資料1 下請等中小企業の取引条件の改善 に関する調査の概要 (1)大企業向け書面調査(対象:16,331社、回答:7,062社[44.1%]) (2)中小企業向けweb調査(対象:9,406社、回答:3,857社[41.0%] (3)下請中小企業に対する聞き取り調査(対象:191社[経産省分]) 平成28年5月 中小企業庁 業績改善と経営課題への取組 (1)大企業向け書面調査 業績が改善した場合、どの分野に資金を投じたかという質問について、「国内の設備投資の増加」 が44.2%で最多で、「現預金の増加」の32.2%、「従業員の賃金引き上げ」31.2%、「有利子 負債の削減」の28.8%が続いている。【上位3つまで選択回答】 (経常利益、利益剰余金の増加による)資金の使途 1 (1)大企業向け書面調査 政労使合意の認知度 全体では42.2%が「知っている」、57.8%が「知らない」と回答。日本経済団体連合会の企業会 員である企業では74.7%が「知っている」と回答。 政労使合意の認知度 (政労使合意) 知っている (政労使合意) 知らない 全体 42.2% 57.8% 日本経済団体連合会 [企業]会員 74.7% 25.3% 日本経済団体連合会 [団体]会員 60.0% 40.0% 商工会議所(日本商工会議 所)会員 41.0% 59.0% 2 政労使合意を踏まえた取組状況 (1)大企業向け書面調査 政労使合意を「知っている」と答えた企業のうち、67.8%が取引価格を引き上げた一方、21.9% は取組を行わなかった。 70.3%が「原材料価格の高騰」を価格引き上げにおいて考慮。「労務費の上昇分」および「燃料 費の高騰」は40%程度。「電気料金の高騰」は20%程度に留まる。 取引先企業の仕入れ価格の上昇等を踏まえた 価格転嫁や支援・協力の状況 取引価格引き上げで考慮した項目 3 取引先企業の取引適正化への取組の把握状況 (1)大企業向け書面調査 「一次取引先の取組まで把握」が46.1%で最も多い。次いで、「把握していない(自社のみ把 握)」が35.3%であった。 取引実態の把握 「把握していない(自社のみ把握)」 35.3% 「一次取引先の取組まで把握」 46.1% 「四次取引先の取組まで把握」 1.3% 「三次取引先の取組まで把握」 1.9% 「二次取引先の取組まで把握」 15.4% 4 原材料・エネルギーコスト転嫁の状況 (2)中小企業向けweb調査 原材料・エネルギーコストの価格転嫁が必要な状況にあった企業は36.6%。繊維産業、 印刷業は50%超の企業が「必要な状況にあった」と回答。 価格転嫁が必要な状況にあった企業のうち、価格転嫁ができなかった企業は30.2%。 全ての業種において、20%を超える企業が「価格転嫁できなかった」と回答。 原材料・エネルギーコストの取引価格への転嫁の必要有無 0% 20% 40% 60% 80%100% 13.2 50.2 36.6 全体 13.3 49.7 37.0 建設業 11.6 45.7 42.7 建材、住宅設備産業 29.0 10.8 60.2 繊維産業 11.3 39.6 49.1 紙・紙加工品産業 41.8 7.5 50.7 印刷業 10.3 43.6 46.2 化学産業 15.5 58.2 鉄鋼産業 26.4 7.7 46.2 46.2 素形材産業 7.0 54.5 産業機械・航空機等… 38.5 9.6 62.1 28.3 自動車産業 11.4 63.6 情報通信機器産業 25.0 0.0 100.0 放送コンテンツ産業 0.0 9.9 81.7 情報サービス・ソフトウェア…8.5 20.0 60.0 アニメーション制作業 20.0 8.3 68.8 広告産業 22.9 6.7 61.1 32.2 トラック運送業 39.9 11.4 48.7 流通業 18.3 46.9 34.8 その他 必要な状況にあった 必要な状況になかった 原材料・エネルギーコストの取引価格への転嫁の状況 0% 20% 40% 60% 80%100% 46.7 30.2 全体 23.2 24.9 45.6 29.5 建設業 25.9 50.6 23.5 建材、住宅設備産業 17.9 55.4 26.8 繊維産業 46.2 紙・紙加工品産業 15.4 38.5 47.1 41.2 印刷業 11.8 30.6 45.8 23.6 化学産業 27.6 51.7 20.7 鉄鋼産業 25.0 41.7 33.3 素形材産業 55.6 30.3 産業機械・航空機等産業 14.1 24.2 41.9 33.9 自動車産業 59.1 情報通信機器産業 13.6 27.3 0.0 放送コンテンツ産業 50.0 情報サービス・ソフトウェア産業 8.3 41.7 100.0 アニメーション制作業 0.0 45.5 45.5 広告産業 9.1 44.8 37.9 トラック運送業 17.2 25.3 48.1 26.6 流通業 24.8 45.5 29.6 その他 原材料・エネルギーコストの影響は、概ね転嫁できた 原材料・エネルギーコストの影響は、一部転嫁できた 原材料・エネルギーコスト増加の影響は、転嫁できなかった 5 取引単価の決定に関する交渉活動 (2)中小企業向けweb調査 建設業、紙・紙加工品産業、自動車産業では10.0%超の企業で発注側からの指値提 示があったと回答。 鉄鋼産業、自動車産業、産業機械・航空機等産業では、一年前(26年11月)と比較 し、「単価が引き下げられた」と回答した企業が25%以上。 取引単価の決定について発注側との交渉内容 0% 20% 全体 7.0 22.2 28.6 建設業 10.3 23.1 建材、住宅設備産業 9.5 繊維産業 7.5 18.3 紙・紙加工品産業 11.3 17.0 34.3 印刷業 7.5 19.9 6.4 化学産業 鉄鋼産業 4.5 20.9 素形材産業 0.0 25.0 31.9 産業機械・航空機等産業 5.8 23.7 自動車産業 11.0 情報通信機器産業 3.4 18.2 10.010.0 放送コンテンツ産業 0.0 情報サービス・ソフトウェア産業 3.5 23.9 アニメーション制作業 0.0 20.0 0.0 22.9 広告産業 8.3 20.0 6.7 トラック運送業 流通業 2.5 16.5 その他 6.2 17.5 40% 60% 80% 取引単価の一年前の水準との変化 100% 9.7 25.0 36.1 18.4 8.3 34.5 7.5 24.1 35.7 6.5 24.7 43.0 20.8 3.8 47.2 6.0 26.9 25.4 22.4 4.5 46.8 20.0 9.1 45.5 15.41.9 57.7 17.1 4.7 40.5 5.0 27.4 32.9 5.7 26.1 46.6 10.0 70.0 5.6 32.4 34.5 20.0 60.0 8.3 39.6 20.8 2.2 32.2 38.9 8.2 27.5 45.3 16.5 28.6 31.1 発注側から指値の提示があった 発注側から見積合わせの依頼があり、見積もりを提示した 発注側との間で取引価格について交渉、協議を行った 発注側との間で価格決定に関する動きはなかった 0% 20% 40% 60% 80% 100% 16.0 14.0 42.6 27.4 全体 11.6 13.9 42.2 32.2 建設業 14.1 11.6 37.7 36.7 建材、住宅設備産業 6.57.5 39.8 46.2 繊維産業 18.9 3.8 39.6 37.7 紙・紙加工品産業 19.4 6.0 59.7 印刷業 14.9 23.7 7.7 39.7 28.8 化学産業 18.2 31.8 33.6 16.4 鉄鋼産業 9.6 21.2 36.5 32.7 素形材産業 25.3 10.5 43.2 21.0 産業機械・航空機等産業 28.3 7.3 48.4 自動車産業 16.0 22.7 14.8 44.3 18.2 情報通信機器産業 20.0 10.0 70.0 放送コンテンツ産業 0.0 10.67.7 62.7 19.0 情報サービス・ソフトウェア産業 20.00.0 60.0 20.0 アニメーション制作業 22.9 12.5 54.2 広告産業 10.4 12.23.3 58.9 25.6 トラック運送業 10.8 10.1 38.9 40.2 流通業 20.9 14.3 39.8 25.0 その他 単価が引き上げられた 単価は据え置きとなった・価格決定に関する動きがなかった 単価は引き下げられた 6 (2)中小企業向けweb調査 収益改善した場合の対応 取引単価の引き上げにより収益が改善した場合、「従業員の賃金を引き上げる」と回答 した企業は、全体の71.6%。老朽設備更新や生産性向上のための投資、内部留保に まわすとした企業は35.0%を超える。 収益が改善した場合の経営課題への資金投資の内容 0% 20% 40% 設備や技術開発への投資(老朽設備の更新) 100% 35.1 従業員の賃金の引上げ 71.6 債務の返済 30.5 内部留保 未定 80% 41.3 設備や技術開発への投資(生産性向上) その他 60% 36.3 2.3 3.8 7 (3)下請中小企業に対する聞き取り調査 下請中小企業に対する聞き取り調査における主な声 (経済産業省、製造業等) 調査実施数:191社実施(うち三次下請以下が67社) 主な声 ①合理的な説明のない原価低減要請を受ける(一律○%の削減等) ②人件費・労務費、電気料金、原材料価格などの高騰分を転嫁できない ③補給品、サービスパーツを量産時と同じ価格で製作させられる ④型の保管や廃棄に関し、発注側大企業が費用を負担しない ⑤大量発注を前提とした見積もり単価を用いて、実際には少量の取引しかない ⑥内製化や他社発注を前提とした工程開示を要求される 8
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