(梅光園一丁目町内会) [PDFファイル/279KB]

「梅光園一丁目町内会の活動報告」
梅光園一丁目町内会
会長
西田
将晴
氏
【西田氏】
私は昭和54年生まれの36歳になります。梅光園一丁目の町内会長になりまして2年目
になりますけれども、今年の3月末をもって任期を終える予定になっております。
はじめに、梅光園一丁目の町内会について簡単に御紹介させていただきます。現在、会長
1名、副会長1名、会計1名、監査役1名、書記1名、組長2名の計7名の役員がおります。
町内には分譲マンションが4棟、それから賃貸のマンション・アパートが8棟、戸建て、店
舗併用住宅が数軒ありまして、平成26年度現在世帯数が232世帯となっています。会費
は1世帯当たり年額3,600円いただいています。月に換算すると300円ですね。それ
から単身用の賃貸型アパート・マンションは年額1,200円、月100円いただいており
ます。
梅光園一丁目の町内会として、行事や目立った活動というのは何もなく、古くから地域に
住んでいらっしゃる方が、持ち回りで役員を務めてきたという状況にありました。
私の前の会長さんは、高齢の女性でした。この方が24年間ずっと一人で町内会長をやっ
てきたということを聞いてびっくりしたんですけれども、会計も20年以上にわたって同じ
方がずっと担当してきたという状況でした。
町内会もいろいろあると思うのですが、私どもは都市型の町内会だろうと思います。集合
住宅ばかりで特に近所付き合いがあるわけでもなく、毎年役員改選の時期に自薦他薦のお願
いを前の町内会長さんが出していましたけれども、誰も反応がなくて、結局引き続きやらざ
るを得ないという状態だったようです。規約らしい規約もないので総会すら開かれないとい
うことで、ルールがない状態、ルールがない組織でした。会員からすれば「目的も実態もよ
く分からんけど、とりあえず義務感で町内会費だけ払っておこう」「できるだけ関わらない
ようにしよう」という程度のものだったと認識しております。
そもそも、私がなぜ町内会長になったのかという経緯について簡単にお話します。前の会
長さんとの出会いは6年前になります。当時、現在住んでいるマンションの管理組合で僕が
理事長をしていたときに、運悪く、マンションの東側に12階建ての高層マンションの建築
計画が浮上しました。当然日陰になってしまうということで、マンションの住人から反対運
動をやろうという意見が出て、その先頭に立つこととなってしまったのです。私どものマン
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ションの隣に保育園があります。ここの園長先生も当然、子どもたちの環境と安全を守るた
めに、何とか建設を阻止したいということで、マンションの管理組合と保育園が一緒になっ
て建設会社と話し合いを進めていきました。やはり建設会社としてはもう何としてでも建て
たい、こちらとしては中止ほしいということで、ずっと平行線になってしまって、交渉が難
航しました。2011年の6月、福岡市議会に「梅光園一丁目マンション建築計画の中止を
求める請願書」というのを提出いたしました。園長先生と関係者の協力で2万252人もの
署名が集まったのです。すごい数だと思います。この署名簿が誤って廃棄されるという事件
がありました。結構大きく取り上げられたので御存知の方もいらっしゃるかもしれません
が、このときの署名を受理した市議会事務局がシュレッダーをかけてしまったということ
で、大きく新聞で取り上げられました。このような状況の中で、町内会長さんに建設会社と
の間に入っていただこうという流れになり、お世話になったのが前の会長でした。
最終的には、前の会長の働きかけもあり、この建設会社とは、保育園に配慮していただく
などの条件付きで合意し、10階建てのマンションが建ちました。今ではこの10階建ての
マンションも同じ町内会の一員です。
それからというもの、前の会長さんとお会いするたびに「後任の町内会長がいないのでや
められない。役員改選の案内を出しても何の反応もないし、誰かやってくれる人を紹介して
欲しい」というようなお話をいただくようになりました。最後は「何とかあなたやってくれ
んかね」というような話があって、お引き受けしたという流れになります。
もともとは町内会の活動に興味もやる気もなくて、当初の目的はただ一つ、前の会長さんを
解放するという、これだけの目的のために任期2年だけという約束でお引き受けした次第で
す。そうして2014年の4月に梅光園1丁目の町内会長に就任いたしました。できること
は全力で取り組もうと思ってやってきましたが、これまでの活動記録というのは何もない状
態でした。事実上、規約もないし、町内会という組織の役割もそもそも曖昧で、町内会長の
立ち位置もよく分からないので、言うなればなんの武器も持たずに戦場に放り出されたよう
な、そんな感覚でした。
主な活動内容は配布物の受け取り、仕分け、お届けです。それから笹丘校区の「町内会長
会」こういった関係団体の会合への出席です。それから行事、夏祭り、運動会など校区の行
事のお手伝いと参加・出席です。それから総会の実施や役員報酬の見直し、規約の改定とい
うことになります。
一つ一つの活動を通じて、町内会の問題点というのが幾つか分かってきました。まず配布
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物の受け取り、仕分け、お届けに関して。毎月25日前後に翌月分の配布物というのが公民
館のボックスにどんどん溜まっていきますが、公民館の開館時間中にしか受け取れないとい
う問題が一つありました。実際にサラリーマンとしてやっていて、平日の昼間はまず無理な
ので、何とか仕事を早上がりして公民館が開いている夕方に取りにいくか、休日に取りにい
くかということになってきます。当然仕事が遅い日が続くと、配布物を受け取るということ
ができなくなって、配布が遅れてしまうということになってくるのですが、配布物が多い時
期なんかはとてもじゃないけれども一人で持てる量ではありません。これを前の会長さんが
一人で持っていたのかということを疑問に思うぐらいの量で、ちょっとびっくりしました。
また日中は当然仕事があるので、急いで配布しようとするとどうしても配布が深夜になると
いうことが多かったです。実際、僕も仕事から帰ってくるのが、夜の10時ぐらいです。そ
れから仕分けをして配っていくのですが、本当に遅い日は、あまりよくないんですが、深夜
2時ぐらいとかに配ったりしていました。深夜、アパートなんかに配っていると、若い女性
と鉢合わせをしてしまって、ちょっと声を出されてしまったとか、不審者扱いされたことも
ありました。また、チラシ投函のアルバイトだと思われて、「お前何配っとるんや、そのチ
ラシ何や」ということで絡まれたということもありました。深夜なので説明しても余り納得
してもらえないのですが「町内会長です」と言ったら、「おう御苦労さん」ということで、
そういう絡まれ方をしたこともありました。配布物の受け取り、仕分け、お届けが非常に負
担だなと感じました。お金を払って業者に頼んでもいいのではないかという気がしていま
す。
それから関係団体の会合への出席ですね。校区の町内会長会、全19の町内会があります
けれども、構成する一員として月1回の会合に出席をしております。そのほかにも自治連合
会、社会福祉協議会といった会合にも出席させていただきました。まず感じたのは、新人に
は分かりにくい組織だなということでした。やはりベテランの方が非常に多くて、「例年ど
おりこれでいきましょう」という雰囲気で物事がどんどん決定されていくように感じます。
やはり世代交代、若返り化が非常に重要だろうなと実際に経験して思いました。こういった
ところに、積極的に市町村の担当職員の方にも介入をしていただいて、組織改革を促してい
ただけると非常にいいんじゃないかなと個人的には考えています。
それから校区行事に幾つか参加させていただきました。笹丘校区には大きな夏祭りという
のがあります。夏祭りの準備は2日間にわたって設営の準備と後片づけ、それから子ども会
と連携して運動会の準備もさせてもらいました。校区の高齢者を対象にした食事を配るよう
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な配食会などのお手伝いも民生委員さんと協力してさせていただきました。
こういった会合や行事に参加して思ったのが、詳しい事前説明がなくて、とりあえず行っ
てみたものの無駄足だったなと感じることが多かったです。
それから事実上の総会として意見交換会を開催し、規約の改定を昨年の10月1日付で行
いました。それまではルールがない状態だったので、総会の定義がなく、とりあえず意見交
換会という名前で、規約を改定するために一回みんなで集まって意見を出し合おうという趣
旨のもとでやりました。出席者は、14名の新旧役員を除くと会員は5名だけという状態で、
事実上の総会をやりますよと言っても結局集まる人はいないということです。ある程度状況
は読めていましたが、ここまでかということで非常に残念でした。
もうひとつの主な活動内容として役員報酬の見直しと規約の改定を行いました。これはベ
テラン役員による町内会の私物化、それから現状維持で良いという風潮、言い換えると「諦
め感」があり、規約の改定が必要だろうなということで実施しました。そもそも役員の輪番
制のルールがないことが問題だと感じていたので、これを導入しようということで規約に役
員の輪番制を入れました。もともと最初に会長の仕事を引き受けたときに、「全部あなたに
任せるから好きなようにやってください」と言われました。せっかくやるからには、僕も何
か爪あとを残したいなとこっそり思っていましたが、個人で勝手に考えたテーマが「現役の
サラリーマンでも参加できる町内会を作る」ということ。もう一つが、町内会というとどう
しても高齢者とか子どもというイメージが先行しますが、「若い世代に興味を持ってもらえ
るような活動をしていく」ということでした。
誰でも町内会の役員として活動ができるということをまず自分がやってみて、身を持って
証明をした上で役員の輪番制を導入するということを目標に掲げてやってきました。逆に言
うと、できないことはできないと割り切って、あえて無理はしないようにしようということ
で取り組んできました。無理はしないようにということで、配布物の配布をちょっとずるず
る引っ張ってしまって遅れてしまったこともあったのですが、やはり配布物が遅いというこ
とでクレームが入ったりしました。なので、無理はしないようにと言いながら、若干無理を
しながらも頑張ってきたというところです。やってみてまず感じたのは、町内会の私物化、
それから役員のやる気のなさ、無力感ですね、そういった状況でした。こんなことをやりた
いと思っていることを相談しても「誰も町内会には期待してないし、何も求めてないです。
あなたも初めての会長で大変だろうから、1年目はとりあえずおとなしくしておきなさい」
とたしなめられました。
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他にもいろいろとおかしいなと思うことはいっぱいあって、規約に謳っていないことを
「慣例だから」とか、「ほかの町内もやっているから」というようなことで、平然とやって
いたことに驚いてしまって、まず最重要課題は規約の改定だろうという考えに至りました。
規約の改定という平たい言葉をあえて使っておりますけれども、実際は新設です。前の規約
には役員手当が書かれてあるだけでした。実際、規約を改定しようとすると、総会で議決を
得る必要があると思いますが、そもそもルールがない状態だったので事実上の総会という位
置づけで、全体で意見交換会を開催するというところから始めた次第です。
町内会規約改定までの流れですけれども、近隣の町内会長さんにまずお話を聞きました。
これは非常に自治連合会があってよかったなと思いました。他の町内会長さんと知り合うき
っかけがなければ、まずできなかっただろうなと思います。それから様々な町内会の規約も
参考にしながら、若い方にも興味を持っていただけるような仕組みづくりを意識して改定案
のたたき台を作りました。沢山の方からアドバイスをもらって、区役所の地域支援課にその
内容をチェックしていただいて、改定案として役員に提案をいたしました。役員報酬の見直
し案を巡って、ある役員と意見が衝突してしまい、その役員が突如辞めてしまう事態になっ
てしまいました。規約の改定とともに、副会長と書記を新設しようと考えていたため、全部
で3人の役員候補を自力で探さないといけないという窮地に陥りました。この時は、自分が
住んでいるマンションの方に救われました。以前、管理組合の役員を一緒にしていた仲間に
事情を説明して、何とか役員3人を探すことができました。これには本当に助けられました。
そうやって、役員の人数をそろえることができ、そこから事実上の総会に突入するというこ
とになりました。結果、全会一致で全ての規約の改定案が承認されました。
町内会長になってよかったこと、苦労したこと、課題ですけれども、非常にたくさんの方
々に助けていただいたなということです。人と人との結びつきというのを実感することがで
きました。また地域に顔見知りができて、すれ違いざまに挨拶するということも増えました。
こんなこと以前は本当に考えられなかったです。近所のスーパーへ行くたびに声をかけられ
たり、挨拶をしたりと、こんなに気持ちよく地域で生活できるとは思っていなかったので、
町内会長やってみてよかったなと、率直に思いました。自分一人では町内会の仕事を抱えて
しまうことが多かったので、これからは業務分担が必要だろうなと思います。
マンション、アパートなどの集合住宅からの町内会費が、世帯数と合わないという問題が
今発生しています。管理会社が一括して集合住宅から集金をしてくれて、それを振り込んで
もらっていますが、実際にそのマンション、アパートに今何世帯入っているのかというのを
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ちょっと知る術がなくて、その世帯数と本当に合っているのというのが問題点としてあるん
ですけれども、実際は合っていないようです。マンションに住んでいる方、いろいろとヒア
リングしていますけれども、これは合わないのでどういう流れで合わなくなっているのかと
いうのを検証しています。ある町内会長さんに聞いたところによると、マンション、アパー
トは人の出入りがあり、世帯数が変動しやすいから、1年間につきこの金額ということで、
もともと口約束で設定していることもあるかもしれないという話がありました。ただ、見方
によっては管理会社のポケットに入ってしまう可能性もあるので、そこをこれから整理する
必要はあるかなと思っています。
それから私のように初めて町内会長を経験する人をサポートする仕組みというのは必要
だろうなと思いました。高齢化する自治会の限界と書いていますけれども、失礼な話ですが、
高齢者の話は理解するまでに時間がかかるというか、正直ちょっと分かりにくいということ
があります。町内会の活動内容を一部の人しか知らないということも課題ですね。情報共有
の仕組みをつくる必要があるなと思いました。会長さんによっては町内会新聞をつくってい
らっしゃる方もいますし、いろいろな手段で情報共有に取り組んでいる方もいますけれど
も、ここら辺をうまく回していく仕組みづくりをしていく必要があると感じました。
それから町内会とは別組織ですが、子ども会、民生委員、ここら辺の役割分担が非常に曖
昧だなと思っています。町内会の意義、目的って何なのというところは非常に不明瞭だなと
感じました。それから日常生活の中で自治会の必要性を感じる機会がないというのも一つの
問題かなと思いました。逆に言うと平和だと思うのですが、町内会に関心を持ってもらえる
ような仕組みづくりが必要だろうなと思いました。
「町内会を活性化させるためには」が今日の一番のテーマだと思います。町内会役員の仕
事は、人間関係が面倒で大変だろうなという印象がやはり根底にあって敬遠されがちだと思
います。もしベテラン役員がいて、空気が悪い状態であれば、まずは世代交代を促していく
ということ、若い世代が気軽に参加できるような組織にしていく必要があるなと思いまし
た。誰のための町内会なのかということですね。何のための町内会なのか、まずこのことを
町内会がしっかりと考えるきっかけをつくっていくことが大切だと思います。意味のない自
治会には誰も協力しないですし、興味も持ちません。なので、もう惰性で継続しているよう
な役員会というのは一度解体しないとだめだろうと思います。若者でなくてもいいので、ま
ずは役員を一掃して空気を入れ替えるということ、そうやって新しい組織にしていくという
ことが一つの手段として考えられると思います。そして、新人の会長が孤立しないようなフ
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ォロー体制の整備をお願いしたいです。私のほうからは以上です。ありがとうございました。
【十時氏】 西田さんに一言お聞きします。やはり町内会長になられたのはある意味では危
機感、マンション問題という地域の共通の課題があったからということで、それがないとど
んなやり方でも理解しにくかったということですね。やはり前会長さんと一緒に動く機会が
あったと。
【西田氏】 そうですね。
【十時氏】 そうですよね。そこら辺でこういう機会を楽しまれて、皆さんには町内会長も
楽しいですよという話もあるということですか。
【西田氏】
楽しいというとちょっと語弊があるかもしれませんけれども、達成感みたい
なものはあります。
【十時氏】
達成感。スーパーに行ってみんなに声かけられるというのは、非常にやりが
いもあるということですね。ありがとうございました。
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