ko2714_thesisreview

別紙1
論 文 審 査 の 要 旨
報告番号
甲 第
論文審査担当者
2714
号
氏 名
主査
教授
内田
直樹
副査
教授
久光
正
副査
教授
高橋
春男
友寄
英士
(論文審査の要旨)
本研究は、結膜細胞が紫外線(UV)という過酷なストレスを日常的に受けて
いるにも関わらず、組織の恒常性を維持 しているメカニズムの一つに、UV 誘発
アポトーシスに続く増殖機構の存在を検討したものである。
培養ヒト結膜上皮 (Human conjunctival epithelial : HCE) 細胞に UV を照
射(中心波長 312nm 、UV 量 33, 99, 296 mJ/cm 2 )すると、照射量依存的に
活性酸素種 (Reactive oxygen species : ROS)生成量およびアポトーシスの割
合が増加した。このアポトーシスと同時に、c-Jun N-terminal kinase (JNK)
リン酸化能亢進、転写因子 activator protein-1 (AP-1)活性化および代償性増殖
の鍵となる Interleukin-11 (IL-11)生成増加が確認された。免疫細胞化学染色
では、IL-11 刺激による誘導と同様に、 UV 照射においても、増殖関連タンパ
ク c-myc、c-fos、c-jun の明らかな発現が確認された。
本研究により、HCE 細胞に UV 照射を行うことで、ROS を介したアポトー
シスが生じると同時に、種々増殖性因子が放出され、周囲の生細胞に働きかけ、
恒常性維持を促していることが明らかとなった 。このことは新たな知見であり
学術的価値があるものと判断した。
論 文 題 名 : Apoptosis-induced
proliferation in the UV-irradiated human
conjunctival epithelium cells. (UV照射ヒト培養結膜上皮細胞にお
けるアポトーシス誘導性増殖機構の存在)
掲載雑誌名: THE SHOWA UNIVERSITY JOURNAL OF MEDICAL SCIENCES
Vol. 27
(主査が記載、500 字以内)
No. 3
2015 年
掲載予定