3 浮き屋根式屋外貯蔵タンクの構造 浮き屋根式屋外貯蔵タンクは

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浮き屋根式屋外貯蔵タンクの構造
浮き屋根式屋外貯蔵タンクは、フローティングルーフタンク(Floating Roof Tank
=FRT)とも呼ばれ、その名のとおり屋根(浮き屋根)を貯蔵する危険物の上に浮
かべた構造となっている。
浮き屋根の最外周部には、ポンツーンと呼ばれる浮き室があり、ポンツーンが危
険物から受ける浮力によって、浮き屋根が危険物上に浮いていることになる。物の
受入れ、払出しに伴う呼吸ロスがほとんどなく、蒸発による損失が極めて少ない、
原油やガソリン等の蒸発しやすい危険物の貯蔵に適した構造となっている。
図4-2に浮き屋根式屋外貯蔵タンク(1枚板構造)の構造を示す。
ローディングラダー
特型泡放出口
ガイドポール
ゲージポール
ルーフサポート
フォームダム
上部ウインドガーダー
デッキ板
ルーフシール
中間ウインドガーダー
ポンツーン
危険物
ルーフドレン配管
上段の図は浮き屋根が危険物の上に浮かんでいる状況
下段の図は危険物の払出しに伴い、浮き屋根が着底した状況
図4-2 浮き屋根式屋外貯蔵タンク(1 枚板構造)の構造
浮き屋根には、デッキ板が 1 枚で構成される1枚板構造のものと、デッキ板が2
枚で構成される2枚板構造のものが存在する。2枚板構造のものは、1枚板構造の
ものと比べて蒸発損失が少ない、浮力が大きい、剛性が高いという特徴がある。
浮き屋根式屋外貯蔵タンクは、構造上、貯蔵している危険物の受け払いに伴って
浮き屋根が上昇及び下降する構造となっているため、浮き屋根と側板の間には、貯
蔵している危険物に雨水が浸入することを防ぐとともに、危険物の蒸発を防ぐため
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のシール機構が設けられている。図4-3に一般的に使用されているウレタンフォ
ームシールの例を示す。
ウエザーシールド
側板
ポンツーン上板
カーテンシール
ポンツーン
外リム板
ウレタンフォーム
エンベロープ
ポンツーン下板
ワックスス
クレーパー
危険物
図4-3 シール機構の例
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エアーフォームチャンバー
デフレクター
ウェザーシールド
フォームダム
写真1
特型泡放出口の設置状況
エアーフォームチャンバー
デフレクター
空気取入口
フォームダム
環状部分
(1.2m以上)
0.9m以上
ポンツーン
図4-4
特型泡放出口からの泡放射イメージ
写真2
特型泡放出口からの泡放射状況
出典:深田工業株式会社カタログ
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