Ⅵ 社会 科学 習指導 計画 学 級 1 年C 組 3 8名 授 業 者 嵯峨 隆 之 共 同 研究 者 外池 智 Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅴ 単 元名 と 指導 のポ イン ト 「世 界 の諸 地域 ア ジア 州 」 主 ○ ~資 料を 通し て, 産 業の 発展 の要 因 を探 る~ 目 標 (1) ア ジ ア 州 の 地 域 的 特 色 に 対 す る 関 心 を 高 め , 意 欲 的 に 追 究 し , 他 の 地 域 と の 関 わ り に 気 付 こ う とし て いる 。 (2) ア ジ ア 州 の 地 域 的 特 色 に つ い て , 自 然 及 び 社 会 的 条 件 と 関 連 付 け て 考 察 し , 理 解 し た こ と を 自 分の 言 葉で 適切 に表 現す る こと がで きる 。 (3) ア ジ ア 州 の 地 域 的 特 色 に つ い て , 様 々 な 資 料 か ら 有 用 な 情 報 を 読 み 取 り , 関 連 付 け て 考 え , 図 表な ど で適 切に 表現 する こ とが でき る。 (4) ア ジ ア 州 の 地 域 的 特 色 に つ い て , 自 然 及 び 社 会 的 条 件 と 関 連 付 け た 人 々 の 生 活 の 様 子 や 産 業 の 変容 に つい て理 解し てい る 。 生 徒に つ いて 明るく元気な生徒が多く,入学当初の教科に関するアンケートの結果から,社会科を「好き」 と答えた生徒は8割を超えており,学習に意欲的に取り組むものと考える。また,アジア州に関 す る 知 識 と し て は ,「 人 口 が 多 い 」,「 広 い 」 な ど 地 図 上 か ら 得 ら れ る 情 報 に 関 し て は 深 い 知 識 を 得ていると思われるが,地域ごとの特色やその背景にある社会の問題にまで関連付けながら理解 することは不十分であると思われる。そのため,多様な見方ができるような資料を準備し,導入 で問いの共有化を図っていく。その上で,仲間と関わり合いながら社会的事象の背景にあるもの を解決することを通して,社会的な見方や考え方を身に付けさせ,社会に主体的に参画する態度 を育 てた い 。 単 元に つ いて 本単元は,世界の各州に暮らす人々の生活や産業など,地域的特色を概観することを通して, 各地域の基礎的・基本的な知識と,今後の学習に活用できる見方や考え方を身に付けさせる単元 であ る。ア ジア 州は 世界 で も多 くの 人口 を有 し,多 様な 生活 や宗 教,経 済の 発展 の様 子が 窺 える。 既習事項を生かして考え,アジア州における多様な地域的特色に自ら気付くことで,多面的・多 角的な視点を備えることができる。また,広いアジア地域の地方的特殊性だけでなく,一般的共 通性についても考察することで,世界各州の学習においてもその特色を理解することができる。 さら に,アジ ア州 と日 本 社会 との 関わ り に触 れる こと で,グロ ーバ ル化 が進 む 現代 社会 にお い て, 他国 の人 々 と協 調し てい く必 要 性や 方向 性を 自ら 考え る こと がで きる と 考え る。 社 会に 参 画す る主 体の 育成 を 目指 して 社会に主体的に参画するためには,自らの考えをしっかりと形成することが必要である。その ために,社会科では問いの共有化を確実にすることを重視してきた。本年度は特に,導入で提示 する資料をより切実感のあるものにし,具体的な予想をさせることで,内発的問いを引き出すこ とに力を入れたい。授業ではそれらを板書で整理・可視化することで,全員が解決の見通しをも って課題解決に向かえるようにしたい。また,終末においては学習のまとめを自らの言葉で表現 し,お互 いに 発表 し合 う 活動 を取 り入 れ るこ とで,協 働的 な学 習に よる 理解 の 深ま りを 実感 さ せ, 共に 考え た こと への 満足 感を 味 わわ せる よう にし たい 。 全体 計画 ( 総時 数7 時間 ) な 学 習 活 動 指 導 の 手 立 て ア ジ ア 州 の 自 然 環 境 , 人 口 , 文 化 ○ アジ ア州 の 特 色 に 気 付 く こ と が でき る よ う の各資料から,アジア州全体の地域 に ,統 計資 料 や 写 真 資 料 , 雨 温 図 など の 各 種 的 特色 につ いて まと め る。 資 料を 準備 する 。 ○ これ まで の 既 習 事 項 や 身 近 に あ るア ジ ア 製 品 を使 い, 単 元 の 学 習 に 対 す る 問 いを 立 て さ せ る。 時数 1 ア ジア 州の 国々 はど のよ う に経 済発 展を し てき たの だろ うか 。 ○ 中 国 に お け る 工 業 化 が 進 ん だ 理 由 ○ 中国 の工 業 化 , 経 済 発 展 の 背 景 に気 付 く こ を調べ,中国の人々が抱える課題を と がで きる よ う に , 人 口 の 変 化 や 国の 掲 げ る 考 える 。 政 策に 関す る資 料を 準備 す る。 ○ 発展 を遂 げ た 中 国 社 会 が 抱 え る 問題 に 気 付 く こと がで き る よ う に , G D P な どの 資 料 を 基 に話 し合 わせ る。 1 ○ 中 国 の 経 済 発 展 と 比 較 し な が ら , ○ 中国 の発 展 と の 共 通 性 だ け で な く, イ ン ド インドの経済発展の背景を,資料か 独 自の 発展 の 背 景 に 気 付 く こ と が でき る よ う ら読み取り分かったことと関連させ に 資料 を準 備す る。 て 考え る。 ○ 経済 発展 の 陰 に あ る 問 題 に 気 付 くこ と が で き るよ うに , 導 入 部 で の 資 料 に 工 夫を 加 え 再 提 示す る。 1 本時 3/7 1 ○ 東 南 ア ジ ア 諸 国 の 工 業 発 展 を , 他 ○ アジ ア諸 国 の 工 業 製 品 が 国 内 に も広 ま っ て のアジア地域と比較しながら調べ, い るこ とに 気 付 く こ と が で き る よ うに , 実 物 そ の特 色と 課題 につ い て考 える 。 資 料を 準備 する 。 ○ 工業 発展 の 陰 に は 貧 富 の 差 の 問 題が あ る こ と に気 付く こ と が で き る よ う に , 写真 資 料 な ど を準 備す る。 ○ 韓 国 や 台 湾 に お け る 工 業 化 に つ い ○ 韓国 や台 湾 の 工 業 化 の 特 色 に 気 付く こ と が て,自然及び社会的条件と関連付け で きる よう に , 過 去 と 現 在 の 貿 易 資料 や 日 本 て 考え る。 の 工業 発展 の様 子と 比較 し て考 えさ せる 。 1 1 ○ 西 ア ジ ア や 中 央 ア ジ ア 地 域 の 工 業 ○ 他の アジ ア 地 域 と 自 然 環 境 な ど が異 な っ て 発展について,自然及び社会的条件 い るこ とに 気 付 く こ と が で き る よ うに , 資 料 を 踏ま えて 特色 をま と める 。 を 準備 する 。 1 ○ ア ジ ア 州 の 工 業 発 展 の 共 通 点 や 相 ○ アジ ア州 の 各 地 域 の 発 展 に は , 共通 点 や 相 違点を通して,アジアの経済発展と 違 点が ある こ と に 気 付 き , ま と め るた め の ワ 地域の関連をまとめ,未来のアジア ー クシ ート を準 備す る。 州 につ いて の自 分の 意 見を 考え る。 ○ アジ ア州 全 体 を 振 り 返 り , 話 合 いを 通 し て 様 々な 考え 方に 気付 かせ る 。 Ⅶ 1 本 時の 計 画 ねら い ○ インドが経済発展してきた背景について,調べたことを基に考察し,理解したことを自分 の言 葉 で表 現す るこ とが で きる 。 2 展 問 い の 練 り 上 げ ・ 課 題 設 定 課 題 追 究 ・ 問 い 直 し ま と め ・ 振 り 返 り 評 価規 準 ○ インドが経済発展してきた背景について,調べたことを基に考察し,理解したことを自分 の 言葉 で 適切 に表 現し てい る。 開 =評 価 学 過程 3 習 活 動 予 想 され る生 徒の 姿 指 導 の 手 立 て 1 資料からインドの経済発展の様子を つ かむ 。 ○ 「日本よりも自動車の保有台数がもの凄 く 伸 びて いる。」 ○ 「どうしてこんなにもインドは急に増加 し て いる のだ ろう か ?」 ○ 2 インドが急激に経済発展した背景に つ いて 予 想す る。 ○ = 目 指す 生徒 の姿 期待 され る 生徒 の姿 イ ン ド が 経 済 発 展 し て い る こ と を視 覚 的 に に 捉 え さ せ る た め に , 自 動 車 保 有 台数 の 各 国 の 比較 資料 を提 示す る 。 ○ 資料からインドの急激な発展に気付き,疑 問 をも って いる 。 ○ 中 国 と 比 較 さ せ る こ と で , 共 通 の発 展 し た 背 景が ある こと に気 付 かせ る。 ○ 急 激 に 発 展 し て い る 点 に 絞 る こ とで , イ ン ド 独 自 の 発 展 し た 背 景 が あ る こ と にも 気 付 か せ る。 ○ 黒 板 に 予 想 し た 意 見 を 整 理 す る こと で , 課 題 解決 への 見通 しを も たせ る。 ○ 中国と同じ条件以外にも,インドが急激に 発展している背景を積極的に考え,調べる意 欲 を高 めて いる 。 ○ 「中国と同じように安い労働力がたくさ ん あ り,外国 企 業が イン ドに 進出 した の で, 経 済 発展 して いる の では ない か。」 ○ 「インドは英語や数学の学習が盛んなた め,IT関係の産業が伸びているのではな い か。」 ○ ペ ア や グ ル ー プ な ど の 学 習 形 態 を選 択 さ せ る こ と で , よ り 主 体 的 に 学 ぶ こ と がで き る よ う にす る。 ○ 予 想 を よ り 丁 寧 に 検 証 で き る よ うに す る た め , 経 済 成 長 率 の 変 化 や 自 動 車 の 生産 台 数 の 変 化な どの 資料 も準 備 する 。 ○ 積極的に調べたり意見交換したりして,小 集団内で意欲的に活動し,課題を解決しよう と して いる 。 ビ ル と ス ラ ム 街 の 写 真 を 提 示 し ,ま た , 自 動 車 保 有 台 数 の 資 料 に 数 字 を 入 れ たも の を 再 提 示 す る こ と で , 経 済 発 展 に 関 す る陰 の 部 分 に も気 付か せる 。 ○ 仲間の意見を積極的に聞き,参考にするこ とで,自らの疑問を解決したり,新たな疑問 を 見出 した りし て いる 。 本 時 の ま と め を 小 集 団 内 で 発 表 させ る こ と で , 理 解 の 深 ま り に 対 す る 満 足 感 を得 ら れ る よ うに する 。 ○ 全 体 の 場 で も 共 有 す る 場 面 を 設 定し , 仲 間 の よさ を賞 賛す る機 会 を設 定す る。 ○ 自分の考えを積極的に発表し,次時の学習 や解決すべき課題解決への意欲が高まってい る。 「インドは中国と同じように,人口が多 く,面積も広いので経済発展したのではな い か。」 ○ 「中国と同じように日本の会社もたくさ ん 進 出し たか らで な いか。」 ○ 「インドは教育力が高いので,そこを生 か し た発 展を して い るの では ない か。」 インドはどのように経済発展してきたのか。 3 資料 を 基に 予想 につ いて 検証 す る。 4 調べた結果を基に,仲間の意見を聞 き 合う 。 ○ 「インドは中国と同じ位経済発展してい て,今後はもしかして中国を越すかも知れ な い。」 ○ 「インドは急激に発展しているが,そう だと 言え ない 部 分が ある ので はな いか 。」 ○ 5 自分の考えた結論をグループで発表 し 合い , 本時 のま とめ をす る。 ○ ○ インドが国として経済発展していること だけでなく,スラム街の存在から国民一人 一人の生活の向上の課題があることに気付 い て いる 。 ○ 経 済発 展し た陰 に 存在 する 問題 に気 付き, そ の 理由 につ いて 考 えよ うと して いる 。 インドが経済発展してきた背景について, 調べたことを基に考察し,理解したことを自 分の言葉で適切に表現している。 「問いの共有化」により出てきた課題に対 して,協働して調べ,意見交換する中で,主 体的に学習に取り組むことができる。
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