はじめに - 三重の文化

三重県埋蔵文化財センター
四日市整理所
〒515-0325 三 重 県多 気 郡 明和 町 竹川 503
TEL:0596-52-1732 / FAX:0596-52-7035
http://www.pref.mie.jp/MAIBUN/HP/
〒512-8064 三 重 県 四日 市 市 伊坂 町 126-1
TEL:059-363-3196 / FAX:059-363-3196
伊勢湾
↓
員弁川
↓
タイヤ工場
筆ヶ崎古墳群
中野山遺跡
調査が予定されている筆ヶ崎古墳群と中野山遺跡(南西上空から)〔 北 勢国 道 事 務所 提 供 〕
はじめに
い な べ
いとな
東海環状自動車道が建設される員弁 川流域は、古くから人々の生活が 営 まれてきた歴史ある地
じょうもん
ちゅうせい
ゆうきゅう
域です。豊かな自然とともに、 縄 文 時代の遺跡から 中 世 の城跡まで、 悠 久 のときの流れを伝え
る貴重な歴史遺産が、この地域には数多く残されています。
い た く
三重県教育委員会および三重県埋蔵文化財センターは、国土交通省中部地方整備局の委託 を受
ほ
ご
け、これら貴重な歴史遺産である埋蔵文化財を道路建設工事に先立って保護 し、記録として将来
に残すための発掘調査を行っています。残念ながら建設予定地にかかる遺跡や城跡などの全てを、
いにしえの姿そのままに残すことはできませんが、発掘調査を行うことにより、今まで知られて
いなかった、この地域の過去の風景が見えてくることでしょう。調査の成果は、今後、このたよ
ず い じ
りで皆様方に随時 お伝えしていく予定です。
調査が予定されている遺跡
ふで
位置
が
さき
こ
ふん
ぐん
筆ヶ崎古墳群は、四日市市小牧町字筆
ぞ うき ばや し
ヶ崎にあります。現在、雑木林 となっている
ひょうこう
ゆる
し ゃめ ん
標 高 55~ 60m ほ ど の 緩 や か な 南 向 き の 斜面
ふんきゅう
も
に、墳 丘 (土の盛 り上がり)が点々と存在し
こ ふ ん じ だ い
ています。これらは、約 1,500 年前(古墳時代 )
はか
に造られたお墓 (古墳)であると考えられま
す。
事前調査
今回、発掘調査に先立って、三重
県埋蔵文化財センターは、現地で、古墳の数
と位置を調査しました。
き
その結果、これまでに知られていた8基 の
古墳以外に、新たに2基の古墳が、存在して
6号墳(南から)
いることが分かりました。これにより、確認
された古墳の数は、合計 10 基となりました。
はさ
なお、谷を挟 んで南側の丘陵にも古墳が存
在するという記録も残されています。今回は
確認できませんでしたが、今後、調査が進め
ば、古墳の数が増減する可能性があります。
古墳の規模
墳丘は、すべて円形をしていま
え んふ ん
ちょっけい
す(円墳 )。大きさは、 直 径 10m前後、高さ
1m前後のものがほとんどですが、中には、
直径約 16m、高さ約 1.6mほどのものもあり
ます。
位置を確認したところ、古墳は、おおむね
3基ずつ、まとまって造られているように見
えます。このようなまとまりの意味や、古墳
ま いそ う
に埋葬 された人物については、今の段階では
よく分かりません。
こ うぞ う
今後、発掘調査を行い、墳丘の構造 や出土
した遺物(土器など)を詳しく調べていくこ
しょうさい
とで、古墳の造られた 詳 細 な時期や、埋葬さ
れた人物についての手がかりなども見つかる
かも知れません。
筆ヶ崎古墳群墳丘位置図(1:2,500)
調査が予定されている遺跡
なか
位置
の
やま
い
せき
中野山遺跡は、四日市市北山町字中野
山にあります。現地は標高 50m前後の台地で、
現在は畑や山林となっています。前ページで
へだ
紹介した筆ヶ崎古墳群から、谷を隔 てて 300
mほど南に位置しています。
発掘調査
平成 22 年3月に、5箇所のトレ
ンチ(調査用の溝)を設けて、発掘調査(第
1次調査)を行いました。各トレンチの幅は
2mで、総延長は 85mです。
地表面から 30~50cm 程度掘り下げたところで、
はしらあな
第2トレンチで確認された柱穴と溝(北から)
い こ う
いずれのトレンチでも、柱穴 や溝などの遺構 (昔
こんせき
の人の生活の痕跡 )を確認しました。これらの遺
構やその周辺からは、約 1,300 年前のものとみ
られる土器の破片が出土しました。
調査の結果、下図の赤色部分(2,000 ㎡)
については、改めて全面を掘り下げて調査す
る必要があると判断しました。今年度中に発
掘調査(第2次調査)を行う予定です。
なお、トレンチによる調査は、引き続き別
の箇所でも行う予定です。
中野山遺跡調査区位置図(1:4,000)
出土した土器類
◇東海環状自動車道建設予定路線上の遺跡◇
国土交通省中部地方整備局北勢国道事務所作成パンフレットに加筆
①日尾塚状地
②田辺城跡
⑦上惣作遺跡
⑧覚正垣内遺跡
⑬高柳遺跡
⑭川原遺跡
③空畑遺跡
④四辻遺跡
⑨東村城跡
⑮広山B遺跡
⑤下平大野B遺跡
⑩権現坂遺跡
⑯広山A遺跡
⑥下平大野A遺跡
⑪宮山遺跡
⑫大久保城跡
⑰筆ヶ崎古墳群
⑱中野山遺跡
東海環状自動車道は、名古屋市の周辺 30~40 ㎞圏に位置する四日市市、東員町、いなべ
市、大垣市、岐阜市、関市、土岐市、豊田市等の諸都市を有機的に結ぶ延長約 160 ㎞の高規
格幹線道路です。周辺地域の交通混雑の緩和、諸都市間の所要時間の短縮、高度医療機関 30
分アクセス圏域の拡大等の整備効果が期待されています。
東海環状自動車道の建設に伴う発掘調査は、すでに平成6年度より始まっています。これ
までに⑦上惣作遺跡~⑯広山A遺跡までの区間の発掘調査が終了しました。これらの遺跡の
調査成果をまとめた報告書はすでに刊行され、県立図書館等で閲覧していただくことができ
ます。また、三重県埋蔵文化財センターのホームページからも、PDF 形式でダウンロードし
て、読むことができるようになっています。
(http://www.db.pref.mie.jp/MAIBUN/HP/data/asp/kanko.asp)
発掘調査は、今後、工事の進捗状況等の関係から、⑰筆ヶ崎古墳群と⑱中野山遺跡のある
四日市北 JCT 付近を中心に進められていく予定です。
調査委託
国土交通省
中部地方整備局
調査主体
三重県教育委員会
調査担当
三重県埋蔵文化財センター
北勢国道事務所