IBM i インターネット・セミナー IBM i から e-mail を送信 -SNDSMTPEMM コマンド- 【はじめに】 今回のインターネット・セミナーでは、IBM i の CL コマンドを使用して e-mail を送信することができる SNDSMTPEMM コマンドを紹介したいと思います。SNDSMTPEMM コマンドを使用することで、IBM i SMTP サーバーを通じて MIME(Multipurpose Internet Mail Extensions)の e-mail メッセージを作成 して送信することができます。 【SNDSMTPEMM コマンドの概要】 SNDSMTPEMM コマンドは、DBCS にも対応していますので、日本語のサブジェクト、日本語の本文 を送信することができます。添付ファイルの送信も可能です。また、アンチスパム予防措置として、送信 元アドレスを指定することはできないようになっています。SNDSMTPEMM コマンドを実行する現行ユ ーザー・プロファイルに基づいてディレクトリー内を検索し、決定します。 【前提条件】 z IBM i 6.1 PTF SI51161、IBM i 7.1 PTF SI51160 が適用されていること z IBM i 7.2、7.3 は基本機能として実装済み z 署名して暗号化された S/MIME 文書の場合,以下が導入されている必要があります。 z ¾ IBM i オプション 33 (IBM PASE -ポータブル・アプリケーション・ソリューション環境) ¾ IBM i オプション 34 (ディジタル証明書マネージャー) ¾ IBM Portable Utilities for i オプション 1 (OpenSSL) S/MIME を使用する前に、現行ユーザー・プロファイルのユーザー証明書ストアのセットア ップも必要です。すべての発信元証明書をサーバー/クライアント証明書としてインポート する必要があります。すべての宛先証明書を認証局としてインポートする必要があります。 発信元と宛先の証明書ラベルはどちらも、小文字の関連付けられた E メール・アドレスで なければなりません。 z 詳細は Knowledge Center を参照してください。 (www.ibm.com/support/knowledgecenter/ssw_ibm_i_73/cl/sndsmtpemm.htm?lang=j a) 【構成】 ここからは SNDSMTPEMM コマンドで e-mail を送信するまでの手順を記述していきます。 1. 関連サーバーの開始 メール・サーバー・フレームワークの開始:STRMSF SMTP サーバーの開始:STRTCPSVR SERVER(*SMTP) 1 © 2016 IBM Corporation IBM i インターネット・セミナー 2. メール送信ユーザーの登録 以下のように WRKDIRE コマンドを使用して登録します。 F19=SMTP 用の名前追加を実行し、メール・アドレスを登録します。 2 © 2016 IBM Corporation IBM i インターネット・セミナー ドメイン名は大文字で登録してください。 実行キーを 2 回押して登録を完了します。 次に ADDUSRSMTP コマンドを使用して SMTP ユーザーとして登録します。 外部への e-mail 送信が必要な場合で IBM i がインターネットと直接接続されていないよう な場合は、メール・ルータの設定が必要になります。メール・ルータの設定については、以下 の情報の Step3 を参考にしてください。 Configuring MSF/SMTP on the IBM i (英語) http://www-01.ibm.com/support/docview.wss?uid=nas8N1017620 以上で設定は終わりです。 3. SNDSMTPEMM コマンドの実行 SNDSMTPEMM コマンドを使用して e-mail の送信を行うことができます。コマンドの詳細は先に 紹介した Knowledge Center に記載されていますので、参考にしてください。 ここでは簡単なサンプルをいくつかご紹介したいと思います。 3 © 2016 IBM Corporation IBM i インターネット・セミナー 1.簡単なメッセージの送信 SNDSMTPEMM RCP(([email protected])) SUBJECT(' 処理完了のお 知らせ ') NOTE(' 夜間処理が正常に終了しています。 ') 2.添付ファイル付のメール送信 SNDSMTPEMM RCP(([email protected])) SUBJECT(' 印刷のお知ら せ ') NOTE(' 印刷処理が正常に終了しています。 ') ATTACH(('/home/user2/pdftest.pdf' *PDF)) SNDSMTPEMM コマンドでは、最大 20 の宛先を指定可能で、CC や BCC の設定も可能です。 サブジェクトは最大 60 文字(SBCS)、本文は最大 400 文字(SBCS)まで作成可能です。また最 大 10 個の添付ファイルを同時に送ることができます。 【まとめ】 今回は SNDSMTPEMM コマンドについてご紹介させていただきました。このコマンドを活用することで プログラムからの日本語メールの送信を簡単に行うことができます。CL コマンドとして提供されていま すので、宛先や本文、添付ファイルなどを変数として定義することによりプログラムから柔軟なメール配 信を行うことができます。PDF 化した印刷出力をメールで送信したり、作成された csv ファイルを配信 したりすることも可能です。 今まであまり使用されていなかった IBM i の SMTP 機能ですが、業務の効率化やワークフローの一 部としてご活用ください。 【参考資料】 SNDSMTPEMM Command Instructions (英語) http://www-01.ibm.com/support/docview.wss?uid=nas8N1011153 4 © 2016 IBM Corporation
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