ふくしま景気ウォッチャー調査

平成 28 年 5 月 26 日
報道機関各位
一般財団法人 とうほう地域総合研究所
理事長 阿部 隆彦
第 5 回「ふくしま景気ウォッチャー調査」アンケート結果について
当研究所では、街角の景況感調査として、標記アンケートを 4 月に実施しました。内閣府の景気ウォ
ッチャー調査では、県別の数値が公表されていないことから、同調査の「福島県版」として当研究所で
独自に実施しているものです。本調査では、回答対象者を一般消費者に身近に接している小売や飲食な
どの「家計動向関連」に限定しています。
今般、調査結果をとりまとめましたのでお知らせします。本調査は平成 26 年 6 月に開始し、以降、4
月と 10 月の年 2 回実施しております。
なお、詳細は当研究所機関誌「福島の進路」6 月号(5 月 27 日発行)に掲載するとともに当研究所ホー
ムページでも公表いたします。
1.消費動向
ウォッチャー(アンケート調査回答者)が日々の仕事を通じて接している顧客の様子から把握でき
る消費動向(購買状況)について尋ねた。
(1)消費動向の現状判断(半年前と比較した現在)
小売関連が前回調査比低下し、3 期ぶりに下降局面と判断された。
・消費動向の現状判断指数は 44.4(前回調査比△2.8 ㌽)であり、横ばいを示す 50 を下回った(図表 1)
。
・前回調査に比べ、
「良くなった」または「やや良くなった」とプラス判断したウォッチャーの割合が前
回調査比 6.7 ㌽減少するなど、消費が下向いていると判断されている(図表 2)
。
◇業種別
・飲食関連、住宅関連の 2 業種が 50 を上回り上昇局面と判断されたが、今回調査では小売関連 45.1(前
回調査比△6.5 ㌽)が 50 を下回り 3 期ぶりに下降局面と判断された(図表 1)
。
・プラス判断した理由としては、いずれの業種も「来店客数の増加」が 5 割を超え(複数回答)多かっ
たが、住宅関連では消費税引き上げに備えた動きから、「消費税等の税制変更影響」も多くみられた。
図表2
図表1 消費動向の現状判断指数(DI) 業種別
前々回調査(H27年4月)
前回調査(H27年10月)
良くなった
今回調査(H28年4月)
半年前と比較した現在の消費動向
やや良くなった
変わらない
回答構成比
やや悪くなった
悪くなった
80
0%
70
60
50
51.5
47.2
44.4
57.4
51.6
45.1
56.2
52.2
48.0
40
30
20
前
々
回
調
査
前
回
調
査
41.9 43.6
36.5
48.2 50.1
41.1
前回調査
(H27年10月)
今
回
調
査
1.6%
10
今回調査
0.9%
(H28年4月)
0
全体
小売関連
飲食関連
サービス関連
10%
20%
良くなった
前々回調査 4.1% やや良くなっ
(H27年4月)
た 25.2%
住宅関連
1
23.2%
17.2%
30%
40%
50%
60%
変わらない
49.6%
43.2%
48.3%
70%
80%
90%
100%
悪くなった
6.5%
14.6%
やや悪くなっ
5.6%
た 26.4%
25.9%
7.8%
(2)消費動向の先行き判断(現在と比較した半年後)
現状判断よりもさらに厳しいものと判断された。
・消費動向の先行き判断指数は 41.2(前回調査比△3.0 ㌽)であり、前回同様に全業種が横ばいを示す
50 を下回り、また、サービス関連を除き現状判断の判断指数を下回った(図表 3)。
・
「悪くなる」
「やや悪くなる」とマイナス判断したウォッチャーが半数近くを占めた(図表 4)
。
◇業種別
・サービス関連 45.8(同+8.6 ㌽)を除き、前回調査に比べ下降しており、中でも、小売関連 38.6(同△
10.8 ㌽)が大きく下降した(図表 3)。
・小売関連ではマイナス判断した理由について、
「顧客単価の減少」(52.2%)が最も多くあげられてお
り(複数回答)
、消費者の節約志向を懸念して、消費の先行きを慎重に判断している。
図表4
図表3 消費動向の先行き判断指数(DI) 業種別
前々回調査(H27年4月)
前回調査(H27年10月)
現在と比較した半年後の消費動向
良くなる
今回調査(H28年4月)
0%
80
10%
やや良くなる
20%
30%
変わらない
40%
良くなる
0.0% やや良くなる
前々回調査
70
60
49.8
44.2
41.2
50
40
前
々
回
調
査
30
20
52.7
(H27年4月)
51.0
49.4
46.0
40.9
38.6
50%
60%
悪くなる
70%
変わらない
48.0%
27.6%
80%
14.4%
51.2%
24.8%
今
回
調
査
10
今回調査
1.7%11.2%
(H28年4月)
90%
100%
やや悪くなる
4.1%
20.3%
47.3 45.8 44.7
42.8
38.5
37.2
前回調査
(H27年10月)1.6%
前
回
調
査
回答構成比
やや悪くなる
41.4%
悪くなる
8.0%
41.4%
4.3%
0
全体
小売関連
飲食関連
サービス関連
住宅関連
2.景気動向
ウォッチャー自身の身の回りの景気(経済情勢)について尋ねた。
(1)景気動向の現状判断(半年前と比較した現在)
前回調査に引き続き、下降局面にあると判断された。
・景気動向の現状判断指数は 41.8(前回調査比△0.2 ㌽)であり、横ばいを示す 50 を下回り、下降局面
と判断された(図表 5)
。
・今回調査では、
「良くなった」と回答したウォッチャー数がいなかった(図表 6)
。
◇業種別
・小売関連が 40.7(同△6.6 ㌽)と悪化する一方、住宅関連は 50.0(同+14.3 ㌽)となり、景気動向が
横ばいと判断された(図表 5)
。
図表5
図表6 半年前と比較した現在の景気動向 回答構成比
景気動向の現状判断指数(DI)業種別
前々回調査(H27年4月)
前回調査(H27年10月)
良くなった
今回調査(H28年4月)
やや良くなった
変わらない
やや悪くなった
悪くなった
80
0%
60
50
40
前々回調査
(H27年4月)
53.5
52.7
50.0
48.6
47.3
45.9 44.4 43.3
42.041.8
41.7
40.7
38.6
36.0
35.7
10
20%
30%
40%
前
々
回
調
査
前
回
調
査
今
回
調
査
0.8%
8.8%
53.6%
0.0%
12.1%
49.1%
今回調査
(H28年4月)
0
全体
小売関連
飲食関連
サービス関連
住宅関連
2
50%
60%
変わらない
52.0%
やや良くなった
23.6%
前回調査
(H27年10月)
30
20
10%
良くなった
0.0%
70
70%
80%
90%
100%
やや悪くなった
4.9%
19.5%
31.2%
32.8%
悪くなった
5.6%
6.0%
(2)景気動向の先行き判断(現在と比較した半年後)
マイナス判断したウォッチャーが半数近くを占め、前回調査に比べやや悪化した。
・景気動向の先行き判断指数は 40.7(前回調査比△1.3 ㌽)であり、横ばいを示す 50 を下回り、下降局
面であると判断された(図表 7)
。
・
「悪くなる」または「やや悪くなる」とマイナス判断した割合が合わせて 46.9%(同+10.1 ㌽)と半
数近くを占めた(図表 8)
。
◇業種別
・いずれの業種も 50 を下回り、下降局面であると判断された。特に、小売関連 35.9(同△11.4 ㌽)で
マイナス判断するウォッチャーの割合が多かった(図表 7)
。
図表7
景気動向の先行き判断指数(DI)
前々回調査(H27年4月)
前回調査(H27年10月)
図表8 現在と比較した半年後の景気動向 回答構成比
業種別
良くなる
今回調査(H28年4月)
80
0%
60
40
30
20
20%
30%
変わらない
40%
やや悪くなる
50%
60%
悪くなる
70%
80%
90%
100%
良くなる 0.0%
70
50
10%
やや良くなる
48.3
42.0
40.7
前
々
回
調
査
前
回
調
査
53.7
47.3
35.9
前々回調査
(H27年4月)
47.6
43.8
36.0
46.2 43.8
45.1
41.041.9
37.5
やや良くなる
25.6%
前回調査 0.8%
10.4%
(H27年10月)
今
回
調
査
今回調査 0.0%
13.3%
(H28年4月)
10
変わらない
47.9%
52.0%
39.8%
やや悪くなる
5.8%
20.7%
29.6%
43.4%
0
全体
小売関連
飲食関連
サービス関連
住宅関連
3.地域別の消費・景気動向
前回調査に比べて、多くの地域で消費動向・景気動向の現状・先行き指数が悪化した。
◇消費動向現状判断
県南 51.9(前回調査比+7.2 ㌽)のみが 50 を上回っており、前回調査でふくしまDC効果から改善し
ていた会津・南会津 34.5(同△15.5 ㌽)は今回調査で大きく低下した(図表 9)
。
◇消費動向先行き判断
全ての地域が 50 を下回っており、最も高い会津・南会津 42.9(前回調査比+2.0 ㌽)と相双 42.9(同
△11.3 ㌽)を含め、いずれの地域とも 40 前半の低い水準となっている(図表 9)
。
◇景気動向現状判断
最も高い県南でも 46.2(前回調査比+8.7 ㌽)といずれも 50 を下回っており、中でも、会津・南会津
33.4(同△11.4 ㌽)は、
「悪くなった」
「やや悪くなった」とマイナス判断しているウォッチャーが半
数を超えた(図表 9)
。
◇景気動向先行き判断
最も高い県南でも 44.2(前回調査比+8.5 ㌽)にとどまっており、全地域で 50 を下回り下降局面にな
ると判断された(図表 9)
。
3
悪くなる
7.2%
3.5%
図表9 地域別の消費動向・景気動向判断指数(DI)
県北
前回調査
80
60
45.4 44.6
今回調査
45.4
40.2
43.2 40.2
40
20
前
回
調
査
46.2
38.9
今
回
調
査
60
消費動向
現状
消費動向
先行き
会津・南会津
80
60
40
前回調査
80
50.0
34.5
40.9 42.9
景気動向
現状
景気動向
先行き
44.8
33.4
60
38.2 35.7
20
50.8
景気動向
現状
50.0
42.9
消費動向
先行き
景気動向
現状
景気動向
先行き
46.7
41.6
42.8 45.4
42.7 42.3
40
0
消費動向
先行き
50.1
42.9
0
消費動向
現状
47.2
54.2
42.9
40
今回調査
いわき
前回調査
20
消費動向
現状
58.3
46.4
20
県中
今回調査
消費動向
現状
消費動向
先行き
景気動向
現状
景気動向
先行き
60
40.9
45.0
44.3
40
県南
前回調査
40.0 37.5
45.0
39.8 43.4
20
今回調査
80
60
今回調査
80
0
景気動向
先行き
今回調査
80
0
前回調査
相双
前回調査
0
51.9
44.7
40
35.7
40.4
46.2
37.5
44.2
35.7
消費動向
現状
消費動向
先行き
景気動向
現状
景気動向
先行き
20
0
消費動向
現状
消費動向
先行き
景気動向
現状
景気動向
先行き
4.まとめ
◇平成 28 年 4 月実施の内閣府の景気ウォッチャー調査の家計動向関連についてみると、景気の現状判断
DI※(判断指数 Diffusion Index)は 42.2(前月比△2.1 ㌽)、景気の先行き判断 DI が 45.3(同△1.1
㌽)と発表された。比較する時期が内閣府と当研究所で異なっているものの、当研究所調査では現状
判断 DI が 44.4、先行き判断 DI が 41.2 であり、県内の景気判断が全国同様に横ばいを示す 50 を下回
り下降局面にあることがわかった。
◇本県の消費動向と景気動向に対するウォッチャーの判断について、ふくしまDCによるイベント効
果の反動減、除染や被災者の住宅取得などの復興需要に減速感がみられたこともあって、前回調査に
比べて判断指数が悪化した。プラス判断やマイナス判断とした理由としては、共に来店客数の増減を
あげるウォッチャーが多く、減少理由としては復興需要の一段落や除染関連従事者の減少などがみら
れた。今後いかに来客を増やすかがカギとなっており、アフターDCなどのイベント効果による交流
人口の増加や地域クーポン券発行などでの消費喚起策が求められている。また、来年 4 月に予定され
る消費増税に向けた動きも「住宅関連」を中心に出てくるものとみられている。
◇代表的な業種をみると、消費判断現状指数はコンビニ 44.7(前回調査比△17.9 ㌽)
、旅館・ホテル 34.7
(同△13.7 ㌽)
、タクシー34.1(同△3.4 ㌽)となった。前回調査において高水準であったコンビニの
判断 DI が大きく低下した。
※DI(Diffusion Index)…本調査では、現在と比較した半年前または半年後の方向性を点数化し、50 を上回れば上昇局
面、50 を下回れば下降局面と判断している(P5 の 5 番の判断指数の算出方法を参照)
。
4
○調査要領
1.調査対象者
県内の景気の動きを実態面から敏感に観察できる立場の方145名
2.回収状況
有効回答数
118 件
回答者の業種・地域は6・7のとおり
回収率
81.4 %
3.調査時期
平成28年4月実施
(年2回、4月と10月に実施)
4.調査内容
(1) 半年前と比較した現在の消費動向
(2) (1)の判断理由
(3) 現在と比較した半年後の消費動向
(4) (3)の判断理由
(5) 半年前と比較した現在の景気動向
(6) 現在と比較した半年後の景気動向
※(1)、(3)、(5)、(6)は5段階評価による回答とする。
※ここでは、消費動向は日々の仕事を通じて接する顧客の様子から把握できる購買状況、
景気動向は回答者の身の回りの経済情勢のことを指す。 5.判断指数(DI値)の算出方法
5段階の回答区分に、それぞれ下図のとおり点数を与え、それらに各回答区分の構成比(%)を乗じて
DI値(Diffusion Index)を算出する。
DI値は50を判断の目安としており、50を上回っていれば上昇局面、50を下回っていれば下降局面
と判断する。
良くなった
やや良くなった
やや悪くなった
悪くなった
回答区分
変わらない
やや良くなる
やや悪くなる
良くなる
悪くなる
点数
+1
+0.75
+0.5
+0.25
0
6.調査回答者の所属分野・業種
分
野
調査対象者の代表的な業種
小売関連 (47名)
一般小売店 スーパーマーケット コンビニエンスストア など
飲食関連 (23名)
料理店 酒場 など
サービス関連 (35名)
旅館・ホテル タクシー 娯楽業 理美容業 など
住宅関連(13名)
住宅・不動産販売
7. 対象地域の区分
地
域
(調査回答者数)
県北(30名)
県中(27名)
県南(13名)
会津・南会津(21名)
相双(7名)
いわき(20名)
市 郡 名
福島市、二本松市、伊達市、本宮市、伊達郡、安達郡
郡山市、須賀川市、田村市、岩瀬郡、石川郡、田村郡
白河市、西白河郡、東白川郡
会津若松市、喜多方市、耶麻郡、河沼郡、大沼郡、南会津郡
南相馬市、相馬市、双葉郡、相馬郡
いわき市
本件に関する質問・お問い合わせ先
担当:高橋
TEL
5
024-523-3171