企業の配偶者手当の行方 - 税理士法人たかはし事務所

ワンポイント TAX∼今日の ちょこっと
〒812-0061
2016 年 5 月 30 日(月)
福岡市東区筥松 2-28-26
税理士法人たかはし事務所
TEL 092-621-6320
FAX 092-621-6442
Email [email protected]
企業の配偶者手当の行方
見直しの時が来そうな配偶者手当
4 月から女性活躍推進法も施行され女性
の就業環境も広がりつつあります。今まで
は税制・社会保障制度に沿い、配偶者の女
性がパートタイマー等で就労し労働時間を
抑制してきた点はあったと思います。2015
年 11 月 26 日に出された「一憶総活躍社会
の実現に向けて緊急に実施すべき対策」で
制度のあり方を検討する事が明記されまし
た。厚労省にも女性の活躍推進に向けた配
偶者手当(家族手当、扶養手当等)のあり方
に関する検討会が設置されました。
検討会報告書の討議
4 月に公表された報告書では「社会実情の
大きな変化の中で、税制や社会保障が就業
調整の要因になっている」として「企業が
支給する配偶者手当(配偶者の収入要件が
ある配偶者手当)は働き方に中立的な制度
となるよう見直しを進める事が望まれる」
としています。
配偶者手当を支給している企業の割合は
独立行政法人労働政策研究・研修機構の
2014 年 8 月の調査によれば、常用労働者へ
の手当では「通勤手当等」
(89.8%)、
「役付
手当等」
(66.2%)に次いで「家族手当・扶
養手当」(47.0%)が支給されています。
配偶者手当支給に収入条件の有無は分か
りませんが、少し古い 2001 年内閣府調査の
データでは、家族手当を支給する企業が
83.5%、内 61.5%が配偶者の収入を条件と
しています。78.4%が税制上の配偶者控除
が適用される年 103 万円を基準としている
と言う事です。
自社の賃金制度はどうなっていくのか
先の検討会報告では従業員構成、家族構
成の変化に対応し手当を変更して行くだろ
うとしています。しかし賃金制度は従業員
の生活に関わることです。人材確保、生産
性の向上等企業の存続に影響する重要な問
題も絡んでいます。若い女性の多い職場、
また、これからの若い人に活躍してほしい
職場は、手当の付け方、賃金制度の名称も
モチベーションの上がる魅力的な制度にな
るよう考えて行く必要があるでしょう。
扶養する夫、
される妻の
形態が変わ
るかもしれ
ませんね