プレスリリース 2016年6月1日11:00(日本)/02:00(協定世界時)まで公開禁止 Nikkei日本製造業PMI™ 業況の悪化、過去3年強で最も急激 主な動向 Nikkei日本製造業PMI 主要指数PMI、過去40ヶ月の最小値に 50 = 前月比で変化なし、季節調整済み 増加の勢いの拡大 60 生産高は過去25ヶ月、新規受注は過去41ヶ月 の最大幅で減少 新規輸出受注の減少、2013年1月以降で最大 55 50 45 40 概要 35 2016年第2四半期半ばの今回、日本の製造業はなお 改善の兆候が見られず、生産高と新規受注がいずれ も前月を上回る勢いで減少した。調査対象企業によ れば、国内製造業の一拠点である九州で発生した連 続大地震がなお業況に影響を及ぼしている。 新規受注総数(国内+海外)の大幅減は、外需の急 激な減少も理由だった。このため製造業は3ヶ月連 続で購買数量を削減した。一方、雇用は引き続き増 加したが、勢いは前月を下回った。価格面では、原 材料の値下がりで購買コストが引き続き下落し、こ こから製品価格も6ヶ月連続で下落した。 TM 主要指数であるNikkei日本製造業購買担当者指数 TM (PMI) は、製造業の業況を単一の数値で表す複 合指標である。新規受注、生産高、雇用、サプライ ヤー納期、購買品在庫という複数のサブインデック スから算出されており、数値が50.0を上回れば業況 の全般的改善を示す。 主要指数のPMIは5月は47.7で、4月の48.2から下落 した。ここから、日本の製造業の業況が前月より大 幅な勢いで悪化したことが示された。また今回の値 は2013年1月以降で最小だった。背景にあったのは、 生産高、新規受注、購買品在庫の急減である。 日本の製造業の生産高は5月に、2014年4月以降最 大の勢いで減少した。調査対象企業は、連続大地震 の影響が生産高に響いたと回答した。他に、外需の 減少が生産高の落ち込みにつながったとの回答もあ った。 Page 1 of 4 30 減少の勢いの拡大 25 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 出典:Nikkei、Markit 生産高の急減と並び、新規受注も著しく減少した。 新規受注総数(国内+海外)の減少は過去41ヶ月 で最も大幅だった。その要因として連続大地震を指 摘したところが多かった。またデータが示す通り、 外需の減少が新規受注総数の減少の背景にあった。 新規輸出受注は2013年1月以降最大の勢いで減少し た。 業況の悪化にも関わらず、製造業の雇用は増加した。 しかし増加率は過去3ヶ月で最大だった4月から後 退し、8ヶ月に及ぶ現在の連続増加期間の平均を下 回った。 購買コストは、対ドル円高で輸入原材料コストが下 がったため減少した。このため製造業は製品価格を 引き下げた。調査対象企業はまた、競争の激化及び 顧客との価格交渉も、製品値下げの理由に挙げた。 コメント 当 調 査 を ま と め た Markit エ コ ノ ミ ス ト 、 Amy Brownbillによる日本製造業PMI調査データに関す るコメント 「国内製造業の一拠点である九州で発生した連続大 地震から、製造業は深刻な影響を引き続き被ってい る。2016年第2四半期半ばの5月、生産高と新規受 注がいずれも急減した。海外需要の著しい減少もま た新規受注総数(国内+海外)の減少の要因であり、 輸出が2013年1月以降最大の勢いで減少した。 しかし明るい材料を探せば、製造業は引き続き雇 用を増やしており、数ヶ月後には業況が改善に向か う可能性もある。また対ドル円高で輸入原材料コス トが低下しため、製造業の購買コストは削減され た。」 - 以上 - Page 2 of 4 Nikkei日本製造業PMI™は 、 の支援を受けています Nikkei(日本経済新聞社)は新聞発行を軸にした複合メディア企業です。購読者数およそ300万人を数える日刊紙「日本経 済新聞」にくわえ、複合メディアとしてオンライン、放送、雑誌を通じた情報発信を行っています。 日本経済新聞は今年、創刊140周年を迎えます。前身である「中外物価新報」の1876年創刊以来、中正公平の旗を掲げて質 の高い言論報道を貫いてきました。「NIKKEI」ブランドは信頼の代名詞として国内外から高い評価をいただいております。 日経は、日本経済新聞をはじめとする新聞4紙を中核としながら、グループ各社の人材やコンテンツを生かし、デジタル技 術を使って多様な読者ニーズに応える 「複合メディア」を目指しています。2010年に創刊した「日本経済新聞 電子版」の 有料会員数は40万人を超え、新聞社が手がける有料ネットメディアでは世界有数の規模になりました。創刊から5年、今年 は読者にニュースをお届けするメディアから仕事に役立つツールに進化させていきます。 また2013年には、ネットと雑誌の英文複合媒体「Nikkei Asian Review」を創刊しました。アジアの経済情報を海外に発信 するため、14年にはバンコクに「アジア編集総局」を開設するとともに、アジアの駐在記者を 倍増させました。シンガポ ールにはビジネスの拠点「日経グループアジア本社」を設立、グループを挙げて「NIKKEI」ブランドのさらなる浸透と事 業展開 に取り組んでおります。目指すのは「アジアのリーディング・メディア」です。 http://www.nikkei.co.jp/nikkeiinfo/en/ http://asia.nikkei.com/ アジアの経済圏の実像を徹底的に詳しく伝えます 「Nikkei Asian Review」ではアジアに密着した比 類ない取材網を生かし、経済の専門家による寄稿 記事、知識人の洞察、見解、分析を交えアジアの 今をお伝えします。 ご購読いただけば、最新のニュース、分析、洞察 を手にしていただけます。パソコンやスマートフ ォン、タブレット端末で読めるほか、週刊雑誌の 印刷版でもご購読できます。 Asia300 アジア11カ国・地域の最大手企業300社超について網羅的な報道を提供します。事業に関わるデータベースや財 務情報が支える手厚い報道により、アジア企業に関する最大の情報ハブとなる狙いです。 JAPAN UPDATE 日本の最新のビジネス情報およびニュースをお届けします。 VIEWPOINTS 第一線の書き手らによるコラム“Tea Leaves”をはじめ、世界の識者らがアジアに関する知見を寄せます。 POLITICS & ECONOMY 財政・金融政策、国際情勢を中心に様々な情報をお伝えします。 MARKETS アジア各国市場の徹底的な分析にくわえ、特に成長著しいセクターについて最新の業界ニュースをお伝えします。 Page 3 of 4 詳細は下記へお問い合わせください Markit(PMIおよびコメント) エコノミスト Amy Brownbill 電話 +44-1491-461-063 Eメール [email protected] コーポレート・コミュニケーション Joanna Vickers 電話 +44-207-260-2234 Eメール [email protected] クライアントサポート Marina Takayama 電話 +65-6922-4210 +81-3-6402-0127 日本経済新聞社 広報室 電話 03-3270-0251 エディター・ノート Nikkei日本製造業PMI™は、400余りの製造会社の購買担当者に毎月アンケート調査を行い、寄せられた回答を集計したデータにもとづ いて算出されています。調査パネルは、日本のGDPに対する産業別貢献度を基準に、米国標準産業分類(SIC)別に分類されています。 製造業はその内訳として、鉄鋼・非鉄金属・同製品、化学・プラスチック製品、電気・電子・光学・精密機器、食品・飲料、一般機械器 具、繊維・衣類、木材・紙・同製品、輸送用機械器具の8つのセクターに分類されます。 各暦月の中旬に収集されたデータを基準に、前月実績と比較して当該月に何らかの変化がある場合には、その変化が調査回答に反映されま す。当レポートでは、サブインデックスごとに改善・横ばい・悪化の各回答率、改善と悪化の回答率の差、および景気動向指数が掲載され ます。景気動向指数は、改善の回答率に横ばいの回答率の半数を加算したものです。景気動向指数は先行指標的な特性があり、現在起こり つつある動向変化を概ね示唆する有効な指数です。この指数が50を超えれば全体的な改善を、50未満なら全体的な悪化を表します。 Nikkei日本製造業 PMI™は、次の加重値に基づいて5つのサブインデックスを統合した複合指数です:新規受注数 - 0.3、生産高 - 0.25、 雇 用 - 0.2、サプライヤー納期 - 0.15、購買品在庫 - 0.1。ただしサプライヤー納期の指数は、結果として得られる数値が他の指数と比較可能 になるような計算方法を用いて算出しています。 Markitは基本的調査データを公表後に修正することはありません。ただし季節調査要因は必要に応じ修正されることがあります。その場合、 季節調整済みデータに影響が及びます。Markitの過去の基本(未調整)数値、最初に公表された季節調整済みデータ、その後修正されたデ ータは購読契約によりご利用いただけます。お問い合わせは、[email protected]へどうぞ。 Markit Markit(マークイット)はグローバルな金融情報サービスを多角的に提供するリーディングカンパニーです。透明性の向上とリスク軽減、 および経営効率の改善に役立つ様々な製品を提供し、銀行、ヘッジファンド、資産運用会社、各国中央銀行、監督機関、会計監査人、資産 管理者、保険会社からご利用いただいております。2003年創業の弊社は11ヶ国に約4,000人の社員を擁しています。Markitの普通株式は NASDAQに上場されており、株式銘柄コードは「MRKT」です。詳しくはウェブサイト、www.markit.comをご覧ください。 PMI(購買担当者指数) 「購買担当者指数™(PMI™)」調査は現在、30を超える国々およびユーロ圏等主要地域で実施されています。世界で最も注目される景況 調査として、各国中央銀行、金融市場、企業経営者の方々より、経済動向を知る最新、正確、かつ独自の月間指標としてご利用いただいて おります。詳しくはウェブサイト、www.markit.com/economics.をご覧ください。 ここに提供するNikkei日本製造業PMI™の知的所有権はMarkitに帰属し、もしくは使用が許諾されています。当データのいかなる部分についても複製、配布、 伝達またはその他の行為を含む無許可の使用は、Markitから事前の承諾がない限り認められません。Markitは、当レポートの内容またはそこに含まれる情報 (「データ」)、データ上のいかなる間違い、不正確な記述、脱落、遅延による、またはそれに関連した責任、義務、負担のいずれをも負うものでなく、ま たこれにもとづきとられたいかなる行為についても責任、義務、負担のいずれをも負いません。当データの使用によって生じるいかなる特殊、偶発的もしく は間接的損害についても、Markitは一切責任を負いかねますので予めご了承下さい。Purchasing Managers’Index™およびPMI™はMarkit Economics Limitedの 登録商標、もしくはMarkit Economics Limitedに使用が許諾されたものです。Nikkeiは上記商標の使用許諾を得ています。MarkitはMarkit Group Limitedの登録 商標です。 Page 4 of 4
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