平成 28 年度生物多様性域外代償制度課題調査事業 業務仕様書 1 目的 愛知県では、COP10 の開催を契機に「あいち生物多様性戦略 2020」を策定し、開発 などで分断・孤立した生物の生息生育空間を緑地などでつなぐ「生態系ネットワークの 形成」に取り組んでいる。この戦略では、様々な立場の人々の協働によりネットワーク の形成を進める「生態系ネットワーク協議会」と、開発に伴う自然の損失を回避、低減 (在来種の植栽、環境配慮工法、緑地の適正配置等) 、代償し、自然の保全・再生を促す 「あいちミティゲーション」の2つが中心(あいち方式)である。 あいちミティゲーションについては、平成 25 年度から1ha 超の開発を行う開発事業 者(条例に基づく大規模行為届出が必要)に推奨しているが、代償については今までの ところ実績がない状況にある。 一方、米国やドイツ等の欧米諸国では、開発事業者が代償にあたって自ら保全復元を 行う(自主方式)代わりに、第三者(バンカー)による保全復元に対し資金を供与する 「バンキング方式」を導入するなどし、代償制度を確立して開発事業者による代償を普 及させている。 本業務では、開発事業者の代償の促進に向けて、欧米の代償制度を調査・分析し、本 県における代償促進の仕組みづくりに向けた課題を調査することを目的とする。 2 業務内容 以下の内容について、発注者の意向を確認しつつ実施するものとする。 (1)欧米の代償制度の情報収集 欧米の代償制度に関する情報(仕組み、運用、課題等)を文献等により収集する。 [情報収集の例] ・どのような代償方式が用意されているのか。 ・バンキング方式では、誰がバンカーになるのか ・バンキング方式では、自然の±をどのように点数化・金銭換算す るのか (2)制度導入に向けた課題の洗い出し 欧米の代償制度にならって、本県に代償促進の仕組みを導入した場合の課題を洗い 出す。 (3)重要課題の詳細分析 代償促進の仕組みの足かせとなるような重要課題については、詳細分析を実施する。 [重要課題の例] 本県にバンキング方式を導入した場合、HEP※1、ハビタット・ヘ クタール法※2 といった欧米で確立されている自然の±の点数化手 重要課題 法のうち、どれを選択するべきか。 ※1 HEP (Habitat Evaluation Procedure) (米国) 【算出式】質(ハビタット適性指数)×量(面積)×時間 ※2 ハビタット・ヘクタール法(オーストラリア・ビクトリア州) 【算出式】質(ハビタット・スコア)×量(面積) 自然環境保全地域における保全復元の事例に基づいて、実際に自 詳細分析 然の+を点数化し、各点数化手法の点数の精度や算出コストを分析 する。 (4)資料提供 発注者と協議の上、必要に応じ愛知県が開催する「あいちミティゲーション検討会 (タスクフォース) 」に提出する資料の提供等を行う。 (5)報告書作成 上記の業務内容をとりまとめ、報告書の作成を行う。 (6)その他 その他必要な事項は、愛知県と協議のうえ決定する。 3 成果品 (1)報告書 10 部 (2)報告書の電子データを記録した CD-R 1式 4 納入場所 愛知県環境部自然環境課 5 委託業務期間 契約締結日から平成 29 年3月 29 日
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