東日本大震災

東日本大震災
「みなみそうま震災の記録」投稿写真から
発刊のあいさつ
東日本大震災、そして東京電力株式会社福島第一原子力発電所事故
平成 23 年 3 月 11 日に発生した東日本大震災から、早くも 2 年
が経過しました。
この震災により、お亡くなりになられた方々に、あらためて哀
悼の意を表しますとともに、被災された皆様に心からお見舞い申
し上げます。
大災害が発災して以来、これまでの間、全国、ひいては世界中
の方々や企業、団体の皆様から義援金や救援物資の提供など温か
いご支援を賜りましたこととともに、多くのボランティアの皆様
からお力添えを賜りましたことに心から厚く御礼申し上げます。
また、東京都杉並区をはじめ、全国の自治体から、多くの貴重な人材派遣などのご支
援をいただき、今もなお南相馬市の復興に向けて、ご尽力いただいていることに厚く御
礼申し上げます。
東日本大震災は、大地震、大津波に加えて、世界最悪のレベル 7 に達した東京電力株
式会社福島第一原子力発電所事故が重なった世界に類を見ない複合災害として、本市に
甚大な被害をもたらしました。平成 23 年 12 月、政府は、収束宣言をしましたが、まだ
まだ収束に至ったとは言える状態ではありません。
震災後は、速やかに市災害対策本部を設置し、市民生活の安寧と被災された方々の生
活再建への道筋をつけるため、24 時間体制で、食料や水、医薬品などの生活必需品の確
保やガソリンの調達、被災した方々を受け入れるための避難所の設置・運営など、日々、
同時多発的に起こる複数の事象への対応に全力であたりました。特に、原子力災害に対
応した避難計画は、原発施設から 10km 圏内の自治体にのみ策定が許されていた経過が
あり、県・国からの情報はなく、市民を避難させるために自らの判断と対策が求められ
るという厳しい局面下での災害対応となりました。原発事故当時は、一時、震災前には
7 万 1 千余人の市民が 1 万人を下回る状況に見舞われ、今もなお、1 万 7 千人ほどの市
民が避難を余儀なくされている状況にあります。
現在、南相馬市復興計画、南相馬市除染実施計画を策定し、早期に帰還できる環境づ
くりを進めるとともに、防災対策強化のため、地域防災計画の見直しを図っているとこ
ろであります。自然災害、原発災害という世界初とも言える複合災害から復活した南相
馬市を世界へ発信できるよう、全身全霊をかけて取り組んでまいります。
さて、この未曾有の大災害に際し、本市の被害状況や災害対応、さらには復旧・復興
に向けた取り組みなどについて、記憶を風化させることなく、今後の教訓として後世に
残すため、震災後からこれまで起きた出来事や対応等について、時系列により表し、本
誌を刊行いたしました。本誌が、今後の防災対策の一助となれば幸いであります。
平成 25 年 3 月
福島県南相馬市長
東日本大震災
南相馬市
災害記録
目
次
第1章
1-1
南相馬市のすがた
南相馬市の概要
・・・・・・・・1
(1)位置・面積・地勢・気候
(2)人口・世帯
1-2
市のシンボル
(1)市章
(2)市の花・木・鳥等
1-3
沿革
(1)小高・鹿島・原町の歴史
(2)南相馬市の誕生
第2章
2-1
東日本大震災
東日本太平洋沖地震
・・・・・・・・7
(1)概要
(2)南相馬市における地震の状況
2-2
津波
(1)津波の到達と観測値
(2)南相馬市における津波被害
(3)南相馬市の被災前後の航空写真
2-3
原子力発電所事故
(1)福島第一原発の概要
(2)事故の発生と経緯
(3)避難指示区域の設定と見直しの経緯
(4)放射能汚染の状況
第3章
3-1
被災と避難の状況
・・・・・・・・31
被災・避難の状況と対応 (1)避難
(2)市民の安否・所在確認
(3)物資の供給状況
(4)ライフラインの復旧状況
(5)インフラの状況
(6)医療・福祉
(7)保育・教育施設
(8)農業
(9)住居
(10)ごみ・瓦礫
(11)支援
第4章
南相馬震災ドキュメント
4-1
3 月 11 日 -
3 月 20 日
4-2
3 月 21 日 -
4 月 30 日
4-3
5月
1 日-
9 月 30 日
4-4
10 月
1 日-
3 月 31 日
4-5
4月
第5章
5-1
・・・・・・・・・59
1 日 - 12 月 31 日
復興への取り組み
相馬野馬追の開催
・・・・・・・・・151
(1)相馬野馬追とは
(2)相馬野馬追復活へのドキュメント
5-2
復興に向けた各種計画の策定 (1)復興ビジョン・南相馬市復興計画
等
(2)庁内各課による対応策ロードマップ
(3)復興推進計画
(4)除染計画
5-3
地域防災計画
(1)地域防災計画の見直しの必要性とその基本方針
(2)地域防災計画見直しの重点事項
(3)地域防災計画の構成
第6章
6-1
東日本大震災を語り継ぐ
職員の対応と取り組み
・・・・・・・・・161
(1)地震・津波災害への対応
(2)原子力災害への対応
6-2
その時市民は
(1)酪農家 ST さん
(2)I さん夫婦
(3)小高区 ST さん
(4)S さん夫婦
追補
1.避難者・避難所
・・・・・・・・・173
(1)市外への避難者数の推移
(2)県内・県外への避難状況
2.支援団体等
(1)ボランティア
(2)陸上自衛隊
(3)南相馬警察署
(4)南相馬消防署
(5)南相馬市消防団
3.義援金・支援物資等
(1)支援の概要・活用状況
(2)受入一覧