から考える知的財産権 - 札幌 弁護士 前田尚一法律事務所

第
回
「切り餅裁判」 から考える知的財産権
前田 特許対象は最先端技術ば
かりではありません。越後製菓が
切り餅が製造中止になりました。
業(佐藤食品)を訴え、サトウの
――業界2位の越後製菓が、特
許侵害で、業界1位の佐藤食品工
前田 「切り餅裁判」の判決前
日には、日立IC複写技術訴訟の
済活動をしなければなりません。
――判決がコロコロ変わるので
は、企業はリスクを抱えたまま経
じた逆転判決を下しました。
億円の賠償、製造装置の破棄を命
訴審は佐藤食品に製造禁止、約8
としていましたが、3月2日の控
第1審では特許侵害に当たらない
える影響は、多岐に及ぶのです。
予見できない裁判結果が経営に与
の場合、控訴審判決後、株価が急
勢で大きく変わります。佐藤食品
断は、担当する裁判長の基本的姿
法律の世界に取り込むかという判
活動の実態を把握し、どのように
便宜も図る』とは言っても、経済
や文化の発展を図るため、利用の
センティブを保障する一方、産業
――注意すべき点は。
前田 知的財産権の分野は、紛
争が発生した場合、結果を予測す
の商標権を巡る紛争を扱いました。
パ ー」 の 特 許 権、
「熊出没注意」
人」訴訟はご存じでしょう。当事
札幌地裁に提起された「面白い恋
商品の販売禁止および破棄を求め、
および不正競争防止法を根拠に、
ています。道内では、商標権侵害
動の中で、始終紛争の火種となっ
地方の中小企業の間でも、経済活
込みを入れる特許を取得しました。 財産の創出のため、創出者のイン
先に特許を取得。その後、佐藤食
控訴審があり、1審では約630
るのが困難です。経営的視点から、
した。ところが控訴審は相当の対
請求の範囲で200億円を認めま
か実用新案、育成者権、意匠権、
です。知的財産権は、特許権のほ
審とされているため誤解が多いの
( 0120・48・1 44)
。
す の で, ぜ ひ ご 相 談 く だ さ い。
は,この種の案件を取り扱ってま
家の協力が必要です。当事務所で
http://www.smaedalaw.com/
切り餅の側面に切れ込みを入れ、
品は側面に加え、上下面にも切り
0万円の支払いだったものが約2
――大手企業ばかりですね。
前田 それは違います。特許権
等の技術的な知的財産権は、東京
どのような落としどころにするか
価を約6億円とし、最終的には遅
著作権、商標権など広範なもの。
落するなどの事態も起きています。 務所でも「芯なしトイレットペー
有名な「青色LED特許訴訟」で
地裁と大阪地裁だけが第1審管轄
考えていかなければならず、専門
延損害金を含む約8億4000万
90万円に大幅減額されました。
も、1審は、発明者である従業員
特別の支部である知財高裁が控訴
、東京高裁の
の「相当の対価」を約600億円、 を 有 し( 専 属 管 轄 )
まえだ・しょういち/1
959年1月22日岩見
沢市生まれ。北大法学部
卒。93年前田尚一法律
事務所開設。UHB「の
りゆきのトークDE北海
道 」、STV「どさんこ
ワイド 」 出演。JR札幌
病院倫理委員・臨床研究
審査委員。元・ 北海道大
学法科大学院実務家教員
74
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前田尚一法律事務所
13
円 で 和 解 で す。
『発明などの知的
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前田 尚一
弁護士