ベトナム党大会を前に経済,外交面で成果

2015年のベトナム
党大会を前に経済,外交面で成果
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ま
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石 塚 二 葉・藤 田 麻 衣
概 況
₂₀₁₅年は,年内に ₄ 回の党中央委員会総会が開催され,₂₀₁₆年 ₁ 月に予定され
る第₁₂回共産党全国代表者大会
(党大会)
の準備が進められた。とくに党指導部人
事の行方をめぐってはさまざまな噂や真偽不明の情報がインターネット上に氾濫
したが,党中枢における議論や決定は従来通り密室のなかで行われた。年初の党
中央委員会第₁₀回総会では,次期指導部人事の行方を占ううえで注目された党政
治局員,書記局員に対する信任投票が実施されたが,その結果は公表されなかっ
た。党書記長をはじめとする「四柱」といわれる ₄ つの主要職位の候補者は年内
に固まらず,₂₀₁₆年の年明けに党中央委員会第₁₄回総会を開催して決定すること
となった。党大会の日程は,₂₀₁₆年 ₁ 月₂₁~₂₈日と決定した。
経済は,世界的な混乱の影響を最小限に抑えて,マクロ経済の安定を維持しつ
つも6.₆₈%という高水準の成長率を達成し,本格的な回復を裏付けた。数々の国
際経済統合の枠組みが合意や実施に至ったことによって企業の競争力強化の必要
性がいっそう高まり,政府は経営環境を改善するための法制度整備を進めた。 ₅
カ年計画の最終年であることから,かねてから遅延が目立っていた国有企業改革
や金融企業改革においても,₂₀₁₅年までの目標達成に向けて前進がみられた。し
かし,数値目標の達成を急ぐあまり改革の質が犠牲にされたという側面も否めな
い。いずれも抜本的な解決は先送りされた格好となった。
₂₀₁₅年は,中国との国交樹立₆₅周年,アメリカとの国交正常化₂₀周年に当たり,
この機にグエン・フー・チョン党書記長は自ら両国を訪問して,それぞれの二国
間関係の重要性を誇示した。とくに,ベトナム共産党書記長のアメリカ公式訪問
は史上初めてであり,近年の南シナ海における緊張の高まりを背景とする両国関
係の急速な進展のひとつの到達点を示すものとして,歴史的な意味をもつと評価
できる。
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