは涙を流しながら叫んでいる。一誠はセラフォルー
!!
!
て、セラフォルーが口を開く
?
﹂
?
﹁ああ、そうして欲しい⋮⋮ドライグも気に入ってるいい名前なんだ﹂
誠って呼べばいいのかな
﹁そ っ か、一 誠 っ て 言 う ん だ ⋮⋮ い い 名 前 だ ね。私 も こ れ か ら は 一
ね⋮⋮﹂
﹁ああ、セラちゃんに会いたくて悪魔に転生した⋮⋮今は一誠だけど
﹁ベルザードは⋮⋮悪魔になったんだよね⋮⋮
﹂
ルーを抱き返し、彼女が落ち着くまで頭を撫で続けた⋮⋮しばらくし
一 誠 ⋮ ベ ル ザ ー ド は 泣 き な が ら 自 分 に 抱 き つ い て く る セ ラ フ ォ
﹁⋮⋮セラちゃん﹂
れだけ悲しんだと思ってるのよ⋮⋮⋮⋮﹂
経っても見つからなくて、あなたが死んだって知った時に⋮⋮私がど
!
25
!?
ベルザード⋮一誠は一呼吸置いてからセラフォルーに告白する
悪魔としての人生を、
﹁姿が変わっても君と共に生きたくて悪魔に転生した。セラ⋮⋮我が
儘だが、これからは俺の隣にいてくれないか
セラと共に生きていきたいんだ﹂
今度は、勝手にいなくならないでね
﹂
﹁こんなときばっかりセラって呼んで⋮⋮昔からズルい人ね⋮⋮⋮⋮
一誠の告白にセラフォルーは嬉しそうに涙を流しながら答える
?
ことも
﹂
﹂
﹁⋮⋮失礼を承知でお伺いしたいのですが⋮⋮やはり、子供を産んだ
を聞いたグレイフィアが口を開く
し、セラフォルーと出会うまで、何人もの人間と恋をしてきた。それ
何度も生まれ変わって来たから、女性に転生することだってあった
変わった時によく覚えた﹂
﹁⋮⋮男性はいつだって、女の涙には弱いんだよ。女性として生まれ
﹁⋮⋮あなたにも、耐えられなかった物があったんですね﹂
フォルーが泣き疲れて眠ったところで、サーゼクスが話しかけてくる
セラフォルーが一誠に思い切り抱き付き、涙を流し続ける⋮⋮セラ
﹁ッ⋮⋮一誠
﹁ああ、絶対にいなくならないさ⋮⋮今度は、最期まで一緒だ﹂
?
孫も、もしかしたらまだどこかにいるのかも知れないわね⋮⋮﹂
﹁⋮⋮そうですか。ありがとうございます﹂
無意識に母親の様な顔つきと言葉でそう答える一誠を見て、グレイ
フィアは一誠が嘘をついていないんだと納得する。今の表情はまさ
に母親のそれだった。グレイフィアが一誠のことを信じるのに、それ
以上の証拠は無かった
一誠がセラフォルーを膝枕しながら口を開く
﹂
﹁悪いが、セラちゃんが目を覚ますまでこのままでいてくれないか
俺一人では会長達を説得出来ない﹂
﹁ええ、もちろん構いませんよ。グレイフィアもいいね
?
﹁もちろんでございます⋮⋮ところで、一誠様にお聞きしたいのです
?
26
!!!!
﹁⋮⋮えぇ、だいぶ昔だけど、何十回かは出産も経験したわ⋮⋮私の子
?
﹂
が、そのご自身で出産された子供を、
﹃赤龍帝﹄の子供として育てたり
もされたのですか
悪魔でも女性で、母親だからなのか、グレイフィアは子供の教育に
ついて一誠に聞き始めた。グレイフィアにとって一誠は、今は男でも
過去には何十回も結婚し、出産をして子育てしてきた母親として学ぶ
べ き 物 の 塊 だ っ た。グ レ イ フ ィ ア と﹃赤 龍 帝﹄の 子 育 て 談 義 は セ ラ
フォルーが目を覚ますまで続いた
27
?
﹃赤龍帝﹄の本気
﹁⋮⋮セラちゃんに言うの忘れてたな﹂
﹁⋮⋮ええ、そうですね⋮⋮﹂
結果から言うと、一誠のことはソーナ達にバレてしまった。サーゼ
愛してるよ
﹂
クスとグレイフィアは隠していたのだが、セラフォルーがソーナ達の
前で
﹁一誠
私一誠が活躍するとこ見たいもん
ラフォルーもそれを望んでるんだ﹂
﹁うん
﹂
﹁いや、一誠さんには普通の眷属として参加して貰うからね。私もセ
を開く
ゲームに参加させていい人物なのか解らなかった。サーゼクスが口
知 っ て い る 中 で は 誰 よ り も 格 が 上 の 存 在 だ。と て も レ ー テ ィ ン グ
後 の レ ー テ ィ ン グ ゲ ー ム の 事 を 憂 い て い た。一 誠 は ソ ー ナ 達 が
のに⋮⋮﹂
﹁⋮⋮私も彼を参加させていいのか疑問です⋮⋮せっかくの﹃騎士﹄な
⋮⋮勝ち目が全く無いじゃない﹂
﹁⋮⋮ソーナとだけはレーティングゲームで当たりたくたくないわね
も無く、結局全て話すことになった。それを聞いたソーナ達は
達の努力は無駄になった。当然ソーナ達がそれを疑問に持たない訳
とか言いながらディープキスをかましてくれたせいでサーゼクス
!!
スにはあまりに遠すぎる相手だった。いや、一部の神以外全員に同じ
真正銘の覇者で人間の頂点だ。一誠は十八年しか生きていないリア
リアスがそう言うのも仕方ない。一誠は創世紀から生きている正
﹁⋮⋮絶対ソーナとだけはゲームしないから﹂
る。リアスが呟く
サーゼクス達の言葉を聞いてソーナは喜び、リアスは落ち込んでい
士﹄として普通にゲームにも参加させて貰うからな﹂
﹁セラちゃんは変わらないなぁ。まぁそういう訳だ。俺は会長の﹃騎
!
28
!
!
ことは言えるのだが⋮⋮サーゼクスが口を開く
﹁今はまだ君達しか知らないが⋮⋮いつか皆に知れ渡った時には一誠
さんに魔王になって貰おうと考えている﹂
﹂
﹁えー⋮⋮上に立つのはもう飽きてんだけどな⋮⋮﹂
﹁私とお揃いだよ
﹁よし、魔王になろうか﹂
﹁⋮⋮まさかお姉様が大昔に付き合っていたという唯一の方が兵藤君
俺もそうするつもりですし⋮⋮セラ
⋮⋮いえ、あなただったとは⋮⋮﹂
﹁別に今まで通りでいいっすよ
だから私は今でもあなたを愛
?
のではないでしょうか﹂
サーゼクス達の映画なんてあるのか
﹁うん⋮⋮私もそう思うよ﹂
﹁ん
﹂
﹂
フォルーが寝ている間にその話を聞いている⋮⋮話の中には、セラ
聞く。サーゼクスとグレイフィアは顔を青くしている。彼らはセラ
セラフォルーが一誠がセラフォルーに一番聞かれたくないことを
﹁⋮⋮⋮⋮してたんだ﹂
﹁⋮⋮⋮⋮⋮⋮⋮⋮﹂
の
﹁⋮⋮そういえば、一誠って私と会う前は違う人と恋したりもしてた
過ぎるわ﹂
あなたとセラフォルー様の方が確かに凄いわね⋮⋮スケールが違い
﹁ええ、お兄様とグレイフィアの大恋愛は今でも大人気なのよ。でも、
?
﹁⋮⋮私達よりも一誠様とセラフォルー様を映画にした方が良かった
﹁セラ⋮⋮﹂
してるの﹂
﹁でも、あなたは変わってないでしょ
ちゃんと付き合ってた頃は違う姿だったけどね﹂
?
フォルーとの恋愛以上の話だってあった。ソーナ達もこの修羅場に
息を飲んでいた
﹁⋮⋮⋮⋮ズルい﹂
29
?
一誠の質問にリアスが答える
?
?
﹂
﹂
私が一番が良かった
﹂
!!
﹁え
﹁私より先に一誠と結婚するなんてズルい
覚えてるの
!?
が無い﹂
?
﹂
つかミリキャスも⋮⋮あ﹂
孫
一誠、女の子になったときもあったの
﹁グレイフィア
﹁出産
﹁⋮⋮何十万回かは﹂
﹂
?
!?
﹁その時も色んな人と恋をしたの
﹁⋮⋮うん﹂
﹂
﹁⋮⋮私は一誠様の出産から孫を見るまでの話が一番好きでした。い
よ﹂
﹁⋮⋮兵藤君と恋バナしたくなりますね。多分一生聞いていられます
﹁⋮⋮凄いスケールの話ね﹂
恋愛話は、彼女達の興味を完璧に集めていた
夢中だった。いくらでも出てきて、男性目線も女性目線も両方備えた
セラフォルーは落ち込んでいるが、周りの女達はみんな一誠の話に
﹁うぅ⋮⋮﹂
けられない﹂
﹁⋮⋮全員だ。皆一つの人生を最期まで共にした人なんだ。優劣はつ
﹁⋮⋮誰が一番なの
﹂
﹁⋮⋮セラちゃんには悪いが確かに愛した人達なんだ。忘れられる筈
﹁えっ
﹁一番って⋮⋮それ何千万年も前なんだけどな⋮⋮﹂
!!
?
しばらくしてセラフォルーは落ち着くと、一誠に抱きついて口を開く
方のないことだ⋮⋮一誠もそれが解っているから何も言えなかった。
イフィア達もセラフォルーの気持ちはある程度理解出来る。だが、仕
セラフォルーがぽろぽろと涙をこぼしながら声を絞り出す。グレ
﹁一誠は悪くないよ。ただ⋮⋮羨ましいなぁって思って⋮⋮﹂
﹁セラちゃん⋮⋮﹂
ど、辛いね⋮⋮﹂
﹁⋮⋮⋮⋮⋮⋮⋮ ず っ と 転 生 し て る っ て 聞 い た か ら 覚 悟 は し て た け
?
?
30
!?
?
﹁でも⋮⋮﹃今﹄は私が好きなんだよね
すと、思い付いたように声を上げる
﹂
!?
らせる
﹁ふっふーん
﹂
私だけの特権見つけちゃったー
年も一緒にいられるのも私だけだよね
これも私だけの特権
じゃあじゃあ
これからも増やしていくからね
﹁うん、それもセラちゃんだけだよ﹂
﹁やった
一万
﹂
!
!!
!
一誠がそう答えたのを聞いて、セラフォルーは嬉しそうに体をくね
﹁⋮⋮ああ、何百年も愛したのはセラちゃんだけだよ﹂
﹁そういえば何百年も愛してたのは私だけだよね
﹂
ソーナ達は顔を真っ赤にしながら見ている。セラフォルーが唇を離
それを聞くとセラフォルーは満足そうに笑って一誠にキスをした。
セラを愛してるよ﹂
﹁ああ⋮⋮﹃ベルザード﹄の時から、ずっとセラを愛していた。﹃今﹄も、
?
が⋮⋮ダメでしょうか
﹂
﹂﹁お兄様
!?
?
﹂
?
サーゼクスの問いかけに一誠は口調を変えて答える。その口調は
﹁⋮⋮つまり、殺すつもりで戦うと﹂
一誠の出した条件に全員が冷や汗をかく
で戦おう﹂
﹁⋮⋮レーティングゲームの﹃投了﹄システムを利用出来るなら、本気
れで、どうでしょうか
﹁私も男なんだ。強い人と戦ってみたいという気持ちはあるさ⋮⋮そ
クスが口を開く
サーゼクスの言葉にグレイフィアとリアスは驚いている。サーゼ
﹁サーゼクス様
﹂
﹁一誠さん⋮⋮よろしければ、私と本気で戦っていただきたいのです
の表情とそっくりだった
が一誠に声をかけた。その表情は、一誠に手合わせを望んだ時の木場
セラフォルーが自分だけだと言われて満足していると、サーゼクス
ままだ⋮⋮︶
︵⋮⋮セラちゃんは全然変わってないな。変わらず明るくて、綺麗な
!!
!?
!
!?
31
!
ま さ に 覇 者 そ の も の だ っ た。一 誠 が 放 つ オ ー ラ も 桁 違 い に は ね あ
がっていく
﹁本気とはそういうものだよ⋮⋮相手を必ず殺すという意思、それこ
そが本気と言うものだ⋮⋮﹂
﹁⋮⋮ご教示ありがとうございます。グレイフィア、頼むよ﹂
﹁⋮⋮畏まりました﹂
サーゼクスに指示され、グレイフィアがレーティングゲーム用の異
空間を用意する。舞台は⋮⋮無人島だった。二人は島にそのまま転
移し、他の皆は用意された観客席食い入るように二人が映るモニター
を見ている
﹁⋮⋮ついに兵藤君の本気が見られるのですね﹂
﹁兵藤、どんだけ強いんだろうな⋮⋮﹂
﹁魔王様が負けるところも、兵藤君が負けるところもどちらも私には
予想できません⋮⋮﹂
いた⋮⋮島では、サーゼクスが自身の力を解放していた。サーゼクス
は紅のオーラに包まれ姿が見えなくなり、やがて人型のオーラの塊が
姿を現す。空間全体が振動している。一誠は⋮⋮
﹁⋮⋮﹃赤龍帝の籠手﹄、﹃黄昏の聖槍﹄﹂
﹁⋮⋮禁手﹂
二つの神滅具を同時に発現させ、そのまま禁手させる。聖槍は赤く
染まり、籠手は体全体を覆っていき、背中に大きな輪を象ったシンプ
ルな鎧となる⋮⋮同時に空間にヒビが入っていき、モニターの画面も
大きく揺れている⋮⋮どちらがより空間に影響を与えているかは明
︾
らかだった。人型になったサーゼクスが声を出す
︽⋮⋮亜種の禁手ですか
?
32
﹁⋮⋮サーゼクス様はあの威圧にも屈しないのですね、流石です⋮⋮﹂
﹂
﹁でも、兵藤って最強とは言ってなかったよね ﹃超越者﹄の魔王様に
勝てるのかな
?
みなそれぞれに言っているが、グレイフィアには既に結果が解って
﹁⋮⋮⋮⋮﹂
﹁⋮⋮お兄様、本気で戦うのですね⋮⋮﹂
?
﹁⋮⋮﹃天帝なりし赫龍帝、永遠であれ黄昏の聖槍﹄、長ったらしいが、
︾
﹃黄昏の聖槍﹄を宿したことでこの禁手に至った⋮⋮行くぞ﹂
︽ッ
それからは一瞬だった。サーゼクスは一誠が動く前に滅びの魔力
を無数に放ったが、全て聖槍の一振りで消し飛ばされ、鎧の輪から放
たれた光でモニターに映る範囲全てが光に包まれ、同じく消し飛んだ
⋮⋮サーゼクスはその光が放たれる直前にグレイフィアによって強
制的に﹃投了﹄させられていた。姿も、既に普段のサーゼクスの姿に
戻っている
サーゼクスが息を切らしながら口を開く
﹂
﹁ただ⋮⋮圧倒的だった。神すら滅ぼす神滅具の融合した禁手⋮⋮私
程度では何も出来なかったよ⋮⋮フィールドはどうなったんだい
﹁⋮⋮私達が解る範囲は、空間ごと消滅しております﹂
﹁一誠、こんなに強かったんだ⋮⋮﹂
を見て安心したように息を吐く
して、禁手を解いた一誠も観客席に転移してくる。一誠はサーゼクス
その言葉にサーゼクスは苦笑いし、周りの皆は絶句している。少し
?
﹁ありがとう、グレイフィア⋮⋮サーゼクスを殺してしまったかもと
﹂
?
思ってたんだ⋮⋮﹂
﹂
﹁いえ⋮⋮あれが、一誠様の本気ですか
﹄
﹁⋮⋮いや、まだ上がありますよね
﹃
?
答える
﹁よく解ったな⋮⋮ああ、サーゼクスの言う通りもう一段階上がある
﹂
⋮⋮まぁ、好んで使う力じゃ無いけどな⋮⋮﹂
﹁⋮⋮﹃覇﹄ですね
﹁⋮⋮そうですか。力をお見せしてくださってありがとうございまし
⋮⋮誰にも見せられない姿だ﹂
する二つの融合した姿は、人に見せられる様な物じゃない。あれは
﹁あぁ⋮⋮天龍の﹃覇﹄と聖書の神の﹃遺志﹄が融合したんだ⋮⋮相反
?
33
!
サーゼクスの言葉に一誠以外の全員が驚く。一誠は拍手しながら
!!!?
た﹂
﹁一誠そんなに強かったんだね
私本当に嬉しいよ
﹂
!!
﹁俺の力は解りましたか
会長﹂
る。一誠がセラフォルーを撫でながらソーナの方を見る
サーゼクスは一誠に頭を下げ、セラフォルーは一誠に抱きついてい
!
﹁なっ
﹂
俺だって強くなります
にかけるかも知れんが、確実に強くなれるぞ
﹁⋮⋮⋮⋮⋮⋮⋮⋮ま、まだいいかなー⋮⋮﹂
﹂
﹁即答すりゃカッコいいままだったのにな⋮⋮﹂
見ながら声を上げる
!
一誠を眷属に出来たのはソーナちゃんの運が良かったから
﹂
ではそうさせていただきま
サーゼクスが魔法陣を展開しながらセラフォルーを見ると、セラ
済まないが君ももう帰らなくてはね﹂
﹁⋮⋮さて、私達ももう帰ろうかな。セラフォルー、呼び出しておいて
すね。ありがとうございますお姉様、兵藤君﹂
ふふっ
だから、全然気にしないでいいのよ
﹁そうよ
の人の実力ですよ﹂
﹁⋮⋮その夢が何なのかは俺には解りませんが、巡り合わせや運はそ
す﹂
﹁⋮⋮はい。ですが、それは自分の力ではありませんから⋮⋮複雑で
﹁ソーナちゃん、これで夢に一気に近付いたね
﹂
見せた強さはみんなに伝わっていた。セラフォルーがソーナの方を
一誠の言葉に縮こまる匙を見て、みんなが笑っている。だが、匙の
﹁でも、そう言えるだけ彼は強いよ⋮⋮﹂
何回かは死
強くなって兵藤だけじゃないって言
﹁そうですね⋮⋮彼一人で全て終わってしまいますからね﹂
ん﹂
いのですが⋮⋮もう誰にもレーティングゲームで負ける気がしませ
﹁⋮⋮はい、よく解りました⋮⋮リアスの前で、それも私が言うのも悪
?
﹁お、良いこと言うな匙。じゃあ俺が修行してやろうか
わせてみせます
!
﹁そういうものなのですか⋮⋮
!!
!
!
34
?
?
!!
!
?
!
﹂
数百年振りに会えたんだよ
﹂
もう離れたく
!?
フォルーは本気で嫌そうにしながら一誠にしがみつく
﹂
﹁私まだ一誠といたいよ
ない
絶対に嫌
﹁⋮⋮でも、君も魔王だ。君にも仕事があるんだよ
﹁それでも嫌
?
!!
!!!!
﹂
﹂
?
﹂
化があったのだろうと笑い、頷く
スは一誠から話を聞き、セラフォルーの涙を見てグレイフィアにも変
ことを、それも仕事の話で口にするなんて初めてのことだ。サーゼク
グレイフィアの言葉にサーゼクスは驚く。グレイフィアがこんな
﹁グレイフィアちゃん⋮⋮﹂
ます﹂
です。私は一誠様の﹃友人﹄として、この頼みを聞き入れたいと思い
百年もの年月ともなれば、その気持ちは凄まじいものになっている筈
と離れたくないという気持ち、私には痛いほど解ります⋮⋮それも数
﹁一誠様もセラフォルー様と同じお気持ちなのでしょう⋮⋮愛する者
フィアが﹃女王﹄ではなく﹃女性﹄として一誠の気持ちを代弁する
サ ー ゼ ク ス の 言 葉 を 遮 っ て グ レ イ フ ィ ア が 返 事 を す る。グ レ イ
フィア
はしっかりしていると思っていたので﹁畏まりました﹂⋮⋮グレイ
他にいますが⋮⋮一誠さんらしくないですね。あなたならその辺り
﹁⋮⋮確かに出来ないことではありませんし外交をしたいという者も
﹁だったら外交担当を変えてくれ。お前なら出来るだろ﹂
が出なければいけない仕事の方が多いんですよ
﹁それは⋮⋮確かに構いませんがセラフォルーは外交担当なので本人
﹁一誠
りにやっとくから﹂
﹁俺の住所だ。そこにセラちゃんの分の仕事を全部送ってくれ。代わ
手渡す
ると、一誠が紙とペンを取り出して何かを書き、それをサーゼクスに
子供の様に駄々をこねるセラフォルーにサーゼクス達が困ってい
!!
﹁﹃友人﹄の頼みなら仕方ありませんね。一誠さん、セラフォルーの仕
35
!!!!
!?
?
事についてはお任せください。セラフォルーの仕事が決まり次第、書
類にしてこの住所に送らせていただきます﹂
﹂
﹁ありがとう、恩に着るよサーゼクス⋮⋮やったね、セラちゃん﹂
﹁私、一誠の側にいれるの
んだよ﹂
﹂
一誠とセラフォルーは幸せさうに眠りについた。朝、先に起きて部
﹁うん⋮⋮﹂
﹁ああ、そうだね⋮⋮でも、これからはずっと一緒だ﹂
﹁あなたと一緒に寝るのも、数百年振りね﹂
セラフォルーが一誠と同じベッドに潜りながら笑う
とシャワーを浴びてから眠りについた
に声をかけようとしたが二人とも既に眠っていたので、朝説明しよう
れぞれ家に帰っていった。一誠とセラフォルーは一緒に家に帰り、親
とグレイフィアは満足そうに魔法陣の中に消えていき、ソーナ達もそ
れる、もういなくならないと大喜びしながら。それを見たサーゼクス
セラフォルーは一誠に抱きついた。これからはずっと一緒にいら
﹁⋮⋮⋮⋮一誠ぇー
﹁⋮⋮親にはまた言わなきゃな⋮⋮まぁ、何がなんでも説得する﹂
﹁一誠と一緒に過ごせるの
﹂
﹁ああ、仕事なら俺が代わりにやるから、セラちゃんは自由にしていい
?
?
屋に入ってきた一誠の母親が叫び声を上げたのは言うまでもない
36
!!!!
魔王からの推薦状
﹂
﹁つまり⋮⋮一誠はセラフォルーさんとずっと隠れて付き合ってたの
か
﹁うん⋮⋮それで、俺はセラちゃんと一緒にいたいからって無理言っ
﹂
て呼んだんだ⋮⋮お願いします。セラちゃんと一緒にいさせてくだ
さい﹂
﹁お願いします
も言わないよ﹂
﹂
?
﹂
やったねセラちゃん
﹁セラフォルーさんのこと、大事にしてあげるのよ
母さん
一誠
!!!!
!!
やったよ
!
!!
うん
!
﹁ッ⋮⋮ありがとう父さん
﹁ありがとうございます
!!
﹂
すると思っての考えです。これは私の推薦状です。同じ書類をもう
だきたいのです。そうすれば転生悪魔を良く思わない上層部も納得
す。性急なのですが、今年中には上級悪魔になり、結果を残していた
︽一 誠 さ ん。私 は あ な た に は 早 く 魔 王 に な っ て 欲 し い と 願 っ て い ま
記されていた
と書いてあった。同封されていた手紙に、サーゼクスの考えが書き
﹃中級悪魔進級試験推薦状﹄
二人がそれを確認してみると
ラフォルーの仕事についての連絡と、一誠宛てに一つ書類が届いた。
その日から兵藤家に家族が一人増えた。二日後、サーゼクスからセ
﹁ええ、でも一誠、いつの間にあんな彼女を⋮⋮﹂
﹁本当に彼女のことが好きなんだな⋮⋮﹂
を見て微笑んでいる
二人は両親の前ということも忘れて抱き締めあう。両親はその姿
!!!!
﹁一誠、俺はセラフォルーさんがお前といることを望んでるのなら、何
な顔をして考え込むが、やがて結論を出す
朝、一誠とセラフォルーは両親に頭を下げていた。両親は困った様
!
一つ同封させていただきましたので、そちらにはセラフォルーに署名
37
?
させてください。魔王二人からの推薦なら転生してすぐでも試験を
受けられる筈です。どうか、その試験を受けてくださればと思いま
す。︾
早く
と の 事 だ っ た。試 験 の 予 定 日 は ⋮⋮ 五 日 後 だ っ た。セ ラ フ ォ ル ー
一誠
!
が書類を漁りながら口を開く
﹂
﹁この書類に私が署名すればいいんだね⋮⋮よし出来た
上級悪魔になってね
!
な
﹂
﹁そうだよ
﹂
?
一誠にマーキングしないでよ
⋮⋮悪魔に転生して数日で昇級試験だなん
!
ルーも怒っている
﹁ソーナちゃん
﹁わざとではありません
﹂
手をつねられ、痛みで顔を歪める。一誠についてきていたセラフォ
まっていく⋮⋮匙が羨ましそうに見ているが、すぐに横にいた花戒に
てしまった。その紅茶が一誠にかかり、一誠の制服は薄い茶色に染
その日の夜、ソーナに試験のことを伝えると彼女は紅茶を噴き出し
ルーは何も聞かずに、ただ一誠の手に自分の手を添えていた
一誠は消えていった黒歌を思い出し、拳を握り締める。セラフォ
なんだ⋮⋮あんな笑顔を、俺は認めない︶
︵俺が悪魔としての地位を手に入れれば、彼女の﹃罪﹄だって消える筈
さよならにゃん、イッセー
誠の目に浮かぶのは、悲しい笑みを浮かべる一人の女性だった
セラフォルーは一誠の意思の強さを少し不思議がっている⋮⋮一
﹁⋮⋮ああ、一人いる。絶対に眷属にしたい人がいるんだ﹂
誰か眷属にしたい人でもいるの
﹁⋮⋮確か、上級悪魔になったら﹃悪魔の駒﹄を受け取れるんだったか
!!
ナ の 眷 属 に な っ て 長 い 椿 姫 で す ら ま だ そ の 話 は 来 て い な い の だ。
ソーナの言う通り、一誠の昇級試験は前例が無いものだった。ソー
て⋮⋮聞いたことがありません﹂
!!
!
38
?
?
ソーナが驚いて紅茶を噴き出すのは仕方のない事だった
⋮⋮俺も早く上級悪魔になりたいんです﹂
﹂
﹂
﹂
﹁サーゼクス曰く、今年中には俺に上級悪魔になって貰いたいそうで
すよ
﹁⋮⋮早く魔王になるためですか
誰なの
﹁それもありますが⋮⋮眷属にしたい人がいるんです﹂
﹁それさっきも言ってたね
?
るだけだった
﹁悪いが、今は言えない⋮⋮﹂
﹁⋮⋮むぅ﹂
﹁仕方ないですね。勉強の方は大丈夫なのですか
?
﹂
﹁全然大丈夫じゃないではありませんか⋮⋮私が見てあげましょうか
た。それを聞いてソーナはため息をついている
だったのに、全く見に覚えの無いことを書かれていることだってあっ
わ っ て い な い 事 が ほ と ん ど だ っ た ⋮⋮ 一 部 の 皇 帝 や 王 な ん て 自 分
歴史の授業を受けた時に思い知らされたことだ。真実が後世に伝
のかが自信無いです﹂
﹁⋮⋮大丈夫ですけど、俺が知ってることがそのまま後世に残ってる
ての知識の方ですよ﹂
もちろん悪魔とし
一誠の言葉にセラフォルーとソーナが聞いてみるが、一誠は首を振
﹁⋮⋮兵藤君ほどの人がそう言うなんて⋮⋮誰なんですか
?
﹁⋮⋮本当の歴史が気になりますので、それを聞いてみたいです﹂
﹂﹁私もー
﹂
﹁私もそれは気になります﹂
﹁俺も
!
自分だけ先に知ることに優越感を覚えていたのだが⋮⋮
皆さんより先に聞かせて貰いますね︶
︵私が教えている間に自ずと歴史の食い違いは出てくる筈です。私は
る⋮⋮ソーナ以外は
自分達の知らない本当の歴史に全員が興味を持つが、お預けをされ
﹁⋮⋮試験が終わったら教えてやるよ﹂
!
39
?
?
?
﹁よろしくお願いします﹂
?
﹁あ、その柱は断絶して無いぞ⋮⋮断絶したことになってるのか。そ
れに魔王は戦死じゃなくてその後の⋮⋮、⋮⋮⋮⋮﹂
﹁そ、そんな⋮⋮﹂
一誠の口から出てくる事実は今の悪魔社会を大きくひっくり返す
⋮⋮会長、こんな問題もあるん
ような物ばかりだった。中には聞きたくなかったことだってあった
﹂
﹁⋮⋮魔法少女レヴィアたんの特技
ですか
薦めしません﹂
﹁⋮⋮知らない方がいいことばかりでした。私は事実を聞くことをお
心配されてしまう
いった後、ソーナは生徒会室のソファーに倒れ込み、他の役員達から
白 に な っ て い た。一 誠 が セ ラ フ ォ ル ー と 共 に 試 験 会 場 に 向 か っ て
試験当日まで勉強⋮⋮という名の答え合わせは続き、ソーナは真っ
﹁わ、解りました﹂
題はお姉様に聞いてください⋮⋮﹂
﹁⋮⋮はい。確か前の試験では出されたと聞いてます。その系統の問
?
﹂
ソーナの疲れがそれを物語っている⋮⋮役員達は全員一誠に事実
頑張ってね
を聞くことを諦めた
﹁それじゃ一誠
!!
﹂
相手の悪魔の青年が赤色の魔力を飛ばしてくる。観客達はその威
﹁ハッ
の対戦になった。開始を促すアナウンスが流れる
次の実技試験では六組目の組み合わせで、当然だが知らない悪魔と
認せずに受けていたら、間違いなく全問不正解だった
筆記試験の問題はほとんどがソーナに訂正された問題だった。確
︵⋮⋮会長と勉強しといてよかった︶
実技で競い合うようだ
目していた。最初は筆記試験で、その次に同じく試験を受ける悪魔と
のに魔王であるセラフォルーだけが知っているので誰もが一誠に注
一誠は試験会場で一番目立っていた。誰も一誠のことを知らない
!
40
?
!
力が凄いのか騒いでいるが、一誠はその魔力が気に入らなかった
︵俺と同じ﹃色﹄でこの威力か⋮⋮なぁドライグ、お手本を見せてやろ
うか︶
試験終了です
﹂
十五番の勝利ですので直ちに戦闘を終了してく
ひ⋮⋮ヒイィッ
﹃ああ、本物の﹃赤﹄を見せてやろう﹄
﹁えっ
︽ッ
︾
⋮⋮あんな化け物、誰が眷属にしたんだ⋮⋮
﹂
﹁あれがルシファー様とレヴィアタン様が推薦したという転生悪魔か
級悪魔クラス以上だったぞ⋮⋮﹂
﹁あんな魔力を持っていて何故この試験に来たんだ⋮⋮明らかに最上
験官達が冷や汗をかきながら呟き始める
⋮⋮それを正面から見た青年は意識を失い、病院に運ばれていた。試
ター越しに見るだけでも﹃確実な死﹄に支配される程の絶対的な力
の中でも強い部類の魔力を何もせずに消し飛ばし、それどころかモニ
周囲の悪魔達は完全に一誠を恐怖の対象として見ていた。自分達
﹁なんだ⋮⋮せっかく本物の﹃赤﹄を見せようと思ってたのにな﹂
ンスが一誠の勝利を伝え、すぐに戦闘を終了させる
会場の壁にもヒビが入り始める。一誠がその球体を放つ前にアナウ
作り出す。相手の青年は一誠のオーラに怯え切って腰を抜かし、試験
ドライグのオーラと魔力を混ぜ合わせたとんでもない密度の球体を
一誠は飛んできた魔力を避けもせずオーラだけで消滅させ、手元に
ださい
!
﹂
?
が終わって家に帰るとすぐにセラフォルーに抱きつかれた
一誠の知らないところで、一誠は上級悪魔になりかけていた。試験
件、魔王様方に打診してきます﹂
﹁どちらにせよ、下級、中級のレベルではありませんね⋮⋮飛び級の
﹁⋮⋮満点ですね。これは主に教えられたのでしょうか
﹁⋮⋮どうせこの試験も合格だしな⋮⋮彼の筆記の結果だ﹂
その試験を受ける他の悪魔達の自信と意欲を削ぎ切ってしまう﹂
を受けさせるべきです。このまま下級、中級悪魔として扱っていては
﹁⋮⋮特例にしてでも彼にはすぐに飛び級で最上級悪魔への昇級試験
?
41
!!
!?
!!
!?
﹁おかえり一誠
試験どうだった
ない形で知らせられた
﹁やぁ一誠さん、こんばんは﹂
﹁⋮⋮何もしてないんだがな﹂
﹂
たんですよ⋮⋮実技でやり過ぎたらしいですね
﹂
﹁先日の試験のことで、その日のうちに直接私のところに連絡があっ
分が来たのかを説明する
ていた。サーゼクスが一誠を見るなり頭を下げると、そのまま何故自
ていると、その日はサーゼクスがグレイフィアとリアス達を連れて来
二日後の夜、いつもの様にセラフォルーを連れて生徒会室に集まっ
﹁あぁ⋮⋮こんばんは。何か用か
﹂
一誠の願いとは裏腹に、その知らせは試験から二日後、一誠が思わ
知が届けばいいんだけど﹂
﹁まぁ、何にせよ通知待ちだよ。早く結果が気になるから来週には通
可哀想になってくるなー﹂
﹁あー⋮⋮しょうがないよ、一誠私達より強いんだもん。相手の子が
りだったな﹂
﹁手応えはあったよ。けど⋮⋮実技を途中で中断させられたのが心残
?
?
でしょうか
﹂
団体から私の元へ伝達が届きましたので、そちらも受けてもらえない
日最上級悪魔への昇級試験を受けて貰いたいと、試験を管理している
﹁そうですか⋮⋮その試験についてなのですが、一誠さんにはまた後
一言を発する
一誠がそう答えるのを聞いてサーゼクスは笑い、ソーナ達が固まる
?
めか﹂
すぐに納得する一誠にグレイフィアが頷く
﹁はい、一誠様の仰られる通りでございます。あなたほどの実力者が
下級、中級として試験に参加しては他の悪魔達の意欲を削ぎ、試験と
して成り立たないと決定し、特例で最上級悪魔への昇級試験を受けさ
せるとのことです﹂
42
!
﹁随分いきなりだな⋮⋮いや、嬉しいことだけど⋮⋮あ、他の悪魔のた
?
﹂
一誠、セラフォルー、サーゼクス、グレイフィアを除く面々は開い
た口が塞がらなくなっている。一誠は頷く
﹁やっぱそうか⋮⋮それで、今度の試験はいつになるんだ
﹁次の昇級試験が一月後になりますので、その試験になりますね⋮⋮
?
一部の上層部の方々がまだ反対していていましてね、彼らを納得させ
るための時間としてもちょうどいいと考えています﹂
﹂
﹁解った⋮⋮これで、やっと⋮⋮﹂
﹁一誠⋮⋮
﹂
か
﹂
?
あなたがあまりにも焦っていると、セラフォルーが心配して
﹂
い人がいるんだ⋮⋮﹂
﹁⋮⋮差し支え無ければ、私に教えて貰えないでしょうか
?
﹂
?
いているんだ⋮⋮﹂
は耐えられなかったんだ⋮⋮⋮⋮俺の目には今も彼女の涙が焼き付
﹁彼女は自分が傷を負うことは耐えていた。だが⋮妹がやられること
もそれを言葉にする
サーゼクスは一誠の言葉と表情から大体の事を読み取った。一誠
が⋮⋮違うのですね
﹁⋮⋮私達は彼女は力に溺れ、主を殺したと報告を受けていたのです
﹁⋮⋮⋮⋮黒歌だ。俺は彼女の汚名を晴らしてやりたい﹂
﹂
﹁⋮⋮セラちゃんに心配をかけていたか。ああ、すぐにでも保護した
いましたよ
ですか
と聞いたのですが、誰か早急に眷属にしなければならない方がいるの
﹁セラフォルーからあなたが﹃悪魔の駒﹄を入手することを焦っている
ながらサーゼクスが口を開く
一誠とサーゼクスはそのまま生徒会室をあとにする。廊下を歩き
﹁畏まりました﹂
を頼んだよ﹂
﹁少し気になることがありまして⋮⋮グレイフィア、セラフォルー達
別に構わないが、どうかしたのか
﹁ん
?
﹁⋮⋮一誠さん、少し二人で話したいことがあるのですが、構いません
?
?
?
43
?
血を流すほど拳を握りしめる一誠を見て、サーゼクスは心を痛める
⋮⋮自分達がもっと真相を迫れば解決出来た問題だ。それを部下か
らの報告だけで決めつけてしまったことに後悔を感じていた
拳から血が流れていることを全く気にせずに、一誠が続ける
﹂
﹁ほんの数ヶ月だが、確かに家族だったんだ⋮⋮⋮⋮だから、今回お前
が持ってきてくれた話がどれほど嬉しかったことか⋮⋮
﹁⋮⋮上層部の方々の説得は任せてください。必ず納得させます⋮⋮
だからあなたは安心して試験に受かってください﹂
﹁ああ、恩に着る⋮⋮いい友人を持てて本当に嬉しいよ﹂
﹁私を友人として見てくれる方なんて一握りしかいませんからね⋮⋮
そんな友人のためならこれぐらい当然ですよ﹂
産まれながらに﹃超越者﹄として見られ普通の生活を送れず、次期
当主、そして魔王候補に選ばれてからは魔王としての作法や知識を覚
えることに全てを費やしてきた。同じ﹃超越者﹄のアジュカと、これ
また同じ﹃魔王﹄であるセラフォルーとファルビウム以外に、サーゼ
クスは友人と呼べる者はいなかった⋮⋮今は仲がいいが、アジュカ以
外の二人は仕事で顔を合わせるから知り合ったような者だ。一誠は、
そんなサーゼクスにとってアジュカ以来のプライベートで出来た友
人だ。サーゼクスはそんな友人の力になりたかった
﹂
ことはあっても頼ることは出来なかった。一誠はそんなサーゼクス
に唯一頼ってくれと言ってくれたのだ。産まれてから数百年、サーゼ
クスはようやく頼れる人物を見つけることが出来た
44
!!
﹁そうか⋮⋮なら、お前が困った時は俺に言ってくれ⋮⋮﹃友人﹄とは
﹂
そういう者だろ
﹁ッ⋮⋮はい
?
嬉しかった。昔から飛び抜けていたサーゼクスは、誰かに頼られる
!
黒猫の涙
最上級悪魔への昇級試験も、試験内容自体は特に変わらなかった。
問題が難しくなり、対戦相手が強くなったぐらいだ。筆記は持ち前の
知識とソーナの捕捉で難なくクリアし、実技も相手が強くなったと
言っても尚一誠の方が格が上なので勝負にはならなく、また攻撃する
前から一誠の勝利となった。サーゼクス達の口添えと一誠自身の実
力もあり、一誠は晴れて最上級悪魔に昇級した
そして今、一誠は諸々の手続きなどを全て終わらせ、サーゼクスか
ら﹃悪魔の駒﹄を手渡されていた
﹁一誠さん、これを⋮⋮﹂
﹁ああ⋮⋮解ってはいたが、やっぱりこの色か﹂
﹃俺達を象徴する色だからな﹄
﹃悪魔の駒﹄は一誠の手元に収まると、すぐに全ての駒が赤に染まっ
た。サーゼクスが口を開く
﹁これで全ての手続きは終了です⋮⋮まさか、悪魔になって一月ほど
で最上級悪魔になられるとは⋮⋮悪魔の未来は明るいですね﹂
﹁ここまでしてもらったんだ。俺も喜んで貢献させてもらうよ⋮⋮だ
が、まずは黒歌を探させてくれ﹂
﹁もちろん構いませんよ。私も微力ながら協力させていただきます﹂
﹁ありがとう⋮⋮それじゃあ、人間界に帰ろうか⋮⋮またな、サーゼク
ス﹂
﹁はい、また⋮⋮はは、こうして手を振られるのは初めてだな⋮⋮﹂
一誠が気軽に自分に手を振ってくれることも、サーゼクスにとって
は新鮮で嬉しいことだった
一誠が人間界に帰ってくる少し前、ある建物では女性が一人で過去
45
の出来事を思い出していた
﹁イッセー⋮あなたは、今の私を見たらどう思うのかにゃ⋮⋮﹂
罪を犯した﹃はぐれ﹄悪魔でテロリスト、黒歌に被せられた汚名は
重なり、ついには最上級クラスの危険人物とまで言われていた。妹を
助けて﹃はぐれ﹄になったことに後悔は無いが、自分を助けてくれた
少年の元を離れたことには後悔があった
﹁⋮⋮会いたいよ、イッセー⋮⋮﹂
その一誠が自身を迎え入れる準備を済ませたとは知らずに涙を流
す⋮⋮そして、静かに部屋から抜け出し、呟いた
﹁顔を見るぐらいなら、誰も何も言わないよね⋮⋮﹂
思い出を思い出のまま断ち切るために。そう思いながら黒歌は一
誠のいる駒王町に足を踏み入れた
﹂
﹁久しぶりだな黒歌。あれから十年、ずっと探し続けた⋮⋮迎えに来
たぞ﹂
﹁ッッ
46
﹁⋮⋮あれが、今のイッセーなのかな⋮⋮﹂
黒歌が駒王町を歩いていると、すぐに一誠らしき人物は見つかっ
た。一誠はセラフォルーと一緒に家に帰っている途中で、幸せそうな
顔でセラフォルーと腕を組んでいた。その姿が黒歌にはとても眩し
く、そして辛かった
﹁凄く幸せそう⋮⋮ッ﹂
羨ましい。だけど彼の隣に自分の居場所は無い⋮⋮自分から手放
した居場所にはもう帰れない⋮⋮彼の幸せそうな顔を見れてよかっ
た。そう無理矢理納得して元来た道を歩きながら俯いて呟く
黒歌﹂
﹁これで最後⋮⋮本当にさよならにゃ、イッセー⋮⋮﹂
﹂
﹁⋮⋮最後かどうかは俺に決めさせてくれないか
﹁⋮⋮え
?
突然後ろから声をかけられ、振り向いてみると⋮⋮
?
探してくれてたことが嬉しかった。すぐにでも抱きつきたかった
!!!!
﹂
私はあんたみたいなガキ知ら
⋮⋮だが、自分にその資格は無いし、居場所は無い⋮⋮黒歌は涙を隠
あんた何を言ってるのにゃ
し、強がりながら声を出す
﹁⋮⋮は
ないにゃん⋮⋮ナンパなら他当たってくれる
?
﹁ッ⋮⋮だから
私はあんたのこと知らないって言ったでしょ
﹂
!!!!
﹁何を⋮⋮え
﹂
﹁⋮⋮確かに知らないかもな。じゃあ、自己紹介から始めようか﹂
!!
﹁⋮⋮他の女性をナンパする気は無い。黒歌だから声をかけたんだ﹂
?
?
演技が解けてしまう
なんでイッセーが悪魔になってるのよ
!!?
﹂
﹁忘れる訳無いでしょ
のよ
それよりどうして
どうして悪魔に転生した
!!
あの子のことだ⋮⋮そして黒歌、お前を迎
?
歌に見せる。黒歌はさらに混乱してしまう
?
手に入れた⋮⋮だからこうして会いに来たんだ﹂
!!
俺はお前の
﹁﹃冤罪﹄って⋮⋮私は主を殺したのよ ﹃冤罪﹄な訳無いじゃない
﹁いや、
﹃冤罪﹄だ⋮⋮妹を護ることの何が﹃罪﹄なんだ
私はそっちに戻れない
戻ったら⋮⋮イッセー達にも
?
?
﹃罪﹄を⋮⋮あの時お前が見せた涙を、絶対に認めない﹂
﹁ッ⋮⋮でも
﹂
⋮⋮お前の﹃冤罪﹄を揉み消すことが出来るほどの地位と実力を俺は
﹁つ い 先 程 最 上 級 悪 魔 に 昇 級 し て な、正 式 に 貰 う こ と が 出 来 た ん だ
﹁な、なんでイッセーがそれを持ってるの⋮⋮
﹂
一誠はそう言いながら懐から赤い﹃悪魔の駒﹄を一つ取りだし、黒
え入れるためでもある﹂
⋮⋮さっきから見てたろ
﹁悪 魔 に な っ て で も 会 い た い 人 が い た ん だ、自 分 の 意 思 で 転 生 し た
理矢理⋮⋮などと考えていたら、一誠が口を開く
ことしか、今の黒歌は考えていなかった。まさか、自分と同じ様に無
演技なんてどうでもいい。何故一誠が悪魔に転生したのかという
!!
﹁覚えてるんじゃないか⋮⋮本当に忘れられたかと思ってたぞ﹂
﹁ッ
﹂
が確かに同じ翼が十二枚も広がっていた。これには黒歌も狼狽して、
黒歌は目を見開いた。一誠の背中からは⋮⋮自分の翼と形は違う
!?
!
!!
47
!?
!!?
迷惑がかけるの
る
﹂
﹂
だから
俺は黒歌に帰ってきて欲しいと言ってるんだ
﹁迷惑がかかるとかそんなのは関係ない
﹂
黒歌が笑顔で帰ってこれる﹃居場所﹄を作ったんだ
は手に入れたんだ
﹁ッ
﹁俺はっ
お前が断ろうが必ず連れて帰る
﹂
!!!!
!
うぅ∼⋮⋮本当に⋮⋮⋮⋮私がいてもいいの
帰ってきてくれ⋮⋮いや
﹁ッッ
﹂
!!
!!
!!
そうならないための力を俺
れることになる⋮⋮一誠が泣き叫ぶ黒歌の手を握って力強く宣言す
に行きたくてたまらないが、そうすると一誠達が自分を匿ったと狙わ
黒歌は涙を流しながら叫ぶ。もう演技なんて出来ない。一誠の側
!!!!
いて欲しいんだ
俺は黒歌に側にいて欲しい
誠はその手も取り、そのまま黒歌を抱き寄せる
一誠に握られていない手は一誠を探す様にして空を切っている。一
黒歌は大粒の涙を流しながら一誠に向かって呟く。無意識なのか、
?
!
!!
!!
﹁いてもいいじゃない
﹂
!!
!!
ずっとずっと寂しかった
⋮⋮そして今まで溜め込んでいた想いを口にする
﹁会いたかったよぉ⋮⋮
﹂
イッセーと離れ
たくなかったってずっと後悔してた ﹃居場所﹄が無くて怖かったぁ
!!
その女、誰
﹂
?
ら、話すことが出来なかった⋮⋮済まない﹂
﹁⋮⋮全っっっっっっっっ然納得出来ないけど
いたかったなら、何も言わないよ⋮⋮﹂
⋮⋮⋮⋮それだけ会
!!!!
﹁⋮⋮ 俺 が 何 が あ っ て も 眷 属 に し た か っ た 人 だ ⋮⋮ 事 情 が 事 情 だ か
﹁⋮⋮⋮⋮⋮⋮⋮⋮一誠
そして、セラフォルーは呆然としていた
黒歌も、会えなかった時間を埋めるかの様に抱きついている⋮⋮⋮⋮
一誠は泣きじゃくる黒歌を宥める様に抱き締め、頭を撫で続ける。
な。今日からは俺が黒歌の﹃居場所﹄だから⋮⋮﹂
﹁ああ⋮⋮自分の﹃居場所﹄が無いのは怖いよな⋮⋮もう大丈夫だから
!!!!
!
?
48
!!!!
その言葉を聞いて、黒歌はようやく一誠に向き合い、抱きついた
!!!!
!!
﹁裏切る様な真似してごめんね⋮⋮けど、俺は黒歌を助けたかったん
だ﹂
﹂
﹂
﹁はぁ⋮⋮そういうとこも﹃ベルザード﹄の頃から変わってないんだね
⋮⋮帰ったら説明してよね
﹂ヴァ、ヴァーリ
﹂
﹁⋮⋮ああ、全て説明する⋮⋮さあ黒歌、一緒に帰ろう
﹁⋮⋮うん﹁待ってくれないかな
!?
う
﹁ッハハ⋮⋮なんだこのオーラは
黒歌
私そっちに戻
﹂
俺ですら震えるほどの殺意
ヴァーリ
を迎えに来ただけだが、とんだ楽しみが見つかったぞ
ヴァーリと戦っちゃダメにゃ
!!!!
あんたイッセーが殺されて
!!
!?
﹁イッセー
﹂
るからイッセーには手を﹁ダメだよ﹂ッ
もいいって言うの
! !!!!
!!
られたヴァーリは⋮⋮震えながらも、敵意をむき出しにしていた
して結界を張り、一誠とヴァーリだけを中に閉じ込める。殺意を向け
意をヴァーリにぶつける。セラフォルーが一誠が暴れることを想定
一誠は木場、サーゼクスと戦った時とは比べ物にならないほどの殺
ちょっかいかけようとしてんじゃねぇぞ﹂
﹁⋮⋮ ふ ざ け ん な。黒 歌 の﹃居 場 所﹄は そ っ ち じ ゃ ね ぇ ⋮⋮ 黒 歌 に
利用価値があるのでね、迎えに来たんだよ﹂
﹁俺はヴァーリ⋮⋮そこの黒歌の上司みたいなものさ。彼女にはまだ
﹁⋮⋮誰だ
﹂
一誠はすぐに黒歌を庇う様に間に立ち、セラフォルーも黒歌に寄り添
声 を か け ら れ た。黒 歌 は そ の 声 の 主 を 知 っ て い る 様 で 震 え 始 め る。
一誠が黒歌とセラフォルーを連れて帰ろうとしていると、後ろから
?
?
?
ヴァーリ
﹄
すぐに逃げろ
絶対にあいつを刺激するな
!!
!!
発現すると、ヴァーリから彼以外の声が発せられた
﹃ッッ
に戦うな
絶対
るが、すぐにセラフォルーに止められる。一誠が﹃赤龍帝の籠手﹄を
黒歌は一誠がヴァーリに殺されると思って自身を差し出そうとす
丈夫﹂
﹁⋮⋮今の一誠は、あなたの知ってる一誠じゃないんだよ。だから大
!!?
!!
49
?
!!
!!!!
!!!!
﹂
﹁何を言っているんだアルビオン ﹃赤﹄と﹃白﹄は争うことが宿命な
のでは無いのか
!!
﹂
アルビオン、お前達は何を話してるんだ
﹂
昔からプラ
俺達は戦う運命にあるんだ﹁知
お前は今の﹃赤﹄と﹃白﹄の戦いがどうなっているのか知ら
﹁なんだ
﹁何を納得しているんだ
﹃⋮⋮やはりお前は⋮⋮⋮⋮あぁ、全てが繋がった﹄
イドだけは高い奴だな⋮⋮﹂
﹁おいアルビオン⋮⋮お前また宿主に黙ってるのか⋮⋮
らねぇんじゃねぇか﹂ッ何を言いたい
﹁知っているに決まっているだろう
﹂
ないのか
一誠を睨んでいる。一誠が低い声を出す
イド故なのか⋮⋮どちらにせよ、そのことを知らないヴァーリは尚も
されていなかった⋮⋮それは偶然なのか、それともアルビオンのプラ
⋮⋮ヴァーリは二天龍の争いは知っていたが、その勝敗までは聞か
!!?
同じ男だ﹄
﹂
?
初代って何千万年も昔の人なんでしょ
﹂
?
﹁なんだと⋮⋮
﹁え
生きてたの
イッセーそんな昔から
龍帝﹄だ。信じられないだろうが⋮⋮間違いなく始まりの﹃赤龍帝﹄と
﹃ヴァーリ、今お前の前に立っている男は⋮⋮⋮⋮⋮⋮⋮⋮初代の﹃赤
て、アルビオンが口を開く
ており、セラフォルーはそんな黒歌の手を握ってあげている⋮⋮やが
る。黒歌は何が起こってるのか解らないといった風にきょとんとし
急に納得したように黙り込むアルビオンにヴァーリが怒鳴りつけ
!?
?
アルビオンに話しかけている
?
﹁⋮⋮ああ、彼女の時か。彼女は本当に強かったな⋮⋮﹂
お前はまた、と言っていた⋮⋮それが最初のきっかけだ﹄
﹃⋮⋮最初の相討ちから千年後、もう一度相討ちした時だ⋮⋮あの時
﹁ようやく気付いたか⋮⋮きっかけはいつだ
﹂
ヴァーリと黒歌はアルビオンの発言に疑問を持っている。一誠は
﹁⋮⋮きっと帰ったら教えてくれるから、それまで待っててね﹂
?
50
?
?
!?
?
?
?
初代だろうが何だろうが
!!
﹄
﹁ッ勝手に話を進めるな
﹂
止めろヴァーリ
だけだ
﹃ッ
!!!!
!!
俺はお前と戦う
!
﹄
﹃ついに神滅具を宿したのか
いを挑むのか
くっ
ヴァーリ
あれを見てもまだ戦
!!
﹄
!!!
を傾げる
﹁おかしいな⋮⋮なぜそこまで痛がるんだ
﹂
?
ると、アルビオンが予想外の一言を口にする
何を言ってるんだアルビオン。何故こいつを庇うんだ
﹃﹃赤龍帝﹄⋮⋮頼む。ヴァーリを殺さないでくれ⋮⋮﹄
﹁
﹂
?
﹃⋮⋮それでもだ。頼む⋮⋮お前に言えることではないが⋮⋮ヴァー
でもやってきたことだろう
別に今ま
ていた。一誠が悶え苦しむヴァーリに聖槍を振り下ろそうとしてい
槍を手に自分達を護る一誠の後ろ姿に黒歌とセラフォルーは見惚れ
声までは聞こえないが、鮮やかな赤い鎧に身を包み、同じく赤い聖
﹁あれが今の一誠だよ⋮⋮強くて優しい⋮⋮私の大切な人﹂
﹁⋮⋮イッセー、凄い綺麗⋮⋮﹂
とって毒でしかない⋮⋮﹄
﹃⋮⋮ ヴ ァ ー リ は 人 間 と 悪 魔 の ハ ー フ だ ⋮⋮ そ の 聖 槍 は ヴ ァ ー リ に
アルビオンが答える
ヴァーリは聖槍による苦痛でもがいていて返事が出来ず、代わりに
のか
⋮⋮まさかお前、悪魔な
聖槍で貫いた。ヴァーリが腹を抑えながら倒れるのを見て一誠は首
一誠はヴァーリの拳を受け止めもせず、ヴァーリの腹を鎧ごと赤い
﹃ヴァーリ
﹁なっ⋮⋮ゲボッ﹂
者が俺に⋮⋮黒歌に近付くな﹂
﹁聞いてないみたいだな⋮⋮﹃赤﹄と﹃白﹄の歴史も知らんような愚か
!
しながら発現される。それを見てアルビオンが叫ぶ
かに﹃赤龍帝の籠手﹄を禁手させる⋮⋮同時に、
﹃黄昏の聖槍﹄も変質
ヴァーリがしびれを切らし禁手して一誠に殴りかかるが、一誠は静
!!
?
51
!?
!!
?
?
リは死よりも辛い思いをしてきたんだ⋮⋮﹄
﹁⋮確かに俺には言えない言葉だな⋮⋮﹂
赤子や子供の時に殺されることだって何回もあった。そんな一誠
にとって、たかだか一人生で、しかも生き残っているヴァーリの辛さ
﹄
など何とも感じないものだった。それでもアルビオンは命乞いを止
それでもヴァーリには生きて欲しいんだ
めなかった
﹃頼む
!!
﹃ッ
﹂
恩に着る
絶対に誓わせてみせる
﹄
おいてやる。誓えないなら、ここで殺す。選べ﹂
に誓わせろ。二度と黒歌に近寄るな。それが誓えるなら殺さないで
﹁⋮⋮お前とも数千万年以上の付き合いだしな、解ったよ⋮⋮そいつ
﹃⋮⋮護りたいだけだ﹄
か
﹁お前がそこまで言うとはな⋮⋮今回の宿主に特別な感情でもあるの
!!
!!
﹂
?
﹁本当に嬉しいにゃ⋮⋮ありがとう、イッセー⋮⋮﹂
﹁へー⋮⋮ふーん⋮⋮私は何百年も待ってたんだけどなー
?
﹂
飼い猫じゃなくて化け猫の間違いでしょ
じゃないわよ
一誠
私と一誠の愛の巣
それに私はオバさん
!?
この化け猫庭に飼いましょ
!!
﹁私から見たらオバさんにゃ﹂
﹁むうぅ∼∼
!!
﹁あ
﹁心の狭いオバさんにゃ。彼氏の飼い猫ぐらい目を瞑れにゃ﹂
﹁⋮⋮埋め合わせはするから﹂
﹂
﹁ああ⋮⋮十年探し続けた家族なんだ。嬉しくて仕方ないんだ﹂
﹁その割には嬉しそうだねー⋮⋮
﹁さて⋮⋮また父さんと母さんを説得しなきゃな。ああ、大変だ﹂
帰り道で話しているうちに、黒歌もようやく本調子に戻っていた
からアルビオンが呼んだ仲間達に連れて帰された
誠は二人の手を握り、今度こそ家に帰っていった⋮⋮ヴァーリは、後
一誠が禁手を解いたのを確認してセラフォルーも結界を解く。一
だ。頼むぞ⋮⋮﹂
﹁⋮⋮これでも負け続けても心を折らないお前のことは信用してるん
!!!!
!!
!!
52
?
!!
!?
が荒らされちゃう
﹂
﹁にゃ∼⋮イッセー、あのオバさんが怒鳴ってくるにゃぁ⋮⋮﹂
﹂﹂
﹁二人共俺が悪かったから落ち着いてくれ⋮⋮﹂
﹂
﹁﹁一誠/イッセーはどっちの味方なの/にゃ
﹂
﹁⋮⋮二人共の味方にはなれないのか
﹁ダメよ
﹂
53
!!
﹁ダメには決まってるにゃ
﹁⋮⋮﹂
!!
!!
?
!!?
魔王﹃は﹄眷属
﹂
﹁⋮⋮セラフォルーさんがいながら他の女性も連れ込むつもりなのか
﹂
﹁一誠⋮⋮あなたセラフォルーさんの気持ちを考えていないの
当たり前だが、一誠の両親は黒歌も共に暮らすということに反対し
ていた。当の黒歌は借りてきた猫のように大人しくなっており、両親
の前に来てからは一言も言葉を発していない⋮⋮セラフォルーもこ
れには口を出せないでいた。十年前は黒歌が黒猫に化けていたから
問題無かったが、今回は嬉しさのあまりにそれを忘れて素のままで両
親と鉢合わせしてしまい、こうして修羅場になっている⋮⋮一誠の母
﹂
それ⋮⋮昔一誠が黒歌ちゃんに買ってあげたスカーフじゃな
親が、黒歌の着物からはみ出している物に気付いて黒歌に話しかける
﹁あら
い。どうしてあなたがそれを持ってるの
﹁そ、それは⋮⋮﹂
﹁⋮⋮二人共貸しだからね﹂
﹁⋮⋮ごめん﹂
いいからね
﹂
﹁は、はい⋮⋮ありがとうございます⋮⋮﹂
﹂
﹁ええ、黒歌さん。あなたもセラフォルーさんと同じ様に好きにして
﹁そういうことか、解ったよ﹂
若干無理がある説明にも聞こえるが、両親はすんなりと了承する
カーフをプレゼントしたの﹂
誠が飼ってた猫ちゃんと名前が一緒らしくて、一誠がさっき同じス
﹁おじ様、おば様、この子は私の遠い親戚なんだ。名前は黒歌⋮⋮昔一
てからセラフォルーが両親に話しかける
申し訳なさそうにセラフォルーに謝っている⋮⋮魔法陣の光が消え
が突然小さな魔法陣を創り、一誠の両親にその光を浴びせた。一誠は
黒歌がスカーフについて尋ねられて狼狽えていると、セラフォルー
?
?
﹁それじゃあ俺達はもう寝るから、一誠達も早く寝るんだぞ
?
?
54
?
?
﹁三人とも、仲良くしなさいね
﹂
あなたなんで何も言わなかったのよ
一誠なら説得出来たでしょ
?
﹂
﹁はあ⋮⋮おじ様とおば様を騙すようなことしちゃったね⋮⋮一誠、
を確認してからセラフォルーがため息をつく
両親はそう言い残してリビングから出ていく⋮⋮二人が離れたの
?
﹂
﹂
?
一誠、そう言って説得しようとして
?
!
しか思い付かなかった﹂
一誠のお嫁さんは私だけなんだから
!
﹂
?
﹂
私と一誠はあんたが産まれるずっと前から結
ばれて愛しあってたのよ
!!
にゃ﹂
﹁なっ⋮⋮
この化け猫は助けて貰っておきながら
はっ
﹂
あんた
一誠は私がいなくなってから
十年間、ずっと私のことを想って探し続けてくれてたのにゃ
!!
はその数百年の間探して貰ったりしてないんだし私の方が上にゃ
!
﹁大事なのは時間じゃなくて密度にゃ
﹂
私があん
!
たが産まれる前から一誠に愛されてたことに嫉妬してるんでしょ
!!
﹁⋮⋮あんた、私が思ってた以上にオバさんだったのね⋮⋮最早化石
!!!
﹁思い知ったか化け猫
との出会いの話に差し掛かった時、それは起こった
い様な話だが、黒歌は真剣に聞き入れていた⋮⋮だが、セラフォルー
一誠は自分のことを一番最初から説明した。前提から信じられな
﹁⋮⋮それは﹂
たみたいに話してるの
してイッセーはさっきからずっとそんな昔のことばかり体験してき
﹁⋮⋮私はイッセーの説得の方が良かったにゃあ⋮⋮それより、どう
﹁ダメよ
﹂
﹁一番最後にこんなことになった時はそうして解決したんだ⋮⋮それ
たの
﹁⋮⋮⋮⋮⋮⋮⋮⋮⋮⋮⋮⋮は
は一夫多妻は認められていないんだろ
﹁⋮⋮説得出来ないことは無かったが⋮⋮⋮⋮⋮⋮⋮⋮確か今の日本
ながら口を開く
だって乗り越えられるはずなのだが⋮⋮一誠が困ったような顔をし
セ ラ フ ォ ル ー よ り 一 誠 の 方 が 人 生 経 験 は 豊 富 だ。ど ん な 修 羅 場
?
??
!!
!
55
?
﹁ッ
もう許さないから
﹁ビッチじゃ無いにゃ
表に出なさいこのビッチ
﹂
そりゃ色仕掛けすることはあったけど私は一
﹂
化石は化石ら
無差別に誘って
上等にゃ
そんな格好で言われても説得力無いからね
誠以外の男に肌を触らせたことは無いにゃ
﹁はっ
﹂
﹂
﹁一誠が褒めてくれた服をバカにしたわね
しく地面に埋めてやるにゃ
!
る様にしか見えないよ
!!
!!
!!
!
﹁﹁だってこいつが
﹁何でも
﹂
﹂
﹂﹂
﹁黒歌⋮⋮俺はお前に側にいて欲しい。これを、受け入れてくれるか
話しかける
の説明を終わらせる。一誠は懐から﹃悪魔の駒﹄を取り出して黒歌に
なんとか二人を納得させ、ようやく最上級悪魔になったところまで
ないことはたくさんあるんだ﹂
﹁ああ、約束する⋮⋮だから話を進めさせてくれ。まだ黒歌に話して
?
?
﹁本当かにゃ
﹂
良ければ埋め合わせはいくらでもするから落ち着いてくれ﹂
﹁元を辿れば俺が原因なんだ⋮⋮二人がいがみ合わないでくれ⋮俺で
!!!!
﹁⋮⋮二人共もう止めてくれ。話が進まなくなる﹂
エスカレートしていく二人の口喧嘩についに一誠が割り込む
!!
!?
黒歌は一誠から﹃僧侶﹄の駒を一つ受け取り、自身の胸に沈める⋮⋮
そうだ
﹂
それと同時に黒歌の翼が一誠と同じ形の翼に変わる。一誠がそれを
見て改めて黒歌に話しかける
﹁おかえり、黒歌﹂
﹁⋮⋮ただいまにゃ、イッセー⋮⋮﹂
﹁⋮⋮⋮⋮私は蚊帳の外なんだねー⋮⋮あ
!!!!
かめている
然何かを思い付いた様に大声を上げた。黒歌は耳を押さえて顔をし
黒歌と一誠の契約をつまらなそうに眺めていたセラフォルーが、突
!!
56
!
!!
?
!
﹁⋮⋮うん。私はずっとイッセーの側にいるにゃ﹂
?
﹁うっさいにゃ
﹂
ねぇ一誠
いきなり何叫んでんのよ
﹁私も一誠の眷属になればいいんだ
﹂
!?
﹂
﹂
私にも駒ちょうだい
さぁ
!!
は迷わず﹃女王﹄の駒を手に取った
﹁やっぱり﹃王﹄の側にいるのは﹃女王﹄だからね
応しない⋮⋮⋮⋮﹂
﹁う、うん⋮⋮﹂
⋮⋮あれ
﹁さて、駒に対しては二回目だな⋮⋮十回で足りるか
﹂
﹂
駒が反
﹁⋮⋮まぁ解ってた。セラちゃん、一回駒を返してくれないかな
?
BoostBoostBoostBoost﹄
私こんなの見たことないよ
!!
﹄
!!!!
駒が光ってる
!
﹃Transfer
﹁わっ
﹂
﹃BoostBoostBoostBoostBoostBoost
を使う
一誠は﹃赤龍帝の籠手﹄を出して、そのまま﹃赤龍帝の籠手﹄の力
?
?
!!
す。黒歌に渡した﹃僧侶﹄一つ以外は全て残っている。セラフォルー
一誠は自分の持っている﹃悪魔の駒﹄全てをセラフォルーの前に出
いところだ⋮⋮はい、好きな駒を使っていいよ﹂
﹁⋮⋮ははっ、セラちゃんの悪い癖だね。でも、それもセラちゃんの良
﹁文句言われたら言ってきた人を凍らせるから
﹁⋮⋮それはいいんだが、セラちゃんが眷属になって大丈夫なのか
!!
!!
﹂
!!
?
私一誠の﹃女王﹄になれたよ
!!
丈夫だと思うから、もう一度試してみて
やった
!
﹂
﹁⋮⋮にゃふふ、私のことを心配してくれてのことなら別にいいにゃ
みを溢す
こんなところでも自身の身を案じてくれた一誠に黒歌は思わず笑
思ったんだ⋮⋮解って欲しい﹂
﹁元が﹃僧侶﹄だから違う駒を使った時に黒歌に悪影響が出るかもと
のにゃ
﹁いいにゃー⋮⋮イッセー、なんで私に﹃女王﹄を渡してくれなかった
﹁うん⋮⋮⋮⋮
﹂
﹁﹃赤龍帝﹄の﹃譲渡﹄の力があるから出来ることだしね⋮⋮これで大
!
?
57
!
!!
?
!!
﹂
あんただけじゃないん
イッセーにそれだけ想って貰えて嬉しいにゃあ
﹁私だって一誠に心配してもらってるもんね
﹂
れ。黒歌、風呂の場所とかは覚えてるよね
﹂
⋮⋮俺はサーゼクスに連絡してくるから、風呂に入って先に寝ててく
﹁⋮⋮これからは同じ眷属で同じ家に住むんだから喧嘩しないでくれ
だから
!
待ちなさい化け猫
﹂
どっかの化石と違って昔住んでたからにゃー。お風
﹁また化石って言った
呂入って来るわね﹂
﹁もちろんにゃ
?
!!
⋮⋮いえ、私はまだ何もしていませんよ。
?
堵の混ざった言葉を口にする
いた様で、そのことも口にしていた⋮⋮一誠はそれを聞いて怒りと安
て打ち明けたそうだ。そして、彼女はが庇っていた妹のことも知って
眷属の者が、その悪魔が黒歌にどれだけの仕打ちをしていたのかを全
サーゼクスが個人で秘密裏に調べていると、黒歌が殺した悪魔の元
りです﹂
例の悪魔の元眷属からの証言が入ったので、明日にでも公表するつも
﹁ええ、私からも彼女のことは主側に問題があったと公表します⋮⋮
と決めていた。サーゼクスも同じことを口にする
魔達は一誠と黒歌を糾弾するだろう⋮⋮一誠はそれを全て黙らせる
主を殺して逃げた﹃はぐれ﹄を眷属にしたと、上層部の頭の硬い悪
だろうが、俺は全て黙らせるつもりだ﹂
いでくれ⋮⋮俺の﹃僧侶﹄として再転生させた⋮⋮これから騒がれる
﹁いや、サーゼクスのお膳立てがあったから出来たことだ、謙遜はしな
彼女を迎え入れられたのはあなた自身の力です﹂
﹁もう見つけたのですか
ことが出来たからこうして連絡させて貰った﹂
﹁夜分遅くに済まないなサーゼクス。お陰で無事に黒歌を迎え入れる
法陣を展開する。数秒後、そこにサーゼクスの姿が写し出される
一誠は家から出て、誰もいない静かな場所につくと手元に連絡用魔
﹁⋮⋮まぁ、口喧嘩だけで済ましてるし大丈夫か﹂
!!
!
﹁その悪魔を俺の手で殺せないのが残念だ⋮⋮⋮⋮それじゃあ、黒歌
58
!!
!
!
の汚名は正式に晴らすことが出来るのか
﹂
﹁はい、絶対に晴らさせてみせます。他の魔王⋮⋮アジュカも協力し
てくれています。あいつもあなたに会いたがっていましたよ﹂
サーゼクスの親友とも言える男、アジュカ。サーゼクスやセラフォ
ルーと同じ魔王であり、サーゼクスと並ぶ﹃超越者﹄⋮⋮サーゼクス
以上に知識に貪欲で冷静な男だ。彼はサーゼクスから一誠の話を聞
いて本当に話したがっていた。珍しく大声を出すアジュカの姿は、い
つ思い出しても笑えるものだった
﹁ああ、近いうちに会わせて貰おう⋮⋮そうだ、もう二つ連絡しておか
﹂
なければならないことが出来たんだ﹂
﹁何かあったのですか
﹂
?
﹂
⋮⋮いえ、全く話題に出たことがないことです。すぐ
い。待っていてくれないか
﹂
本来ならすぐに黒歌から聞くべきなんだろうが⋮⋮まだ時間が欲し
見 せ な い 様 に と 伝 え て お い た が ⋮⋮ 組 織 と い う こ と が 気 に な っ た。
﹁そうか。それなら良かった⋮⋮﹃白﹄については撃退し、二度と顔を
んの眷属なので普通に出場可能です﹂
ていたようです⋮⋮レーティングゲームについても、あくまで一誠さ
﹁ああ、それは予想できていましたよ。グレイフィアは最初から解っ
なった﹂
﹁こっちもこっちで大問題かもな⋮⋮⋮⋮セラちゃんが俺の﹃女王﹄に
に皆にも伝えます⋮⋮それで、二つ目は
﹁何ですって
ており、驚きの声を上げる
一誠の言う﹃白﹄とは﹃白龍皇﹄のことだ。サーゼクスもそれは解っ
乗る者が﹃白﹄で悪魔とのハーフだった。何か話は出ていないか
﹁一つは黒歌が所属させられていた組織についてだ。黒歌の上司を名
?
﹁そうか⋮⋮時間が空いたらいつでもグレイフィアを連れてこっちに
﹁気にしないでください。私が好きでやっていることですから﹂
﹁⋮何から何まで、本当にすまないな⋮⋮﹂
で彼女には何も聞かなくて大丈夫です﹂
﹁もちろん構いませんよ⋮⋮いえ、その事は私達の方から調べますの
?
59
?
?
!?
来てくれ。黒歌とセラちゃんの口喧嘩をグレイフィアに止めて貰い
たいんだ﹂
﹁あのセラフォルーが口喧嘩ですか⋮⋮ははは、是非妻共々見に行か
せていただきます﹂
﹁第三者から見れば笑えるんだろうが、俺は笑えないよ⋮⋮さて、そろ
そろ切ろうか。改めてありがとうな、サーゼクス﹂
﹁いえいえ、こちらこそ情報提供ありがとうございます⋮⋮では﹂
サーゼクスとの通信を切り、家に戻る。リビングの電気はしっかり
消されていて、二人共既に眠っているようだ。一誠は極力静かにシャ
ワーを浴び、自身の寝室に向かうと
﹁⋮⋮ふふっ、あれだけ口喧嘩してても、やっぱり仲はいいんだな﹂
一誠のベッドで黒歌とセラフォルーが並んで眠っていた。間に一
人分の間があるのは一誠のためだろうか⋮⋮一誠はその間に入り、眠
りについた
60