Kobe University Repository : Kernel Title 課税所得計算の基礎としての利益 Author(s) 鈴木, 一水 Citation 国民経済雑誌, 211(5): 73-86 Issue date 2015-05 Resource Type Departmental Bulletin Paper / 紀要論文 Resource Version publisher URL http://www.lib.kobe-u.ac.jp/handle_kernel/81009260 Create Date: 2016-06-09 課税所得計算の基礎としての利益 鈴 木 国民経済雑誌 一 第 211 巻 水 第5号 平 成 27 年 5 月 抜刷 73 課税所得計算の基礎としての利益 鈴 木 一 水 本稿では, 一般に公正妥当と認められる企業会計の基準等に従う利益計算が, 収 益・費用の測定に収支額基準を適用する原価 実現主義会計における投下貨幣資本 の回収余剰計算であることを示し, そこで計算される利益が, 客観性を有するとと もに, 企業活動の実績を反映する処分可能性という性質を有するため, 担税力指標 としての所得の計算の基礎としての適合性を有することを明らかにする。 ただし, 収支額基準はあくまで有償譲渡等を前提とした測定方法であり, 貨幣性資産という 対価を伴わない無償譲渡等にまで収支額基準を適用してしまうと, 企業活動におけ る経済価値の変動という事実を利益計算に反映できなくなってしまうことも示す。 以上の検討を踏まえて, 無償譲渡等に対しては, 企業会計においても, 収入・支出 を手掛りとするのではなく, 企業活動において生じた財・サービスの経済価値の変 動を直接利益計算に反映させるべきであることを指摘する。 キーワード 課税所得計算, 原価 実現主義, 収支額基準, 無償譲渡等からの収益 1 問題の所在と本稿の構成 法人税法上の課税所得計算は, 企業会計上の利益計算を基礎としている。 しかし, そこで 想定される利益計算が, 果たして会社法や金融商品取引法で要請される利益計算, 言い換え れば一般に公正妥当と認められる企業会計の基準その他の慣行に従った利益計算と同一のも のであるか否かは明らかではない。 もし同一でないならば, 一般に公正妥当と認められる企 業会計の基準等に従う利益計算とは別の法人税法固有の利益計算というものが存在すること になる。 そのときには, 法人税法固有の収益および原価・費用・損失の範囲や年度帰属原則 を明確にすることが, 課税要件明確主義の観点から必要になる。 この問題は, 特に法人税法 の規定する無償による資産の譲渡または役務の提供からの収益の性格をめぐって顕在化する。 本稿では, 一般に公正妥当と認められる企業会計の基準等に従う利益計算の特徴を明らかに し, そのような特徴をもつ利益計算が課税所得計算の基礎として適合していること, そして そのような利益計算においても無償による資産の譲渡等から収益が発生することを示す。 本稿の構成は, 次のとおりである。 次節では, 法人税法の規定する課税所得の計算構造を 74 第211巻 第 5 号 示して, そこでの利益計算の位置づけを明らかにする。 第 3 節では, 一般に公正妥当と認め られる企業会計の基準等に従う利益計算を構成する収益・費用等の定義が収支額基準に依拠 していることを示す。 第 4 節では, 収支額基準を基礎とする原価 実現主義会計における利 益計算が, 担税力指標としての課税所得の計算に適合することを示す。 第 5 節では, 有償譲 渡等, 反対給付のある無償譲渡等, および反対給付のない無償譲渡等のそれぞれにおける利 益計算を, 貨幣の側面に着目する場合と財・サービスの側面に着目する場合に分けて比較す る。 第 6 節では, 無償譲渡等には収支額基準を適用すべきではなく, 課税所得計算のみなら ず企業会計の立場からも, 財・サービスの側面に着目して利益を計算すべきことを示す。 最 後に本稿の議論をまとめる。 2 課税所得の計算構造 法人税法22条は, 各事業年度の所得に対する法人税額の基礎となる所得金額を, 「当該事 業年度の益金の額から当該事業年度の損金の額を控除した金額」 ( 1 項) と定義し, この所 得金額の計算上, 「当該事業年度の益金の額に算入すべき金額は, 別段の定めがあるものを 除き, 資産の販売, 有償又は無償による資産の譲渡又は役務の提供, 無償による資産の譲受 けその他の取引で資本等取引以外のものに係る当該事業年度の収益の額」 ( 2 項), また 「当 該事業年度の損金の額に算入すべき金額は, 別段の定めがあるものを除き」 「当該事業年度 の収益に係る売上原価, 完成工事原価その他これらに準ずる原価の額」 「当該事業年度の販 売費, 一般管理費その他の費用 (償却費以外の費用で当該事業年度終了の日までに債務の確 定しないものを除く。) の額」 および 「当該事業年度の損失の額で資本等取引以外の取引に 係るもの」 ( 3 項) とし, さらにこれらの収益および費用等の額は, 「一般に公正妥当と認め られる会計処理の基準に従って計算されるものとする」 ( 4 項) と規定している。 22条 4 項の規定の立法趣旨から, 課税所得計算における企業会計上の利益計算の位置づけ が推察できる。 立法当時の立法事務担当者は, 「課税所得の計算は, 税法においては完結的 に規制するよりも, 適切に運用されている企業の会計慣行にゆだねることの方がより適切で あると思われる部分が相当多いことも事実であり……法人税法においては, このような現実 を前提として従来課税所得の計算を行ってきたところであります。 しかし, 最近, ややもす ればこのような基本的な考え方がゆがめられる事実が散見されましたので, ……, 課税所得 と企業利益とは, 税法上別段の定めがあるものを除き, 原則として一致すべきことを明確に することとしたのであり……この規定は, 具体的には企業が会計処理において用いている基 準ないし慣行のうち, 一般に公正妥当と認められないもののみを税法で認めないこととし, 原則としては企業の会計処理を認めるという基本方針を示したものであるといえましょう」 (藤掛 1967, 75 76頁) と述べている。 税法上の別段の定めのない部分については, 一般に 課税所得計算の基礎としての利益 75 公正妥当と認められる企業会計の基準等に従って認識・測定される収益・費用等を, そのま ま課税所得計算でも受け入れることが, 22条 4 項の立法趣旨のようである。 したがって, 企 業会計上の利益計算は, 法人税法上の課税所得計算の基礎に位置づけられている, と考えら れる。 3 企業会計上の利益計算 課税所得計算の基礎になるものと想定されていると解される一般に公正妥当と認められる 企業会計の基準等に従う利益計算は, どのような特徴を有しているのだろうか。 企業会計原 則第二・一Aは, 「すべての費用及び収益は, その支出及び収入に基づいて計上し, その発 生した期間に正しく割り当てられるように処理しなければならない。 ただし, 未実現収益は, 原則として, 当期の損益計算に計上してはならない」 とし, また第三・五は, 「貸借対照表 に記載する資産の価額は, 原則として, 当該資産の取得原価を基礎として計上しなければな らない。 資産の取得原価は, 資産の種類に応じた費用配分の原則によって, 各事業年度に配 分しなければならない」 としている。 このように, 企業会計原則は, 収益を実現原則によっ て認識するとともにその対価である収入額で測定し, 支出額で測定した財・サービスの取得 原価を実現収益との対応関係に基づいて費用として期間配分することによって利益を計算す る原価 実現主義会計を採用している。 会計基準の国際的共通化を志向する最近の企業会計 基準においても, 企業価値評価に資するための期末公正価値測定が多用されるようになった とはいえ, なおこの原価 実現主義に基づく利益計算構造は維持されている。 原価 実現主義会計において, 収益を既に収入した金額または将来収入すべき金額で, ま た費用を既に支出した金額または将来支出すべき金額で, それぞれ測定する方法を 「収支額 1) 基準」 (飯野 1977, 303頁) とよぶ。 収支額基準との関連で, 収益・費用等を収入・支出と 結びつけて定義することが多い。 Paton and Littleton (1940) は, 財・サービスといった生産 物の生産等を収益の源泉としながらも, 収益が最終的に生産物と交換される顧客からの資金 の流入によって表され (p. 47), 支出すなわち取得価額で測定された発生した原価を, 最終 的には, 収益と対応させて利益を計算する, と述べている (p. 66)。 岩田 (1956, 133頁) も, 収益を給付 (財貨の費消によって新たなる財貨を生産し販売すること) の対価たる収入, 費用を財産の費消 (流入した財貨が企業において給付のために消費され犠牲に供されること) された部分に対する支出とそれぞれ定義したうえで, 収益・費用等を財・サービスの生産等 が貨幣の収入・支出に投影して成立した概念と特徴づけている。 山下 (1968) も, 収益を 「財貨または用益の提供によって企業の獲得した収入対価」 (39頁) と定義し, 費用を 「収益 を獲得するがために失われた価値犠牲ないし支出対価」 (39頁) と定義している。 ただし, 支出対価が存在しないことのある損失については, 支出対価の概念を持ち出すことなく, 76 第211巻 第 5 号 「企業の目的活動とは無関係に, 外部的原因から招来する資本価値の単純な喪失」 (41頁) と, 財・サービス自体の喪失に結びつけた定義をしている。 現在でも, このような収益・費用等の定義に変化はない。 企業会計基準委員会 (2006) は, 収益を 「特定期間の期末までに生じた資産の増加や負債の減少に見合う額のうち, 投資のリ スクから解放された部分」 ( 3 章13項) と定義しながら 「収益を生み出す資産の増加は, 事 実としてのキャッシュ・インフローの発生という形をとる」 ( 3 章14項) とし, 費用を 「純 利益または少数株主損益を減少させる項目であり, 特定期間の期末までに生じた資産の減少 や負債の増加に見合う額のうち, 投資のリスクから解放された部分」 ( 3 章15項) と定義し ている。 国際会計基準審議会 (International Accounting Standards Board : IASB) は, 収益を 「当該会計期間中の資産の流入若しくは増価または負債の減少の形をとる経済的便益の増加 であり, 持分参加者からの出資に関連するもの以外の持分の増加を生じさせるもの」 (IASB 2010, par. 4.25(a)), 費用を 「当該会計期間中の資産の流出若しくは減価または負債の発生 の形をとる経済的便益の減少であり, 持分参加者への分配に関連するもの以外の持分の減少 を生じさせるもの」 (IASB 2010, par. 4.25(b)) と, それぞれ資産の流入・流出に関連づけて 定義している。 米国財務会計基準審議会 (Financial Accounting Standards Board : FASB) は, 収益を 「財貨の引渡もしくは生産, 用役の提供, または実体の進行中の主要なまたは中心的 な営業活動を構成するその他の活動による, 実体の資産の流入その他の増加もしくは負債の 弁済 (または両者の組み合わせ)」 (FASB 1985, par. 78) と定義し 「実体の進行中の主要な または中心的な営業活動の結果として発生したかまたは発生するであろう実際のキャッシュ・ インフローまたは期待されるキャッシュ・インフロー (またはその等価額) をあらわす」 (FASB 1985, par. 79) としている。 また, 費用を 「財貨の引渡もしくは生産, 用役の提供, または実体の進行中の主要なまたは中心的な営業活動を構成するその他の活動の遂行による, 実体の資産の流出その他の費消もしくは負債の発生 (または両者の組み合わせ) である」 (FASB 1985, par. 80) と定義している。 しかし, 収益に類似する概念である利得は 「実体の 副次的または付随的な取引および実体に影響を及ぼすその他のすべての取引その他の事象お よび環境要因から生じる持分 (純資産) の増加であり, 収益または出資者による投資によっ て生じる持分の増加を除いたもの」 (FASB 1985, par. 82), また, 費用に類似する概念であ る損失は 「実体の副次的または付随的な取引および実体に影響を及ぼすその他のすべての取 引その他の事象および環境要因から生じる持分 (純資産) の減少であり, 費用または出資者 への分配によって生じる持分の減少を除いたもの」 (FASB 1985, par. 83) と, キャッシュフ ローに結びつけることなく定義している。 収益・費用等を貨幣の収入・支出に結びつけた定義は, 企業活動の成果を測定するにあたっ て, 財・サービスの経済的本質を貨幣の変形物とみて, 財・サービスの生産および販売・提 課税所得計算の基礎としての利益 77 供とそのための消費による経済価値の変動の計算を, 貨幣資本価値変動計算としての収益費 用計算に置き換える, という考え方から生じる。 貨幣の形で調達された資本は, 企業活動に 投下されて原材料, 人的資源, 生産設備, 知的財産などに形を変え, 経済価値を付加されな がら商品・製品あるいはサービスとなり, 最終的には外部に販売・提供され, 貨幣性資産と して回収される, という循環過程を企業活動の中で繰り返す。 したがって, 企業活動におけ る資本価値の変動は, 財・サービスと貨幣という 2 つの側面から把握できる。 そして, 収支 額基準は, 貨幣の側面に着目して利益を計算し, 原価 実現主義の下で, 企業活動に投下さ れた貨幣資本に生じた価値の増加を, 貨幣性資産の形で回収した時点で利益として認識する という考え方に基づいている。 したがって, そこでの利益は, 投下名目貨幣資本の回収余剰 を表すことになる。 4 原価 実現主義会計の特徴 投資対象となる財・サービスが活発な競争市場で形成される価格で取得されるならば, そ の取得価額は, その投資の平均的収益率によって将来得られる正常収益の現在価値を表すこ とになる。 経営者がある財・サービスに投資するのは, それを使って, 将来, 正常収益を超 える残余利益を生み出せると期待するからである。 投資から将来もたらされると経営者が期 待する収益の現在価値を財・サービスの主観価値, 主観価値から正常収益の現在価値である 取得価額を差し引いた差額を主観のれんとよぶと (Edwards and Bell 1961, p. 30), 主観のれ んは, 残余利益の現在価値になる。 原価 実現主義会計では, 投資の主観価値は, 販売等によって対価である貨幣性資産の裏 づけを与えられた年度に収益として認識され, 投資された財・サービスの取得原価は生産・ 販売等に伴って主観価値が低下しただけ減額され費用として認識される。 したがって, 原価 実現主義会計で算定される各年度の利益は, 投下された貨幣の時間価値である正常利益と, 主観のれんの実現したものである残余利益から構成されることになる。 このような利益計算では, 投資時に主観のれんを資産計上せず, 投資時に期待されたキャッ シュフローのうち事実として確定した部分をその確定年度に計上する。 それは投下貨幣資本 を表す取得原価の消費額を費用として原価配分するとともに, 投下貨幣資本に相当する正常 収益の現在価値, 投下貨幣資本に係る貨幣の時間価値, および主観のれんを, その実現した 年度の利益に変換していく過程といえる。 利益は, 投資時に期待された将来の正常利益と残 余利益の実現額の合計になるので, これは投資の当初期待の達成度を示す尺度すなわち企業 の業績指標になる。 このような特徴をもつ原価 実現主義の下での利益は, 期待キャッシュ フローの実現達成度を示すことによって企業価値評価に役立つだけでなく, キャッシュフロー 2) の裏づけもあるため, 処分能力が認められる。 収支額基準によると, 「利益とは, 市場にお 78 第211巻 第 5 号 ける売買取引で成立した, または成立すべき客観的価額に基づいた収益と費用との差額」 (飯野 1977, 303頁) になることから, 利益計算に客観性を与える。 しかし, それだけでは なく, 「利益計算の原型が収支計算であること, つまり投下資本 (支出) を期間計算的に回 収 (収入) した剰余額としての分配可能な利益の計算が制度的に要請される」 (嶌村 1975, 140頁) ためにも収支額基準は採用されている, といわれている。 このように収支額基準を 基礎とする原価 実現主義の下での利益計算は, 期待ではなく現実に形成された経済価値を 成果として把握することになる。 そこで計算される利益は企業活動の実績を示すことになる ので, 担税力指標としての課税所得の計算に適合するといえる。 5 2 つの利益計算 5.1 取引形態と利益計算 収益・費用等を収入・支出に結びつけて理解し利益を計算しようとする考え方すなわち収 支額基準が, 貨幣を媒介とした交換経済を前提として成立することには, 注意しなければな らない。 岩田 (1956, 135頁) は, 「貨幣交換経済の下では, 給付の報酬は金銭の収入となっ て実現され費消した生産手段は取得の対価としての金銭支出をともなうものである。 だから 利潤の大いさは報酬として収入と費消の対価たる支出との比較によって, これを算定するこ とが可能である。 ……かように損益法は収益の性質を有する収入と費用の性質をもつ支出と の比較計算である」 と述べて, 収支額基準による収益・費用等の測定が, 貨幣を媒介とした 交換経済を前提として可能となることを示唆している。 武田 (2008, 99頁) も, 交換経済的 取引過程における 「財貨運動は貨幣運動によって把握されるものであるから, あらゆる財貨 の増減は貨幣の収入・支出によって量定され」 なければならないと述べている。 交換経済の 下での取引における財・サービスの増減を, それと対流関係にある貨幣の流れによって把握 し貨幣額で表現しようというのである。 ここでは, 企業活動による資本価値の変動を, 生産・ 販売等およびそのための消費による財・サービスの経済価値の変動として計算するのではな く, 生産・販売等を対価の収入に結びつけた収益と, そのために消費された支出である費用 等との差として計算する。 しかし, もし取引が貨幣を媒介とした交換経済の下で行われない ならば, 貨幣収支を通して財・サービスの生産・販売等および消費を収益・費用として捉え ることができなくなってしまう。 したがって, 収支額基準の採用は, 収益・費用等を生じさ せる取引が, 貨幣性資産という対価を伴う取引すなわち有償取引として行われることを前提 としている, と考えられる。 しかし, 現実には, 物々交換のような貨幣を媒介としない交換取引が行われることもあれ ば, 反対給付を伴わない一方的な財・サービスの供与が行われることもある。 また, 企業内 における生産等による経済価値の増減は, 交換経済下での取引に該当しない。 したがって, 課税所得計算の基礎としての利益 79 収支額基準適用の前提となる有償取引が実際に成立する保証はない。 そこで, 取引の行われ る経済環境を場合分けして, それぞれにおける原価 実現主義の下での利益計算のあり方を 再検討する必要がある。 本稿では, 議論の混乱を避けるために, 貨幣性資産を対価とする取引を有償取引, 貨幣性 資産を対価としない取引を無償取引, とそれぞれ定義する。 このように定義すると, 有償取 引は対価となる貨幣性資産という反対給付を伴うのに対して, 無償取引は, さらに反対給付 を伴うものと伴わないものに分かれる。 物々交換, 労働意欲を引き出すための従業員に対す る現金給与外付加給付, 見返りを期待して行われる取引先に対する経済的利益の供与などは, 反対給付を伴う無償取引になる。 また, 企業統治の十分でない特に同族企業においては, 株 主や経営者その他の関係者との間で, 反対給付を伴わない無償譲渡等が行われることがある。 このようないわゆる隠れた利益処分とよばれる見返りのない一方的な財・サービスの供与は, 反対給付を伴わない無償取引になる。 現実には, 有償取引および反対給付を伴う無償取引のすべてが等価交換になるとは限らな い。 これらの 3 つの取引が組み合わさって, 1 つの取引を構成することもある。 たとえば低 額譲渡等は, 対価のある部分である有償取引, 対価がなくても反対給付のある部分である反 対給付を伴う無償取引, これら以外の反対給付を伴わない無償取引によって構成されたもの と考えられる。 5.2 有償譲渡等 企業活動に投下された貨幣 は, 市場で生産要素・手段 に交換され, 生産の過 程を通じて経済価値を付加されながら結合・変換され, 最終的な生産物 は市場での 販売等を通じて貨幣性資産 として回収され, 企業活動に再投資される。 財・サービス が, その公正価値に等しい価額の対価と交換される有償取引が行われるならば, 生産要素・ 手段の価値は, その取得のために支出された貨幣額で表され , また販売等された 生産物の価値は, 対価として回収される貨幣性資産額で表される 。 図 1 で示した ように, 生産・販売等の過程で財・サービスの価値は徐々に増加していくのが普通なので, 生産物の価値したがって回収される貨幣性資産額は, それに投下された生産要素・手段の価 値したがって投下貨幣額を上回ることになる 。 この回収余剰を, 生産物 価値と消費された生産要素・手段価値の差 としてではなく, 回収された貨幣性資 産額と投下貨幣額との差 として測定するのが収支額基準である。 そして, それを 販売等された時点で計上するのが原価 実現主義会計である。 ただし, このような原価 実 現主義の下で投下貨幣資本の回収余剰として計算される利益が, 企業活動による経済価値の 増加を示すためには, 生産要素・手段への支出額がその消費に応じて生産物に正確に原価配 80 第211巻 図1 第 5 号 有償譲渡等における経済価値の変動 生産等による経済価値の付加 資本循環過程 貨幣資産価値 = = = 実物資産価値 ←会計計算 (収支額基準) ただし, :貨幣性資産 :生産要素・手段としての財・サービス :生産物としての財・サービス 3) 分されることが前提となる。 等価交換に基づく有償取引と正確な原価配分の前提から, 投下貨幣額と消費された生産要 素・手段の経済価値は等しく, 販売等された生産物の経済価値と回収された貨幣性資産額も 等しい。 したがって, 原価 実現主義の下で, 財・サービスと貨幣のいずれの側面に着目し ても, 算定される利益額は一致する。 これは, 等価交換に基づく有償取引と正確な原価配分 の前提から導かれる論理的事実である。 しかし, 現実にはたとえ有償譲渡等であっても, 財・サービスと対価とが等価交換される とは限らないし, また支出額が正確に原価配分される保証もない。 Schmalenbach (1931, S. 109) は, 成果の直接評価には誤差が伴うことから, 正確で実行可能な利益計算のためには, 成果計算を実現原則を媒介として収入支出計算に変換すべきであると述べている。 財・サー ビスではなく貨幣の側面に着目し, 収入・支出に基づく収益費用計算を手掛りとして, 財・ サービスの側面における経済価値の増減を成果として推定せざるを得ないのは, 等価交換に 基づく有償取引と正確な原価配分の前提が保証されないからである。 5.3 反対給付を伴う無償譲渡等 物々交換のように反対給付として財を譲り受けた場合には, その財を生産要素・手段とし て生産・販売等が続行される。 また反対給付としてサービスの提供を受けた場合には, その サービスが生産要素として直ちに消費され生産物に変換されていく。 したがって, 反対給付 を伴う無償譲渡等を行った段階で, 1 つの資本循環過程 が終了し, そこで形 成された資本価値が次の循環過程 に再投資されたと考えられる。 無償譲渡等であっても, 財・サービスと等価の反対給付とが交換されるならば, 財・サー ビスの側面では, 前節で示したのと同じ価値の変動が生じるのに対して, 貨幣の側面では, 課税所得計算の基礎としての利益 図2 81 反対給付のある無償譲渡等における経済価値の変動 生産等による経済価値の付加 資本循環過程 貨幣資産価値 = 実物資産価値 ←会計計算 (収支額基準) = 一部の貨幣性資産が資本循環過程から除外される。 たとえば, 図 2 に示したように, 生産物 4) が生産要素・手段 と直接交換されると, 資本循環過程ごとの回収余剰を, 財・ サービスの側面に着目して計算することはできても , 貨幣に着目して計算するこ とはできない (がないので。)。 貨幣の側面から回収余剰を計算しようとすると, 将来, 有償譲渡等が行われて貨幣性資産を対価として受け取った時に, それまでの資本循環過程で 生じた回収余剰をまとめて計上することになる 。 この結果, 財・サービスの側面 から計算した場合と貨幣の側面から計算した場合とで, 利益の年度帰属に差異が生じること になる。 5.4 反対給付を伴わない無償譲渡等 隠れた利益の処分が行われる場合には, 図 3 で示すように, 譲渡等の時点で資本循環過程 は終了し, 資本価値は最終的には喪失する。 しかし, 譲渡等された財・サービスの価値すな わち譲受者に移転する価値が, それを生産するために消費された生産要素・手段の価値を上 回るときには, 利益計算を貨幣の側面に着目して行うか, 財・サービスの側面に着目して行 うかによって, 計算内容が異なってくる。 財・サービスの側面に着目すれば, 譲受者に移転 図3 反対給付のない無償譲渡等における経済価値の変動 利益の処分 資本循環過程 貨幣資産価値 →収益なし = 実物資産価値 →収益発生の余地あり 相殺 財・サービスの喪失 82 第211巻 第 5 号 した経済価値の形成が収益となり, 企業活動における経済価値の変動 を漏れなく 利益計算 に反映することができる。 これに対して, 貨幣の側面に着目すると, 貨 幣性資産によって回収されることなく資本循環過程が終了してしまうので, 収益は認識され ないことになる。 6 無償譲渡等からの収益 法人税法22条 2 項が, 無償譲渡等からの収益を明定しているため, 税務上は, この収益の 企業会計上の性格を検討することなく, それを認識して益金算入するとともに, その対価相 当額をその無償譲渡等の性質に応じて寄附金, 役員賞与, 福利厚生費, 交際費などの適当な 費用等の科目に分類して認識し, 損金算入または不算入の処理が行われている。 一方, 企業会計においては, 無償譲渡等から収益が発生するか否かに関して十分な議論が 尽くされてきたとはいえない。 日本会計研究学会1965 66年度税務会計特別委員会は, 「企 業会計では, 無償取得資産 (低廉譲渡を受けた資産を含む) を適正時価等で計上することと なっているが, 無償譲渡をした場合に資産の適正時価をもって収益を計上する経理は通常採 用されていない。 しかし, 資産を無償譲渡した場合に収益が生ずるとする法人税法の考え方 を企業会計上採用するかどうかについては, 収益の本質をいかに理解するかの根本問題に関 連するものであるから, 今後慎重に検討されるべきものと思われる」 (日本会計研究学会 1966 各論 Ⅰ一(6)) と述べている。 また, 企業会計審議会も, 企業会計原則において検 討を要するものの 1 つとして, 「資産を無償譲渡又は低廉譲渡した場合に, 当該資産の適正 時価を導入して収益を計上することの当否については, 企業会計原則上まだ何ら触れるとこ ろがないので, これを明らかにすることが妥当である。」 (企業会計審議会 1966総論三注四 (7)) と述べている。 企業会計上この問題が議論されてこなかったのは, たとえ収益が発生 するとしても, その対価相当額が直ちに消費されて同額の費用等が発生し収益と相殺される ので, 結局, 利益計算上は収益の発生を認識しないのと同じ結果になることから, この問題 の重要性が乏しかったためと考えられる。 無償譲渡等から収益が発生するか否かは, 投下貨幣資本の回収余剰を, 貨幣と財・サービ スのいずれの側面に着目して計算するか, 言い換えれば収支額基準を無償譲渡等にまで適用 するか否かによって決まる。 原価 実現主義の下での利益計算を厳格に投下貨幣資本の回収 余剰計算と理解して収支額基準を適用すれば, 無償譲渡等に対しても収支額基準を適用しな ければならない。 無償譲渡等を対価額 0 円の取引とみて収支額基準を適用すると, 収益額は 0 円となるので, 収益が計上されることはなく, 譲渡された財の帳簿価額または提供された サービスの原価相当額が損失となる。 このとき, 反対給付が財であれば, 支出を伴うことな 5) く取得した財の取得原価は 0 円となる。 物々交換であっても, 譲渡資産の帳簿価額が取得資 課税所得計算の基礎としての利益 83 産に引き継がれることはない。 反対給付がサービスであれば, それは直ちに消費されるが, その取得原価は 0 円なので, 費用が計上されることはない。 しかしながら, 譲受者側では, たとえ対価を支払っていなくても, 取引時の時価に相当す る経済価値をもつ財・サービスを受け取るので, 譲渡企業から譲受者に時価に相当する経済 価値が移転する。 この移転された経済価値は, 譲渡企業における生産・販売等によって形成 されたものである。 この経済価値の移転は, 利益観や資本観といった観念に依存するもので はなく, 事実として存在する。 利益計算を厳格に投下貨幣資本の回収余剰計算とみる立場から無償譲渡等からの収益を認 識しないとすると, 無償譲渡等に伴う経済価値の移転過程という事実, したがって資本の投 下と回収の過程における経済価値変動の実態を網羅的に記録し報告することができなくなる。 5.1 節で示したように, 収支額基準は有償取引を前提としている。 無償譲渡等に収支額基準 はなじまないのである。 第 3 節で紹介したように, 多くの論者や機関が, 収益を収入に関連 づけて定義しているのは, 有償取引においては収益が対価としての貨幣性資産の受入れの形 をもって具体的に観察され, それが実現原則とも整合的であるからと考えられる。 しかし, 無償譲渡等からの収益を, 収入に関連づけて定義することはできない。 収入に関連づけた収 益の定義は, 有償取引を前提としたものと考えるべきであり, だからこそ山下 (1968, 41頁) は損失を支出に関連づけることなく定義し, FASB (1985, par. 82) も利得の定義ではキャッ シュ・インフローに言及していないのである。 無償譲渡等については収支額基準を離れて財・サービスに着目して収益を認識することに よって投下資本の回収余剰の実態を網羅的に利益計算に反映できるようになる。 岩田 (1956, 140頁) も発生主義会計を 「あくまでも収支計算を母体とする点においては変わらないので あるが, 収益費用の認識および測定の基準を貨幣動態からはなれて, 財貨動態に求めるにい たったのである。 すなわち原則として可能なるかぎり, 生産要素の費消および生産物の給付 の事実をもって収益費用の発生とみとめ, 費消量と給付量にかかわらしめて収益費用の額を 決定する」 ものと理解しているように, 発生主義会計においては, 本来は財・サービスの側 面に着目して利益を計算すべきであるから, たとえ原価 実現主義の下であっても, 無償譲 渡等のように経済価値変動の把握の手掛りとなる収入・支出が存在しない場合には, 収支額 基準によるのではなく直接財・サービスの側面に着目して利益を計算すべきであろう。 利益計算を財・サービスの経済価値の回収計算とみると, 無償譲渡等における経済価値の 喪失は, 増加した経済価値が, 貨幣性資産による回収という手続を経ることなく, 次の資本 循環過程に再投資され, 直ちに消費された結果生じると考えられる。 たとえば, 従業員に商 品を無償譲渡したりその他の経済的利益を与えた場合は, その時価に相当する経済価値が人 的資源に投資され直ちに消費されたと考えられるので, その経済価値の喪失は人件費として 84 第211巻 第 5 号 の性格をもつことになる。 同じことは, 譲受者側でもいえる。 収支額基準を厳格に適用して, 無償で取得した資産の 取得原価を 0 円とする発想は, 現実の支出額が 0 円であるという事実を投下貨幣資本の回収 余剰計算に反映させようとするものであると考えられる。 しかし, この考え方では, 資本の 投下と回収の過程に財・サービスが現に存在するという事実を示すことができず, その結果, そこで計算される利益は資本効率を正しく示さなくなる。 資本循環の観点からは, 財・サー ビスの無償取得は, 新たな資本循環の始まりであるから, 新たに投資された資本をまず投資 に先立って回収する必要がある。 この回収を利益計算で認識するには, 無償取得時点で収益 を認識することになる。 以上のように, 無償譲渡等からの収益を認識することは, 企業活動における貨幣資本価値 の変動を生産・販売等に即して利益計算に反映することを可能にするという意味で, 投下貨 幣資本の回収余剰計算とも整合的である。 よって, この会計処理は, 一般に公正妥当と認め られる企業会計の基準等において認められる会計処理といえる。 無償譲渡等からの収益を認 識しない会計実務は, 単に意思決定有用性という企業会計の目的観から認められる純額主義 の産物にすぎない。 むしろ総額主義による表示こそが, 一般に公正妥当と認められる企業会 計の基準等における原則である。 したがって, 無償譲渡等からの収益の認識に関する法人税 法22条 2 項の規定は, 法人税法固有の創設的規定ではないと考えられる。 7 要 約 法人税法は, 「一般に公正妥当と認められる会計処理の基準」 に従う利益計算を基礎とし て, 課税所得を計算することを求めている。 一般に公正妥当と認められる企業会計の基準等 に従う利益計算は, 収益・費用等の測定に収支額基準を適用する原価 実現主義の下で, 投 下貨幣資本の回収余剰を計算するという特徴を有する。 そこで計算される利益は, 客観性を 有するとともに, 企業活動の実績を反映する処分可能性という性質を有する。 このような性 質をもつ利益は, 担税力指標としての所得の計算の基礎としての適合性を有する。 しかしながら, 貨幣収支に着目して投下貨幣資本の回収余剰を計算する利益計算方法は, 貨幣性資産の形を取る対価を伴わない無償取引に係る収益・費用等の認識に混乱を生じさせ る。 この問題は, 特に法人税法22条 2 項の規定する無償譲渡等からの収益の性格をめぐる問 題として顕在化する。 もし一般に公正妥当と認められる企業会計の基準等に従うとき, 無償 譲渡等からは収益が発生しないとすると, 法人税法の規定する 「一般に公正妥当と認められ る会計処理の基準」 は, 会社法や金融商品取引法によって要請される一般に公正妥当と認め られる企業会計の基準等とは異なる税法固有の概念となり, その内容を明確化することが, 課税要件明確主義の観点から必要となる。 課税所得計算の基礎としての利益 85 本稿では, 企業会計において従来, 十分には議論されてこなかった無償譲渡等から収益が 発生するか否かの問題を, 投下貨幣資本の回収余剰計算を, 有償譲渡等, 反対給付を伴う無 償譲渡等, および反対給付を伴わない無償譲渡等の 3 つの場合に分けて検討した。 検討の結 果, 収支額基準はあくまで有償譲渡等を前提とした測定方法であり, 貨幣性資産という対価 を伴わない無償譲渡等にまで収支額基準を適用してしまうと, 企業活動における経済価値の 変動という事実を利益計算に反映できなくなってしまうことがわかった。 そのため, 無償譲 渡等に対しては, 収入・支出を手掛りとするのではなく, 企業活動において生じた財・サー ビスの経済価値の変動を直接利益計算に反映させるべきである。 これによって, 企業活動に おいて投下貨幣資本に生じた経済価値の変動を利益として計算できるので, これは投下貨幣 資本の回収余剰計算から逸脱するものではないといえる。 注 本研究は JSPS 科研費26285101の助成を受けたものである。 1) 「取引価額主義」 (山下 1968, 55・65頁), 「取引価額の原則」 (嶌村 1975, 140頁), 「収支主義」 (中村 1982, 44頁) あるいは 「収支的評価の原則」 (武田 2008, 311頁) などともよばれる。 2) ここでの処分能力という概念は, 継続企業が期首に有する純経済的資源の価値を下回ることな く外部に支払うことができる, という経済的な意味をもつものであり, 会社法上の分配可能額と は異なる概念である。 98頁) 3) 正確な原価配分の考え方に関しては, Dichev and Tang (2008) および鈴木 (2011, 94 参照。 4) ここでの回収余剰は, 貨幣性資産の形で回収されたものではないけれども, 次の資本循環過程 に再投資されるということは, 再投資に先立つ資本循環過程で形成された経済価値が回収されて いることが前提となる。 5) 企業会計原則第三・五Fは, 無償で取得した資産については公正な評価額を取得原価とするこ とを定めているが, この規定は, 厳格な投下貨幣資本の回収余剰計算からの逸脱であり, 収支額 基準の例外と位置づけられる。 引 用 文 献 Dichev, Ilia D., and Vicki W. 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