OPINION !! し 月の県知事選では辺野古移設を それは 月 日にスイスのジュネーブで開か の不可解さは、知事選以前からのものであり、 明されたことはありません。翁長知事の言動 し、今までの一連の言動によって合理的に解 例えば、翁長知事が盛んに用いる言葉には、 疑念の生じるものがいくつかあります。しか いて、私は大いに疑問を持っています。 実情が一般に正しく理解されているのかにつ は間違いないことです。しかし、その本質と 月 日にスイスのジュネーブで開かれた国連人権 理事会で沖縄県の翁長雄志知事は、 「辺野古への新基 地建設の中止」を訴えた。実は、同じ日に同じ会場で、 沖縄出身の女性が、米軍普天間基地の辺野古移設に関 して賛成の立場から意見を述べたことはあまり知られ ていない。その当事者である我那覇真子さんに、沖縄 が置かれた現状について寄稿してもらった。 す。昨年 だ記憶に新しいところです。 れに絶対反対と訴えて選挙に勝利したのはま あえて「辺野古新基地建設」と言い換え、こ 11 の決定に従い「瑕疵がある」と判断したので か 立て承認の手続きを審査した第三者委員会 埋め立て承認を取り消しました。辺野古埋め 月 日、沖縄県の翁長雄志知事は仲井 眞弘多前知事が承認した名護市辺野古沖の 矛盾だらけの 「翁長スピーチ」 22 13 現在の沖縄が、この問題の経緯を含めて、 国との関係で政治的に大きく揺らいでいるの れた国連人権理事会で翁長知事が行った そういう意味で翁長知事の国連スピーチは、 現在の沖縄の政治的な揺らぎを解明する最 ます。 分間のスピーチに凝縮されていたと考えてい 2 22 9 10 【プロフィール】 (がなは・まさこ)1989年沖縄県 名護市生まれ。早稲田大人間科 学部卒。在学中、高円宮杯全日本 中学校英語弁論大会を主催する JNSA(日本学生協会基金) の運 営委員を務める。今年4月 「琉球 新報、沖縄タイムスを正す県民・ 国民の会」 を発足。 日本文化チャ ンネル桜沖縄支局キャスターも 務める。 9 「本当」 の沖縄を知ってほしい ─我那覇真子 特別 寄稿 62 Zaikai Kyushu / DEC.2015 国連人権理事会で翁長知事は、以下のよ うにスピーチしました。 スピーチは英語でなされたのでこれは日本 語訳文となります。発言で特に重要だと思 いました。 今日はこのような説明の場をいただけた ことを感謝しております。ありがとうござ この数字は、実は実態を正しく表してはいま でしょう。沖縄の基地 ③の ・ %はどう まくらことば 問題が語られる時、枕詞のように用いられる を与えています。 る軍用地主と言われている方々に相当な収益 り地代がかなり高く設定されていて、いわゆ ありがとうございます。議長。私は、日 本国沖縄県知事、翁長雄志です。 われる部分には、私が番号を付しております。 せん。本当のところは約 %なのです。 良のテキストだと思います。 沖縄の人々の①自己決定権がないがしろ にされている辺野古の状況を世界中から関 このごまかしは「専用施設」という言葉に あります。これによって本土にある広大な米 に米軍基地から派生する事件・事故や環境 沖縄は日本国土の ・ %の面積しかあ りませんが、在日③米軍専用施設の ・ んで土地を提供したものではありません。 です。 とになります。私たち沖縄県民は日本国民 琉球民族なるものの存在を前提としているこ の本来の意味は民族自決権であり、この場合、 Self|determinationです。そ ① の 自 己 決 定 権 は、 こ の ス ピ ー チ 中 の一番 重 要 な 語 句 で、 元 の 英 語 は 沖縄の新聞 紙には、この手のデタラメが たくさんあります。これらの影響によって沖 ための都合の良い誇大数字なのです。 縄に過度に集中しているという印象を強める まり ・ %という数字は、米軍基地が沖 うことで統計から除外されているのです。つ 軍基地が一部自衛隊などが使用しているとい 問 題 が県 民 生 活 に大 き な 影 響 を 与 え 続 け %が存在しています。戦後 8 年間、いまだ 8 に誤っています。 とはないというのは明らか 県民が土地を提 供したこ てできた基地です。つまり 保障されている人権の恩恵によって、自由選 えません。翁長知事は、自身が憲法によって 権先進国である日本に住む者の発言とは思 ④に人権をないがしろにされ、とあります が、使われている意図が理解できません。人 ことになります。さらに言 を国連の場で述べたという つまり、確 信 犯的なうそ では沖縄県全体の常識が疑われてしまいます。 として断じて認めるわけにいきません。これ 政府がこれまで行ってきた沖縄振興開発の 尽力を無にするような非常識な発言は、県民 らないはずがありません。 うと、沖 縄の軍 用 地の場 合、特別な算 定方式によ 翁長知事もかつては辺野古移設の推進者 でした。この点を考慮するなら、翁長知事を 事になったことも否定されるのでしょうか。 挙の下、民主主義の手続きを経て沖縄県知 縄の県民世論は、長年にわたって大きく歪め ゆが ています。このように沖縄の人々は自己決 73 翁長知事が歴史上、極 めて重要なこの事 実を知 が村おこしのために誘致し られたままになっているのです。 内容が含まれていることにお気づきでしょうか。 翁長知事のスピーチには、本来なら沖縄県 民はもちろんのこと、日本全体が仰天すべき 次世界大戦後、米軍に強制接 心を持ってみてください。沖縄県内の米軍 基地は、第 73 ②も誤りを含んでいます。米軍普天間基 地の移設先である米軍辺野古基地は、地元 収されてできた基地です。②沖縄が自ら望 24 8 2 73 定権や④人権をないがしろにされています。 自国民の自由、平等、人権、 民主主義、そういったものを 守れない国がどうして世界の 国々とその価値観を共有でき るのでしょうか。 日本政府は、昨年沖縄で行 われた全ての選挙で示された ⑤民意を一顧だにせず、⑥美 しい海を埋め立てて辺野古新 基地建設作業を強硬しようと しています。私は、あらゆる 米軍普天間基地大山ゲート前の活動家。 「マリーンアウト」 と叫ん でいます 6 70 0 手段を使って⑦新基地建設を 止める覚悟です。 Zaikai Kyushu / DEC.2015 63 2 世論が形成されていません。特に沖縄県内に 流通を握っているため、正しい認識、健全な ですが、地元マスコミが情報の このように翁長知事の国連 スピーチは不条理極まるもの 通る状況になっています。 ないので、その用語がまかり が、政府も政治家も反論をし という主張になっているのです ために事実無根の新基地建設 なります。これをクリアする なってしまい都合の悪いことに では、危険性除去にも反対と の除去です。よって移設反対 旨は、市街地飛行場の危険性 のです。普天間基地返還の主 保守を取り込んでの本土と沖縄の分断が狙い 私たちは見なければなりません。まずは一部 を含むより危険な闘争をしかけてきていると 事を主導する左翼は、沖縄で琉球独立運動 前とは明らかに様相が異なります。翁長知 ている通り、近年の沖縄の政治的状況は、以 うです。この翁長知事の国連スピーチに表れ 古活動をうまく行うことができなくなったよ とその支援勢力は国連を利用しての反辺野 い見込みとなりました。結果的に翁長知事 このスピーチによって国連人権理事会は、 日本政府に沖縄問題についての勧告が出せな 裏には中国の存在があるとも言い切りました。 い」と発言しました。さらに琉球独立運動の ん。そういうプロパガンダを信じないで下さ す。また、県民は先住少数民族ではありませ 準の人権、教育、文化、生活を享受していま 含む反対勢力の底意には、本 いいのでしょうか。 それは顕著です。 いがあると見るべきでしょう。 また、あ り もし ない人 権 問題をなぜ国連で言い立てた のか。そこが、人権理事会が 自己正当性をアピールする場 として効果的だと判断したか らにほかなりません。つまり、 本当の狙いは「沖縄の自己決 定権」と米軍基地反対を国際 社会に表明することにあった のです。知事ともあろう方が こういうあざといことをして ました。言うまでもなく翁長知事のもくろ こうした翁長知事の主張が予想されたので 私たちも国連人権理事会に出向くことにし 疑問だらけの 「地元 紙」 の主張 大きな流れとなることは間違い無いでしょう。 いますが、これからはこういう動きが加速し する保守、闘う保守はあまりいなかったと思 そういう意味で、見方が異なるマスコミは 彼らのウイークポイントだと言えるのです。 しょうけつ 紙の主張が瓦解し 私はスピーチの中で「沖縄には人権侵害は ありません。県民は日本の一部として最高水 64 Zaikai Kyushu / DEC.2015 土と沖縄間の反目、分断の狙 意は、地元の新聞が情報統制の下、 ⑤の民 ねつぞう 偏向と捏造によって扇動してつくり上げたも ⑥は埋め立てを非難するものとなっていま すが、翁長知事は那覇軍港浦添移設と那覇 みを阻止するためです。ちなみに翁長知事は、 獗を極めた左翼も追い詰められ 今後は猖 る側になります。彼らの作為がそれだけ限 でしょう。 空港拡張のために埋め立てを進める側にいま NGO市民外交センターの発言の枠を利用 界に至っているということなのです。つまり、 のですから信を置くわけにはいきません。 す。これは矛盾そのものです。 してスピーチを行いました。私も同じ場でカ 彼らを支えている地元 今まで私たちのような活動を行う保守は あまり例がありませんでした。こういう行動 そもそも沖縄県は、復帰後 年間で東京 ドーム500個分の埋め立てを行っています。 ウンタースピーチを行うことができましたが、 た途端、彼らの運動もまた終わりとなるでし 倍で 辺野古移設に限って反対と言うのは、実態が この実現のためにNGOの方々から多大なる ょう。 す。その面積は辺野古移設のなんと 反安保闘争であるという証拠です。 ご協力をいただき、本当に幸運なことでした。 2 国連人権理事会では、私も翁長知事と同じ場でスピーチすることができました ⑦の新基地建設という文言は、明らかな 誤りです。正しくは「辺野古移設」です。で こうち はなぜ移設を「新基地建設」と言うのでしょ 3 うか。ここに私は左翼が主導する狡知を見る 2 37 あまりに偏向しすぎて、致命的な禁を何度も るのです。 ティー、つまり多数の声なき声が拡大してい 度的に増えています。サイレント・マジョリ 辺野古テント村も辺野古基地ゲート前の 座り込みも同様です。実は、その中に、地元 す。 県内にいながら知らない方が多かったもので 沖縄の 紙、琉球新報、沖縄タイムスの場合、 犯しています。引き返すことのできない線を 住民はほとんどいません。本当の地元辺野古 年の教科書検定意見書撤回を求 水増しが暴露され、あきれる方が増えていま かれていますが、参加者数の信じ難いほどの は、極左過激派がいること、こういった反対 ロ市民」と言われる人たちであり、その中に らです。さらに反対活動家は、いわゆる「プ けいもう 大きく越えたと言っても過言ではありません。 私たちの啓蒙活動が功を奏してきているの を肌で感じます。例えば、県民集会、政府に 地区は、住民の 割以上が移設に賛成だか 反対、米軍に反対と各種の集会が何度も開 私はチャンネル桜沖縄の声のキャスターと して番組を担当し、師匠こと江崎孝氏と毎週 てきました。毎週ネタの尽きることがないほ す。平成 紙の偏向、捏造報道を繰り返し取り上げ どのデタラメな報道がなされています。これ 8 2 すから、沖縄の世論も歪もうというものです。 がもう何十年もの間、繰り返されているので した。実に 倍に迫る水増しです。他の集会 3000人という実数に近い数字が示されま した。しかし、後に航空写真によって 万 、 める県民集会は、 万人以上と報道されま ら大きく変わっていくということをこれらが ます。つまり、国民の沖縄への見方がこれか にされています。さらに参加者もかなりの割 についても同様なものであったことが明らか らの脱却」が始まったと言ってもよいでしょう。 層が長年持ち続けた「悲願の戦後レジームか 示していると私は思っています。日本の保守 出るようになったことの意味は大きいと思い ことができます。いずれこのことをまとめた 合が県外からの応援組であったことも知られ くされ、沖縄への見方が一新されることを願 うばかりです。 げました。 紙に代表される 「左翼マスコミ」 私たちは半年前の 月に「琉球新報、沖 縄タイムスを正す県民・国民の会」を立ち上 4 の周りも、以前は基地反対だったが地元 紙 状況はどんどん変わりつつあります。私たち 反体制であった面が強かったのですが、この 今までは革新的であることがはやり、つまり 実は、沖縄は保守的気質の強いところです。 そのため左翼のイデオロギーはなじみません。 が広めたうそを正すためです。 2 の論調がおかしいということに気付いて「今 2 県民が抱く、素直な思いです。 えて我が国を守りたい」 。それが多くの沖縄 たいと思います。 「日本はひとつ、共に手を携 そを全国に明らかにする活動を継続していき これからも私たちは「沖縄の本当」と一部 マスコミがつくりあげた「沖縄の民意」のう としても良いのではないでしょうか。 れによって予定調和的に日本の回復が始まる いただくことから日本の夜明けが始まる、そ する本土の皆さまに「沖縄の本当」を知って つと私は思います。まずは、九州をはじめと く離れた、いわば辺境はその例外の傾向を持 が苦手です。しかし沖縄のように中央から遠 本が出版されることになると思います。それ 2 辺野古にあるキャンプ・シュワブ前の反対活動家の様子。地元の人はほとん どいません るようになりました。こうした事実は、同じ 1 11 によって沖縄についての誤った認識が払しょ 10 同じ時代に生きる人たちは、自分の生きる 今を自覚し、それが何であるのかを知ること す。 紙の末期症状を今の沖縄で実見する 2 2 左翼にとって都合の悪い事実がいくつも世に 地元 紙は、感覚の狂った異常心理に陥っ ているとしか思えない記事がいくつもありま 19 2 ではアレルギーを感じます」という声が加速 Zaikai Kyushu / DEC.2015 65 OPINION 「本当」 の沖縄を知ってほしい!! ─我那覇真子 特別 寄稿
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