ロシア:石炭商品取引所構想 2016 年 6 月 2 日掲載 5 月 17 日の現地報道によれば、エネルギー省はロシア連邦における石炭及び製品の商品取 引所メカニズム策定作業について 300 万ルーブルのテンダーを 6 月 10 日に実施する。納期 は 10 月 30 日。商品取引所における石炭売買メカニズムの策定は、2030 年までの石炭産業 発展プログラムに課題として記載されている。この作業の中で商品の規格統一基準が策定さ れることが期待される。 現在ロシア国内の取引は直接契約で行われている。政府は 2015 年末から、石炭を取引する 企業に対し、契約の登記を義務づけた。サンクトペテルブルグ商品取引所で、前年生産量が 100 万 t 以上のコークス炭、ハードコール、褐炭、無煙炭に関して、6 万 t 以上の取引所外 契約の登記が行われている。同取引所のデータによれば、2015 年中に 16435 件の契約(65 社が参加)により、2014 年比 18%増の 3 億 5700 万 t の石炭が販売された。 アナリストによれば、現在ロシアの石炭分類システムは国際基準と異なっており、中でも 灰分及び硫黄分の含有率を考慮していないことが問題であるが、輸出向け石炭の大部分は、 欧州の Standard European Coal Agreement の要件を満たしている。取引所での石炭売買は、価 格を国際平均価格に近づけるというポジティブな影響を与えるが、他方石炭企業にとっては、 現在のルーブル下落効果によって供給量が増大し市場におけるシェア拡大が進んでいる状 況を維持することも重要である。 SUEK 社の営業部長は、発電所ごとに必要とする石炭の品質は異なっており、石炭は本質 的に取引所での売買に向いた商品ではない、より現実的なのは、取引実績の情報分析結果を もとに、国内市場における価格インデクスを提示することだと述べている。 (モスクワ事務所 屋敷 真理子) おことわり:本レポートの内容は、必ずしも独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構としての見解を示すもので はありません。正確な情報をお届けするよう最大限の努力を行ってはおりますが、本レポートの内容に誤りのある可能 性もあります。本レポートに基づきとられた行動の帰結につき、独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構及びレ ポート執筆者は何らの責めを負いかねます。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、独立行政法人石油天然ガ ス・金属鉱物資源機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。
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