熊本地震災害派遣薬剤師・九州ブロック現地活動報告 No.19 平成 28 年 5 月 26 日 【派遣日程】 5 月 4 日(水)~5 月 5 日(木) 【報告者】 鹿児島県 岡積 大豪 【メンバー】 川畑 紀健,徳田 佐和子,岡積 大豪 【派遣先】 嘉島町役場 【交通状況】 朝8時出発、当日の朝に地震があり高速道路が一部通行不可になり12時 10分ころ熊本県薬に到着。熊本県薬で説明後嘉島町役場へ出発し、午 後1時ごろ到着。嘉島町役場までの道路は地震で壊れたところは舗装し なおされていたが、ガタガタしていたため非常に車が揺れた。被災の 中心に近い高速道路は波打っていた。 【ラ イ フ ラ イ ン】 特に問題なし。 【活動内容】 広島県薬剤師会のモバイルファーマシーを使用し調剤。広島県薬剤師会 3名、北海道薬剤師会3名、熊本県薬剤師会1名と連携し、計10名で活動。 5/4:13時に現地到着し、鹿児島県薬剤師会の前任者から引き継ぎ。 各薬剤師会から、嘉島町の現状やそれに伴う活動内容、モバイルファー マシーに関して説明を受ける。モバイルファーマシーに慣れるために調 剤、投薬を数件行った後、1名はモバイルファーマシーで広島県薬剤師 会、熊本県薬剤師会と共に調剤業務を行う。残り2名は嘉島町民体育館 で衛生管理について北海道薬剤師会より説明を受けたあと、看護師およ び薬剤師による嘉島町民体育館内の避難者の見回りに同行。インスリン 使用患者とお話し、インスリンの保管方法、使用状況等の確認や酒精綿 の残数状況の確認と手配を行った。調剤件数は5/4の1日総数が25枚程度。 17時に自衛隊の救護所が閉まると同時に調剤業務終了。鹿児島県薬剤師 会は17時で活動終了し熊本県薬へ戻る。 5/5:8時20分に集合し、9時からの自衛隊の救護所開始に備える。1名は 体育館に常駐し、お薬相談に対応。2名は広島県薬剤師会および熊本県 薬剤師会とともにモバイルファーマシーで調剤、投薬業務を行う。13時 までで調剤件数15件程度。13時にて活動終了し、嘉島町への応援は当グ ループで終了のため引き継ぎはなく、熊本県薬へ戻る。熊本県薬で報告 書を提出し、鹿児島へ戻る。 【派遣日程】 5 月 14 日(金)~5 月 16 日(日) 【報告者】 福岡県 松永 ゆかり 【メンバー】 小田 真稔,宮崎 寿,永山 雅健,角 咲貴子,杉本 奈緒美,玉城 和子, 喜納 みゆき,萩野 則子,松永 ゆかり 【派遣先】 益城総合体育館 【交通状況】 博多駅-熊本(九州新幹線)、熊本-南熊本(豊肥線)は通常より本数 は減っているが、遅れなどなし。南熊本より熊本県薬まで徒歩3分程度。 熊本県薬より益城総合体育館まで健軍過ぎより渋滞あり(1時間程度)、 益城に近づくにつれ、道路の凸凹ひどくなる。総合体育館に曲がる交差 点は信号が壊れ、警察の誘導(夜はなし)。益城総合体育館から菊池グ ランドホテルまでは渋滞がなければ30~40分程度。平日は通勤の渋滞が あり1時間程度かかる。 【ラ イ フ ラ イ ン】 電気○、水× 【活動内容】 ①日赤救護所での調剤業務 ②OTC相談業務 ③巡回 ④環境測定 3回(目安 9:00~9:30、15:00、19:30) 温度、湿度、二酸化炭素、粉塵、照度、騒音 ⑤館内アナウンス 3回(目安 9:00、12:00、19:00) 熱中症、食中毒、エコノミー症候群など ○14日 (晴れ、気温高く、テント内はかなり過酷) 11:00 熊本県薬剤師会集合だが、予定より早く集合のため順次、益城 総合体育館へ移動。 11:50 益城総合体育館到着。部署ごとに個別に業務引継ぎ 12:40 全体ミーティング 13:00 引継ぎを継続しながら、業務開始 ①調剤 1日の処方せん枚数46枚(引継ぎ後32枚) 風邪や下痢、けがなど、インフルエンザ疑い2名(陰性) ②OTC交付は6件 かゆみ止め、風邪薬、湿布、熱さまシート、OS-1など ③巡回 保健師に声をかけ一緒に回る ④環境測定 ⑤館内アナウンス ⑥その他 15日救護所移動のため、日赤より借りているカートの中の 薬をコンテナへ移動。過剰在庫や輸液を整理し、不要な分 を熊本県薬へ。本日から夜間の宿直をなくし、車の中へ医 薬品保管となるため、移動しやすいよう整理。 18:45 薬剤師ミーティング 情報を共有 20:45 業務終了 ○15日(晴れ、気温高い。移動後のテントは空調があるが、暑い。 夜雨となり冷えてくる) 9:00 薬剤師ミーティング。前日までは午後から救護所移動の予定で あったが、10:30から移動後のテントで診療を開始することと なり、間に合うようミーティング終了後よりすぐに移動開始。 10:30より診療開始。 益城総合体育館正面玄関右側へ移動。調剤部門とOTC相談部門を 同じテント内に並列して設置。 ①調剤 1日の処方せん枚数32枚 風邪、軟膏、湿布などの処方が中心 移動したためか少なめ ②OTC交付は13件 風邪薬、湿布、熱さまシート、OS-1など ③巡回 保健師に声をかけ一緒に回る ④環境測定 ⑤館内アナウンス ⑥その他 不動在庫の整理(在庫は少なくしていく) 小児用散剤の約束処方一覧を作成し、日赤チームへ交付 20:00 救護所の移動、夜は雨も降り始めたためか、延長診療はなく、 業務終了 ○16日(雨、気温低下) 9:15 薬剤師ミーティング。ミーティング後、業務開始。雨のため、 診療テントと調剤テントの間に、濡れずに移動できるようシー トを設置。 ①調剤 次班に引き継ぐまでの処方せん枚数4枚 (雨のため少ない)風邪などの処方 ②OTC交付は3件 湿布、熱さまシートなど ③巡回 保健師に声をかけ一緒に回る ④環境測定 ⑤館内アナウンス ⑥その他 医療用医薬品の整理。毎日業務終了後に車に移動させるため、 コンテナ、棚、医薬品リストに同じ番号をつけ、わかりやすい ようにする。コンテナには、医薬品リストを表示。 12:00ころより、順次、業務の引継ぎ。 14:00 薬剤師ミーティング後、帰路に着く。 *晴天の日と雨の日では寒暖の差があり、服装は調節できるようにして おく必要がある。 *飲料水・食品は、現地調達可能。 *救護所は、24日まで。縮小傾向にある。 【派遣日程】 5 月 18 日(水)~5 月 20 日(金) 【報告者】 福岡県 井手 純司 【メンバー】 中根 慎治,合田 博行,井手 純司 【活動内容】 ○18日 ・前班よりの引継ぎ 調剤,OTC,健康相談 環境測定(CO2,粉じん,照度,温度,湿度,騒音 館内放送 ・近隣医療機関・薬局の案内、避難者への情報伝達 ・医薬品。衛生用品等の管理・整理 ・環境測定…異常なし ※19日以降の業務変更ポイント 1)館内放送…定期的な放送を一旦休止 2)環境衛生測定…3回→2回/日へ変更 ※18日PM 調剤:20件,OTC:8件 ○19日 ・調剤用医薬品在庫管理 ・環境測定 ・調剤業務、OTC業務 ・熱中症への注意喚起 ・近隣医療機関の復旧について避難者へ周知 ・施設内の備品整理 ※20日よりの変更ポイント ・診療時間 10:30~20:00 → 10:30~17:00 ・施設の会議は本日までで終了 ※調剤:AM・6件、PM・15件 OTC:AM・1件、PM・2件 ○20日 ・調剤業務,OTC業務,環境測定→次班への引継準備 ・近隣医療機関・薬局の復旧状況の周知 ※調剤:AM・1件、PM・1件 【派遣日程】 5 月 20 日(金)~5 月 22 日(日) 【報告者】 福岡県 中山 久美子 【メンバー】 川口 由美子,山下 準,中山 久美子 【派遣先】 益城町 【活動内容】 初日と二日目は、患者数も少なかったため、テント内の整理や、医薬 品と物資の分別、オリコン内の整理、品目の管理等。 三日目は、日曜日のため、患者数増加し、対応と引継ぎ。 [5/21(土)17 時:日赤・JMAT・薬剤師会会議決定事項] 24 日:日赤撤退が確定→総合体育館にある請負派遣薬剤師活動用テン トも同時撤退。 24~29 日まで JMAT が対応:発行される処方箋は、地域薬剤師会の臨 番制で対応。 (現地では周辺地域巡回シャトルバスが運行されているが、 適応出来ない患者へ薬のお渡しを行うために、テント撤去跡地に移動式 トレーラーハウスを設営する等の取組を開始。 ) 【派遣日程】 5 月 22 日(日)~5 月 24 日(火) 【報告者】 福岡県 【メンバー】 田中 孝洋,井ノ上 徹,吉永 裕助 【派遣先】 益城町体育館(日赤救護所テント) 吉永 裕助 【ラ イ フ ラ イ ン】 電気○ 水道× ガス×? 現地でのライフラインの状況は派遣先では把握できない。 日赤救護所テントでは自家発電により電気は使用可能 【活動内容】 ○22 日 8:26 JR 行橋駅発 10:24 南熊本到着 電車遅延なし 熊本県薬剤師会館にてチーム顔合わせ、現地までの移動方法、 概要について説明 チームメンバーと合流 11:00 熊本県薬剤師会館出発 12:00 益城町体育館到着(途中渋滞あり) ~13:00 業務引き継ぎ ムカデ咬傷後蕁麻疹アナフィラキシー疑いの患者対応 医師よりボスミン注、ステロイド注の在庫確認があるが在庫 なし。 益城町保険福祉センターへ移動しアナフィラキシー対応とし て薬剤調達(エピペン 0.3mg) 16:00 熊本県薬剤師会より伝達。 23 日よりすべての近隣病院が診療再開予定。 避難所の医療ミーティング、益城町医療全体会議、施設本部 会議(YMCA 本部内)は終了。 環境測定は 22 日で終了。 17:20 日赤診察終了 後片付け 17:30 撤収 処方せん 21 枚 、OTC 対応 5 名 18:30 菊池グランドホテル到着 ○23 日 7:30 菊池グランドホテル出発 8:50 益城総合体育館到着、業務開始 9:00 YMCA(ボランティア団体)より環境測定時に熱中症注意喚起を 行うよう依頼があった。行政と相談し環境測定終了している ため、依頼は断ることとした。 10:00 近隣クリニック診療再開に伴い、処方日数を 2~3 日として いただくように日赤医療チームに依頼し了承された。 12:00 アストミン錠、芍薬甘草湯不足、益城町保福祉センターへ薬 剤調達。 16:00 益城町保福祉センターへ OS-1補水液、OS-1 ゼリー配達。 17:40 日赤診察終了 処方せん 27 枚 17:50 撤収 近隣クリニックの診察は再開となったが、利便性などの理由 で日赤診療所を繰り返し利用される被災者がおられた。 咳、咽頭不快感で受診される被災者が多かった。 ○24 日 7:30 菊池グランドホテル出発 8:50 益城総合体育館到着、業務開始 熊本県薬剤会より、避難所内の医薬品の仕分けについて説明が あった。 支援物資の中には様々な医薬品があり、看護師や保健師が個々 に対応している状態である。 熊本県薬剤師会で避難所を巡回し医薬品の整理を行っている。 11:00~ テント村、ミナテラス巡回 モーラステープ、ロキソプロフェンテープなどの処方箋医 薬品が支援物資の中に紛れていた。 エンシュアも栄養補給用として配布されていた。 医薬品を仕分けし避難所の担当者に説明実施した。 12:00 次班到着、引き継ぎ 13:00 本日で日赤診療終了のため、不要な備品の片づけ 14:00 業務終了 15:00 熊本県薬剤師会館到着 17:00 行橋駅到着
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