山口範雄会長挨拶 - 日本観光振興協会

会員のみなさまにおかれましては、本日は大変お忙しい中を全国からご出席頂き、誠にありがとうござい
ます。
また、本日は、ご多用中のところ、観光庁長官 田村 明比古 様、総務省大臣官房地域創造力審議官 原
田 淳志 様をはじめ、多くのご来賓の皆様のご臨席を頂きました。平素より当協会の活動に対し、ご協力を
頂き厚くお礼申し上げます。通常総会の開催にあたりまして、一言ご挨拶をさせて頂きます。
本日の総会では、平成27年度事業報告及び収支決算、理事・監事・評議役員の選任、定款の一部改正等
についてお諮りいたします。皆様の忌憚のないご意見を頂きますようお願い申し上げます。
はじめに、4月に発生した「平成28年熊本地震」により、多くの方々がお亡くなりになりました。謹ん
でお悔やみ申し上げますとともに、被災された方々に対しましてもお見舞い申し上げます。そして、現在、
大きな打撃を受けている九州地域の観光に対して、私ども観光業界としても、各社連携、協力して、復興支
援を検討して参りたいと存じます。
すでに各所でこの話題が飛び交いますが、2015 年度の訪日外国人客数が、初めて 2000 万人を突破し、訪
日外国人による消費額は、3 兆 4,771 億円で過去最高を記録しました。こういった状況は、観光業以外の産
業界にも与える影響が大きく、観光は裾野が広い産業であることが地域にも国民にも認識されました。そし
て、3 月に発表された「明日の日本を支える観光ビジョン」では、2020 年までに訪日外国人観光客数を 4,000
万人、訪日外国人旅行消費額を 8 兆円という目標が掲げられ、いよいよ観光立国への次のステージに入ったと
ころであります。
また、政府はビジョンを強力に推進するため、5 月に「観光ビジョン実現プログラム 2016」を決定しまし
た。私どもは関係者と密接な連携を図りながら、オールジャパン体制で一歩一歩確実にこのプログラムを実
現して行かなければならないと考えております。
こうした中で、これから私どもが果たすべき役割を考えたとき、インバウンドを伸ばすとともに、これらの
お客様を各地域に波及させていかなくてはなりません。インバウンドが増加したことにより、民泊やバスの問
題など受入体制の不備が指摘されるようになりましたが、そういった意味でも、地域の魅力ある資源を磨き上
げ、いわゆるゴールデンルート以外の新たな広域観光周遊ルートの創出等を促進し、インバウンドを地方へ波
及させていく必要があると思います。
併せて日本人の国内旅行の活性化も重要であります。これらは人口減少の状況からやむなしの風潮もありま
すが、旅行が地域を活性化し、地域住民に誇りを持たせ、また、人を元気にする、健康の面でもとても大きな
役割を果たすというようなことを啓蒙し、国内旅行を推進していくことも重要です。
そのためには、地域の観光資源の発掘、磨き上げ、旅行商品づくり、プロモーションを実践できる人材、ま
た外国人旅行者にも対応できる観光ボランティアガイドから地域のリーダーまで、観光人材の育成が必要であ
ります。
そして、当協会もこれまで取り組んで参りましたが、観光地域づくり、観光地経営を全体的に管理、運営で
きる組織をしっかりと作っていかなくてはなりません。よって、デスティネーション・マネジメント・オーガ
ニゼーション、いわゆるDMOを普及、定着させていくことも必要であります。こうした取り組みは、地方に
おける安定した雇用創出、地方への新しいひとの流れ、まちの活性化など地方創生の深化の実現に寄与する
ものであると考えます。
また、現在インバウンドは好調ですが、今後も世界の観光の潮流を見極めてプロモーションを行っていく
ことは不可欠です。昨年の9月に日本が世界観光機関(UNWTO)の理事国に就任いたしました。また、
それを受けて当協会はアフィリエイトメンバーに承認され、UNWTOと業務提携いたしました。世界の観
光トレンドや統計データの紹介、日本の優れた取り組みの発信など、日本の地域と世界をつなげていく所存
でございます。その他、台湾との交流で、台湾の宜蘭県で9回目となる「日台観光サミット」を日台の多く
の関係者のご協力を頂き、無事成功理に終えることができました。次年度は日本で四国において行うことに
しております。
このように、我が国の観光促進に向けて、今後も各地域、団体と連携して観光振興事業を効果的かつ積極
的に推進して参りたいと考えております。
そうした中にありまして、今年度、特に取り組む内容をいくつか申し上げます。まず、第一は推進体制で
ございます。本年度から当協会では「人材育成」、「観光地域づくり」、「国際交流」について新しい部署
を設置しました。「人材育成」においては、これまで当協会で行ってきたプログラムを体系化し『日本観光
振興アカデミー』を設立し、地域の担い手となる観光人材の育成を行ってまいります。「観光地域づくり」
においては日本版DMOを推進するため『DMO推進室』を設置し、普及啓蒙、形成支援等を推進して参り
ます。そして、国際事業においては、国際交流活動を一元的に推進する『国際交流推進室』を設置しました。
今後、これらの体制を中心に、国や自治体、関係団体や幅広い産業との連携を図り、スピード感をもって対
応し、業務を進めて参りたいと思います。
第二は事業の活性化です。
1つ目は当協会が事務局をつとめている「観光立国推進協議会」です。現在 100 以上の企業・団体に参画
いただき、政府のアクション・プログラムに反映されるような提言を行う他、専門部会によりテーマを設定
して議論を行ってまいりました。今後は本協議会が地域の皆様とも連携、協力し、新たな観光事業を創出で
きる場としても機能できるように検討をしていきたいと考えております。
2つ目は「ツーリズム EXPO ジャパン」です。今年も「フォーラム」、「展示会」、「商談会」、「ジャパ
ンナイト」、「顕彰事業」と5つの柱で、また国内旅行、海外旅行、インバウンドの三位一体で展開します。
今年はオリンピックイヤーとして、8月にはリオのオリンピック、9月のパラリンピック閉幕後、次回開催
地であります「東京」がコールされ、世界から日本が注目を集める中での開催になります。第1回目の 2014
年からこのことを意識して展開してきましたが、今年は 3 年目のホップ、ステップ、ジャンプの年として、
さらに新しい取り組みを展開して参ります。
3つめは東京オリンピック・パラリンピックに向け、受入体制の整備を促進し、地域観光ボランティアガ
イドの育成や多言語による地域観光情報の国内外への発信などにも取り組んで参ります。
そして、こうした取り組みを強力に推進するためには、当協会自身の改革が不可欠であると考えておりま
す。今後、執行体制の再編を含めて、協会活動をさらに活発化して参りたいと思います。
最後になりますが、本日の総会では、当協会の事業につきまして、忌憚のないご意見を頂き、さらなる充
実を図って参りたいと考えておりますので、皆様におかれましては引き続き力強いご支援・ご協力を頂きま
すよう重ねてお願いいたしまして、私の挨拶とさせて頂きます。