Page 1 14 土壌の物理性 第3号 (1960) ロールの問題になる。 履帯の

1 4
土 壌 の 物 理 性
第 3 号
(19 6 0 )
履帯 の し め か た め 作 用 に よつ て 比 較 的 水 も ち の よ い 水 田
ロー ル の 問 題 に な る 。
実 際 の減 水 深 の 大 きい 水 田 で ほ , まず アゼ 浸 透 量 が 大
がで き る 。
重 粘 土 地 や 低 湿 地 な どで 浸 透 量 が 過 小 の場 合 に ほ ,(叫
きい の か 耕 盤 浸 透 量 が 大 き い の か を 明 らか に し , そ れ に
暗渠 排 水
応じ て 対 策 を 講 じ な け れ ば な ら な い 。
仲)
砂質主 の客入
こ の よ うに 耕 盤 浸 透 を コ ン ト ロ ー ル す る 方 法 は い ろ い
ばか りで な く , 下 の 田 に 冷 水 と な つ て わ き だ し て 害 を 与
ろあ る が , 所 望 の 浸 透 量 へ うま く あ わ せ る よ うな コ ン ト
える 場 合 も あ る か ら , 水 経 済 の 上 か ら も 米 生 産 の 上 か ら
ロ ール は , まだ と うて い の ぞ み 得 な い段 階 で あ る。 この
も , で き る だ け 減 ら す こ とが の ぞ ま し い ,
部面 で も 土 地 改 良 の 研 究 の 立 ち お くれ が 痛 感 さ れ る 。
ア ゼ 浸 透 を へ らす に は , ア ゼ の 内部 に粘 土 刃 金 を 入 れ
る と よ い が ,実 際 に は あ ま り行 な わ れ て い な い 。モ グ ラ や
文
誌 , 27, 10 (1956 )
管理 た 気 を つ け る こ と ,
もど し
アゼ ヌ リを て い ね い に す
2 ) 農 業 土 木 ハ ン ドブ ッ ク , p・ 4 8 3
る こ と も た い せ つ で あ
3 ) 山 崎 , ほか :水 田 の 降 下 浸 透 量 の 新 ら し い測 定 法 ,
熟
耕土
る 。 富 士 岡 9)は ペ ソ トナ
助産 戸
イ ト遮 氷 壁 を 第 7 囲 の よ
農 業 土 木 研 究 ,2 7, 6
4 ) 山 崎 不 二 夫 :イ ネ の 根 の吸 水 ほ 水 田 の浸 透 に ど ん:
影 響 を与 え る か , 研 究 の資 料 と記 録 第 8 集
うに 施 工 す る と , ア ゼ 浸
第
7
図
献
1 ) 菅 野 一 郎 :無 機 質 水 田 土壌 の 基 本 的 断 面 形 態 , 土肥
ザリ ガ ニ な ど の 穿 孔 に よ る 局 部 的 漏 水 を ふ せ ぐ た め 常 に
//
ル 州如
仰′
L 土耕 に よ る盤 層 の 破
砕, な ど た よ つ て 浸 透 を 促 進 す る こ とが で き る 。
ア ゼ 浸透 は そ の水 田 の イ ネ の生 育 に ほ とん ど役 立 た ぬ
透 は は とん どな くな る と
5 ) 富 士 岡義 一 :畦 畔 浸 透 , 農 業 土 木 研 究 , 25 , 1
いつ て い る 。 ビ ニ ー ル 布 の 利 用 も 場 合 に よつ て は 考 え ら
6 ) 早川千吾 郎
れよ う。 コ ン ク リ ー ト畦 畔 ほ , 壁 面 に そ つ て 水 が 浸 透 す
究 , シ ロ カ キ の 研 究 , p .1 5 8
7 ) 八 幡 敏 雄 ・ 田渕 俊 雄 ‥あ る棚 田 の実 態 , 研 究 の資 ∋
るお そ れ が あ る か ら 注 意 を 要 す る 10)
。
5折 盤 浸 透 ほ ア ゼ 浸 透 の よ うに 減 ら せ る だ け へ らせ ば よ
と記 録 第 7 集
8 ) 内 山 修 男 ‥水 田 の 鯵 透 性 に 関 連 す る土 壌 の諸 問 題
いとい うわ け に ほ い か な い 。耕 盤 浸透 量 が過 大 また は過
農 業 及 び 園芸 ,32 , 7 , 8 , 9 , 10
小の 場 合 , 供 給 水 量 の ゆ る し うる範 囲 で ,で きる だ ゆ 適
正浸 透 量 に 近 くな る よ うに 三 ソ ト ロ ー ル す る 必 要 が
あ
9 ) 五 十 崎 恒 ‥適 正 浸 透 量 に つ い て , 産 業 土 木 研 究 ,
る。
6
1 0) 富士岡義欄
浸 透 量 が 過 大 の 場 合 は ,(乱)
床 じめ , 盤 ね り,仲)
粘土 ・
ペソ ト ナ イ ト な ど の 客 入 , 担)シ ロ カ キ ,(d )
青 刈 ライ ム ギ
浸透について(Ⅱ)
,
農業土木研瑠
26 , 1
のす き こみ , な どで 耕 盤 浸 透 を 抑 制 す る。 火 山 灰土 の洪
1 1 ) 行 方 文 吾 , ほ か : コ ン ク リ ー トブ ロ ッ ク畦 畔 の 密 雲
番台 地 や 扇 状 地 な ど の 開 田 で は , ブ ル ド ー ザ を 用 い る と
透につ い て , 昭 和 35年 慶 農 業 木 土 学 会講 演 要 旨,p .
6
水田 淡 水 深 に つ い て の 一 考 察
椎
1. ま
え が
名
き
一 枚 の水 田 の総 消 水 量 (純 用 水 量 ) は湛 水 深 の減 少量
すな わ ち減 水 深 で 示 され る。 最 近 水 田 の 水利 用 に関 連 し
て, 用 水量 の問 題 が 各 方 面 で 大 き く取 り上 げ られ研 究 が
進め られ て き て い る 。 勿 論 用 水 量 は 水 田 に お け る , 水 ,
土壌 , イ ネ の 3 っ の複雑 に か らみ合 つ た相 互 関係 につ い
寛
治 *
化学 ,土 壌 物 理 , 水 田 水 利 等 各 分 野 で 問 題 の解 明 をせ 写
られ て い る こ と が ら が 多 い 。 こ こ で ほ 最 近 農 業 土 木 万 両
で研 乱
調 査 が 進 め られ て い る, 浸 透 水 量 とイ ネ の奴隷
の物 理 的 関 係 , それ か ら必 然 的 に 派 生 し て くる水 田滅隷
深の表 示 法 及 び そ の 測 定 法 の問 題 につ い て若 干 の考 衰 運
私見 を述 べ て み た い 。
Z . 浸 透 量 と イネ の汲 水 の 関 係
て研 究 を進 め なけ れ ば な らな い もの で , 作物 生 理, 土 壌
この 間 題 に つ い て は , こ こ数 年 来 田 辺 1)
, 富 士 岡、
苛
*産 業 技 術 研 究 所
昭 和 35年 7 月 20 日受 理
山崎 3)
, 善 良・ 椎 名 ・ 竹 中 り, 狩 野 ・ 古 木 ・ 中 川 5)
等
1 5
椎名 :水 田 減 水 深 に つ い て の 一 考 察
 ̄
▲
・
■
−
▼
ー
くの研 究が あ るが , こ 羊で は 減 水 深 の表 示
/で ①
2クク
部こ直 接 関係 を もつ , イ ネの 吸 水 が 浸透 量
≧∋
て X\
ズ
つ′
甘こ与 え る 影 響 に つ い て の 山 崎 の 理 論 的 な 報
昔と この 理 論 を証 明す る, 実 際 の水 田土 壌
につ いて 行 なわ れ た 筆 者 等 及 び狩 野 ,古 木
′
\
、
メ ト、
△
①
尊の実 験 に つ い て 紹 介 し, そ の概 要 を説 明
する こ と に す る 0
こ十 △、
ー
り
山崎 の 所 論
浸
第 1 圃 の よ うに , 土 壌 表 面 に 定 水 頭 を 保
・/
って滋透 させ , 途 中 の あ る 断 面 で 一 様 な 吸
透
水を行 な う場 合 を 考 え てみ る 。
量 灯ル
土 壌 の透 水 係数 を K , 途 中 か ら全 く吸 水
のな い 場 合 の 流 量 , 動 水 コ ウ配 を Q o, J o,
とす る 。 ま た 途 中 か ら Q ′ だ け 吸 水 し た 場
/∂
2 0
2 2
2 ヰ
的∂
合の 吸 水 個 所 よ り上 部 お よ び 下 部 の 流 量
ー
動水 コ ウ 配 を そ れ ぞ れ Q l, Q 2, J l, J 2 で
/β
2
/2
/4
/古
/β
ん
年
々 ゴ
時
間
第 2 回
浸
透
量
の
変
化
ぁらわ す 。 11 の 部 分 で 消 費 す る 浸 透 ポ テ ソ シ ヤ ル は h l,
1 三(ニ ト 11) の部 分 の それ は b 2 (ニh − h l) で しめ す 0
D A R CY の式 か ら
た だし
Q 。
= A ・K ・T 。
・t
浸透 断 面 硫 A
Q lニQ 。十 ヱQ 乃′
キ l
Q 殉′:各 個 所 の 根 の 吸 水 量
1ヮ
も:土 層下 端 よ り各 吸 水個 所 まで の 距 り
と浸透 時 間 を 1 と考 え
以 上 の 関 係 ほ 砂 を 用 い た 室 内 突 放 で は 明 らかに 成 立 す
Q 。
= K J。
るこ とが 実 証 さ れ た 。
Q ′
ニQ l−Q 。
=K Jl−K J2=K(キ ー一
覧 虹 )
これから hlニ ー
ト( hll+鞍
2) 筆 者 等 及 び 狩 野 , 古 木 等 の 実 験
筆 者等 は 1 9 5 8 年 に ポ ッ トに 水 田土 壌 を填 充 して浸 透 が
)
土壌 及 び作 物 に及 ばす 影 響 につ い て 実 験 を 行 な つ た
した が つ て
が, そ の う ち 8 月 2 8 日ノ
ー2 9 日 に か け て 時 間 観 測 を 行 な つ
Q l=K ‡1−
−
ニー
ー
ト(K 山 Q ′
12)ニK Jo十Q ′
÷
た結 果 を第 2 囲 に 示 した 6)
。 図 の折 線 ① は そ の時 測定 し
た透 水係 数 か ら計 算 した理 論 的 浸透 量 で あ り, 山 崎 の式
= Q o+ Q ′1
瓜
のQ 。
に相 当 す る。 折 線 ② ほ 実 際 に ポ ッ ト下 端 よ り排 出 し
Q 2= Q l− Q ′= Q 。− Q ′
1
た浸 透量 で Q 2に 相 当 す る。 こ の 2 つ の 量 の間 には 明 らか
一
に開 き が あ り, イ ネ の 吸 水 の 影 響 が 大 き い こ と が わ か
吸水 が 2 カ 所 以 上 の 断 面 か ら行 な わ れ る と す る と
る。 そ こで , イ ネ の吸 水 の中 心 が 20 cm
の土 層 の中 央 に
あ る と して , 同 時 に 測 定 した 各 時 間 毎 の蒸 散 量 (イ ネ の
ト叫
1
ん・−
−
・−
−一
・一一
一」
ん′ − −
J
吸水 量 Q ′
) を , 山崎 の Q 2=Q l−Q ′
=Q 。
−Q ′÷
代入 して 計 算 した 結 果 は 折 線 ③ とな る 。折 線 ② と③ は ほ
ぼ等 し い値 と な り, 山崎 の式 は実 際 の 水 田土 壌 につ い て
A 肺 i
も成 立 つ も の と 思 わ れ る 。
また狩 野 ,古 木 等 ほ さ らに 大 きい
Q ‥ J′
α
戸
Qク
エ2
a ヱ,㌔
・1
’ヾづ
一ぶ
J
で
㌧
∴
ヾ
ヽ
・・1
チ
の式 に
, J 。
5 0 c m x 5 0 c m x lO O
cm の ライ シ メ ー タ ーに 水 田土 壌 を つ め , 田面 下 6 cm ,
1 2 c m , 18 c m , 2 4 c m , 3 6 c m ,4 8 c m , 6 0 c m , 7 2 c m に お
のお の マ ノ メ ー タ ーを 挿 入 し, イ ネ の吸 水 が 動 水 コ ウ配
:
;ごF
′
‥
∴
に与 え る影 響 に つ い て実 験 を 行 な つ た 。 そ の結 果 田面 下
0 ′
一 6 cm の 動 水 コウ配 ほ 水 稲 生 育 に 伴 い次 第 に増 大 し,
第1 図
イ ネ の 吸 水 と浸 透 量 の 関 係
出 穂 期 前 に お い て 最 大 と な り, そ の 値 ほ 葉 面 蒸 発 を お さ
1 6
土 壌 の 物 理 性
第3 号
(1 9 6 0 )
えた 場 合 の1 .6 倍 程 度 に な る。 一 方 1 2′
−1 8 c m 以 下 に お い
年に こ の 関 係 を 始 め て 韓 摘 し , 次 式 を 用 い る べ き こ とを
ては 逆 に 水 稲 生 育 と と も に 減 少 し , 出 穂 前 に お い て 最 少
提案 した 。
減 水 深 ご 水 田土 壌 固 有 の浸 透量 十 水 面 蒸 発 量・=‥
・
(2)
の値 と な り, 登 熱 に つ れ 再 度 増 加 の傾 向 を た ど つ て い
しか し, こ の式 はす で に 述 べ た 山 崎 の所 論 及 び筆 者 等
る。 ま た これ ら の 実 験 結 果 よ り降 下 浸 透 量 の 変 化 を み る
と,水 稲 生 育 の成 長 と と もに 0 ′
一 6 cm
るが , 1 8 c m
の 実 験 か ら 明 ち か な よ うに , イ ネ の 吸 水 に よ り, 動 水 コ
の間 で は 増 加 す
ウ配 が 変 化 し浸 透 水 量 が 増 減 す る こ とを 考 慮 して い な い
以下 で は道 に減 .
少す る。す なわ ち蒸 散 に よ
り根 の吸 水 位 置 まで は 浸 透 量 が 増 加 す るが , それ 以下 で
点 で 欠 陥 を もつ て い る と考 え られ る。
山 崎 ほ 前 述 の よ うに, この 間 の 関係 を D A R CY
ほ減 少 す る こ とを示 し て い る 。
の式 を
も と に し て 明 らか に し , 減 水 深 の 表 示 は 次 式 に よ る べ き
以 上 の こ と か ら , イ ネ の 根 は 土 壌 表 面 よ り降 下 浸 透 す
る 水 の 中 か ら必 要 な だ け の 吸 水 を 行 な い , こ の 結 果 吸 水
で あ る こ とを 示 した 。
減 水 深 = 水 田土 壌 固 有 の浸 透 量 十ヱ根 の 吸水 量
の な い と した と き の浸 透 量 (一 応 水 田 土壌 国有 の浸 透 量
×± 蜃 三 重と 旦 埋 水週 教 室ヱ 里 里 旦 十 水 面 蒸 発 量 ‥
・
(3)
土 層 厚
と呼 ぶ ) に比 べ て , イ ネ の根 の吸 水 の ある と きは , 吸 水
個 所 まで は 浸透 量 が 増 加 し, 根 群 域 以下 の 浸 透量 は減 少
(3 )
式 は 水 田土 壌 固有 の浸 透 量 な る も のを 基 礎 に して考
し , そ の 増 減 量 は 吸 水 個 所 の 深 さ に よつ て 定 ま る こ と
えた 場 合 に は 理論 的 に正 しい 形 で あ る と思 わ れ る が ,実
ほ , 理 論 的 に も 実 際 的 に も ほ ぼ 明 らか に な つ た と 考 え て
際水 田 の減 水 深 を 取 り扱 う場 合 , 多 くの 問 題 点 を 持 つ て
よい 。
い る 。
5. 水 田 減 水 深 の表 示 法
例 え ば 山 崎 も 報 告 の 中 で 掃 摘 し て い る よ うに ,(3 )
式右
.
如
従 来 水 田 の減 水 深 は 次式 で 示 され る と して い た 0
辺で 明 らか に 存 在 し また 直 接 実 測可 能 な 量 は 水 面 蒸 発 塵
減 水 深 = 浸 透 量 十 葉 面 蒸 発 量 + 水 面 蒸 発 量 ‥‥‥
・‥
(1)
のみ で あ る 。
水 田土壌 固有 の浸 透 量 につ い て い え ば , これ は あ くま÷
この式 の浸 透 量 の 定 義 は ま こ とに不 明確 で あ るが , 実
際 の 坂 り扱 い の上 で は , 〝水 田 土壌 固有 の浸 透 量 〝と し て
で仮 定 の量 で あつ て ,時 間 的 , 空 間 的 に は存 在 しな い量
考 え る場 合 が ほ とん どで あつ た 。
であ る 。例 え ば第 3 図等 に 筆 者 等 が ポ ッ トを 用 い て カ Y 、
そ.
こで ,(1)
式 の浸 透 量 を 〝水 田土壌 国有 の 浸透 量 〝 と
ガイ期 間 中 の水 田 土壌 の 透 水 係 数 の変 化 を 測定 した もの‡
す る と , 前 述 の よ うに 菓 面 蒸 発 量 ( イ ネ の 吸 水 ) は 浸 透
を示 した 6)
。 これ を み る と無 植 生 区 の透 水 係 数 は カ ソ群 雲
水 中 で 行 な わ れ るの で ある か ら, 上 式 は 当 然 修 正 され な
イ期 間 中 , ほ ぼ 一 定 で あ るが ,植 生 区 の 透 水 係 数 ほ 著
け れ ば な らな い こ と に な る 。 これ に つ い て 富 士 岡 は 1 9 5 8
い変 動 を 示 し て い る 。 植生 区 の 透水 係 数 は 水 稲 根 の清 雅≡
、
〉
当
の盛 ん に な る , 8 月 上 旬 よ り漸 弼
そ 六/♂ ̄5
一−−
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含
『
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へ.
、
なか つ た 。 こ の 実 験 ほ ポ ッ ト の下 請
\’
、
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一
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●・
一一一■
一一
■室
C −a −2
端か ら相 当 多 量 の水 量 を 排 出 さ嘲
二〆 ′
ぺ
短時 間 で 測 定 を 行 なつ た もので ,
得られ た 透 水 係 数 に は , イ ネ の
∫ x /ク ■イ
27
/
7
ノ〃
2 2
2 β
6 7
ヰ
//
/β
∼∫
8
/
β
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2 2
2 β
タ
ざ
β
2 ク
ノJ
(日
1
水の 影 響 ほ ほ と ん ど 含 ま れ て い
〔月 I
いと 考 え られ る 。
第 3 図
カ ソガ イ期 間 中 の透 水 係 数 の時 間 的 変 化
した が つ て土 壌 の 透水 係 数 の礪
∧
レ讃
試験 区 番 号
A − 2
生
あ
り
B
−
2
〝
C
−
2
〝
A 〟 a − 2
B −
C
植
a
−
−
a
2
−
な
2
〝
なし
約20m m
約70 m m
し
〝
垂直 浸 透
なし
下は , 土 壌 の透 水 構 造 の 変 化 にこ
ま
・÷ 毒
るも の で , 同 時 に 行 な つ た E b 甲
:
遵
測定 ,土 壌 の理 化 学 約 分 析 か ら,
慧
議書芸書芸言霊芸買芸裏表
約2 0m m
約6 0m m
土壌 は平 家 水 田土 壌 ,透 水 係数 はす べ て2 0 0C に補 正 した値
の破 壊 に よ る も の と 推 論 さ れ
椎名 :水 田 減 水 深 に つ い て の 一 考 察
17
一■
一
一
一
−
㌦一
㌦㌦一
〟】
W 〟
この ほ か, シ ロカキ , 中 耕 除 草 等 の 操 作 も透 水 構 造 の
この よ うな状 態 で の減 水 深 は(1 )
′
〉
(3 )
式 で は まつ た く取 り
変動 の 大 き な 要 因 と な る こ と が 考 え ら れ る し , ま た 透 水
扱 い が 困 掛 こな り, ど う し て も
(4 )
式 の 考 え方 を 必 要 とす
構造 は 変 らな くて も 浸 透 量 そ の も の は , 温 度 , 地 下 水 位
る。(4 )
式 は畑 地 カ ソガ イ の場 合 の用 水 量(減 水 深 で 示 す )
忙よ つ て 変 化 す る こ と ほ 明 ら か で あ る 0
の 考 え 方 と 同 一 で あ り, 今 後 の 水 田 , 畑 を 通 じ て の 用 水
この よ うに 実 際 水 田 の 浸 透量 は ,土 壌 固有 の も ので は
なく して , 作 物・ 土 農
水 ,地 形 ,気 象 等 の 諸 因 子 に よ
利 用 の立 場 か らも, この 考 え方 に 立 つ て , そ の 内 容 を深
め て 行 く必 要 が あ る 。
って 定 ま る も の で , ま つ た く 同 一 の 浸 透 量 と い う も の は
存在 しか
といつ て も過 言 で は な い0
4 . 水 田減 水 深 の測 定法
したが つ て , あ る
条件 下 の 浸 透 量 か ら イ ネ の 吸 水 甲 影 響 を 除 い た も の を ,
水 田減 水 探 の 測 定 は従 来 いろ い ろ の 方法 で行 なわ れ て
〝水 田土壌 固 有 の浸 透 量 〝 と して 減 水 深 の基 執 こす るの
い るが , こ こで 問 題 に す るの は ,一 枚 の水 田 の減 水深 は
は, 少 な く と も 現 実 の 技 術 的 問 題 に 対 し て ほ 無 力 だ と い
勿 論 , そ の 構 成 諸 要 素 で あ る,浸 透 量 ,葉 面蒸 発 量 ,水
える 。
面 蒸 発 量 の 各 値 も 同 時 に 求 め よ う とす る も の で あ る 。 筆
こ の ほ か ,(3 )
式 の 右 辺 第 2 項 に つ い て も , 山 崎 も揮 摘
者等は現在 ・
γ水 田 用 水量 測 定 方式 に 関す る研 究 〝 の テ ー
して い る よ う に 土 層 の 厚 さ を ど う と る か , 根 の 吸 水 量 を
マ に 取 り組 み , 上 述 の 目 的 の あ る 程 度 ほ 達 成 し て い る
辟算す る操 作 が 可 能 で あ るか ど うか , 大 きな 問 題 点 を有
が , ま だ 完全 な もの とは な つ て い な い。 そ こで , こ こで
して い る と い え る 。
は , これ らの測 定 法 確 立 の た め の基 本 的 な 考 え方 及 び 得
こ の よ うに し て み る と , 一 見 極 め て 簡 単 に み え る 水 田
減水 深 の 表 示 法 も な か な か 難 か し い も の で ,(1 )
,(2 )
式で
ほ理 論 的 に 誤 りで あ る し ,(3 )
式 で は理 論 的 に ほ 正 し い
られ た結 論 につ い て の若 干 の 紹介 を 行 な うこ とに す る 。
1) 基 本的 な 考 え方
水 田 の減 水 深 は前 述 の よ うに,〟板 群 域 以下 へ の 浸透 量
が, 実 際 の 問 題 解 決 に ほ あ ま り役 立 な い と い う こ と に な
+ 葉面 蒸 発 量 +水 面 蒸 発 量・l’で 示 され るが , こ の 中 で
る。
(根 群 域 以下 へ の浸 透量 + 葉 面 蒸 発 量 ) の値 ほ 土 襲 表 面
そ こで筆 者 は 水 田減 水 深 の表 示 式 に は , 〝水 田土壌 固
有の浸 透畳 ′
′の よ うな本 質 論 的 段 階 の値 は用 い ず , 実 際
よ り下 方 に浸 透 降 下 す る量 で あ り, また水 面 蒸 発 量 は株
聞か ら蒸 発 す る量 で , い ず れ も直 接 測定 可 能 量 で あ る。
水田に 実 体 と して存 在 す る諸 量 を 基 礎 に した 次 式 を 採 用
これ らを まず 精 確 に 測 定 す る方法 が 必要 で あ る。 こ の場
すべ き で あ る と考 え て い る 。
合, これ らの 2 つ の量 は , 一 枚 の水 田 の減 水 深 ほ 比 校 的
減水 探 =棍 群域 以下 へ の浸 透 量 十菓 面 蒸 発 量
簡単 に 精 度 の 高 い 値 を 得 る こ とが で き る か ら, こ の 値 に
+ 水 面 蒸 発 量 … … ==
・・… …・・・…(4 )
対応 して ,一 枚 の 水 田全 体 の 平均 量 を示 す こ とが 大 切 で
これ は,(1)
式 の浸 透 量 を 土壌 表 面 を 基 準 に し て 考 え
,板 群 城 の 最 下 端 の 断 面 を 基 準 に し , こ れ よ り下 方 ま
あ る。
次 に 土壌 表 面 よ りの降 下 浸透 量 (=板 群 域 以 下 へ の 浸
透量 + 葉 面 蒸 発 量 ) の 値 が 求 め られ た な ら ば , さ ら に
して 規 定 す る も の で あ る 。
この よ うに 考 え れ ば , ま ず 理 論 的 に 水 の 収 支 量 の 関 係
〝根群 域 以下 へ の浸 透 量 〟 また は 葉 面 蒸 発 量 を正 確 に 測
りは な い こ と に な る 。 す な わ ち 土 壌 表 面 よ
定す る方 法が 必 要 となつ て くる。 こ の場 合 菓 面蒸 発 量 は
の浸透 水 量 は,(4 )
式 右 辺 の 1 項 , 2 項 の 和 で あ り, こ
あく ま で , 実 際 水 田 の イ ネ に つ い て 行 な わ れ る 必 要 が あ
ほ前 に述 べ た水 田土 壌 固 有 の 浸透 量 よ りは 大 きい量 で
る。従 来 の有 底 箱 に よ る方 法 ほ , 筆 者 等 の試 験 で ほ , あ
その 内 容は ,(3 )
式 の 〝水 田土 壌 固有 の 浸 透 量 十 三
ま り信 用 で き な い 値 と な つ て い る 。
(この 点 につ い て は近
土層 下 端 よ り吸 水 個 所 ま で の 距 り
い将来 発 表 す る予 定 で あ る) また 根 群 域 以下 へ の 浸 透量
X
土層
厚
に相
によれ ば , 各 量 は 実 存 す る 量 で あ り , 測 定 も
0 ちな み に 最近 作 物生 理 , お よび 栽 培 の分 野
水性 の 生 育 に 及 ぼ す 影 響 に つ い て 多 く論 じ ら
・ こ の よ うな 問 題 解 明 の 点 で も 明 ら か に さ れ
らな い 量 は ,(4 )
式 1 項 , 2 項 で あ る と考 え ら
に大 切 な こ とほ , 後 で も 少 し ふ れ る が , 最 近
みられ る よ うに 節 水 , 間 断 カ ソ ガ イ 等 を 行 な
り, 水 田 で も 湛 水 し な い 場 合 が 多 く あ る が ,
につ い て は , こ れ の 流 動 方 向 に つ い て の 究 明 と合 わ せ て
:行 な う必 要 が あ る 。
こ の よ うに し て , 水 田 減 水 深 を 構 成 す る 諸 量 が 得 ら れ
たな らば , ほ じ め て こ れ ら の 量 の 生 産 力 的 意 義 に つ い て
の検 討 が 可 能 に な る わ け で あ る 。
2 ) 水 田全 体 の 減 水 深 の 測 定 法
これ は 一 枚 の水 田に湛 水 され た 全 水 量 を基 準 に し て,
総消費 水 量 を 求 め るに は 直 接 的 で あ り, かつ 測 定 値 も水
管理 さ え 慎 重 に 行 な うな ら ば 相 当 の 精 度 を 持 つ こ と が 可
土壌
1 8
第 3 号
(1 9 6 0 )
能で あ る 。 フ ッ ク ゲ ー ヂ , 自 記 水 位 計 , 流 入 , 流 出 量 計
けれ ば な らな い し , ま た 場 所 に よ る 浸 透 量 に 懐 向 が み ら
等に よつ て 測 定 で き る 。 −
れれ ば ,数 個 を 同時 に使 用 しな け れ ば な らな い 。
5 ) 棍 群 域 以 下 へ の浸 透 圭 の測 定
3 ) 水 面 蒸 発 量 の測 定
減 水 深 を 構 成 す る各 要 素 の 中 で 比較 的簡 単 に直 接 測 定
こ の測 定 方 法 につ い て , 筆 者 は まだ 確 定 的 な 方 法 を 見
でき る の ほ 水 面 蒸 発 量 で あ り, ま ず こ の 量 を 測 定 し て 減
出し て い な い が , ほ ぼ 2 つ の 方 向 が 考 え ら れ る 。 1 っ ほ
水深 か ら除 くこ とが 必 要 で あ る。 測 定 は 株 問 蒸 発 計 を用
葉面蒸 発量 を測 定 して , 土 壌 表 面 よ りの 降下 浸 透 量 か ら
い て行 な う。 な お こ の測 定 に あた つ て の最 大 の 困 難 は雨
差引 い て 求 め る も の で あ り , 1 つ は 直 接 測 定 す る 方 法 お
量の補 正 で , この た め に は 精 密 な株 間 雨 量 計 が 必 要 で あ
る。
浸透 計 の よ うな も の を設 置 して 直 接 降 下 浸 透 す る水 量 を
4 ) 土 壌 表 面 よ りの 降 下 浸 透 真 の測 定
この 測 定 法 に は , い ろい ろ考 え られ るが ,次 の条 件 を
計 る 方 法 と, 土 壌 表 面 よ り 2 本 の マ ノ メ ー タ ー を 板 帯 域
以下 に差 し込 み , そ の水 圧 を ほ か り, あ らか じめ 測 定 し
そ なえ る こ とが 必 要 で あ る 。
打) ワ クを 打 ち 込 む 場 合 が 多 い が , ワ ク 内 の 水 位 と 水
田 の 水 位 を 常 に レ ベ ル に 保 つ こ とが 必 要 で あ る 。
(句
あ る。 直 接 測 定 す る方 法 の 中 に は ,J o F F E り が 畑 地 の土
壌を境 乱 し な いで 浸 透 す る 水量 を 計 る た め に 考 案 した ,
ワ ク の 打 ち 込 み 深 さ を な る べ く浅 く し て , 側 壁 に
ょ る 漏 水 , 水 の 流 れ の 虎 乱 を 少 な くす る こ と が 大 切 で あ
て お い た根 群 域 以下 の透 水 係 数 よ り計 算 で求 め る方 法 の
2 つ が 考 え られ る 。
いず れ の 方 法 に しろ , これ らは 早 急 に 確 立 す る必 要 が
あ る もの で , 筆 者 等 は 実 験 を継 続 中 で あ る。
る 。
¢う
5. あ
が
き
以 上 で 水 田に お け る イ ネ の 吸 水 と浸 透 量 の関 係 ,水 田
面 を 含 む 必 要 が あ る。
肖
と
ワ クは一 枚 の 水 田 む
三対 し て , 平 均 に 稲 株 , 株 間 水
測 定 値 は 時 間 的 変 化 が 大 きい ので ,普 通 の 目的 の
た め に は 日 単 位 で 精 確 に 求 め られ る こ と が 大 切 で あ る 0
筆 者 等 ほ , 以上 の条 件 を 満 足 す る測 定 器 具 と して, 第
減 水 深 の表 示 式 の 問題 ,減 水 深 の 測 定 法 の諸 問題 等 につ;
いて述 べ たが , 勿 論実 際 水 田に お け る複 雑 な諸 要 素 の カ
らみ合 つ た減 水 深 の現 象 論 に つ いて の 問題 の み で あ る。
4 図 に 示 す よ うな 塑 の も の を 試 作 し , そ の 精 度 を 確 認 し
減 水 深 , 水 田 の 透 水 性 等 の問 題 は 各 学 問 分 野 の境 界領
て 使 用 し て い る 7)。 な お こ れ ら の ワ ク を 用 い る 場 合 ぜ ひ
域に ぞ く す る事 項 が 多 く, 生 産 力 に と つ て 直 接 結 び つ き
注 意 し な け れ ば な らな い こ とは ,水 田土 壌 の透 水 性 は一
の多 い 事 項 が あ る に も か か わ らず , 比 較 的 お くれ た 分
枚 の 水 田 で も 非 常 に バ ラ ツ キ の 大 き い こ とで あ る ○ ワ ク
の 大 き さは , これ らの バ ラ ツキ を平 均 に含 む 大 き さで な
蔓 葦≡
川
させ る 必 要 が あ る で あ ろ う。
考
文
献
1) 田辺 邦 美 ‥水 田に お け る水 稲 蒸 散 力 の浸 透 速度
及ぼ す 影 響 ( 工)
,(Ⅱ ), 兵 士 研 , 25, 4 号 , 5 号 三
遷
2 ) 富 士 岡義 一 ‥水 稲 の 葉 面 蒸 発 量 が 浸 透 に 及 ばす 彰箋
響につ い て, 鼻 土研 ,2 5 , 5 号
.
彗
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にぞ くして い る。 今 後 各 方 面の 知 識 を 寄 せ 合 つ て ,発
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農学 部 土 地 改 良 研
究 室 ・)
作頑
J l粘 、が 1 卵 顔
5 ) 狩 野 徳 太 郎・ 古 木 敏 也・ 中 川 昭 一 郎 ‥水 稲 の蒸
が浸 透 に 及 ぼ す 影 響 に つ い て (第 1 報 ),農 業 土 木 学
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ィβ0 巾 れ
大会 講 演 要 旨 (昭 和 35年 慶 )
6 ) 吉 良芳 夫・ 椎 名 乾 治・ 竹 中 肇 ‥浸 透 が 土 壌 ,憫
に及 ぼす 影 響 につ い て(Ⅱ ), 真 土 研 別 刷 1 号 集録 刊
7 ) 狩 野徳 太 郎・ 椎 名 乾 治・ 中 川 昭 一 郎・ 小 菅 孝 札
一一 一 一 一
水田 用水 量 測 定方 式 に 関 す る研 究 (第 1 報 ),農業
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学会 大 会講 演 要 旨 (昭 35年 度 )
コッ ク
第4 図
新型測定器
8 ) JoF柑 :L ysim eter studies(1)
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