PDF版 - 大和投資信託

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(2016年6⽉)
【キーワード】確定拠出年⾦(DC)
「改正DC法案」が可決
5⽉24⽇に国会で「確定拠出年⾦法等の⼀部を改正する法律案」(改正DC法案)が可決、成⽴しました。
「確定拠出年⾦」は、拠出額が決まっているという年⾦制度で「DC」または、先⾏する⽶国の制度を引⽤して
「⽇本版401k」とも呼ばれています。⽇本では2001年より導⼊されました。
今回の改正の主なポイントは、①個⼈型DCの加⼊可能範囲の⼤幅な拡⼤と②DCの運⽤の改善です。
個⼈型DCの加⼊可能範囲の⼤幅な拡⼤
 今回の改正の中で注⽬されるポイントとして、まず、「個⼈型DCの加⼊可能範囲の⼤幅な拡⼤」です。従来、個⼈型DCの
加⼊対象者は、⾃営業者や勤め先に企業年⾦がない会社の従業員のみに限定されていましたが、企業の経営状況や個⼈
の就労形態などに左右されず⾃助努⼒を⽀援する観点から、これまで加⼊できなかった「主婦(主夫)」「公務員」「勤め先
に企業年⾦がある会社の従業員」も、2017年1⽉より加⼊できるようになります。
 今回の改正により、個⼈型DCの加⼊対象者は6,700万⼈もの範囲まで⼤幅に広がり、現在、企業型DCの加⼊者が
548万⼈程度であるのに対し、加⼊者が25万⼈程度(2016年3⽉末)にとどまる個⼈型DCの加⼊者の増加が想定さ
れます(図表1)。
(図表1)新規に加⼊可能となる個⼈型DCの拠出限度額
企業型DC加⼊者(他の企業年⾦がない場合)
年額24.0万円(⽉額2.0万円)
企業型DC加⼊者(他の企業年⾦がある場合)
年額14.4万円(⽉額1.2万円)
確定給付型年⾦のみ加⼊者及び公務員当共済加⼊者
年額14.4万円(⽉額1.2万円)
第三号被保険者(主婦など)
年額27.6万円(⽉額2.3万円)
※ 企業年⾦加⼊者のうち企業型DC加⼊者にあっては、マッチング拠出を⾏っておらず、個⼈型DCへの加⼊を可能とする旨を規約で定める加⼊者に限る。
※ 個⼈型DCへの加⼊を可能とする旨を規約で定めた場合の企業型DC制度の拠出限度額は、他の企業年⾦がない場合は年額42 万円、他の企業年⾦が
ある場合は年額18.6 万円とする。)
(出所)厚⽣労働省 「確定拠出年⾦法等の⼀部を改正する法律案の概要」
DCの運⽤の改善
 また、DCの運⽤の改善として、現⾏の①「少なくとも3つ以上の運⽤商品の提供」②「1つ以上の元本確保型商品(預⾦
など)の提供」が義務付けられていましたが、分散投資を促す観点から「リスク・リターン特性の異なる3つ以上の運⽤商品の
提供」義務に⼀本化されました。
 さらに、加⼊者が運⽤商品を選択しない場合があることを踏まえ、「あらかじめ定められた指定運⽤⽅法(いわゆるデフォル
ト・ファンドによる運⽤)」に係る規定を整備しました。現在DC全体の資産配分は、資産残⾼ベース、掛⾦ベースとも「元本
確保型」が約6割で「投資信託等」は約4割にとどまっており、⻑期的に加⼊者にとって⼗分な資産形成につながるのかが懸
念されています(図表2)。
 ⽶国など海外では「デフォルト・ファンド」として、バランス型ファンドやターゲット・イヤー型ファンド(加⼊者の年齢、退職⽬標⽇
などに基づき資産配分およびリスク⽔準を保守化させるファンド)が広く受け⼊れられており、預⾦などの「元本確保型」から⻑
期投資と分散投資の実践を⽬的として、こうしたファンドへの資⾦シフトが期待されます。
(図表2)DC加入者の運用状況
(2015年12⽉調査)
資産残高
ベース
元本確保型と投資信託等の平均投資⽐率は、
投資信託等
42%
元本確保型が約6割、投資信託等が約4割
元本確保型
58%
(出所)企業年⾦連合会 確定拠出年⾦実態調査(概要)
※当資料は、2016年5⽉時点の情報に基づき作成しており、今後改正事項が⼀部変更となる場合がありますのでご留意ください。
※当資料中のいかなる内容も将来の成果を⽰唆・保証するものではありません。
最終ページの「当資料のお取扱いにおけるご注意」をご覧ください。
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