SKI000108

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老人保健福祉計画の 進捗状況をめぐって
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如 道 久子
の高齢者介護を 支える行政の 福祉サービスが、 老人保健福祉計画の 実
施 のもとでどのように
備 されているかを 明らかにしている。
さらに、 それぞれの市町村が 抱える現状と 地域間格差について 考察し、 計画の目標達成
状況と利用者のニーズ 面からサービス 量が充分であ るのか否かの 検討を加えている。
そして、 高齢者を取り 巻く様々な保健福祉サービスが、 バランス良く 供給される体制の
構築と、 利用意識が低い 対象者のサービス 水準の向上を 訴えていく内容であ る。
2 。 方
奈良県高齢福祉課による
統計資料などを 基礎資料とし、 パーソナルコンピュータ 一の 表
を 用いて多様な 角度から統計 ヂ 一夕を分析している。
と ショートステイが 計画の目標量を
良 県の高齢者介護の 基盤
達成している。 しかし、 その他の主要なサービスについては、 計画達成率 75 % 以下にと
どま っ ており、 中でも、 在介せンターと 高齢者生活福祉センタ 一の整備が非常に 遅れてい
ることが分かつた。 そして、 将来予測の結果、 先に述べた整備が 難航している 2 つの項目
の他、 ホームヘルパー と 老嬢施設が目標達成が 難しいという 結果が得られている。
しかし、 サービスの計画達成事と 利用率の両面から 考察した結果、 計画達成率が 100%
を超えていなくても、 地域によっては 利用ニーズがそれに 伴いにくいということから、 量
的には充分であ ることが分かった。 奈良県の場合、 利用者側の意識として、
の問題」としてやっていこうとする
「介護は家族
状況がうかがえ、 行政側も、 その低いニーズに 合わせ
て整備を行うことが 計画の遅れの 一因になっているとも 言える。 家族による介護にも 限界
があ り、 今後の権 利意識の向上や 家庭の介護機能の 低下は避けられない 現実であ ると思わ
れる。 福祉サービスを 利用することへの 偏見を払拭する 取り組みや、 多様なサービス 形態
によるニーズの 掘り起こしなど、 独自の工夫を 極 的行 う ことが必要であ るといえる。
を 終えて
特@
的な分析として 挙げるならば、 過去のデータにもとづく 基 整備状況の将来手
測を行い、 目標年次において 老人保健福祉計画の 達成が出来るかどうかを 検証したこと、
ホームヘルパ 一の計画達成事と 利用率を組み 合わせ、 それぞれの市町村の 需要と供給の バ
す 分布図を作ったこと、 ホームヘルプサービス 利用実績の地域間格差が 起きる
世帯事との関係性をみる 分析を行ったことなどだろう。
反省点を振り 返ると、 現場に足を運んだり、 訪問して話を 伺 う ことにしり込みし、 数字
やデータとばかりにらめっこをした 感があ る。 卒論を機に 、 多くの福祉の 疑問や矛盾に 突
き 当たったので、 マンパワーが 創り出す 、 客 的 データに残らないような 力にも着目して
考察を深めていきたい。
一 49
一
女性福祉について
∼松任市における 調査を通して、 女性に必要なサービスを
①目的・動機…私は
松井 香濃
考える∼
以前から「どのような 生き方を選択すべきか」ということに
非常に興
味を持っていた。 プレ卒論で介護が 女性にとって 負担になっていることを 知ったのをきっ
かけに、 なぜ女性に負担がかかっているのかを
に 福祉、そして私自身が
②方法…松任市千代野の
3
研究することで、 この状況を改善するため
地域にどのような 貢献ができるかを 考えることを 目的としている。
小学
5
年生と保育所の
歳月クラスの 両親を対象にアンケート
に 対しては園児にアンケート
1
歳から
3
歳月クラスの 両親と、 幼稚園の
調査を行った。 小学生については 集合調査、 大人
用紙を持ち帰ってもられ
後日回収した。 分析は、 統計処理ソ
フト「 Excel.9 7 」を用いた。
③結果…ジェンダー に関する調査の 結果、子供は家庭内でジェンダ 一意識を受け 継がれやすい
傾向があ るれ づ 結果が得られた。 また大人も、 子育てに関して、 男の子らしく、 女の子らしく 育て
るれ づ 考え方の人達が 多;、 った。 頭ではジェンダ 一にとらわれる 必要はないと 考えていても 実際
は 、 ジェンダ一にとらわれてしまっているのが
助こそが必要であ
るとⅤ
④執筆を終えて…研究を
現状であ る。そのジェンダーを 取り除くような福祉援
づ 結論に達した。
進めていくうちに 自分の考え方がジェンダ 一にとらわれていたこ
とに気付き、最終的にテーマと 内容が食い違っていることが
最も特徴的な 独自性といえる。
副題には「女性に 必要な」という 言葉を入れたが、 女性にだけ必要なサービスなどなく、
必要なのは社会の 人すべてに対するサービスであ るということであ る。 本来ならば、 テー
マと内容は一致するべきものであ
るが、 あ えてそうしなかったのは、
分にとって最も 大きな収穫であ り、 それがこの論文における
そのことが今回、
自
大切な結論の 一つであ るから
であ る。 執筆 申 はそのことで 悩み苦しんだが、 ゼミのメンバ 一のアドバイスが 私を救って
くれた。 松井 香 濃の論文というよりも、
る。 このような経験ができたことは、
ゼミのみんなで 作り上げた論文ということができ
大変良かったと 思っている。 これから論文を 書く人
達 にも多くの仲間の 意見を参考にして、
自分の頭で考え、 いっぱい悩んでほしい。
そして
自分もまた、 仲間のために 意見を出して、 力になってほしい。 そうすることによって、
分の視野が広がり、 自分の論文はもちろん、 仲間の論文もきっといいものに
自
仕上がると思
う。 最後に私自身、 このテーマを 論文のテーマだけに 終わらせるのではなく、 人生のテー
マとして追い 続けたいと思う。
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の 万法,・・㎡博人ユーザーへの
川き取り調布
と
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、 廿 博人ユーザーと
る。
・
ぉ
打に、 奈良市の
飲食店やホテル、 旅館などでの 盲導犬 ユーザ 一の受け入れ 現状調査を行い、 結果を導
きだした " また、 それだけでは 今後、 盲 導犬スーザ一の 社会参加に役立たないと 考え、
奈良県庁を盲導犬ユーザーと 訪問し、 現状の改善を 要求した。
③結果・・・ 聞き取り調査の 結果、 奈良市では、 飲食店ではほとんどの 店が、 盲導犬ユ
ーザーを受け 入れてくれるが、 反対 に ホテルや旅館などでは、
ほとんどが宿泊拒否を
行っているという 綿果 がでた。 また、 この結果に対して、 県の ;fJ;
乙は、盲導 ・大同伴の
ズ
卸,に陣 ビイ の受け入れに 対して消極的な 回答だった " そして、 このような調査の 結果
Ⅰ
から、 私は冑 導 犬が広く初会に 受け入れられるための 条伯,として、『視覚障害者の i
ネ ほ
装 はとしての 旨導 犬の認可
川
、
R 行政指導の登底Ⅲ、 『盲導犬に対する 社会の理解団
を挙げたのであ る。
の執 竿を終えて・・・
ニ.阿りの l
ないまま、 四 ⅢⅡになって・・・
2
月に卒業論文の
大きなテーマを 決めて、 何も分から
" そんな 調ヂ だったので、 私 白身、 卒業論文を書く
にあ たって、 最初はとても 不安だったことを 今でも覚えている。 そして、 何も分から
ないまま、 ビ) での発表のためにレジメを 作っていた。 しかし、 何 @ か ゼミでの発表
のためにレジメを 竹ろう ちに、 どんな論文が 丼 きたいの;
かってきたのであ る " そして、 私が l J"Hした論文は 、
Ⅱ
りやすい論文
し
コ
、
ということが、 少しず つ分
げ堅 押しい論文ではなく、
だったのであ る。 そのことを念頭において、 独自で図や表などを 作成
、 それを論文に 取り込み、 人の印象に残り、 視覚にも働きかけ
ぅと 決めたのであ る " しかし、 私自身、 そこに到達するまで、
き
分か
ろ ような論文を 書こ
論文を何Ⅰ逆も 何度も書
回し、 精 mll@ にも・悩ん l時期もあ った。 そして、 提出した後も、
ズざ
丈 といえるのだろうか』と
F あ れで本当に論
感じたことも 確かにあ った。 しかし、 今までの大学生活の
中で、 これだけ熱心に 勉強したことがなかったし、 このような経験も 、 書き上げた 時
の 過勤妃惑
ももう 一 Ⅱは味わうことはできないと
-l:げた卒業論文は、 今では私の宝であ
に 、 自分の誇りとなり、
る"
棚、った 。 これほど貴重な 経験をして書き
これから卒業論文を
欝
く
人達にも同じよう
宝 だと感じられるような 卒業論文を書いてほしいと 居、 う 。
ⅡI一
「
LD 児をとりまく 援助に関する 一考察
一 親に対する福祉的援助を
中心に一」
杉田
亜衣
①目的。動機… LD 児 本人に対する 援助の数に対し、 それをとりまく 親や家族
に 対する援助がないことに
注 Ⅱ し、 親が必要としている 援助は何か、 実際に
親の生の声を 聞くことを目的とし、 親に対する援助の 必要性について 考察す
る。
②方法…文献。 資
と
LD 児 親の会の会員に 対する郵送による 記述 式の アンケ
ート調査、 言葉の教室教員に 対する聞き取り 調査を中心に 検証する。
③結果…親に 対する公的援助の 必要性、 一子どもに対し、 LD 児 としての手帳
の 交付によって 金銭的な援助を 受げられるような 制度の確立が 必要であ る。
④執筆を終えて…まず、
「
LD 」自体があ まり知られていない 概念であ ったこ
と、 そして教育の 分野であ る「 LD 」を福祉に取り 入れるために 新しく概念
規定していくことが 大変であ った。 概念規定の中でも「障害」と「個性」の
相違 は ついては、 いまだにはっきりとした 答えが得られていない。 特にこの
二つの言葉は 同じ 線 -lこで考えられる 場合一「陣吉者の 個性」
一
もあ るので 尺
皮 の 適 う概念として 考える時にかなりの 注意と考慮が 必要であ った。 また、
方法として、 アンケート調査が 中心であ ったが、 自由記述 式 であ ったために
集計がなかなかできず、 おおまかな枠の 中での分析になってしまい、
細かい
部分での声が 拾えなかったことは、 反省 点 の一つであ る。 また、 論文にとり
かかった当初の 目的が、 必要な援助は 何なのか、 という点だったためもあ
り
どのような働きをすれば 制度として確立され、 必要な援助が 行われるように
なるのか、 というところまで 目を向けることができれば 一歩進んだ結論を 導
き
出せたような 気がする。
この論文を通じて、 何よりもわたし 自身が願うことは 一人でも多くの 人に
「
LD 」という 要 援助概念があ ること、 そして「 LD 児 」とよばれる 子ども
とその親が周囲の 人の理解を求めて 手探りの状態であ るが活動を拡大しよう
としていることを 知り、 問題意識をもってもらいたいということであ
る。
これから卒論に 取り組む後輩たちへ 一大変な事は 多いと 思、 うけど一年間じっ
くりとかけて 自分の考えを 言、
莱にしてください。 新しい発見がたくさんあ
と
把、 います。
一 52
一
る