平成 28 年度天然更新活用による森林整備手法に関する調査

平成 28 年度天然更新活用による森林整備手法に関する調査委託事業仕様書
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件名
平成 28 年度天然更新活用による森林整備手法に関する調査委託事業
事業目的
現在、我が国の森林においては、森林資源の充実と公益的機能の発揮を図りながら
循環的に森林を利用していくことが求められており、各々の森林について期待される
機能が十分に発揮されるよう整備及び保全を推進し、森林の有する多面的機能の発揮
を通じて、国民生活の維持・向上に寄与することも期待されている。このような状況
かん
の下、水源林造成事業においても、長伐期施業等への見直しを進め、水源涵養等の公
益的機能がより一層発揮される針広混交の育成複層林を造成するための施業の推進が
求められている。
しかしながら、水源林造成事業の対象地である急傾斜地等立地条件が悪い奥地水源
地域においては、針葉樹単層林の造成を主体に事業を進めてきたため、針葉樹単層林
を針広混交林に誘導するための森林整備手法に係る知見・技術が十分に蓄積されてお
らず、本事業の対象地において天然力を活用した森林整備が実施されていないことか
ら、針広混交林化を目標どおりに進めることが難しい現状にある。
このような状況から、水源林造成事業の対象地において、早急に針広混交林に誘導
する手法の定着を図るため、水源林造成事業と同様の条件下において天然力を活用し
た森林整備に取り組んでいる事例の調査、天然更新等に関する研究成果等の収集・分
析及び事業地における現地調査等を行い、針広混交林化に適した森林の判断基準の作
成や、針広混交林へ誘導する効果的な施業方法の検討を行い、その成果を今後の水源
林造成事業における針広混交林施業の推進のために活用することとする。
事業内容
本事業は前述の目的を達成するため、水源林造成事業の対象地である奥地水源地域
は、下層植生、地質、傾斜、路網、周辺森林の林相等の立地条件が多様であることか
ら、このような地域特性に応じ、天然力を活用した森林整備手法の技術マニュアルの
策定を行う。
このため、本事業では、次の項目に係る調査・検討を行う。
・ 多様な立地条件ごとの天然力を活用した森林施業の事例、既存の研究成果等の収
集
・ 針広混交林化のための知見の検証・評価(技術的な課題や問題点の抽出等)
・ 水源林造成事業地における天然力を活かした森林施業方法に係る技術マニュアル
の作成(針広混交林化判断基準及び森林タイプ別施業方法)
(1)全体計画
本事業における3箇年の主な調査計画は次のとおりとする。
・ 平成 26 年度:事例及び現地調査とその評価・分析
・
・
平成 27 年度:事例及び現地調査とその評価・分析
平成 28 年度:前年度までの調査結果を踏まえ、事例及び現地の補足調査とその
評価・分析、技術マニュアルの作成
(2)平成 28 年度計画
平成 28 年度においては、具体的に以下の(ア)から(キ)までを実施する。
(ア)実施スケジュール及び実施体制を契約締結後 10 日以内に提出
(イ)検討委員会の設置・運営
事業の実施に当たっては「天然更新活用による森林整備手法検討委員会」を設
置し、検討委員会においては、以下の項目について必要な技術的指導及び助言を
受けることとする。
・ 具体的な天然力を活用した森林施業の事例、既存の研究・文献の情報等
・ 具体的な調査地域、調査・分析方法、事業実施に当たっての留意事項の検討
等
・ 調査結果の報告、報告書の取りまとめ方針の検討
委員は、4名以上とし、平成 26 年度及び平成 27 年度の実績を踏まえ、森林施
業・造林、森林経営等に関する学識経験者等がバランス良く含まれるよう配慮し、
林野庁担当者と調整の上で決定する。
なお、検討委員会は2回以上開催する。
(ウ)既存の研究成果等の収集・分析
検討委員会の助言等をもとに、既存の研究成果、マニュアル等を収集し、水源
林造成事業における活用可能性について分析等を行う。
(エ)天然力を活用した森林施業の事例調査
地位及び周辺林分の樹種構成、下層植生、地質、傾斜等の立地条件及び過去の
施業履歴等が天然更新等に与える影響を把握するため、水源林造成事業の契約地
以外において、天然更新等による針広混交林の優良事例の収集及び現地調査を実
施する。なお、調査地及び調査方法については、検討委員会の助言等を受け、林
野庁担当者と協議の上、決定することとする。
① 事例調査対象地の選定
事例調査候補地については、平成 26 年度及び平成 27 年度の実績を踏まえ、
5箇所以上選定する。
② 現地調査
ⅰ 調査プロットの設置
①により選定した各調査箇所において、標準的な生育状況である箇所に水
平投影面積 25 ㎡の方形調査プロットを4箇所又はこれと同等以上の調査プロ
ットを設置する。
ⅱ 林況の把握
・ 造林木が残存する場合においては、樹種、本数、胸高直径及び樹高を調
査するとともに、Ry 及び地位を求める。
・ 天然更新木は、高木性の樹種について、樹種、本数及び樹高を調査する。
ⅲ その他現況把握
地形、傾斜度、林内環境及び植栽木の状況、周辺林分の状況等を調査する。
ⅳ 林相写真等の撮影
林相、プロット、駐車地点等の所有者報告用の写真を撮影する。
ⅴ 調査箇所の図面作成
調査プロットの箇所、到達経路及び林分の位置図を作成する。
ⅵ 施業履歴等
造林者等からこれまでの施業履歴等について聞き取り等を行う。
③
留意事項
・ 位置情報、施業履歴、現況等を整理するとともに、針広混交林化が図られ
た要因又は参考となる点、及び地況、林況等の各種条件が天然更新に与える
影響等について評価・分析を行う。
・ 調査を実施するに当たり、あらかじめ森林所有者に対して調査実施の許諾
を取得する。また、都道府県有林、市町村有林、国有林において必要な場合
には所定の手続を実施し、入林許可を取得するほか、必要に応じて林道通行
許可を取得すること。なお、入林許諾については事前に取得することとし、
入林許諾を得ずに現地調査を先行して実施してはならない。
・ 上記①及び②の方法について、検討委員会の助言等により変更の必要が生
じたときは、林野庁担当者と協議の上、実施するものとする。
(オ)水源林造成事業の契約地における調査
地位及び周辺林分の樹種構成、下層植生、地質、傾斜等の立地条件等が天然更
新等に与える影響を把握するため、下層に広葉樹の侵入が観られる契約地におい
て調査を実施する。なお、調査地及び調査方法については、検討委員会の助言等
を受け、林野庁担当者と協議の上、決定することとする。
① 調査対象地の選定
調査候補地については、概ねⅦ齢級以上の造林地から選定する。
なお、水源林造成事業を行う国立研究開発法人森林総合研究所森林整備セン
ター(以下「森林整備センター」という。)の契約地から平成 26 年度及び平成 27
年度の実績を踏まえ、4箇所以上選定する。
②
現地調査
ⅰ 調査プロットの設置
①により選定した各調査箇所において、標準的な生育状況である箇所に水
平投影面積 25 ㎡の方形調査プロットを 12 箇所又はこれと同等以上の調査プ
ロットを設置する。
ⅱ 林況の把握
・ 造林木が残存する場合においては、樹種、本数、胸高直径及び樹高を調
査するとともに、Ry 及び地位を求める。
・ 広葉樹は、高木性の樹種について、樹種、本数及び樹高を調査する。
ⅲ その他現況把握
地形、傾斜度、林内環境及び植栽木の状況、周辺林分の状況等の記載
ⅳ 林相写真等の撮影
林相、プロット、駐車地点等の写真を撮影
ⅴ 調査箇所の図面作成
調査プロットの箇所、到達経路及び林分の位置図を作成
ⅵ 施業履歴等
森林整備センターからこれまでの施業履歴等について聞き取り等を行う。
③
留意事項
・ 位置情報、施業履歴、現況等を整理するとともに、針広混交林化を図る上
で参考となる点、及び地況、林況等の各種条件が今後の天然更新に与える影
響等について評価・分析を行う。
・ 調査を実施するに当たり、あらかじめ森林整備センターに対して調査実施
の許諾を取得する。また、必要に応じて都道府県有林、市町村有林、国有林
の入林許可及び林道通行許可を取得すること。なお、入林許諾については事
前に取得することとし、入林許諾を得ずに現地調査を先行して実施してはな
らない。
・ 上記①及び②の方法について、検討委員会の助言等により変更の必要が生
じたときは、林野庁担当者と協議の上、実施するものとする。
(カ)天然力を活かした森林施業方法に係る技術マニュアルの作成
水源林造成事業地において、施業履歴や現地状況等から針広混交林化の可能性
や施業方法等を判断するためのマニュアルを作成するものとする。
① 針広混交林化判断基準に関するマニュアル
・ 針広混交林化の可否等に係る判断項目とその基準について設定する。
・ 判断項目とその基準に基づき、針広混交林化の可能性(高・中・低)に
応じた森林タイプ(目標林型)を区分する。
②
森林タイプ別施業方法に関するマニュアル
・ 森林タイプ(目標林型)に応じた施業方法や施業内容について設定する。
・ 施業を進める上で、段階毎の整備方法や目標・基準等を設定する。
(キ)報告書の作成
・ 森林施業の事例調査及び契約地における調査のそれぞれについて、箇所ごと
に地況、林況、施業履歴、現況等を整理する。
・ 当該調査結果を基に、水源林造成事業における天然更新活用の可能性の評価
・分析の結果及び課題等を整理する。
以上について、報告書として取りまとめる。
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事業期間
委託契約締結日から平成 29 年3月 17 日(金)まで。
5 成果品
(1)納入物品
調査報告書
120 部
電磁記録媒体資料
2部(CD-R)
納入する電磁記録媒体資料は、ウィルスチェックを行い、ウィルスチェックに関
する情報(ウィルス対策ソフト名、定義ファイルのバージョン、チェック年月日
等)を記載したラベルを添付して提出する。
(2)納入場所
林野庁整備課業務管理班(別館7階
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ドア№別 721)
過年度の調査報告書の閲覧貸与
入札希望者から申し出があれば、平成 26 年度及び平成 27 年度の調査報告書(写)
を閲覧貸与できるものとする。なお、閲覧貸与期間は、入札書及び提案書等の提出期
限までとする。
7 その他
(1)受託者は、本事業についての打合せを、業務着手段階、現地調査開始段階及び報
告書のとりまとめの段階の3回以上当庁担当者と行うものとし、当庁担当者から求
めがあった場合は速やかに打合せを行うものとする。打合せの内容及び対応方針、
対応状況については、取りまとめの上、当庁担当者へ提出するものとする。
(2)事業の目的を達成するために、当庁担当者は業務状況・進行状況に関して必要な
指示を行えるものとし、受託者はこの指示に従うものとする。指示内容及び対応方
針、対応状況については、取りまとめの上、当庁担当者へ提出するものとする。
(3)受託者は、本事業の実施に当たって、再委託を行う場合は、支出負担行為担当官
林野庁長官の承認を得るものとする。
(4)受託者は、本事業により知り得た情報について、外部に漏らしてはならない。
(5)事業の目的を達成するために、本仕様書に明示されていない事項で必要な作業等
が生じたときは、当庁担当者と受託者が協議を行うものとする。