浜野喜史の 今 をお伝えします! 最近の国会活動 ∼第 190 回通常国会をふりかえって 第 190 回通常国会(1 月 4 日から 6 月 1 日)では、私は新たに議院運営委員会の理事を拝命し ました。また、引き続き、環境委員会と震災復興・原子力問題特別委員会にも所属しています。 議院運営委員会理事として 議院運営委員会理事会は、テレビで中継される予算委員会などとは異なる地味な存在ですが、院 の運営全般に関わる大きな権限を持っています。とりわけ、本会議の審議日程や議案の設定を担っ ており、議院運営委員会理事会の了承がなければ、予算や法案など、どんなに重要な案件であって も審議に入ることさえできません。他にも、今国会においては、北朝鮮の核実験への非難・抗議声 明など、与野党を超えて賛同を求める決議も行いました。 国民の原子力への信頼回復のために 環境委員会と震災復興・原子力問題特別委員会では、原子力 規制委員会・規制庁への質問を通じて、科学的・技術的見地に 立った公正な原子力規制行政の実現を求めています。職場がど んなに努力を重ねても、原子力規制委員会がきちんと職責を果 たし、丁寧な説明を行っていかなければ国民の原子力への信頼 は回復しません。 今国会で取り上げた課題のうち、主なものをご紹介します。 日本原電敦賀発電所の敷地内破砕帯評価に新たな問題 この評価書については、以前の国会から何度も取り上げています。 これまでは、事業者の意見を聞くことなく評価書が取りまとめられたり、有識者が文案を最終的 に了承した記録が残っていないなどのずさんな作成プロセスの問題を追及してきました。今国会で の質疑を通じて、有識者からの提起もなしに、事務局が発電所の将来を左右しかねないもっとも重 要な結論部分の書き換えの提案を行ったばかりか、その書き換えの材料としてきたピアレビュアー のコメントは、今回の評価の対象である 2 号機ではなく、1 号機に関するコメントであったことな ど、新たな問題が判明しました。 北陸電力志賀発電所の敷地内破砕帯(シー ム)評価にも疑問 この評価書も、事業者の科学的な調査結 果を踏まえることなく「(断層が)活動した と解釈するのが合理的」とする結論が取り まとめられています。今後、新たに適合性 審査で議論されることになりますが、評価 書をもとに審査を行うのではなく、事業者 と十分なコミュニケーションを取りなが ら、白紙の状態から科学的・総合的な審査 を行うべきであると指摘しています。 原子力発電所の 40 年運転制限の見直しに向けて 現在、原子力発電所は運転開始から 40 年経てば原則的 に停止しなければなりません。この 40 年という年数に 科学的根拠はなく、国会審議においても「規制委が専門 的な観点から検討する」という趣旨の説明がされていま す。ところが、規制委発足から 3 年が過ぎても全く議論 は行われていません。さらには、田中俊一委員長は本年 4 月に記者会見で「40 年は法律で決められた条件だから、 議論してもしょうがない」という趣旨の発言をしていま す。私はこの明らかな問題発言を問い、 「今後の検討課題 である」旨を改めて田中委員長に確認しました。 関西電力高浜発電所の運転差し止めへの責任ある見解を求める 3 月 9 日に、大津地裁は高浜発電所の運転を差し止める仮処分決定を下しました。この決定は世 界最高レベルとされる新規制基準を「公共の安寧の基礎とはいえない」とするなど、これまでの原 子力規制行政そのものが否定されています。「新規制基準に責任ある原子力規制員会として、国民 に説明する義務があるのではないか」と田中委員長に見解を問いましたが、「司法の判断であり、 コメントできない」と逃げの答弁が繰り返されるばかりでした。そこで、最終的には、あくまでも 一般論として、仮処分決定文における事実誤認を明確にした資料を引き出しました。 現実的・実効的な地球温暖化対策の推進を主張 今国会では、地球温暖化対策の推進に関する法律の改正案 に関する審議が行われました。私は 環境省に「地球温暖化対策として、原子力の活用をしっかりと位置づけるべき」と主張しました。 また、多くの方から懸念が示されている計画内の「2050 年に温室効果ガスを 80%削減」とい う長期目標や、排出量取引制度についても問題を指摘し、科学的知見の蓄積を踏まえて目標設定を 見直すことや、経済・産業活力を維持・強化しつつ、イノベーションを生み出していくことの重要 性を指摘しました。 真正面からの取り組みを続けます 今の我が国は、人口減少時代の入り口に立ち、大きな転機を迎えています。 このような時こそ、先人の築き上げた優れた社会・制度を次世代に継承していくために、人気取 りに陥ることなく、変えることばかりを訴えることなく、非現実的な理想に走ることなく、責任あ る政策を遂行していくことが必要です。 私も、間もなく任期の折り返しを迎えます。引き続き、皆さまから御意見を頂きながら、真正面 からの取り組みを進めてまいります。 浜野喜史、こんな人です 昭和 35 年 12 月 21 日兵庫県生まれ、神戸大学経済学部卒業 昭和 58 年 4 月 関西電力株式会社入社 平成 9 年 6 月 関西電力労働組合本部書記長 平成 11 年 9 月 全国電力関連産業労働組合総連合事務局長 平成 17 年 9 月 全国電力関連産業労働組合総連合会長代理 平成 25 年 7 月 参議院議員初当選 現在は環境委員会・東日本大震災復興及び原子力問題特別委員会委員、 議院運営委員会理事。
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