ミヤコテック株式会社(京滋支部)

【会情報】
【会員企業ご訪問:Vol 126】
ミヤコテック株式会社(京滋支部)
今回は、京都市伏見区にあるミヤコテック㈱の代表取締役社長
取締役 市川 裕記様を訪ねました。
克一様と
電話
FAX
京都市伏見区下鳥羽但馬町
169
075-602-1331
075-612-3711
資本金
2,400 万円
本社住所
創業
市川 克一社長(右)と市川
市川
昭和 29 年
(昭和 36 年株式会社設立)
成形機
15 台
従業員数
58 名
裕記取締役
事業の概要
社長に就任してから、「第二創業」として
事業の新たな柱の形成に努め、現在では
射出成形加工、環境対応型発泡体生産、
治具・装置の設計・製作が柱となってい
ます。
◎射出成形加工
本社工場では熱硬化性成形機 7 台、
熱可塑性成形機 5 台を設置し、熱硬化性
本社外観
樹脂と熱可塑性樹脂 50:50 の割合で生産
しています。社内では、どちらの樹脂でも
以前より得意としているインサート成形を重点的に取り扱っています。平成 26 年1
月からは京都府京田辺市にも新たに工場を稼働させました。そちらには 3 台の成形
機とともに、ワイヤーカット放電加工機なども設置し、金型の設計・製作も行える
ようにしています。
◎環境対応型発泡体
八幡工場で古紙やでんぷんを用いて、環境に優し
い発泡体を製造しています。水蒸気発泡を行って
おり、その日の気象条件などにより発泡比率が異
なるのが技術的に難しいところです。主に緩衝材
に使われますが、従業員の発想からハート型の発
泡体を作ったところ、バレンタインやクリスマス
の飾りつけなどにも使われ、人気となっています。
ハート形の発泡体
◎治具・装置の設計・製作
製造業へのコンサルティング対応を行っています。治具や装置の設計・製作を行
い、生産ラインの困りごとを解決していきます。切削加工など付加価値のある技
術も活かしています。
これら三本柱の売上構成比は、射出成形が 60%、環境対応型発泡体が 20%、治具・
装置の設計・製作が 10%となっており、第二創業として取り組み始めた射出成形
以外の柱も徐々に伸びています。
事業のスタンス
従業員の自主性、積極性を重視しています。以前から、思い立ったらすぐ行動す
ることを大事にしており、例えば取引先から難しい要求があったとしても、すぐ
に断るのではなく、一旦は応じた上で、その後に別の提案ができるように言って
います。治具・装置の設計・製作によるコンサルティングでは従業員の提案力、
営業力が問われるので、社員力の表れになると思います。
また、会社としては第三者機関による認定の取得を積極的に行っています。これ
までに経済産業省の「新連携」や、
「京都府元気印中小企業認定制度」などの認定
を取得してきました。最近では、平成 27 年度「京都エコスタイル製品」や、京都
府の「知恵の経営」の認定を得ました。こういった認定を得ることで、会社の露
出が増えますし、信頼を得ることもできると考えています。
これと矛盾するかもしれませんが、品質保証体制については、敢えて ISO9000 シ
リーズは取得していません。独自の基準を作って認められることを大事にしてお
り、実際に取引先からは高い評価を頂いています。環境マネジメントシステムに
おいても、ISO14000 シリーズではなく、京都独自の「KES ステップ 2」を取得し
ています。
工場の様子
熱硬化性成形機、熱可塑性成形機を共に
備え、従業員はどちらも取扱えます。交
代勤務を採用していますが、二直までと
しています。新しい機械の導入も行って
おり、今年 1 月に導入した機械は従来の
物よりかなりの省スペース化が実現でき
ました。不良の集計や販売の管理には、
クラウドコンピューティングを活用して
います。
また、治具・装置の設計・製作事業では、
電機部品のカシメを打つ機械を自作しま
した。そのため、大幅な小型化を実現す
ることが出来ました。
工場内の様子
新型の成形機
自作のカシメ打込み機
現在の課題、今後の展望
従業員は若い方も多く在籍していますが、技術継承を進めるのが難しいです。先
輩従業員が作業している姿を見せるだけでは伝わらないようになっており、伝え
ていく方法を考えないといけません。対策の一つとして、これまでの社員教育は
OJT が中心でしたが、昨年から社外での教育も取り入れています。
今後の展望としては、治具・装置の設計・製作事業を伸ばしていきたいと思って
います。労働人口が減っていく中でコンサルティング対応は需要が見込めます。
それに加えて、新しい事業展開を行い、柱をさらに何本か作っていきたいと考え
ています。
※ 会社を拝見して ※
この 10 年余りの間で新しい事業の柱を作られ、さらにまだ新しい事業展開を考え
たり、認定の取得を進められたりしているところに、会社としての積極性を感じ
ました。そういったことが可能なのは、従業員の方々に、必要な機械なら自作し
てしまえるような技術力や自主性があるからこそだと思います。企業が長く事業
活動を続けていくには新しい事業展開を行うことが大事となりますが、働いてい
る人たちに技術力、自主性があるのは今後の会社にとっても大きな強みとなると
思います。
◎ありがとうございました
取材:事務局 平田、河合
※本記事記載の情報については平成 28 年 4 月 15 日現在のもとなります。
掲載ご希望の方は事務局(06-6214-8300)までご連絡ください。