建 設 委 員 会

建 設 委 員 会
開 会 午後2時17分
す。
――――――――――――――
●伴 良隆委員長
また、手続等に係る概要であります。
ただいまから、建設委員会
を開会いたします。
本件は、札幌市中高層建築物の建築に係る紛争
の予防と調整に関する条例に基づきまして、昨年
報告事項ですが、陳情提出者から、資料の提出
6月12日、建築計画概要を記載した標識を現地に
がございましたので、お手元に配付しておりま
設置し、6月15日に標識設置届を本市に提出して
す。
おります。また、この条例に基づく近隣住民への
それでは、議事に入ります。
説明といたしましては、5月19日に札幌市主催の
陳情第12号 旧市職員住宅跡地の高層マンショ
地元報告会を行い、その後、6月25日から10月15
ン建設の再考を求める陳情を議題といたします。
日の間に建築主主催の説明会を4回行っておりま
陳情第12号は、本日が初審査ですので、提出者
す。条例に基づく報告書はまだ本市に提出されて
から趣旨説明を受けるため、委員会を暫時休憩い
おりませんが、説明会の中では、住民側から、住
たします。
環境悪化を防止するために階数の削減や戸建て住
――――――――――――――
宅への変更等の要望が出され、以後、数回にわた
休 憩 午後2時18分
りまして要望と回答が文書によって行われている
再 開 午後2時44分
との報告がされております。
――――――――――――――
●伴 良隆委員長
札幌市の対応でございますが、近隣住民から、
委員会を再開いたします。
窓口相談4回、電話相談2回を受け、法解釈や条
質疑に先立ちまして、理事者から補足説明を受
例の説明、紛争が生じた場合の仲介手続など、制
けます。
●大島建築安全担当部長
度の活用について説明を行っております。
本件の陳情審査に関
しまして、補足説明をさせていただきます。
次に、2ページ目は、付近見取り図及び用途地
域図です。本件の建築場所は図面の中ほどに位置
お手元の資料に基づきまして、本件の建築計画
しております。
及び手続等に係る概要について説明いたします。
次に、3ページ目は、配置図です。敷地は、北
まず、1ページ目の建築計画に係る概要であり
東側に不定幅員20~23メートルの都市計画道路米
ます。
里・行啓通、北西側に幅員8メートルの札幌市道
建物名称は、(仮称)クリーンリバーフィネス
に面しております。当初は、図面の黄緑色の部分
幌西、建築主は株式会社クリーンリバー、建築場
に15階建て、一部7階建てとする計画でございま
所は中央区南14条西18丁目34-1の内となってお
したが、現在は、図面の青色の部分に建物の幅を
ります。当該建築場所の用途地域は準住居地域
狭め、全体を15階建てとするよう計画が変更され
で、法定建蔽率70%、容積率300%、高度地区の
ております。この変更案につきましても住民側の
制限45メートルとなっております。敷地面積、建
低層住宅の要望とは乖離しておりますが、事業者
築面積等は記載のとおりであり、構造、規模は鉄
からは、事業計画上、これ以上、配置や階数は変
筋コンクリート造、地上15階建て、高さは44.75
更できない旨の回答を受けております。
メートルで、当該建築計画は、法定容積率や高さ
4ページ目は、1階平面図であります。
制限等、建築基準法に適合しており、建物用途は
また、5ページ目は、2階から15階の平面図で
分譲の共同住宅で、戸数58戸となっております。
す。
工事期間は、現在のところ、未定となっておりま
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さらに、6ページ目は、北側、東側の立面図、
建 設 委 員 会
7ページ目は、南側、西側の立面図となっており
声などに対する苦情が来ないようにしてほしい、
ます。
さらには、札幌市へ土地の買い戻しを検討するよ
8ページ目は、日影図でございます。建築基準
う話してほしいといったようなものなどさまざま
法で定めている2時間30分及び4時間の日影時間
でございました。また、ご質問の特徴的な意見と
の範囲は、いずれも適合した計画となっておりま
いうことで、すなわち計画に大きく影響するよう
す。
な意見といたしましては、保育園への日照を阻害
最後に、9ページ目と10ページ目に、参考とい
しないでほしい、形態率を小さくしてほしい、さ
たしまして、札幌市中高層建築物の建築に係る紛
らに、戸建て住宅へ変更してほしいなどの要望が
争の予防と調整に関する条例の概要につきまして
上がっていると聞いております。
添付しております。
●かんの太一委員
地域の保育園とか高齢者施
なお、当該建築物の計画につきまして、建築基
設のことなど、歴史的にも地域住民の方と土地を
準法に基づく建築確認申請はまだ提出されており
どのように利用していくかという議論がされてき
ません。
たわけですから、さまざまな要望等が出てきたこ
●伴
良隆委員長
それでは、質疑を行いま
す。
●かんの太一委員
とは非常に理解できるところです。また、事業を
進めるに当たって、クリーンリバーとしても住民
先ほどの陳情提出者のご説
の意見を聞いて再検討を行ってきたと思います。
明と、今の理事者のご説明の中で、いろいろな歴
さらに、その後、出てきた内容について、地域住
史的経緯等もあることが非常によくわかりまし
民の方々への説明を通じて事業に対する理解を求
た。建築計画に係る概要の1ページ目に書いてあ
める努力もされてきたと推察いたしますが、建築
りますが、地元報告会が札幌市主催で1回、説明
主として、住民の方々の意見を踏まえて、マン
会は建築主主催で4回開催されているということ
ション計画において具体的にどのようなことを反
です。
映したのかということについて少しお聞かせいた
そこで、この報告会や説明会では、建設地区や
だけますか。
周辺地域の環境を加味した特徴的な住民の要望と
●大島建築安全担当部長
いうものも寄せられたと思いますが、それはどの
しましては、保育園の冬至における日影の影響を
ようなものであったか、まず、お聞かせいただき
緩和するために、もともと東西に横長だった配置
たいと思います。
を、幅を狭める計画に変更して戸数を63戸から58
●大島建築安全担当部長
大きな見直しといた
条例に基づく正式な
戸へ減らした案について、4回の説明会のうちの
報告書はまだ受領しておりませんけれども、説明
3回目の説明会で提示されました。また、このほ
会の内容につきましては事業者から聞き取りを
かにも、来客用駐車場をふやす、あるいは、カー
行っておりますので、その結果からお答えいたし
ブミラーを設置し、保育園側の道路に植栽を設け
たいと思います。
る、フェンスを一部ガラス張りにして見通しを確
説明会は、6月25日、7月16日、9月17日、10
保するといったことなどが計画に反映されており
月15日の4回行われておりまして、この中で住民
ます。事業者からは、先ほども言いましたが、高
側から出た意見としまして、来客用駐車場の台数
さや配置についてこれ以上の変更は難しいという
をふやしてほしい、駐車場の出入り口に危険がな
ふうに聞いております。
いようにしてほしい、フェンスは見通しをしやす
●かんの太一委員
いものにしてほしい、保育園からの声や盆踊りの
聞きした中で、事業者としても、設計の変更な
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最後に、要望ですが、今お
建 設 委 員 会
ど、住民の方々の意見を事業に反映する努力はし
てですから、もしこういう形でできたとしたら同
てきたと思います。この陳情において、形態率や
じ構図です。このマンションから境界までの距離
日影に関することなどさまざまな要望が出されて
が3メートル、境界から左側の木造の建物までの
いますので、事業者におかれましては、より住民
距離が55センチメートル、全部で3.55メートルで
の理解を深めること、また、札幌市におかれまし
すからほぼ一緒です。私も立ってみましたが、本
ても、条例にも紛争の解決方法等がさまざまござ
当に圧迫感があって、こうして首を傾けないと見
いますので、住民の方々と事業者が相互理解を深
上げられないぐらいの圧迫感ですね。
めるようにする役割を果たしていただきたいとい
最初に、この中高層の担当である大島部長、こ
うことをお願い申し上げて、私の質問を終了いた
ういう状況を見て、工事が始まると実際にこうな
します。
りますよということなので、率直な感想をまず聞
●本郷俊史委員
私からも、何点か質問したい
と思います。
かせてください。
●大島建築安全担当部長
率直な感想というご
先週の金曜日、小口委員と一緒に現地に行きま
質問でありますが、札幌市の立場といいますの
した。先ほど陳情の趣旨説明をされました北本さ
は、条例におきまして紛争の予防と調整を図る立
んですが、北本さんの了解を得て南側に隣接する
場でございます。住民には住環境を守る権利があ
敷地内に入らせていただいて、北本さんのお宅の
り、一方、事業者には建物を建てる権利がある中
窓とマンション側の窓がどういう位置関係になる
で、札幌市としましては、公正・中立な立場に立
か、それから、北本さんのお宅とマンションとの
ち、当事者間の紛争の解決のための調整をするこ
実際の離れがどういうぐあいになっているか、確
とが求められておりますので、現に紛争が起こっ
認をいたしました。先ほど説明があったとおり、
ている中で類似の事例に関して感想を述べる立場
マンションから一番近い隣地境界線まで2.1メー
ではないということをご理解いただきたいと思い
トル、北本宅の外壁から境界までの離れが約1.5
ます。
メートルですから、建物の間の離れは3.6メート
●本郷俊史委員
ル、2間ですね。畳2枚分です。私のところから
西18丁目の新築マンション10階建ての4階だった
大島部長の後ろぐらいまででしょうか。そういう
と思いますが、ベランダの手すりがすぽっと下に
距離に15階建ての建物が建ちますから、45メート
落ちた事故がございました。幸い、通行人がいな
ルの壁になるということですね。
かったので人身事故にはならなかったのですが、
去年の6月ぐらいに、南6条
陳情提出者は、わざわざ100分の1の模型をつ
やっぱり何が起こるかわからないこの時代です。
くってその関係を説明されました。北本さんも
先ほど北本さんからの圧迫感の話の中で、こうい
おっしゃっていたとおり、周辺にはそういう例は
うものの下に立ったら恐怖感を覚える、上から何
なく、大体7メートルから10メートルは敷地境界
が落ちてくるかわからないと。そういう心理的な
から離れているということなのです。ただ、やっ
ストレスも考えますと、部長は、今、行政の立場
ぱり、実際にこの距離で15階、45メートルという
のお答えなのだけれども、実際にここに自分が住
のはなかなか実感できないですね。そこで、同じ
んでいるとなったらどうでしょうか。
ような実例を写真に撮ってパネルにしてまいりま
建築行政のトップである京谷局長、どうです
した。割と今回の計画のそばですが、右側のマン
か。
ションが15階建てで、今回と同じ高さです。左側
●京谷都市局長
は木造2階建てで、北本さんのお宅も木造2階建
しては、やはり、圧迫感を感じる方が多いのでは
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写真を見ての感想といたしま
建 設 委 員 会
ないかなというふうに思うのは、今の率直な気持
の逆ですね。先ほどあったとおりです。魚眼レン
ちでございます。
ズで天空写真を撮影したときの画面に占める建築
●本郷俊史委員
平成19年6月、国交省住宅局
物の面積の割合、天空遮蔽率とも言います。眺望
の景観に係る建築規制の分析手法に関する研究会
や圧迫感の代理指標で、先ほどあった武井東京理
が、建築物に対する景観規制の効果の分析手法に
科大学名誉教授によると、4%で圧迫感を受け、
ついてまとめられております。分析の目的は、景
8%を許容限界値としています。
観規制により、調和のとれたまち並みが形成され
そこで、本市の形態率の認識について確認した
ること、圧迫感のある建築物が出現しないことと
いと思います。
書かれております。当該地域である幌西地域は、
●大島建築安全担当部長
もともとは低層で戸建てを中心にした閑静な住宅
は、建築物等による圧迫感を計測する指標とな
街です。今回、問題になっている市の職員住宅跡
る、こういう研究の成果、学説、あるいは裁判の
地ですが、昭和30年初頭は木造の職員住宅でし
事例があることは承知しておりますけれども、現
て、昭和35年に、当時としては憧れの鉄筋コンク
在の建築基準法及び関係法令等におきまして形態
リート4階建ての住宅になったわけです。
率に基づく具体的な規定はございません。したが
形態率につきまして
実は、平成15年に幌西連合町内会の史誌ができ
いまして、形態率をどう捉えるかということにつ
ておりますが、先ほど説明された北本さんは、当
きましては、現段階では司法レベルで個々に判断
時、ここの町内会長をされておりまして、こうい
される性質のものだろうというふうに考えており
うことを書かれております。近年、当町内会周辺
ます。
には多くの高層住宅が建築され、一昔前とは景観
●本郷俊史委員
が一変してきている中にあって、この場所は今後
加資料が出ておりますが、平成18年、名古屋高裁
ますます貴重な空間となると思われる、この空間
の圧迫感に関する判決と、ともいき保育園と北本
の再利用に当たっては地域に根差した魅力ある場
宅の6地点の形態率の数値が示されております。
にしてほしいものであると。そして、先ほど、陳
若干、クリーンリバーで計算した数値と違いが
情提出者に対して、もしものときは移転を考えま
あって、クリーンリバーのほうが若干甘いのでは
すかと質問すると、全くそういう考えは持たない
ないかということですが、北本宅のナンバー4、
ということでした。確かにそうだと思います。こ
ナンバー5、ナンバー6は、8%で許容限界値だ
この地域で60年、80年とお住まいになって、町内
と言われる中で、その3倍以上の数値になってい
会長も長くされて、先ほどお年も言われまして、
ます。だから、多分、魚眼レンズで見たときのこ
80歳になられたということですが、今でも、幌西
の建物の占める割合というのは相当なのでしょ
小学校の子どもを見守る会として、黄色い腕章を
う。そして、それが圧迫感、脅迫感につながって
して地域のために現役で一生懸命働いていらっ
いく、こういうことだと思うのです。
しゃる、こういう方のところが何でこういうふう
になるのかなと、私も本当に思うわけです。
きょう、陳情提出者からの追
大島部長に最初に説明していただいた資料の4
枚目ぐらいに配置図がございますが、当初、横長
陳情要旨に、形態率に基づいた規制強化と南側
だった黄色い建物が、ともいき保育園側の日影を
に隣接する住宅の形態率の軽減、こう訴えられて
緩和するために縦長の青色の形になりました。こ
おります。先ほど北本さんから若干の説明があり
のために、当初、境界から7メートル離れていた
ましたけれども、形態率とは、建築基準法で規定
マンションが北本宅のほうに5メートル移動し
される天空率、その地点で空の見える割合、これ
た、迫ってきた、こういうことですね。当初、こ
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建 設 委 員 会
の敷地の地形は正方形だったと思いますが、北西
な看板は毎回立ちますが、マンションの購入者、
角が分筆されています。要するに、159平米を引
買おうとしている人に対しての警告看板は。そし
いても容積率の300%をクリアするので、ここは
て、この地域はやっぱり文教地域ですから、小学
分筆してほかにまた使おうということだと思うの
校、中学校を含めて、子育て中の方には非常に人
ですが、例えばこの159平米の敷地を分筆しない
気が高い。この幌西地域に住もうと思っている方
とか、あるいは、今、来客用を入れて60台の駐車
に、あなたも訴えられる可能性がありますよと。
場もあります。そこで、先ほどの部長の話では、
何を言いたいかというと、住民の方々は、こう
クリーンリバーは高さと配置についてはもうこれ
いう看板を立てざるを得ないところまで追い詰め
以上変更できないというふうにおっしゃっている
られているのだと思うのですよ。先ほどあったよ
けれども、建物のプランは変えずにこれを多少移
うに、この土地を処分する際に、近隣7町内会長
動することはどうなのか。当然、日影との絡みが
名で当時の上田市長に申し入れをして、平成27年
ありますが、私は、移動は可能ではないかと思っ
の一般競争入札のときに物件説明書の参考事項に
ているのです。やっぱり2.1メートルですが、敷
書き入れてくれた、だから、近隣住民としては、
地から2.1メートルというのはなかなかない。ま
高度地区だから45メートルまで建てられるけれど
た、現地で見ますと、北本さんのお宅の2階の窓
も、まさか、それはないだろうという中での今回
とこの分譲マンションの東側の窓が2階同士で
のことであります。ですから、北本さんもさっき
ちょうど真正面で重なったりしていますから、こ
言っていたように、市は中立だとおっしゃるけれ
れは建て主と交渉する余地がまだあると思うので
ども、やっぱり、今、被害を受ける方たちの思い
すね。
をもっと持って交渉に当たるべきだと思うのです
札幌市としては、その辺をもうちょっと指導で
ね。
きると思うのですが、部長、いかがですか。
●大島建築安全担当部長
市は、土地を売却してしまった、もう市の手を
札幌市は、中立の立
離れたので通常のマンション紛争と同じで民民間
場に立ちまして当事者間の紛争の解決のための調
であると言いますが、こういうことではなしに、
整を図るという立場でございます。事業者のほう
売り主としては、もしここが民間に売却されて、
から配置、階数に関してこれ以上の変更は難しい
300%の容積率があって、45メートルの高さまで
というふうに聞いている中で、さらなる計画変更
建てられるとなれば、やっぱり、開発事業者はそ
につきまして強く求めるという立場ではございま
こを目いっぱい有効利用しようと思うのは当たり
せん。もちろん、変更の余地があるかどうか、改
前ですから、当然、そういうことが予想されたわ
めて検討してほしいというお話につきましては事
けですからね。ですから、私は、部長が今言った
業者にお伝えしたいと思いますけれども、強制で
ように話しますよというのは当然のことですが、
きるものではないということはご理解いただきた
やっぱり、まだ確認申請が出ていないわけですか
いと思います。
ら、もっと粘り強く交渉をしてもらいたいと思う
●本郷俊史委員
予定地に行かれればわかりま
のですけれども、局長、どうでしょうか。
すが、現在、こういう看板が立っています。今、
●京谷都市局長
紛争になっているここのマンションを購入する
ほど大島部長からも説明がありましたように、マ
方、購入者も損害賠償請求を受ける可能性がある
ンション事業者も結構時間をかけて地域住民の皆
との警告看板です。なかなかないですね。こうい
様に説明し、そして話し合いをしてきている状況
う紛争のときに、マンション建設反対というよう
にあります。札幌市といたしましても、これまで
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今回の件につきましては、先
建 設 委 員 会
以上に地域の皆様の声に耳を傾けまして、やは
この地域を札幌の中でも一つのまちづくりのモデ
り、公正・中立な立場というのはどうしても残る
ルケースにしようではないかということで、十数
のですけれども、地域の皆さんからのご相談と
年にわたって非常に熱心に取り組んでこられたと
か、あるいは仲介等の申し出等に対して、適切な
思います。また、こういう地域の粘り強い運動が
ご助言とか情報提供をさせていただき、話し合い
なければ、新しい伏見会館、あるいは保育所、今
の調整をさせていただきたいというふうに考えて
後予定されている老人介護施設などの建設は実現
おります。
しなかったと思います。そういう意味では、これ
●本郷俊史委員
何回も繰り返しになります
までの市有地の売却事例を振り返ったとしても、
が、まだ確認が出ていない、中高層の最後の回答
こういう事例はほとんどないのではないかと思っ
が来ていない段階ですので、やっぱり今の段階が
ています。
大事だと思うのです。ですから、ここは、本当
ですから、この市有施設の跡地利用にかかわっ
に、局長を先頭に、きょうは市長も出ていらっ
ては、地域住民が参加したまちづくりとしてすぐ
しゃいますけれども、もともとは50年以上も札幌
れた取り組みだと思いますけれども、本市はこの
市の土地だったところですから、積極的に交渉に
点をどのように評価されているのか、お伺いいた
当たってほしいということを求めたいと思いま
します。
す。
●中田市長政策室政策企画部長
当該跡地の活
そこで、委員長にお願いなのですが、先ほど北
用のあり方につきましては、十数年にわたる地域
本さんからあったように、本当にどういう状況な
の皆様と札幌市との協議、検討を経て決定に至っ
のかというのは、やっぱり現地を見ないと図面だ
たものであります。この背景には、この地域をま
けではなかなかわからないことなので、ぜひ、委
ちづくりのモデルケースにしたいという地元の
員会として現地調査を行ってほしいということを
方々の強い思いと、それに裏打ちされた粘り強い
求めたいと思います。
運動の継続があったものと認識しております。
●伴 良隆委員長
ただいま本郷委員より現地
を調査すべきとのご意見がありました。
札幌市といたしましても、そうした地元の熱意
に可能な限り応えていこうと、地域の皆様と一緒
この件につきましては、どのような現地調査内
にさまざまな可能性を探ってまいりまして、具体
容が適切であるかを前提に、前向きに検討すべ
的な活用策を導き出すところまでともに取り組ん
く、改めて、正副委員長で協議し、判断させてい
できたところであります。この活用方針について
ただきます。
は、市職員住宅跡地利用を考える会及びその周辺
●村上ひとし委員
私からも何点か質問させて
7町内会から成る伏見会館運営委員会と私ども札
いただきたいと思いますけれども、その前に、建
幌市が合同で地元説明会を開催しましたが、その
設委員会で現地を視察する、そして、その後に、
ようなことができたことは協働の取り組みを象徴
ぜひ建設委員会を開催していただきたいというこ
するものであったというふうに理解しておりま
とについて、あわせて、私からも委員長に申し上
す。
げておきたいと思いますので、ぜひ、そのような
●村上ひとし委員
立場で検討していただきたいと思います。
を見ますと、市職員住宅跡地利用を考える会とい
それでは、私からは、まちづくりの観点から質
問させていただきます。
住民の皆さんの運動の経過
うものが発足してから、桂市長にも面談された
り、上田市長とも面談されたり、それから、秋元
まず、この地域の皆さんの住民運動としては、
市長が市長政策室長だったときにも面談したり、
- 88 -
建 設 委 員 会
さまざまな形でいろいろな要望を出したり、ま
すます必要であります。特に、昨年12月に市電が
た、陳情書を提出するという取り組みがずっと継
ループ化されましたが、この地域は、市電の利用
続されてきました。それから、保育所、伏見会
者も非常に多くて、ループ化を求める住民運動の
館、あるいは老人介護施設の建設というのは、地
先進的な取り組みをしてきた方が非常に多いで
域住民の皆さんにとっては、現在の地域の問題や
す。そういう点では、何度も言いますけれども、
将来の札幌も考えた上で、非常に熱心な住民の自
住民の皆さんは、自主的にどういうまちをつくっ
主的な取り組みです。私も現地を見てきましたけ
ていくべきなのかということに非常に熱心に取り
れども、歩いて十数分もかからないぐらいのとこ
組んでいるわけです。
ろに藻岩山があり、あるいは高校もあって、もち
本市の大きな課題として、少子化も進んで高齢
ろん文教地区でありますし、バスターミナルや市
化・人口減少社会に入っていくという時代だから
電など交通の利便性も非常に高い地域でありま
こそ、どういうまちをつくっていくのか、特に、
す。
保育所があって、老人介護施設があって、次はど
ですから、そういう地域の皆さんが取り組んで
きた活動というものには、札幌市が今後のまちづ
ういうまちにしていくのだというときに、こうい
う陳情が出されているわけです。
くりを進めていく上で生かすべき教訓があると思
そこで、先ほど、陳情提出者の北本さんから、
いますけれども、その点の認識についてはどうで
物件説明書の参考事例の欄に記載する経過と記載
しょうか。
している内容についての説明がありました。そも
●中田市長政策室政策企画部長
先ほどもお答
そも物件説明書にそういったことを書くことはな
えしましたが、私ども札幌市として地域住民の皆
いと私は聞いておりますが、市では、一般競争入
様の熱意をしっかりと受けとめて、地域の代表者
札に当たって、なぜ物件の説明書の参考事例欄の
と札幌市の担当者が何度も顔を合わせてともに取
記載に至ったのか、その理由についてお伺いした
り組んでまいりました。その結果として、今回、
いと思います。
活用策を導き出すことができたというふうに認識
●中田市長政策室政策企画部長
しています。
に当たりましては、通常は、利用目的などの条件
一般競争入札
今後のまちづくりを進めていく上で、今回の地
をつけてはおりません。しかしながら、本件につ
域と行政の協働の取り組みは大いに参考になりま
きましては、平成25年10月に、市職員住宅跡地の
すので、地域の声をしっかり聞きながら、よりよ
利用を考える会、伏見会館運営委員会、周辺7町
いまちづくりを目指していきたいというふうに考
内会から提出されました要望を踏まえまして、こ
えています。
の地域には低層住宅が多く立地していることに配
●村上ひとし委員
先ほど、本会議場で、平成
慮してほしいとの地域の意向があることを事業者
28年度の予算、そして諸議案の説明に先立って秋
に伝えるため、物件説明書に付記事項を記載した
元市長が所信を述べられました。その中に、多く
ものでございます。
の市民が好きだと思い、全国一と評される魅力的
●村上ひとし委員
なまちであり続けたい、そして、その誇れるまち
有地の活用を積極的に考えて、そして、さまざま
札幌を次の世代である子どもたちにつないでいき
な運動に取り組んできた一つの大きな成果でもあ
たいという市長の所信表明がありましたけれど
るし、意思表示の一つだと私は思います。市とし
も、こういう点からも、住民が市と一体になって
ても、その住民の要望を可能な限り実現していき
自主的にまちづくりを進めていくということはま
たいので、参考事例欄に記載したということだと
- 89 -
これは、住民の皆さんが市
建 設 委 員 会
思います。
いう点で、本市がもっともっと深くかかわるべき
しかし、たとえ一般競争入札だとしても、住民
土地であるということを認識すべきだと私は思う
が長年にわたって進めてきたまちづくりの中で、
のです。だからこそ、住民と業者の双方がテーブ
自分たちが要望してきたものとは違う建物、つま
ルに着いて引き続き話し合いが継続できるよう
り保育所や老人介護施設、あるいは住民の皆さん
に、市としても最大限の努力をすべきだと思うの
が住んでいるお家の真ん前に高層建築物が建つこ
ですけれども、この点はどうでしょうか。
とに対して、はい、そうですかと住民が簡単に受
●大島建築安全担当部長
け入れることは非常に無理があるということは私
ては、条例に基づきまして、中立な立場から引き
も理解できます。
続き調整してまいりたいと考えております。
札幌市といたしまし
特に、ここは何の住民の要望も運動もなかった
また、建築紛争につきましては、基本的に民事
という地域ではありませんので、その点、住民の
上の問題でありまして、建築主側、住民側の紛争
要望も含めて、このような高層建築物が建つこと
当事者同士の話し合いで解決することが基本であ
について、改めて、どんなふうに受けとめている
りますけれども、話し合いが膠着し、解決に至ら
のか、お伺いしたいと思います。
ない場合につきましては、話し合いの場に市が立
●中田市長政策室政策企画部長
住民の皆さん
ち会う仲介、あるいは専門家が立ち会う調停と
と私どもが何度も協議を重ねながら進めてまいり
いった制度を活用することもできます。今後、仲
ましたが、結果として、南側の土地については地
介や調停の申し出がございましたら、適切な助言
元の方々の願いが十分にかなわない可能性が生じ
や情報を提供することによりまして、問題の解決
てきていることについて、地域住民の皆様がじく
に向け、札幌市としても調整を進めてまいりたい
じたる思いでいらっしゃるという心情は理解する
というふうに考えております。
ところでございます。
●村上ひとし委員
市の土地だということと、
一方、価格競争により売却先を決定する一般競
すぐれた住民運動でまちづくりが進められた地域
争入札という手法である以上、その結果について
だという点では、今後、双方の話し合いがうまく
は、我々もいろいろと手を尽くしてきてはおりま
いくように、市は特段の尽力をしていただきたい
すけれども、ある程度やむを得ないものでもある
と思います。
のかなというふうに考えております。
●村上ひとし委員
そして、これからさまざまな形でまちづくりや
先ほど、陳情提出者の河合
再開発が進められますが、関連する法律はもちろ
さんから、生まれてから80年以上、その地元に住
ん遵守しなければならないと思いますけれども、
まわれているというお話がございました。その目
私は、まちづくりとしての一定の基準や歯どめを
の前に15階建ての壁ができるわけですから、たと
つくっていかなければならない、それが市の課題
え一般競争入札だと言っても、そもそもは市が所
だということを申し上げて、質問を終わりたいと
有していた土地でありますし、住民の皆さんが保
思います。
育所や老人介護施設も含めてこんなまちにしたい
●伴 良隆委員長
申し上げます。
ということで運動されてきた地域ですから、住民
ただいま、日本共産党・村上委員より、現地を
の皆さんの感情というのは私はよく理解できま
調査すべきとのご意見がありましたけれども、そ
す。
れにつきましては、公明党・本郷委員の質疑の際
この土地は市有地でありましたから、地元住民
にも私から申し上げたとおりでございます。
の理解を得られる、あるいは要望が実現できると
- 90 -
また、今年度内の当建設委員会における本件陳
建 設 委 員 会
情審査のための委員会開催をすべきとのご意見に
思いますが、そのぐらいまでの高さ制限をした場
つきましては、誠意を持って対応すべく、建設委
合、この土地の評価が幾らになるか、それから、
員の皆様のお考えを踏まえながら、改めて正副委
都市計画上、札幌市が定めている用途区域、今の
員長で協議し、判断させていただきます。
形でやったら幾らになるかという価格の評価をそ
●松浦 忠委員
の当時にとってあったかどうか、これについてお
委員長、私は、委員会の運営
について、一言、申し上げておきます。
尋ねします。
通常、議事規則の中では、委員長に開催権限が
●大関財政局管財部長
今、委員からございま
あるのはそのとおりであります。しかし、よく承
した5階建てだと幾らになるのかといった試算に
知されていると思いますけれども、委員会を開催
つきましては、記録上、残っておりませんし、特
することをこの委員会で決議すれば、開催しなけ
段の評価はしていません。
ればならぬということを改めて指摘しておきま
●松浦 忠委員
す。
にお尋ねします。
それでは、中田政策企画部長
今、多くの委員が視察と委員会の開催というこ
長い間、住民との協議を経てきました。残った
とを言っております。私も視察と委員会の開催の
土地を売却しますといったときに、協議の過程の
両方をすべきだと思っています。
中で、高さの制限などについて住民側から意見が
それから、もう一つ、私は、事務局を通じて、
あったか、なかったか、これについてお答えくだ
委員長に、本会議の後ではなくて、できるだけ早
さい。
くにこの常任委員会を開催すべきと伝えてくださ
●中田市長政策室政策企画部長
いと言っていましたけれども、きょうになったと
お話があったように、一般競争入札にかける土地
いうことです。そしてまた、本会議の後というの
について、高さをこれぐらいに抑えてほしいと
は、委員会の開催としては極めて不適切であった
いったような要望があったという記録は特にござ
ということも委員長に指摘しておきます。
いません。
こういう切迫した問題は、市民生活にかかわる
●松浦 忠委員
今、委員から
それでは、入札の参考条件と
重大なことなので、陳情が出されたら速やかに対
して、こういうような協議の経過を経ているとい
応すべきです。特に、財産権、憲法第13条の幸福
うことをなぜ備考欄につけたのか、お尋ねしま
追求権、あるいはまた第25条の最低限の生活を営
す。
む権利といったような基本的な問題は、人権にか
●中田市長政策室政策企画部長
かわる問題です。こういうことに適切に対応しな
でならいいといったお話はございませんでした
いということは、委員長だけではなくて、私も含
が、協議を重ねる中で、周辺には一戸建ての低層
めて建設委員全員の認識を問われる問題でありま
住宅が多く立地している、その当該状況に配慮す
すから、まずもってこのことを指摘申し上げま
るよう求める旨の要望書が出ているということを
す。そして、視察の後に委員会を開催することを
明記してほしいというお話がありましたことか
求めておきます。
ら、物件説明書に明記したところでございます。
それでは、私からの質問は、最初に管財部にお
尋ねいたします。
●松浦 忠委員
何メートルま
私は、札幌市側との十数年に
わたる話し合いの詳細な記録は読んでおりませ
入札に当たって、こういう経過を経て、この部
ん。しかし、最初のころにお寺で開かれた何回か
分を札幌市が売却するという方針に至りました。
の住民の会合に出ました。そのときの皆さんの意
そのときに、例えば職員住宅は4階建てだったと
見は、ここは文教地区であり、低層住宅というこ
- 91 -
建 設 委 員 会
とでした。そして、市にはこういうものをつくっ
何の効果もないということを百も承知で記載して
てほしいという話を聞いたときに、これはえらい
いるのです。買った人がそれを見て高さ制限する
ことだな、私は出てこなければよかったなと正直
とか、そんなことは全く期待できない。なぜかと
言って思いました。今の市にここだけやれと言っ
いったら、日本は法治国家ですから、法で定めら
てもできないなと、心の中で思いながら聞いてお
れた範囲のことは基本的にできるわけですよ。誰
りました。
もとめられません。例えば、国立市で高い建物を
そこで、今度は管財部にお尋ねします。
建てると言って業者が出てきた、そうしたら、市
こういう条件をつけて入札することによってど
長は泡を食って条例をつくって規制した、しか
んな効果があると思って管財部はつけたのです
し、裁判で争った結果、負けましたね。基本的
か。
に、法律で守られている権利というのはそれぞれ
●大関財政局管財部長
こういう注記事項を物
の方にあるわけですよ。
件説明書につけたことでどのような効果を期待し
したがって、これをつける意味合いがどこに
たかということですが、市有地を売却する場合に
あってつけたのかということについて、札幌市に
は一般的に条件をつけないことを基本としており
ある当時の住民との協議記録、住民側がとってい
ます。市有地の売却というのは市民共有の財産の
る協議記録、私はこれらを全部精査したいと思っ
処分でございますので、できるだけ高く売って、
ています。恐らく、札幌市がつけたということ
市の歳入にしてまちづくり事業を通じて市民に還
は、私の推測でいくと、住民との協議の中で、
元したいということでございますので、基本はで
やっぱり高いものはだめですよというような話が
きるだけ条件をつけないという方針で一般競争入
あって、そして、当初、望んだ公共施設はこれだ
札を実施しております。
けしかできない、あとは売ることもやむを得ない
ただ、段々のお話の中で、地域住民の皆さん
という中でここに至ったのだというふうに思うの
が、ここの地域をこういうふうにしてほしいとい
です。これは、私の推測ですよ。したがって、そ
う話し合いをずっと続けてきたという経過もござ
のことについて最大限の調査をして、今度は、そ
います。一方で、職員住宅跡地を全体としてどう
れに基づく市の対応が適切であったのかどうか、
するかということでございます。ですから、本当
そういうことをこの問題の質疑の中できちっとや
に、お話し合いの中で、一部分は公募提案型、あ
らなければいかぬというふうに私は思っておりま
るいは、伏見会館ということがありますし、もう
す。
一つ、固有財産の経済価値の発揮とのバランスを
したがって、この部分については、私は、きょ
とるということもあって、繰り返しになります
うはここで保留して、後に調査をしたい。先ほ
が、基本的に一般競争入札は条件をつけませんけ
ど、委員長は、正副委員長で相談して、視察の
れども、地域住民の皆様のご要望をできるだけ酌
後、適切な時期に次回の委員会を開催すると言い
み取るということで、この地域では住民からこう
ましたが、私はそれまでに調査したい。私は、そ
いう要望が出ているので、この土地を開発するに
の委員会でさらにこの問題の質疑を行いたいと思
当たっては地域の皆様の声を聞いて事業計画をつ
います。今、ここでは市側にも資料がないという
くっていただきたいという願いを込めて物件説明
ことですから、質問を保留いたします。このこと
書に記載させていただいたところでございます。
をまず申し上げておきます。
●松浦 忠委員
委員長、今、私が何を聞きた
かったかといったら、札幌市は、記載することが
委員長、よろしいですか。
●伴 良隆委員長
- 92 -
承知しました。
建 設 委 員 会
●松浦 忠委員
では、続けます。
ました。
そこで、市長にお尋ねしたいのですが、きょ
ただ、最後の売却の要件云々のところについて
う、なぜ私は市長の出席を求めたかといったら、
は、実は私が市を退職した後のことでして、具体
市長は、当時、市長政策室長をやられていて、こ
的にどういう条件なのか。いわゆる公募あるいは
れに深くかかわっておられて、現行法との関係で
競争入札という話が出たときには職員でおりませ
悩みながらやっておられたことは私も仄聞してお
んでしたから、最後の最後のところは、私は承知
りました。
していないのです。そういう意味で、長年、私も
そこで、今、この問題がこういうふうになって
かかわってきて、市民、住民の方々とお話をした
出てきて、先ほど補足意見を言われた陳情提出者
結果、最後にもめてしまっているのは、率直に
の2人のうち、河合さんはお医者さんですが、河
言って、どうしてなのだろうなという残念な気持
合さんから健康に与える問題についてああいう意
ちでおります。
見がありました。これらを踏まえて考えると、私
それはさておいて、一つは、結果として一般競
なりに思うところがありますけれども、まず、先
争入札で売却しております。これは、条件をつけ
ほどの河合先生の意見を聞いて、市長はこの問題
たと言っても、今、委員がお話しのように、一般
をどのように受けとめられたか、その点について
競争入札ということで、一番高い値段を入れてい
お尋ねしたいと思います。
ただいた事業者に売却して、そのときに、周辺の
●秋元市長
まず、前段の件で、ちょっと長く
住環境にも配慮してくださいという参考条件とい
なってしまいますけれども、経過をお話しさせて
いますか、今、拘束力がないとおっしゃいました
ください。
が、そういう条件をつけた思いというところは
私は、市長政策室長時代に、きょうお越しの皆
様方とも何度もお会いさせていただきました。職
―ただ、どこまでしんしゃくしていただける
のかということはあったかもしれません。
員住宅跡地の問題というのは、先ほどお話があり
一方で、私は現地を実際に見てはおりませんけ
ましたように、もともと平成10年以前から長期に
れども、先ほど本郷委員やお医者さんのお話にも
わたってお話がありまして、プールやホールなど
ございましたように、圧迫感など精神的なストレ
の公共施設のご要望をいただいていましたが、例
スを感じる方もいらっしゃるということは、人に
えば中央区プールについては、位置の問題や面積
よって違うかもしれませんが、そういう方がい
の問題があって実現できないというお話をさせて
らっしゃるということも確かにあるのだろうと思
いただきました。一方で、市が持っているこの有
います。
効な土地をいつまでも放置しておくわけにもいか
事業者にとりましては、高さの制限も、建築確
ないということで、平成22年度だったと思います
認の状況も法的な基準をクリアしているというこ
が、私が市長政策室長のときに、民間の提案を受
とで、先ほど来、建築安全担当部長が申し上げて
け入れて、公共的な機能を入れながら、一部は売
いますように、そこには何らの違法性もありませ
却させていただきたいということでお話を詰めて
ん。一方で、住民の方々の思いもあるので、最後
きました。そういう意味で、本当に長年にわたっ
はどういうふうに調整していかなければいけない
ていろいろなご意見をいただいて合意に至って、
のか、非常に悩ましく難しい問題だというふうに
一部分を子育て施設あるいは高齢者用の施設など
率直に思っております。
のまちづくりに必要な施設とし、部分的に売却さ
●松浦 忠委員
せていただくという前提でお話をさせていただき
性が出た発言だと思って受けとめています。あと
- 93 -
私は、まさに秋元市長の人間
建 設 委 員 会
は、先ほど私が委員長に了解をいただいたよう
いずれも、どのような手順で進めていくべきか
に、住民との話し合いの内容について、市側で保
を精査しながら、建設委員の皆様のお考えを踏ま
存しているもの、住民側が保存しているものな
えた上で、誠意を持って対応すべく、正副委員長
ど、私なりにきちんと聞き取りたいと思っており
で改めて協議し、判断させていただきます。
ます。また、メンバーもかわっていますから、で
●長内直也委員
きれば、いま一度、委員会としてそれらの聞き取
たのですが、今のやりとりの中で確認しておかな
り調査をしてみてはどうかと思います。そういう
ければならないことが発生しましたので、お伺い
中で、この問題をどう扱っていくかということに
いたします。
実は、質問する予定はなかっ
ついて、この委員会として協議していくことも大
私も中央区の議員としてさまざまなマンション
切かなと思います。そんなことも含めて委員長に
紛争みたいなことで相談を受けて、間に入って、
一任いたしますので、ぜひよろしくお願いしま
今までいろいろなことを経験してまいりました。
す。
この場所についても、かつてからいろいろな住民
もう一つ、最後になりますけれども、都市計画
の方が会をつくって運動されていて、その場にも
のありようについて思うことは、国土交通省は、
何度か顔を出させていただいた経緯もあって、そ
今、人口減に対応して、人が住む地域をできるだ
のお気持ちは十分にわかりますし、一方では、法
け小さくしなさい、集約しなさいという方針を出
律のもとで建て主側の権利というものも当然ある
していますね。ところが、その方針で行ったら、
でしょうから、その辺のことは大変悩ましい問題
中央区は人口がふえているのですが、円山や宮の
だなと思いながら今のやりとりを聞いておりまし
森や幌西地区など、昔は電車が走っていたような
た。
地区は大体が100坪ぐらいで分筆されていたもの
そんな中で、二つほど確認したいのですが、一
が、所有者が亡くなって、相続する人たちはほか
つは、紛争の予防と調整に関する条例の定義とし
に住んでいて、売却してということになります。
て、今の状況というのは、既に実質的には紛争状
そうすると、鉛筆マンションがどんどん建つとい
況なのかもしれませんけれども、私は、正式には
うことで、あの付近ではマンション建設反対とい
まだ紛争ではなくて、紛争を予防する段階なのか
う看板が立っているのを私ももう十数年前から見
なというふうに思っていまして、それで正しいの
ております。
かどうかということです。
そこで、札幌市は、都市計画の用途区域の指定
そして、もし今の時点が紛争の予防の段階だと
として、高さ制限など、住民の要望を含めて、も
するならば、先ほど来、委員からも市のほうの指
う少しきめ細かく見直す必要があるのではないか
導なり助言を求めるような意見や質問が出ており
というふうに私は思います。今、この答えは結構
ますけれども、一方で、市は何ができて、何がで
ですから、ぜひ検討して、早急に取りかかってい
きないのかという整理がついておりませんので、
ただきたいというふうに思うのです。
この2点を確認させていただきたいと思います。
このことは、また別な場で質疑をしたいと思い
●大島建築安全担当部長
今の状況につきまし
ますが、きょうは市長に要望して、私からの質問
ては、紛争の前の予防の段階ではなくて、既に計
を終わります。
画のやりとりがなされておりますので、紛争が発
●伴 良隆委員長
松浦委員に申し上げます。
生している状態というふうに考えております。
一連のご指摘、ご要請につきましては承りまし
た。
条文のほうはお手元に配付しておりませんけれ
ども、条例の中では、紛争が発生した場合、建築
- 94 -
建 設 委 員 会
主、それから近隣関係住民の責務といたしまし
くことといたしました。
て、紛争が生じたときは相互の立場を尊重し、互
つきましては、陳情第12号の取り扱いは、継続
譲の精神をもって自主的に解決するよう努めなけ
審査としたいと考えますが、ご異議ございません
ればならないという当事者の責務が定められてい
か。
るところであります。また、札幌市の責務といた
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
しまして、紛争が生じたときには、迅速かつ適切
●伴 良隆委員長
に調整をするよう努めなければならないという私
号は、継続審査と決定いたしました。
どもの責務がございます。
以上で、委員会を閉会いたします。
このような中で、先ほどちょっと触れました
が、この紛争の中で相互の立場を尊重した自主的
な話し合いによって解決がなされない場合には、
仲介と調停という制度がございます。これは、参
加することを強制できるものではございません
が、当事者である事業者側と住民の双方から申し
出があった場合にはこういった制度が活用できる
ことになっております。
●長内直也委員
私の認識はちょっと違ったの
ですが、建築確認が出されていなくて、要は計画
の段階ですね。その段階でも、もう既にあるもの
として紛争があるという捉え方だということなの
ですか。
●大島建築安全担当部長
そういう捉え方で結
構です。
通常の一般的な手続といたしまして、中高層に
基づく届け出がなされ、地域で説明をしていただ
いて、説明会の報告をしていただいた後に確認申
請を提出していただくという流れになりますの
で、地域の方と事業者側との間で計画をめぐって
調整が図られるのは建築確認申請が出される前、
あるいは審査中というように重なっているような
状況が一般的でございます。
●伴 良隆委員長
ほかに質疑はございません
か。
(「なし」と呼ぶ者あり)
●伴 良隆委員長
異議なしと認め、陳情第12
それでは、陳情第12号の取
り扱いについてでございますけれども、質疑にお
きまして現地を調査すべきとのご意見がございま
して、改めて、正副委員長で協議をさせていただ
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閉 会 午後3時58分