解析学 I 第6回 略解 [6-1] 定義に従って示す.δz を z に関する Dirac 測度,または Dirac のデルタ測度などという. ∫ [6-2] 命題 3.13 の証明より,等号が成立するとき,θ = − Arg f dµ として X ∫ {|f | − Re(e √ −1θ f )} dµ = 0. X 被積分関数は非負であるから,系 3.12 (2) を用いて |f | − Re(e √ −1θ √ −1θ √ −1θ f = |f | ∈ R+ µ-a.e. 逆にある θ ∈ R が存在し,e ∫ ∫ f dµ = |f | dµ であることが定義に従って確かめられる. て,e X f ) = 0 µ-a.e. を得る.よっ f ∈ R+ µ-a.e. であるとき, X [6-3] (1) µ({|f − fn | ≥ ε}) ≤ ε −1 ∫ |f − fn | dµ → 0. X (2) {fn }∞ n=1 が f に測度収束するとき, 任意の ε > 0 について, ∫ ∫ ∫ (|fn − f | ∧ 1) dµ ≤ dµ + (|fn − f | ∧ 1) dµ {|f −fn |≥ε} X {|f −fn |<ε} ≤ µ({|f − fn | ≥ ε}) + εµ(X) → εµ(X) as n → ∞. ∫ ε → 0 とすれば,lim sup (|fn − f | ∧ 1) dµ = 0. n→∞ X ∫ 逆に lim (|fn − f | ∧ 1) dµ = 0 ならば,ε ∈ (0, 1) に対して n→∞ X µ({|f − fn | ≥ ε}) = µ({|f − fn | ∧ 1 ≥ ε}) ≤ ε −1 ∫ (|fn − f | ∧ 1) dµ → 0. X (裏面に続く) 1 [6-4] (1) a+ n,k = max{an,k , 0}, a− n,k = max{−an,k , 0} とおくとき,仮定より, ( ∑ ∑ n 系 4.2 より, ( ∑ ∑ n 一般に ∑ ∑ sn と (R ∋) ) a± n,k n = k ) a+ n,k − ) a± n,k n ) a− n,k = (< ∞) . ( ∑ ∑ n k = = 同様に ∑ ∑ k n a+ n,k ( − ∑ ∑ ) a− n,k = ∑∑ n k k ∑∑ n an,k = k − ∑ ) a+ n,k k a+ n,k − a+ n,k ) ) k ∑∑ an,k . k an,k であり,(⋆) を用いて n ∑∑ k a+ n,k ( ∑ ∑( n ) (⋆) k n ( k ∑ ∑ ∑ (sn − tn ) = sn − tn であるから, ( ∑ ∑ k < ∞. n k tn が収束すれば ( ∑ ∑ ( ∑ ∑ ) a± n,k an,k (∈ R) n を得る. (2) 一例として,an,n = 1, an,n+1 = −1 (n ∈ N), 他は 0. 以上 予告:6 月 10 日(木)3 限に中間試験を行います.範囲は「§4 収束定理」まで(「§5 測度の構成」 の前まで).演習問題の類題を中心に出題する予定です. 成績評価について:まだ確定していませんが,心積もりとしては以下の通りです. X = { 演習, 中間試験, 定期試験 }, M = 2X として可測空間 (X, M) を定め,受講生 A に対して X 上の関数 fA を fA (x) =「A の “x” の点数」∈ [0, 100] で定義する.δx を X 上の x に関する Dirac 測度([6-1] 参照)とし,X 上の測度 µ1 , µ2 を 1 9 δ中間試験 + δ定期試験 , 10 10 1 3 6 µ2 := δ演習 + δ中間試験 + δ定期試験 10 10 10 µ1 := で定めたとき, ∫ fA (x) µj (dx) max j=1,2 X を A の素点,これを調整したものを A の最終成績とする. 2
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