人権啓発コラム の子への理解がいっそう深ま った。ここで思ったことは、 お互いの特性をいかに正しく 理解し合っていくことの大切 小諸市人権センター さである。それは、大人同士 においても同じである。 か﹂ ﹁教室に入れなくていい 今年度四月一日から﹁障害 ﹁ 理 解 し 合 うことから﹂ のですか﹂ ﹁教室で他の子と 者差別解消法﹂が発効し、個 教育相談員・指導主事 別なことをしているのは⋮﹂ 人が必要とされる合理的配慮 と学校でのしつけ・学習の仕 を意識した取り組みが求めら 小宮山 眞平 方や対応に関心を向けて疑問 れていく。法律はともかく、 を持つこともあった。そう思 丁寧に理解し合いながら良好 生まれたばかりの時から子 われたのも当然のことである。 な人間関係を築いていくこと どもの成長は多様である。い が基本である。 つの時代も早熟の子もいれば まだまだ発達障がいについて 晩成型の子もいる。少し大き の理解がなされていないとき くなってきて、集団生活での のことである。 ﹁多様性社会の人権﹂ トラブルや情緒不安・多動な ある時、自閉症の子のお母 人権同和教育推進委員会 ど不適応を示す行動がみられ さんが、その子の在籍するク るようになることがある。愛 ラスの子ども達に向かってメ 助言者 土屋 敏子 情不足や単なるしつけ、努力 ガホンを取り出し次のように 私たちが、ひとり一人尊重 不足のせいではないかとみら 話をした。 されて生きていられる世の中 れがちである。 ﹁多くの子どもたちのもの であってほしいと願います。 の見え方が、小さい穴に目を しかし、適応の難しさや学 習の遅れに関して脳の機能の あて大きい穴の方を見たよう 私たちは、生まれて育つ環 境を自分で選ぶことはできま 視点からスポットが当てられ だとすると、うちの子は、大 せん。言うに言われぬ人権の 障がいのある子の特性が見出 きい穴の方から小さい方を見 差別を受けている人のいる中 されるようになった。それに たような感じなんです。 ﹂そ で、他人事と切り離し安住し 伴って適切な支援の方向や方 う言って、実際に子どもにも ていてよいものでしょうか。 法が具体的に示され活用され 覗いて見させ見え方の違いを 競争社会から外れて、皆が てきている。 実感させた。説明が分かりや 本当の幸せとは何かを考え、 すかったことと、クラスが子 学校に勤務していた頃、来 人の痛みもわかって声を掛け 校者が﹁なんで先生あの子は ども同士の温かい人間関係が 合える仲間作りをすることな 廊下に寝転んでいるんです 築かれていたこともあり、そ んて、ちっぽけで取るに足ら 意見を聞き、身近な人権につ ないことなのでしょうか。 いて語り合ってみませんか。 人権は、侵害された者でな ﹁おもてなしの日本﹂です ければわからない感覚です。 が自分が愛されていると確信 できる家庭があり、人の痛み 大事にされているとは感じ られない、威圧的な態度で意 を知り他人の幸せを祈り共感 見など聞いてもらえず決めつ し 合 え る 仲 間・ コ ミ ュ ー ン けられている。恐怖である、 ︵仏語︶の延長上のおもてな 重苦しい気分になり不調を感 しでありたいものです。 じうつになる、希望がない。 四月に施行された障害者差 別 解 消 法 で は 学 校 で の﹁ 配 パートナー、妻や夫、親、 教師、上司等々の密室の強者 慮﹂で光が見える子がいます。 弱者の関係に偽善者の傲慢が 他人とコミュニケーション 潜んでいたらたまりません。 がとりにくい、文字が書けな い、大きい音や臭いが苦手等 私たちは支配されない。時 には、自分を守るために人権 のデリケートな個性。また、 を主張する勇気が必要です。 体と心の性が一致しないトラ できない場合には周りの人に ンスジェンダー等の性的少数 相談したり、その関係から抜 者LGBT。集団の中で生き け出すことが大事です。 にくさを感じる個々の声を聞 き、多様性への対応が始まる さて、人権感覚は、いつも 磨いていないと感じられませ のです。 ん。特に大人の私たちには大 切なことです。新聞・TV・ ラジオ等でDVやハラスメン ト、差別されている人々の声 を聞くことができます。幸い 小諸市では、各地区の区長、 人権同和推進委員の方の計画 で人権懇談会が夜に開催され ています。様々な人権に気づ くまたとないチャンスととら えて女性も男性も、異年代の 平成28年 6 月号 31
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