日本版ISAの道[その142]NISAなどで賢く活用されて

情報提供資料
三菱UFJ国際投信
【投信調査コラム】
情報提供資料/【投信調査コラム】 日本版ISAの道
2016年5月30日
日本版ISAの道 その142
NISAなどで賢く活用されているパッシブ型投信が
低コストによって拡大中!
~日米の投信でパッシブ型とアクティブ型のコストを徹底比較~
商品企画部
松尾 健治
窪田 真美
※三菱UFJ国際投信がお届けする、日本版ISAに関する情報を発信するコラムです。
若年層が NISA などで賢く活用しているパッシブ型投信に資金が流入している
2016 年 5 月 22 日(日)付日経ヴェリタスに「パッシブ型、9 年ぶり高水準、公募投信全体の 1 割、低コスト・指数多
様化で。」という見出しの記事を出した。 一部を引用すると下記の通り。
「指数連動を目指すパッシブ型の投資信託に資金が流入している。上場投資信託(ETF)などを除く公募投信の純
資産残高に占めるパッシブ型の比率は約 9 年ぶりの水準に上昇した。…(略)…。2016 年 4 月末時点のパッシブ
型投信の比率は 10.0%で、06 年 12 月末以来の高水準だ。株安につれて 11 年には 7.5%まで低下したが、15 年
後半から上昇傾向が鮮明になった。パッシブ型投信は、ファンドマネジャーが企業分析などを行うことで指数を上
回る収益を目指すアクティブ型に比べて、信託報酬が安いのが特徴。指数に連動するという仕組みの単純さや、
月数百円という小口での積立投資が可能なことから、資産形成のために投資を始める個人投資家に向いている。
若年層が少額投資非課税制度(NISA)などで賢く活用している。…(略)…。」(URL は後述[参考ホームページ])。
記事の数字を世界最大級の投信評価機関であるモーニングスターの情報機器で確認した所、公募追加型株式
投信(除く ETF、以下「投信全体」)の純資産は 2016 年 4 月末で 60 兆 5543 億円。 このうちアクティブ型ファンド
の純資産は 51 兆 4042 億円と投信全体の 84.9%を占めた。 そして、パッシブ型ファンドの純資産は 9 兆 1501
億円と 15.1%を占めた(過去最高、以下「パッシブ比率」)。 記事の数字と少し違う。 投資信託協会の分類には
「株式追加型/インデックス」はある一方、債券インデックス・ファンドなどは「株式追加型/バランス型」に含まれる為、
どうしてもこのあたりの事から、投信評価機関によるアクティブとパッシブの違いが生まれると思われる。
以上の数字を過去から確認すべく、日本の投信全体の純資産と資金純流出入をパッシブ型とアクティブ型に分け
て見る。 下記グラフがそれで、左側が純資産とパッシブ比率の推移で、右側が資金純流出入と株価の推移。
アクティブ型が純資産で 8 割超と依然主流であるものの(グラフ左側)、2015 年の株価ピーク以降、アクティブ型
は資金純流入が減少傾向にある(グラフ右側)。 その中、純流入を続けているのがパッシブ型である。
日本の投信のパッシブ/ アクティブ別純資産推移
2006年5月31日 ~ 2016年4月29日
金額(単位: 億円)
800,000
*日本の投信・・・日本籍の公募追加型株式投信(ETF除く)
パッシブ比率
16
パッシブ比率
(右軸)
700,000
日本の投信のパッシブ/ アクティブ別純設定推移
2006年5月31日 ~ 2016年4月29日
14
600,000
12
500,000
10
400,000
8
300,000
6
パッシブ
(左軸)
金額(単位: 億円)
+20,000
*日本の投信・・・日本籍の公募追加型株式投信(ETF除く)
TOPIX
(右軸)
+15,000
1,800
アクティブ
(左軸)
+10,000
アクティブ
(左軸)
指数
2,000
1,600
1,400
1,200
+5,000
1,000
+0
パッシブ
400
-10,000
アクティブ
200
2016年4月
2015年9月
2015年2月
2014年7月
2013年5月
2013年12月
2012年3月
2012年10月
2011年8月
2011年1月
2010年6月
2009年4月
2009年11月
2008年9月
2008年2月
2007年7月
2006年5月
-15,000
パッシブ比率
パッシブ
600
アクティブ
(出所: ブルームバーグ、Morningstar Directより三菱UFJ国際投信株式会社商品企画部が作成)
巻末の「本資料に関してご留意頂きたい事項」を必ずご覧下さい。
800
-5,000
2006年12月
2016年4月
2015年9月
2015年2月
2014年7月
2013年5月
2013年12月
2012年3月
2012年10月
2011年8月
2011年1月
2010年6月
2009年4月
2009年11月
2008年9月
0
2008年2月
0
2007年7月
2
2006年5月
4
100,000
2006年12月
200,000
パッシブ
(左軸)
0
TOPIX (東証株
価指数)
(出所: ブルームバーグ、Morningstar Directより三菱UFJ国際投信株式会社商品企画部が作成)
1/7
三菱UFJ国際投信株式会社
三菱UFJ国際投信
情報提供資料/【投信調査コラム】 日本版ISAの道
アセットクラス毎にパッシブ型とアクティブ型に分けて純資産と資金純流出入を見る
前頁では、日本の投信全体の純資産と資金純流出入をパッシブ型とアクティブ型に分けた。 以下ではそれをア
セットクラス毎に見る。 アセットクラスとは、国内株式ファンド、国内債券ファンド、海外株式ファンド、海外債券ファ
ンド、アセットアロケーションファンド(バランス型ファンド)の事で、順に見ていく。
まず国内株式ファンドだが、投信全体及び他のアセットクラスとは違い、パッシブ比率は高い水準ではあるものの、
上昇はしていない。 これは日本の個人投資家がパッシブ型の日経平均連動型インデックス・ファンドなどを使い
(逆張りで)設定や解約を繰り返している事から純資産が積み上がりにくい事が要因として考えられる。
国内株式ファンドのパッシブ/ アクティブ別純資産推移
2006年5月31日 ~ 2016年4月29日
金額(単位: 億円)
160,000
*日本の投信・・・日本籍の公募追加型株式投信(ETF除く)
国内株式ファンドのパッシブ/ アクティブ別純設定推移
2006年5月31日 ~ 2016年4月29日
パッシブ比率
35
パッシブ比率
(右軸)
140,000
30
パッシブ
(左軸)
金額(単位: 億円)
+6,000
*日本の投信・・・日本籍の公募追加型株式投信(ETF除く)
指数
2,000
TOPIX
(右軸)
+4,000
1,800
1,600
120,000
+2,000
25
100,000
20
80,000
アクティブ
(左軸)
1,400
1,200
+0
40,000
パッシブ
パッシブ
800
60,000
10
アクティブ
(左軸)
1,000
-2,000
15
パッシブ
(左軸)
600
-4,000
400
-6,000
(出所: ブルームバーグ、Morningstar Directより三菱UFJ国際投信株式会社商品企画部が作成)
2016年4月
2015年9月
2015年2月
2014年7月
2013年5月
2013年12月
2012年3月
2012年10月
2011年8月
2011年1月
2010年6月
2009年4月
2009年11月
2008年9月
2008年2月
2007年7月
2006年5月
-8,000
パッシブ比率
アクティブ
200
アクティブ
2006年12月
2016年4月
2015年9月
2015年2月
2014年7月
2013年5月
2013年12月
2012年3月
2012年10月
2011年8月
2011年1月
2010年6月
2009年4月
2009年11月
2008年9月
2008年2月
0
2007年7月
0
2006年5月
5
2006年12月
20,000
0
TOPIX (東証株
価指数)
(出所: ブルームバーグ、Morningstar Directより三菱UFJ国際投信株式会社商品企画部が作成)
次いで国内債券ファンドだが、パッシブ比率はかなり高い水準にあるものの、パッシブ比率はあまり上昇していない。
グラフの期間のほぼ全てで利回り低下傾向となっている事から、アクティブ型により、信用リスクを取り、高い利回
りを獲得してほしい事、金利上昇のリスクヘッジをしてほしい事の期待があるのかもしれない。
国内債券ファンドのパッシブ/ アクティブ別純資産推移
2006年5月31日 ~ 2016年4月29日
金額(単位: 億円)
35,000
*日本の投信・・・日本籍の公募追加型株式投信(ETF除く)
国内債券ファンドのパッシブ/ アクティブ別純設定推移
2006年5月31日 ~ 2016年4月29日
パッシブ比率
60
30,000
50
パッシブ比率
(右軸)
25,000
金額(単位: 億円)
+1,500
パッシブ
(左軸)
指数
2,000
TOPIX
(右軸)
1,800
+1,000
1,600
1,400
40
+500
20,000
30
15,000
アクティブ
(左軸)
1,200
1,000
+0
800
20
10,000
-500
400
10
(出所: ブルームバーグ、Morningstar Directより三菱UFJ国際投信株式会社商品企画部が作成)
2016年4月
2015年9月
2015年2月
2014年7月
2013年5月
2013年12月
2012年10月
2012年3月
2011年8月
2011年1月
2010年6月
2009年11月
2009年4月
2008年9月
2008年2月
2007年7月
パッシブ比率
-1,000
2006年5月
2016年4月
2015年9月
2015年2月
2014年7月
2013年5月
2013年12月
2012年10月
2012年3月
2011年8月
2011年1月
2010年6月
2009年11月
2009年4月
2008年9月
2008年2月
2007年7月
2006年5月
2006年12月
アクティブ
2006年12月
200
0
巻末の「本資料に関してご留意頂きたい事項」を必ずご覧下さい。
パッシブ
(左軸)
アクティブ
(左軸)
600
パッシブ
5,000
0
*日本の投信・・・日本籍の公募追加型株式投信(ETF除く)
0
パッシブ
アクティブ
TOPIX (東証株
価指数)
(出所: ブルームバーグ、Morningstar Directより三菱UFJ国際投信株式会社商品企画部が作成)
2/7
三菱UFJ国際投信株式会社
三菱UFJ国際投信
情報提供資料/【投信調査コラム】 日本版ISAの道
海外株式ファンドは、ほとんどアクティブ型でパッシブ比率は低位となっているが、パッシブ比率は一貫して上昇し
ており、今後のパッシブ化が進みそうである。
海外株式ファンドのパッシブ/ アクティブ別純資産推移
2006年5月31日 ~ 2016年4月29日
金額(単位: 億円)
250,000
*日本の投信・・・日本籍の公募追加型株式投信(ETF除く)
海外株式ファンドのパッシブ/ アクティブ別純設定推移
2006年5月31日 ~ 2016年4月29日
パッシブ比率
8
パッシブ比率
(右軸)
金額(単位: 億円)
+10,000
7
200,000
パッシブ
(左軸)
6
5
150,000
TOPIX
(右軸)
+8,000
指数
2,000
パッシブ
(左軸)
1,800
1,600
+6,000
1,400 アクティブ
1,200 (左軸)
+4,000
アクティブ
(左軸)
4
100,000
*日本の投信・・・日本籍の公募追加型株式投信(ETF除く)
1,000
+2,000
600
+0
2
パッシブ
(出所: ブルームバーグ、Morningstar Directより三菱UFJ国際投信株式会社商品企画部が作成)
2016年4月
2015年9月
2015年2月
2014年7月
2013年5月
2013年12月
2012年3月
2012年10月
2011年8月
2011年1月
2010年6月
2009年4月
2009年11月
2008年9月
-4,000
パッシブ比率
2008年2月
0
アクティブ
200
2007年7月
アクティブ
2006年5月
2016年4月
2015年9月
2015年2月
2014年7月
2013年5月
2013年12月
2012年3月
2012年10月
2011年8月
2011年1月
2010年6月
2009年4月
2009年11月
2008年9月
2008年2月
2007年7月
2006年5月
2006年12月
0
400
-2,000
1
2006年12月
50,000
パッシブ
800
3
0
TOPIX (東証株
価指数)
(出所: ブルームバーグ、Morningstar Directより三菱UFJ国際投信株式会社商品企画部が作成)
海外債券ファンドも、ほとんどアクティブ型でパッシブ比率は低位となっている。 ただパッシブ比率は昨年から大
きく上昇している。
海外債券ファンドのパッシブ/ アクティブ別純資産推移
2006年5月31日 ~ 2016年4月29日
金額(単位: 億円)
300,000
*日本の投信・・・日本籍の公募追加型株式投信(ETF除く)
海外債券ファンドのパッシブ/ アクティブ別純設定推移
2006年5月31日 ~ 2016年4月29日
パッシブ比率
7
パッシブ比率
(右軸)
250,000
6
パッシブ
(左軸)
5
200,000
*日本の投信・・・日本籍の公募追加型株式投信(ETF除く)
TOPIX
(右軸)
+6,000
指数
2,000
パッシブ
(左軸)
1,800
1,600
+4,000
1,400
1,200
+2,000
4
アクティブ
(左軸)
150,000
3
100,000
金額(単位: 億円)
+8,000
パッシブ
2
アクティブ
(左軸)
1,000
+0
800
400
(出所: ブルームバーグ、Morningstar Directより三菱UFJ国際投信株式会社商品企画部が作成)
2016年4月
2015年9月
2015年2月
2014年7月
2013年5月
2013年12月
2012年10月
2012年3月
2011年8月
2011年1月
2010年6月
2009年11月
2009年4月
2008年9月
2008年2月
パッシブ比率
2007年7月
-6,000
0
アクティブ
200
アクティブ
2006年5月
2016年4月
2015年9月
2015年2月
2014年7月
2013年5月
2013年12月
2012年10月
2012年3月
2011年8月
2011年1月
2010年6月
2009年11月
2009年4月
2008年9月
2008年2月
2007年7月
2006年5月
2006年12月
0
-4,000
1
2006年12月
50,000
パッシブ
600
-2,000
0
TOPIX (東証株
価指数)
(出所: ブルームバーグ、Morningstar Directより三菱UFJ国際投信株式会社商品企画部が作成)
アセットアロケーションファンド(バランス型ファンド)はパッシブ比率が比較的高く、総じて上昇傾向にある。
アロケーションファンドのパッシブ/ アクティブ別純資産推移
2006年5月31日 ~ 2016年4月29日
金額(単位: 億円)
160,000
*日本の投信・・・日本籍の公募追加型株式投信(ETF除く)
パッシブ比率
40
パッシブ比率
(右軸)
140,000
アロケーションファンドのパッシブ/アクティブ別純設定推移
2006年5月31日 ~ 2016年4月29日
金額(単位: 億円)
+10,000
35
100,000
25
80,000
20
TOPIX
(右軸)
+8,000
30
120,000
*日本の投信・・・日本籍の公募追加型株式投信(ETF除く)
パッシブ
(左軸)
指数
2,000
1,800
アクティブ
(左軸)
+6,000
1,600
1,400
1,200
+4,000
1,000
+2,000
アクティブ
(左軸)
-2,000
2016年4月
2015年9月
2015年2月
2014年7月
2013年5月
2013年12月
2012年10月
2012年3月
2011年8月
2011年1月
2010年6月
2009年11月
2009年4月
2008年9月
2008年2月
2007年7月
パッシブ比率
アクティブ
200
2006年5月
-4,000
アクティブ
パッシブ
600
400
パッシブ
(出所: ブルームバーグ、Morningstar Directより三菱UFJ国際投信株式会社商品企画部が作成)
巻末の「本資料に関してご留意頂きたい事項」を必ずご覧下さい。
800
+0
2006年12月
2016年4月
2015年9月
2015年2月
2014年7月
2013年5月
2013年12月
2012年10月
2012年3月
2011年8月
2011年1月
2010年6月
2009年11月
0
2009年4月
0
2008年9月
5
2008年2月
20,000
2007年7月
10
2006年5月
15
40,000
2006年12月
60,000
パッシブ
(左軸)
0
TOPIX (東証株
価指数)
(出所: ブルームバーグ、Morningstar Directより三菱UFJ国際投信株式会社商品企画部が作成)
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三菱UFJ国際投信株式会社
三菱UFJ国際投信
情報提供資料/【投信調査コラム】 日本版ISAの道
アセットクラス毎にパッシブ型とアクティブ型に分けてコストを見る
先の日経ヴェリタスに「パッシブ型投信は、ファンドマネジャーが企業分析などを行うことで指数を上回る収益を目
指すアクティブ型に比べて、信託報酬が安いのが特徴。」とあった。
アクティブ型とパッシブ型のコストをアセットクラス毎に比較する。 コストは運用管理費用とも呼ばれる信託報酬に
ついて見るが、投信によって、その投信(ファンド)が投資対象とする投資信託証券の信託報酬が別途かかるもの
もある。 これも含め実質的な信託報酬率を見る。
下記グラフがそれで、左側が単純平均で、右側が純資産加重平均である。 グラフ内の棒グラフは、各々、アク
ティブ型とパッシブ型(斜めの格子)である。
日本の投信の分類別・実質的な信託報酬率
日本の投信の分類別・実質的な信託報酬率
(純資産加重平均)
2016年4月30日現在
率(単位: %)
アク
ティブ
アク
ティブ
パッシブ
パッシブ
パッシブ
パッシブ
0.5
アク
ティブ
1.0
パッシブ
パッシブ
パッシブ
パッシブ
パッシブ
パッシブ
1.5
アク
ティブ
*各々、左がアクティブ/右がパッシブ運用投信。
アク
ティブ
2.0
アクティブ
アクティブ
アク
ティブ
アク
ティブ
1.0
アク
ティブ
パッシブ
パッシブ
1.5
*各々、左がアクティブ/右がパッシブ運用投信。
アク
ティブ
2.0
アクティブ
率(単位: %)
(単純平均)
2016年4月30日現在
0.5
0.0
全体
国内株式
型
国内債券
型
海外株式
型
海外債券
型
アセットアロ
ケーション型
(出所:Morningstar Directのデータより三菱UFJ国際投信株式会社商品企画部が作成)
0.0
全体
国内株式
型
国内債券
型
海外株式
型
海外債券
型
アセットアロ
ケーション型
(出所:Morningstar Directのデータより三菱UFJ国際投信株式会社商品企画部が作成)
*投信…日本籍の公募追加型株式投信(ETF除く)。
*実質的な信託報酬率…(日本の)ファンドの信託報酬にファンドが投資対象とする投資信託証券の信託報酬を加えた実質的な信託報酬率。
日経ヴェリタスの指摘通り、どのアセットクラスでもパッシブ型がアクティブ型より低くなっている。 それも半分以下
の水準となっている。 国内債券ファンドも同様だが、アクティブ型自体も低く、パッシブ型は最も低い。 国内アセ
ットである事からコストがあまりかからない事、国内金利の低さからコストをかけにくい事が背景にあると思われる。
一方、海外株式ファンドのコストが高目である。 米国や世界のリート/REIT などに投資するファンドに信託報酬が
別途かかるほか、運用を外部委託する場合もあり、こうしたコストが加算される為と思われる。
アセットアロケーションファンド(バランス型ファンド)もコストが高目である。 ここにはグローバルに分散投資するファ
ンドがあり、海外株式同様、運用にかかるコストが加算される為と思われる。
尚、上記グラフ右側にある純資産加重平均で見ると、パッシブ型はアクティブ型に比べて信託報酬率が下がる傾
向が顕著となっている。
巻末の「本資料に関してご留意頂きたい事項」を必ずご覧下さい。
4/7
三菱UFJ国際投信株式会社
三菱UFJ国際投信
情報提供資料/【投信調査コラム】 日本版ISAの道
米国投信でアセットクラス毎にパッシブ型とアクティブ型に分けてコストを見る
投信大国の米国の投信(ミューチュアルファンド)ではコストはどうなっているだろう? ここで米国投信のコスト(Net
Expense Ratio/ネットエクスペンスレシオ)を見る事とする。 ミューチュアルファンドと一言で言っても、多種多様な
クラスが混在しており、それらの合計もしくは平均を取り、単純にエクスペンスレシオ等を国内比較、国際比較、時
系列比較すると大きなミスリードを生む可能性がある。 そこでミューチュアルファンドから私募/CITs・ETF・リタイヤ
メントクラス・機関投資家クラス・SMA 等向けクラス・MMF を除いた一般個人が買えるクラスで見る事とする。
下記グラフがそれで、左側が単純平均で、右側が純資産加重平均である。 グラフ内の棒グラフは、各々、アク
ティブ型とパッシブ型(斜めの格子)である。 比較しやすいよう、先述の日本の投信も下方に再掲する。
左側の単純平均で見ると、やや日本が高い感じだが、よく言われるほど大きな差が無い事がわかる。 国内債券フ
ァンドについては日本の金利水準の低さからか、日本の方がコストは低い。 ただ右側の純資産加重平均で見ると、
違いが大きくなる。 これは低コストのパッシブ運用で有名な米国最大の投信会社バンガードによる所が大きい。
米国の投信の分類別・エクスペンスレシオ
率(単位: %)
*各々、左がアクティブ/右がパッシブ運用投信。
2.0
アセットアロ
ケーション型
(出所:Morningstar Directのデータより三菱UFJ国際投信株式会社商品企画部が作成)
0.0
国内株式
型
全体
国内債券
型
海外株式
型
パッシブ
海外債券
型
アクティブ
海外株式
型
パッシブ
国内債券
型
アクティブ
国内株式
型
全体
パッシブ
パッシブ
0.5
0.0
アクティブ
アクティブ
パッシブ
0.5
パッシブ
パッシブ
1.0
アクティブ
1.5
アクティブ
パッシブ
パッシブ
パッシブ
1.0
アクティブ
アクティブ
アク
ティブ
パッシブ
アクティブ
アクティブ
1.5
(純資産加重平均)
2016年4月30日現在
率(単位: %)
*各々、左がアクティブ/右がパッシブ運用投信。
パッシブ
アクティブ
2.0
米国の投信の分類別・エクスペンスレシオ
(単純平均)
2016年4月30日現在
海外債券
型
アセットアロ
ケーション型
(出所:Morningstar Directのデータより三菱UFJ国際投信株式会社商品企画部が作成)
*1 米投信(機関投資家向け・その他・リタイヤメントクラスを除く)。
*2 エクスペンスレシオ…Expense RatioもしくはTotal annual operating expensesの事。 日本の信託報酬・投信会社分に相当するManagement Fees(成功報酬調整後)とTransfer agent Fees and expense、日
本の信託報酬・販売会社分(代行手数料)に相当するDistribution (12b-1)Fees、日本の信託報酬・受託会社分に相当するCustdian Fees、日本の監査報酬に相当するAudit Fees、そして、投資対象ファンドの信
託報酬等であるAcquired Fund Fees and Expenses/AFFE等の総額を、目論見書のProspectusもしくは運用報告書の(Semi-)Annual Reportから抜き出し、平均純資産で割って年率としたものである。
*3 全体平均が高めなことについては上記の5分類に含まれないセクター株やオルタナティブ型が押し上げている等の為。
(再掲)
日本の投信の分類別・実質的な信託報酬率
日本の投信の分類別・実質的な信託報酬率
(純資産加重平均)
2016年4月30日現在
率(単位: %)
アク
ティブ
アク
ティブ
パッシブ
パッシブ
パッシブ
パッシブ
0.5
アク
ティブ
1.0
パッシブ
パッシブ
パッシブ
パッシブ
パッシブ
パッシブ
1.5
アク
ティブ
*各々、左がアクティブ/右がパッシブ運用投信。
アク
ティブ
2.0
アクティブ
アクティブ
アク
ティブ
アク
ティブ
1.0
アク
ティブ
パッシブ
パッシブ
1.5
*各々、左がアクティブ/右がパッシブ運用投信。
アク
ティブ
2.0
アクティブ
率(単位: %)
(単純平均)
2016年4月30日現在
0.5
0.0
全体
国内株式
型
国内債券
型
海外株式
型
海外債券
型
アセットアロ
ケーション型
(出所:Morningstar Directのデータより三菱UFJ国際投信株式会社商品企画部が作成)
0.0
全体
国内株式
型
国内債券
型
海外株式
型
海外債券
型
アセットアロ
ケーション型
(出所:Morningstar Directのデータより三菱UFJ国際投信株式会社商品企画部が作成)
*投信…日本籍の公募追加型株式投信(ETF除く)。
*実質的な信託報酬率…(日本の)ファンドの信託報酬にファンドが投資対象とする投資信託証券の信託報酬を加えた実質的な信託報酬率。
巻末の「本資料に関してご留意頂きたい事項」を必ずご覧下さい。
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三菱UFJ国際投信株式会社
三菱UFJ国際投信
情報提供資料/【投信調査コラム】 日本版ISAの道
米国投信で純資産毎にパッシブ型とアクティブ型に分けてコストを見る
前頁の日米コスト比較において単純平均で大きな差が無いのに、純資産加重平均では大きな差があった。 これ
は純資産の大きい投信のコストが安い事を示す。 例えば、バンガードのパッシブ型国内株式ファンド「Vanguard
Total Stock Mkt Idx Inv」(ティッカー: VTSMX) のネットエクスペンスレシオは年 0.16%と米国でもかなりの低さだ
が(*米国の国内株式ファンド・パッシブ型の単純平均は 0.93%、純資産加重平均年 0.28%)、2016 年 4 月末の純
資産は 973 億㌦/10 兆円強である。 バンガードのパッシブ型海外株式ファンド「Vanguard Total Intl Stock
Index Inv」(ティッカー: VGTSX)は年 0.19%のコストで純資産は 813 億㌦/9 兆円弱である。
そこで、純資産毎にパッシブ型とアクティブ型に分けてコストを見る。 下記グラフの通り、10 億円未満で最も高く、
1 兆円以上にかけて急低下する。 1 兆円以上ではコストが「アクティブ≫パッシブ」だったが、10 億円未満では
「アクティブ≒パッシブ」となっている。 そしてその下に日本のものを作成した。 1 兆円以上では日本のコストが
高いものの、10 億円未満では日本のコストが安く、日本では 10 億円未満でも「アクティブ>パッシブ」となってい
る。 つまり日本のパッシブ型のコストは純資産 100 億円未満では米国よりも安い事となる。 純資産で米国は日
本の 10 倍近く大きく、下記グラフで 100 億円以上には米国が多い。 だから純資産加重平均で見ると、米国のコ
ストは低くなるのである。 情報はしっかり見たい。
米国の投信の純資産別・エクスペンスレシオ
アクティブ
パッシブ
パッシブ
パッシブ
パッシブ
アクティブ
1.0
0.5
アクティブ
アクティブ
1.5
パッシブ
パッシブ
1.0
*各々、左がアクティブ/右がパッシブ運用投信。
パッシブ
1.5
(純資産加重平均)
2016年4月30日現在
アク
ティブ
アクティブ
アクティブ
パッシブ
2.0
パッシブ
アクティブ
率(単位: %)
*各々、左がアクティブ/右がパッシブ運用投信。
アク
ティブ
パッシブ
2.0
アクティブ
率(単位: %)
米国の投信の純資産別・エクスペンスレシオ
(単純平均)
2016年4月30日現在
0.5
0.0
0.0
10億円未満
10億円以上
100億円未満
100億円以上 1000億円以上
1000億円未満 1兆円未満
10億円未満
1兆円以上
(出所:Morningstar Directのデータより三菱UFJ国際投信株式会社商品企画部が作成)
10億円以上
100億円未満
100億円以上
1000億円未満
1000億円以上
1兆円未満
1兆円以上
(出所:Morningstar Directのデータより三菱UFJ国際投信株式会社商品企画部が作成)
*1 米投信(機関投資家向け・その他・リタイヤメントクラスを除く)。
*2 エクスペンスレシオ…Expense RatioもしくはTotal annual operating expensesの事。 日本の信託報酬・投信会社分に相当するManagement Fees(成功報酬調整後)とTransfer agent Fees and expense、日
本の信託報酬・販売会社分(代行手数料)に相当するDistribution (12b-1)Fees、日本の信託報酬・受託会社分に相当するCustdian Fees、日本の監査報酬に相当するAudit Fees、そして、投資対象ファンドの信
託報酬等であるAcquired Fund Fees and Expenses/AFFE等の総額を、目論見書のProspectusもしくは運用報告書の(Semi-)Annual Reportから抜き出し、平均純資産で割って年率としたものである。
日本の投信の純資産別・実質的な信託報酬率
パッシブ
パッシブ
パッシブ
パッシブ
パッシブ
パッシブ
パッシブ
パッシブ
1.0
アク
ティブ
アク
ティブ
アク
ティブ
*各々、左がアクティブ/右がパッシブ運用投信。
アク
ティブ
アクティブ
アク
ティブ
アク
ティブ
アク
ティブ
1.0
2.0
1.5
パッシブ
パッシブ
1.5
(純資産加重平均)
2016年4月30日現在
率(単位: %)
*各々、左がアクティブ/右がパッシブ運用投信。
アク
ティブ
2.0
アクティブ
率(単位: %)
日本の投信の純資産別・実質的な信託報酬率
(単純平均)
2016年4月30日現在
0.5
0.5
該当
なし
該当
なし
0.0
10億円未満
10億円以上
100億円未満
100億円以上 1000億円以上
1000億円未満 1兆円未満
0.0
10億円未満
1兆円以上
(出所:Morningstar Directのデータより三菱UFJ国際投信株式会社商品企画部が作成)
10億円以上
100億円未満
100億円以上
1000億円未満
1000億円以上
1兆円未満
1兆円以上
(出所:Morningstar Directのデータより三菱UFJ国際投信株式会社商品企画部が作成)
*投信…日本籍の公募追加型株式投信(ETF除く)。
*実質的な信託報酬率…(日本の)ファンドの信託報酬にファンドが投資対象とする投資信託証券の信託報酬を加えた実質的な信託報酬率。
巻末の「本資料に関してご留意頂きたい事項」を必ずご覧下さい。
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三菱UFJ国際投信株式会社
三菱UFJ国際投信
情報提供資料/【投信調査コラム】 日本版ISAの道
以
上
[参考ホームページ]
2016 年 5 月 22 日(日)付日経ヴェリタス「パッシブ型、9年ぶり高水準、公募投信全体の1割、低コスト・指数多様化で。」
…「 http://veritas.nikkei.co.jp/ 」、
2016 年 2 月 2 日付 WSJ(日本語版)「投資信託と ETF の手数料、米でほぼゼロに」…
「 http://jp.wsj.com/articles/SB12572346946470444848304581515570415235418 」。
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○当資料中の運用実績等に関するグラフ・数値等はあくまでも過去の実績であり、将来の運用成果を示唆あるいは保証するものではありません。また、
税金、手数料等を考慮しておりませんので、投資者の皆様の実質的な投資成果を示すものではありません。市況の変動等により、方針通りの運用が行
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巻末の「本資料に関してご留意頂きたい事項」を必ずご覧下さい。
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