牛は人が利用できない草をエサにして 牛乳・牛肉を生産します

牛は人が利用できない草をエサにして
牛乳・牛肉を生産します
牛の胃・消化のしくみ
牛には4つの胃があります。いちばん大きい第1胃は120~200㍑あり、細
菌や原虫などの微生物が共生しており、植物中の繊維を発酵、分解し、栄養
素に変えています。また第1胃に貯められたエサを第2胃の運動によって口
に戻し、モグモグとかみ返しを行います。これを反芻(はんすう)と呼びま
す。1回口に戻したエサを60回くらいかみ返します。第3胃は内容物をさら
にすりつぶします。第4胃が人の胃と同じように消化液を分泌します。この
ように牛などの反芻動物(ヤギや羊も)の胃袋は「人などが利用できないエ
サ」を栄養分に変えるために、特別な形と機能を持っています。
牛の腸
牛の腸はとても長く、50~60m。
乾草とサイレージ
牧草はそのままで牛に与えることも
できますが、それでは短期間しか利用
できません。このため収穫した草を密
封して(空気を遮断)乳酸発酵(漬物
様)させ、保存性を高め、年間を通じ
て牛の飼料として利用できるようにし
ます。これをサイレージと言います。
乳用牛が食べる草を栽培する
エサは大きく2つに分かれます。一
つはとうもろこしや大豆、ムギなどの
穀類でデンプン質が多く、エネルギー
の高い「濃厚飼料」といわれているも
の、他の一つは繊維質の多い草類で
「粗
飼料」と言われているものです。飼料
の多くは輸入購入ですが、粗飼料の一
部は農家自らが栽培しております。
飼料用とうも
ろこし刈り取
り機械後方に
ロール状の草
が放出される
ロール状の草
塊をラッピン
グマシーンで
ラップ
ロールベール
をちょっと工
作
土と家畜・食物の連鎖
家畜ふんはたい肥として土に戻さ
れ、そこで育った草が牛に食べられ、
牛乳や肉となるという循環が成り立
っています。物質循環がまさに命の
連鎖ともなっているわけです。