イベロアメリカ研究所公開講座 ラテンアメリカ・レクチャーシリーズ 第3回 ブラジルの潮流を読む ―複眼的かつ歴史的な視点からの分析― 上智大学イベロアメリカ研究所では、昨年度より新たに公開教養講座を立ち上げました。第 3 回目となる今回のテーマは「ブラジル」です。オリンピック開幕を 8 月に控え、聞こえてくるニ ュースは、大統領に対する弾劾法廷の設置、暫定政権の発足そして 2 年連続のマイナス成長、 等々芳しくありません。「ブラジルは一体どうなってしまったのか」―日本だけでなく、世界の多 くの人々がそう感じていることでしょう。 本講座では、「経済」、「社会」、「政治と国際関係」という 3 つの角度から、ブラジルが混迷 といわれる現在に至った経緯を明らかにしていきます。少し前にさかのぼって、ブラジルという国 の歩みを振り返る中から「今」を読み解くカギを見つけたいと思います。皆さまどうぞ奮ってご参 加ください。 ① 6 月 27 日(月) 「ブラジル経済の現在地―時間軸、空間軸でみたブラジルの立ち位置―」 講師 竹下幸治郎(日本貿易振興機構[ジェトロ]米州課長) 最近のブラジル経済については「未曾有の危機」、「オリンピックは大丈夫か」といった悲観的な記事が多くな っています。確かに、景気の後退、大統領弾劾プロセスに関するニュースを切り取るとそう見られるのは無理 もありません。しかし実際は、過去に見られた経済低迷と今般の状況を比べた場合、共通点も少なくありませ ん。今回の景気後退の出口を見定めるためにも、時間軸(歴史)、空間軸(グローバル経済におけるブラジルの 位置)でもって現状を立体的に捉えてみましょう。 ② 7 月 4 日(月) 「社会を民衆のものとするブラジルの市民運動―NGO の動向の分析を中心に―」 田村梨花(上智大学外国語学部准教授・イベロアメリカ研究所所員) 講師 2013 年のコンフェデ杯以降、ブラジルの市民が路上に出て社会的公正を求めるデモンストレーションを行う姿 が日本でも報道されるようになりました。メディアの映像からは、教育・保健分野における基本的人権や政治 的トランスペアレンシーを求めて行動する市民社会の姿を現しているようにも見えます。軍事政権以降、民衆 の生きる権利と社会的公正をめざして活動を続けてきた NGO の声明をもとに、ブラジルの草の根民主主義を支 える市民運動の動向を分析します。 ③ 7 月 11 日(月) 「試練に立つブラジル政治―民主化から 30 年が意味するもの―」 講師 子安昭子(上智大学外国語学部教授・イベロアメリカ研究所所員) 5 月 11 日の上院本会議の決議を受けて、ルセフ大統領に対する弾劾法廷の設置が決定、職務停止のルセフに代 わり、テメル大統領代行のもと、暫定政権が発足しました。民主化から 30 年余、相対的に安定していると思わ れてきたブラジルの政治に何がおきているのでしょうか。カルドーゾ、ルーラ、ルセフ政権を中心に、ブラジル 政治が得たもの、そして積み残したものは何か、また地域大国ブラジルの政治混乱が南米を中心とする国際関 係に与える影響についても考えていきます。 場所:6/27 中央図書館 9 階 921 会議室(定員 150 名) 7/4・11 中央図書館 8 階 821 会議室(定員 100 名) 時間:17:00 – 19:00 参加費無料/予約不要(先着順) 問い合わせ先:上智大学イベロアメリカ研究所 [email protected]
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